リンクをコピーしました

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • もっと見る

カインズ古墳発掘!? 粘土から採取するハニワづくり体験

クリエイター

山内崇嗣

山内崇嗣

土偶や土器をつくる男

土器や土偶はユニークなのだ

山内崇嗣さん作品のハニワ

こんにちは、山内崇嗣です。自分は、土器や土偶を作りつつ、それらを通じて現代の美術や暮らしを考えています。今回ご紹介する土器づくりは、一般の陶芸制作より、コストは低く抑えられますが、手間は多いです。

現代、よく食事などで用いられる陶磁器は、1250℃程度の高温で焼き上げることで、固く仕上げられています。

しかし、今回は「土器」。

土器は800℃程度で焼き上げるため、強度はありませんが、それだけ燃料などを抑えられるとも言えます。今回の土器づくりは、脱炭素社会に向けたモノづくりと言えるかもしれませんね。

さて、自分はなぜ土器や土偶に魅かれるのでしょうか。

陶磁器と比べたら、もろいし、作るのも時間がかかって手間。なんとなく古そうな雰囲気……。

こういった言葉は、一見ネガティブに感じますが、現代手軽に入手できる陶磁器と比較し、作品に希少性があると感じませんか? 

ネガティブな面に価値を与えることって、面白いと自分は感じています。

土器づくりに欠かせない「粘土」

土器づくりにおいて、必要不可欠なのが「粘土」。

川辺などにあるヌルヌルした粘土質の土は、焼けば土器となって固まります。

ただ、中世や現代の陶芸粘土に比べると、粒子が荒かったり、粘りが少なかったりと、かたちが作りにくいのです。

こういった場合、粘土を叩いたり、つぶしたり、水に浸して練ったり、かき混ぜたりすると、土器づくりにも十分使える粘土になります。

ただ、これらの作業は最低、3か月~半年以上もの時間がかかってくるので、現実的ではなさそうです。

自分の場合、陶芸粘土に、砂や植物繊維などの緩衝材を混ぜて古代風の陶芸粘土・土器製作粘土として加工しています。

プログラマーのような言い方をすれば、エンコード(符号化)になるでしょうか。自分は、地面から拾った粘土を陶芸粘土に加工することは陶芸材料としてデコードすることだと考えています。

土器づくりとは、現代産業社会では、忘れられたロスト・テクノロジーのようなもの。自分なりに新しい意図や必要を読み取って制作しています。土器づくりは基礎的な工学なのです。

キーボードの上に土偶

先ほども述べたように、土器づくりは時間や手間がかかります。でも、人生はそう長くはありません。数年かかるようなモノづくりや素材づくりはなかなかできませんよね。

そこで、今回はある程度時短かつ効率よく作れる方法を紹介します。そう、カインズにあるものを使えば、だいたい土器や土製品はできるのです。

「スーパーホームセンター」、そう、カインズです

「スーパーホームセンター」、そう、カインズです

ではさっそく、土器の粘土を作ります。用意するのは「園芸の土」「砂」「バーミキュライト」「粘土」「ゴム手袋」「ゴミ袋」「雑巾」「歯ブラシ」「霧吹き」「粘土」「縄文原体の紐」「割りばし」「陶芸粘土」「切弓」。カインズで陶芸粘土以外はほとんどそろうはず。そろわない材料や道具は、画材屋や、陶芸材料店、ネットショップに売っている場合もありますし、自作や代用、転用できるものもあります。

いくつかの土と陶芸粘土

ゴミ袋に、いくつかの土と陶芸粘土を入れて、混ぜていきます。袋の中で混ぜると手が汚れず便利です。団子状にまとまるようになってきたら、ゴム手袋をつけ、直接練っていきます。陶芸粘土は、画材屋さんなどで見かける1kgのパックを用意。出来上がりの色が茶色くなる「はにわ粘土」や、一般的な信楽粘土がありますが、色はお好みで。

経験として、いきなり50~60cm以上の、大きな土器を作ることはオススメできません。まずは手のひらサイズのものを複数作ってみるといいでしょう。つまり、粘土もそれほどの量は必要ありません。何種類か粘土を作り、いろいろと焼き比べてみると面白いかもしれませんね。

最初は、ヒビがあっても機能的に大丈夫な、豆盆栽の植木鉢や土偶、ハニワなどフィギュアなどに挑戦するといいかもしれません。

下の画像は、これまでに自分が作ってきた粘土の作成例です。

粘土の作成例のイラスト

土器入門粘土
陶芸粘土:砂:園芸の土(ピートモス) = 6:2:2
初心者向けで、かたちを作りやすい割合です

縄文っぽい粘土
陶芸粘土:砂:園芸の土:雲母(バーミキュライト) = 5:2:2:1
雲母(バーミキュライト)を入れると縄文土器のような仕上がりに

崩れそうな粘土
陶芸粘土:園芸の土 = 3:7
焼くときに、かたちが崩壊するギリギリの分量。作りづらいので上級者にオススメ

陶芸粘土にちかい粘土
陶芸粘土:砂:園芸の土 = 8:1:1
強度があり、焼き上がりは一般の植木鉢のような質感

やまうち粘土
陶芸粘土:砂:園芸の土(かるい土 or クワガタの土):雲母 = 3:3:3:1

自分が使いやすい土の割合。人によって扱いが難しいとも……。煉瓦や塊、型抜きに向いた土です

上記した比率は、重さではなく体積比。混ぜる砂や園芸の土は、事前に湿らせたほうが混ざりやすく、砂や、園芸の土の粒子の粗さで、割れやすさや質感が変わってきます。ザラザラしていて、割れにくいという微妙な質感のものが自分は気に入っています。園芸の土の植物繊維は、ケト土<ピートモス<かるい土<鳥餌<昆虫マットの順に大きくなっていきます。あくまで目安ですので、ご自分に合ったものを使用してください。

