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思い立ったらすぐ工作! 勝手に企業ノベルティを作る人・大村卓

聞いてみた

大村卓

大村卓

プロダクトデザイナー。 東京工業大学大学院修士課程修了。2009年、デザイン事務所「oodesign」を設立。日用品のプロダクトデザインや自社オリジナル製品の開発などに取り組んでいる。

「ものづくり生態図鑑」は、その名の通りさまざまな“ものづくり”をしている人たちを集めた生態図鑑です。ものづくりの楽しさや、そこに込められた思いを探ります。もしかしたら、あなたの身の周りにもいるかも?

ものづくり生態図鑑#05 大村 卓

ものづくり生態図鑑#05 大村 卓

ものづくり生態図鑑#05 大村 卓の特徴

ものづくり生態図鑑 #05 プロダクトデザイナー・大村卓

【分類】
ものづくり科 デザイン属 思いつき種

【生そく地】
ホームセンター 3Dプリンター付近

【特ちょう】
さまざまな素材を使い、企業のロゴマークや身の回りのものから着想を得た作品をつくるのがとくい。
勝手に企業ノベルティを作っていたら、多くの企業から声をかけられるようになった。

代表作は「水に浮く一輪挿し」「セミの翅のうちわ」「Adobeハンガー」

──「企業のノベルティを勝手に作る」や「思いつき工作・実験」など、さまざまな素材を使って自在に作品を制作する大村さん。特に、SNSで話題となった「企業のノベルティを勝手に作る」の代表作は何でしょうか。

大村卓アイコン

大村卓

「企業ノベルティを勝手に作る」活動は、あくまで本業と並行してやっている認識です。一番反響が大きかったのは、Adobe社のPDF作成ソフト「Acrobat」のマークをハンガーにした提案ですね。3Dプリンタで小さなモックを作ってツイートしました。

Acrobatのマークをハンガー

大村卓アイコン

大村卓

Twitterで思いがけずバズってしまい「みんなに見てもらえて嬉しい!」と思いつつも、勝手に作っていたので「中の人には気づかれませんように…!」と思ってました(笑)。そしたら案の定、見つかってしまい、アドビシステムズ株式会社(現アドビ株式会社)の方からお声がけいただいて、実際に使えるサイズで試作をさせてもらえることになりました。

実際に使えるサイズで試作

アドビ最大のイベントAdobe Max Japanでも展示

──すごい。ノベルティは本当にハンガーとして使える品なんですね。

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大村卓

そうなんです。Adobe公式のブログ内で『Adobeのノベルティを勝手に作ってたらAdobeから連絡が来た件』という連載も持たせてもらいました(笑)。

──企業ノベルティに限らず、ご自身の作品の中でもっとも反響があったものは何ですか?

大村卓アイコン

大村卓

日本だけでなく海外の方からも多くの反響をいただいたのは「Floating Vase / RIPPLE」でしょうか。これは、水に浮かべて使う波紋のような形をした一輪挿しで、花瓶がなくても手持ちの器に水を張れば生けられます。周囲のかすかな空気の流れでフワフワと動き、見え方を変えていきます。

水に浮く一輪挿し

──かわいい……。この作品が海外の方に発見されたきっかけは何だったのでしょう。

大村卓アイコン

大村卓

イタリアのデザインメディアである「designboom」に掲載されたのがきっかけです。いろいろな海外の雑誌やサイトに取り上げていただいたり、ニューヨークのMoMAで販売してもらったりしました。その後は国内からの問い合わせも多くなり、TVでも何度か紹介されました。

──作品がネットを通して、多くの人の手に渡ったんですね。

大村卓アイコン

大村卓

そうですね。セミの翅を模した「せみうちわ」も、最初は自分のために作っただけだったんですが、Twitterで大きな反響があり多くの方から「欲しい」と要望をいただいたので、急きょ作ることにしました。ほかの製品は工場に製造依頼を出したりもするんですが、このうちわはバズってから夏が終わるまで時間がなかったので、すべて自分の手作業で作りました。

せみうちわ

──「せみうちわ」は、どうやってつくられているのですか?

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大村卓

PET樹脂のシートを真空成形しています。卵のパックを作る方法と同じですね。翅の筋の部分は、UVプリンターで着色しています。なかなか大変な作業でした……(笑)。

誰もが知る形状を、別の視点で捉えてみる

Microsoftのふせん

Microsoftのふせん

──大村さんが作品作りを始めるきっかけはなんだったのでしょう。

大村卓アイコン

大村卓

普段は、企業と一緒に製品を開発する、プロダクトデザインの仕事をしているんです。この仕事は製品が発表されるまで、どんなものを作っているのか口外できない。その間、デザイナーとして発信できるものがあまりないんですよね。なので、作品の制作は個人として発信するものがほしくて始めたんです。

──発信する作品として、「企業のノベルティを勝手に作る」や「思いつき工作・実験」を選んだ理由は?

大村卓アイコン

大村卓

仕事できちんとしたデザインの製品を制作していると、その反動なのか、ゆるいアイデアとかをたくさん思いつくんです。最初は「こんなおかしい作品、デザイナーとして発信していいのかな」とも思ったんですが、そんな発想があるのも自分の個性だし、なかったことにするのももったいない。世の中には、いいストーリーでいい素材・技術を使った製品がたくさんあります。もちろん私も、そういう作り方もしていますが、そうじゃない作品にだって、また別の魅力があると思うんですよね。

 

2019年3月、渋谷にて展示「そのさきのかたち」が開催された

2019年3月、渋谷にて展示「そのさきのかたち」が開催された

──作品のアイデアは、どのような過程で生まれるのでしょうか。

大村卓アイコン

大村卓

「企業のノベルティを勝手に作る」は、平面形状を立体物に読み替えて、そこに何か機能を持たせられないかと考えたことがきっかけです。有名企業のロゴであれば多くの人が知っているし、題材としてちょうどよいかな、と。それを、企業ノベルティの提案という体で発信し始めました。

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