栽培時期

通年を通して栽培されるラディッシュ。気温でいうと、18℃〜25℃が栽培に適した気温で、夏場が20日前後、冬場が40日前後、生育にかかります。

二十日大根と呼ばれるほど生育が早いラディッシュは、環境の影響を受けやすいです。天気予報で外気が35℃になるとハウスの中はゆうに40℃を超えてしまうので、近年は夏場の栽培が難しくなっているといいます。

富永光昭さんのプロフィール

富永さん

年間で5〜6回転で畑を回していますが、元々が涼しい気候を好む野菜なので、近年の猛暑では発芽しなかったり、うまく育たなかったりと夏場が難しいです。家庭で作るなら、気候が穏やかな春（3～5月）か、秋（9～11月）に種をまくのが一番失敗が少ないです

ラディッシュ畑

栽培方法

畑の準備・土作り・追肥

植え付けの2週間ほど前に苦土石灰をまいてよく耕し、土壌の酸度を調整します（pHの目安は6.0〜6.5）。1週間前になったら、堆肥や元肥を施し、よく耕します。

日照が足りないときに光合成不足になると、葉っぱの色がうすくなるので、その時は追肥をします。

富永光昭さんのプロフィール

富永さん

プランターでやる場合は、市販の野菜用培養土を使えば手軽です。私どもも場合は、出荷用に見た目が綺麗なラディッシュを作らないといけないので、追肥する場合もありますが、家庭では基本的に追肥は無くて大丈夫です

カインズの培養土

プランターの土 25L H

カインズのプランター

グレインプランター 500 ブラック

種まき・間引き

ラディッシュの種まきは、畑やプランターに「すじまき」と言って、深さ1cmほどの溝をつけ、そこに種をまいていきます。一般的に多いのが、５cmで蒔いて、生育具合を見て間引きをするというものです。

間引きしたラディッシュは、ベビーリーフとしても美味しく食べられます。

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富永さん

一般的に5㎝と言われますが、らでぃっしゅ屋の場合は、7cm間隔で蒔いて間引きをしないというやり方です。5cmでも育ちますが、特に夏場は葉が込み合って風通しが悪くなります。7cmあれば、お互いが邪魔せずにのびのび育ってくれます。また、夏に蒔く場合は、日中の種まきは避けて、涼しくなる夕方にまくと、種が焼けずに発芽率が上がります

株間を7cmあける

カインズで売ってるラディッシュの種

ハツカダイコンさくらんぼ

水やり

ラディッシュは、生育ステージによって水やりが変わります。種まきから発芽までは、土が乾かないように、たっぷり水を与えます。その後、発芽したら水の量を半分に減らします。最後に、実がふくらみ始めたらさらに半分に減らします。

タイミングは、1日1回、午前中にしてあげましょう。

富永光昭さんのプロフィール

富永さん

家庭菜園の方から一番よく聞かれるのが『ラディッシュが割れちゃうんだけど』という質問。答えは決まって『水のやりすぎ』です。特に収穫前に水をたっぷりあげると、急激に実が吸水して、成長スピードに皮が追いつかずにパカッと割れてしまいます。実がふくらみ始めたら、水は控えめにするのが鉄則です

ラディッシュの赤ちゃん

連作障害について

栽培時期が短いラディッシュですが、連作障害もあります。アブラナ科になるので、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、大根といった作物には気をつけてください。

らでぃっしゅ屋では、年一回土壌消毒をしながら栽培しているといいます。家庭菜園でしたら、場所を変える方が無難でしょう。

病害虫対策

ラディッシュ栽培で多い虫は、アブラムシとコナガ。病気で多いのは、べと病になります。

栽培期間が短いので、病気は比較的出にくいですが、暖かい時期には虫は多く出ます。外で作るときは防虫ネットなどを使用するといいでしょう。

「虫対策として、なるべく農薬は使いたくないので、うちはキラキラ光る防虫テープなどを活用しています。病気で一番多い『べと病』は、病気に強い品種の種を選ぶことである程度は防げます。また、暖かい時期は株間を取ってあげて、風通りを良くしてあげてください」

収穫

収穫の目安となるのは、実が2〜3cmになった時です。ただ、土の中に埋まっていて分かりずらいので、暖かい時期なら20日前後、涼しい時期なら40日前後を基準に見極めてあげてください。

収穫が遅れてしまっても味は大きく変わらないので安心しましょう。ただ、収穫が遅れたところに水をたくさん上げると実が割れてしまうので気を付けてください。

富永光昭さんのプロフィール

富永さん

実は大きくなると色が鮮やかな赤から暗くなってきます。しかし、味は大きく変わらないので、家庭菜園なら好みのサイズで収穫するのが一番かと思います。私達は、味はもちろんですが『鮮やかな見た目の美しさ』も大事にしているので、一番赤色が綺麗なタイミングで収穫するように心がけています

収穫間近のラディッシュ