今回は陶芸粘土:砂:園芸の土(ピートモス) = 6:2:2

今回は陶芸粘土:砂:園芸の土(ピートモス) = 6:2:2

袋の中でこねると手が汚れません。しっかり混ぜます

袋の中でこねると手が汚れません。しっかり混ぜます

かたちをつくる

そういえば、カインズは埼玉県本庄市に本部があります。埼玉県や群馬県は、かつて古墳文化が繁栄し、現在も多くの古墳が残っています。これは自分の勝手な推測ですが、埼玉県や群馬県において、カインズの店舗より古墳のほうが多いかもしれませんよ。

そんな冗談はさておき、今回はカインズ地域である埼玉県や群馬県に多く見られるハニワや土偶をモチーフにかたちを作っていきます。

簡単な設計図や道具機能、強度を安定させる構造などのイラストやスケッチを描いて、図や絵を見ながら作っていきましょう。

これは自分が書いたスケッチ。自分が見たらわかる程度のスケッチでよいかと思います

これは自分が書いたスケッチ。自分が見たらわかる程度のスケッチでよいかと思います

かたちづくりに使う道具のうち、カインズで手に入ったのは、「ヘラ」「雑巾」「スチレンボード」「ハンダゴテ」「手袋」「縄文原体の紐」「ビニール手袋」「電球」など。 画材店で「かきベラ」「アルミかんな」などを買い足しました

かたちづくりに使う道具のうち、カインズで手に入ったのは、「ヘラ」「雑巾」「スチレンボード」「ハンダゴテ」「手袋」「縄文原体の紐」「ビニール手袋」「電球」など。
画材店で「かきベラ」「アルミかんな」などを買い足しました

かたちづくりをするときは、2~3個同じかたちのものを作ることをオススメします。作っている途中、失敗することが多いためです。

かたちづくりには、手でひとつひとつかたち作っていく方法や、石膏型などのやり方がありますが、自分はスチレンボードで型を作ることが多いです。作りたいレリーフ画像を左右反転させ、カッターやハンダゴテでくりぬき、使っていきます。

今回は、実際に埼玉県本庄市にて出土された「笑うハニワ」を、カインズの店員さん風に作ってみることにしました。「笑うハニワ」は、埼玉県北部にてよく出土されるハニワのかたち。口角が上がり、目じりが下がった顔はまさに笑っているように見えるのです。

左:笑うハニワ 中央:カインズの店員さん 右:笑うカインズハニワ

左:笑うハニワ
中央:カインズの店員さん
右:笑うカインズハニワ

古墳の周りには草が生えていたり、カインズにはガーデニング・コーナーもあったりするので、WWW(藁草紋)の土器も作ってみました。

これが本当の「草が生える」

これが本当の「草が生える」

そうそう、今回の制作は「カインズ工房」にて作業しています。カインズ工房は、その名の通りカインズ店舗付属の工房。電動工具がそろっていて、簡単な工作をするとか、自宅で作業をしたくない場合にはかなり便利です。

カインズ工房を利用する際は、「カインズ・カード」が必要になります。せっかくなので、「カインズ・カード」も作ってみました。

※みなさんが利用する際は、土器ではないカインズ・カードをご提示ください

※みなさんが利用する際は、土器ではないカインズ・カードをご提示ください

焼く

かたちを作ったら、十分に焼き、乾燥させて完成です。

実はこの「焼く」という作業、キャンプに出掛けるという趣味がある方は、その片手間として作業することができます。自分も、キャンプがてら土器を焼くことにしています。当たり前のことですが、会場の運営時間や直火禁止箇所、火災に注意するなどのマナーは守りましょう。

用意するのは、「インパクトドライバー」「30㎜ホールソー」「炭バサミ2本」「ゴーグル」「革手袋」「たわし」「スチールバケツ」「炭10kg」「プリンカップ」「バーナートーチ」。 すべてカインズで用意できました

用意するのは、「インパクトドライバー」「30㎜ホールソー」「炭バサミ2本」「ゴーグル」「革手袋」「たわし」「スチールバケツ」「炭10kg」「プリンカップ」「バーナートーチ」。
すべてカインズで用意できました

まずは窯のDIYから。スチール製のものを選びましょう(アルミ製は使えません)。蓋になるものも用意してください。焼成用缶の下側に、ドリルで2~3か所穴を空け、着火口を確保します。窯は1.6Lペール缶や、40Lゴミ箱缶などで流用できます。焼くものの大きさによって使い分けるといいでしょう。

