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ものづくり生態図鑑 #04 粘土作家・フジイカクホ
【分類】
ものづくり科 アート属 粘土種
【生そく地】
ホームセンター 資材館コーナー
【特ちょう】
樹脂粘土をつかって いろんなものを つくるのが とくい。5mmのネコなど、とてもちいさなものでも つくれる 器用なゆびと 集中力を もっている。
SNSで話題になった「粘土ミニチュア 5mmシリーズ」
──フジイさんのお仕事である「粘土作家、立体イラストレーター」とは、どんなお仕事なのでしょうか?
令和2年度発行算数教科書『新しい算数』(東京書籍株式会社)中面扉ビジュアル 撮影:大畑俊男
──粘土作品をつくりはじめたきっかけは何ですか?
フジイカクホ
工芸大学時代の課題で、粘土を使ったのがきっかけです。立体物を使ったポスターをつくりたくて、たまたま雑貨店で見つけた樹脂粘土をさわってみたら、すごくつくりやすいなと感じたんです。僕が使っている樹脂粘土は、風合いは紙粘土に似ていますが、紙粘土よりもきめ細かくてのびが良く、細くしても折れにくい強度を持っています。細かい表現ができるのでいいなと思いました。
フジイカクホ
実は僕、デッサンを学ぶ機会がないまま工芸大学に入ったので、周りの学生に比べると手描きの表現は下手なほうでした。中学生時代も、美術より技術(木工や金工)のほうが成績が良かったぐらいで。布や木など、いろんな素材で立体をつくることのほうが好きでしたね。
フジイカクホ
樹脂粘土は色を塗るのではなく、粘土を混ぜ込んで色をつくるのですが、発色がとてもきれいなんです。そこから、学校の課題以外でもなにかつくりたいと思い、自主的に樹脂粘土作品をつくりはじめました。
──SNSで話題の5mmの粘土ミニチュアシリーズは、どのような経緯で制作されたのでしょう?
フジイカクホ
どこまで小さくできるのだろう、という単純な挑戦から始まりました。やってみると、5mmまで小さくできてしまって。
フジイカクホ
5mmという制約を自分で設けたことで、デフォルメの勉強になることがたくさんありました。限られた中で、モチーフのどの要素を残し、どこを削るのか──。誰もが知っている動物の場合は、要点を押さえれば自由にデザインできますが、特殊な動物になればなるほど、押さえるポイントが増えて難しくなりますね。
──粘土作品の魅力は、どんなところにありますか?
フジイカクホ
実際に手で触ってつくるものだからこそ、味があるのではないかと思っています。僕はふだん、指紋がつかないように注意して制作しているのですが、あまりにもきれいにしすぎるとCGだと思われてしまうこともあるようで……。制作内容によっては「あまりきれいにしすぎないでください」とお願いされることもあります(笑)。
──制作していて楽しいところはどこですか?
フジイカクホ
最終的にカタチになっていく工程が一番楽しいですね。僕の制作の9割は、粘土を練って色とパーツを必要量そろえるという地味な作業ですが、最後の1割でやっとカタチが見えてくる。その瞬間がとても楽しいです。
実際の制作で使用する道具の一部。つまようじ、ボンド、綿棒、ラップ、耐水ペーパーなど
フジイカクホ
樹脂粘土を使って、さまざまな立体物、ジオラマなどをつくっています。立体イラストレーターとしては、粘土でつくった立体物を写真に撮って、本やポスターなどに挿絵として使ってもらっています。平面のイラストを描くのと違い、写真撮影の工程が入るのが特殊なところですね。