ペール缶など

窯が出来上がったら、図のように窯詰めを行ってください

窯が出来上がったら、図のように窯詰めを行ってください

窯詰めのあとは、いよいよ火をつけていきます。自分はバーナートーチを使用しています。バーナートーチと炭のみで着火すれば煙は少ないのですが、着火剤や紙、木材を燃やすと煙が大量に出ますので、煙が出ても大丈夫な場所を選んで使ってください。

キャンプ場などは直火禁止の場所が多いので、その際は窯を浮かせる必要があります。自分の場合はスチールのプリンカップを3つ並べ、浮かせることが多いです。

浮かせた窯

それでは着火していきましょう。3~4時間程度、蓋の開閉をコントロールして弱めの火加減を保っていきます。1時間に100℃程度の上昇をさせると、亀裂や割れを防ぎやすいです。温度の確認は、高温度の温度計もありますので、必要に応じて利用しましょう。

3時間くらいたったら、土器がかぶる程度炭を加えてください。3~4時間すると。火力が一番強くなります。

4時間ほどたったら、粘土への熱の当たり方を安定させるため、蓋にした缶に炭と粘土を移し替えます。炭から出た灰は落とし、捨てながら移し替えてください。移し替えたら、更に1時間程度、蓋のペール缶を外して放置してください。

5時間ほどたつと、この時点で粘土は600~800℃程度になっています。そのまま粘土を取り出せば、酸化焼成で弥生土器やハニワのような素焼きの色に。土器の色を、暗い色に仕上げたいのであれば、炭化焼成を行います。

炭化焼成の手順

炭化焼成を行う場合は、穴の空いていない窯に紙やおが屑、籾殻、腐葉土などを入れて、30分程度、冷まします。

炭化焼成を行う場合は、穴の空いていない窯に紙やおが屑、籾殻、腐葉土などを入れて、30分程度、冷まします

炭化焼成を行う場合は、穴の空いていない窯に紙やおが屑、籾殻、腐葉土などを入れて、30分程度、冷まします

陶器の熱反応、化学変化には、酸化(完全燃焼)、還元(不完全燃焼)、炭化(強い不完全燃焼)があります。高温で焼けた陶器が冷え固まるとき、酸素を避けて二酸化炭素を摂取させるのが、炭化焼成です。

縄文時代の土器や土偶は、炭化色が多く用いられています。もし縄文時代の手法にこだわるなら、窯の薪や灰の組み合わせを気にしてみたり、藁焼きにして土を被せて冷やしたりするといいでしょう。

焼成し終わったら片づけ。土器は丸洗いし、現場はしっかりと片づけてくださいね

焼成し終わったら片づけ。土器は丸洗いし、現場はしっかりと片づけてくださいね

今回は、以下のようなハニワ・土偶・土製品を作りました。

  1. 埼玉県本庄市の「笑うハニワ」と、カインズの従業員の姿をモデルにしています。
  2. 「ハニワ鷹狩男子像」と、現代人の姿をモデルにしています。
  3. Cloud Storage アイコン型のスタンド。短冊の神棚や、スマホを想定しています。
  4. 埼玉県鴻巣市滝馬室出土 ミミズク土偶のUSBライト。電気部品の加工がしてあります。
  5. 駐車場案内の土製品。
  6. カインズ・カードの土板。
  7. WWW(藁草紋)の土板 。ネットスラングのかたち。
  8. リサイクル・ボックスの土器。

ハニワ・土偶・土製品の一覧

ちなみにこの日は、焼成しつつ手羽先の燻製を作って食べました。おいしー!

ちなみにこの日は、焼成しつつ手羽先の燻製を作って食べました。おいしー!

かざってみよう

せっかく作ったカインズハニワたち。作ったら作っただけ手元にたまっていくわけですから、「飾る」ことも今回は挑戦してみようと思います。

カインズの店舗が多くある北関東は、大きな前方後円墳が多いことで知られています。埼玉県では「さきたま古墳群」、群馬県では「保渡田古墳群」などが有名です。カインズハニワも、きっと古墳の上に立ちたいはず。今回は公園の砂場にて、横穴式石室の前方後円墳を作ります。

群馬県高崎市にある「保渡田古墳群」のイメージ

群馬県高崎市にある「保渡田古墳群」のイメージ

出来上がった古墳はこんなかんじ。

出来上がった古墳

先日キャンプでいただいた手羽先の骨と、供え物を一緒に埋めることに

先日キャンプでいただいた手羽先の骨と、供え物を一緒に埋めることに

当時は須恵器などを使ってお供えをしたんだそう。ついでに手羽先の舞も奉納しました。

カインズ古墳フェス

ハニワを古墳の上に飾り、縄文土器も並べてみました。古墳の周りに縄文住宅跡があったと設定して、土偶も飾って……と。これはまるでカインズ古墳フェス!!

自由な視点で作れる土器や土偶、土製品。自分に合った粘土で、自分好みのものを作ってみてくださいね。

loading

関連するキーワード

となりのカインズさんをフォローして最新情報をチェック!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Instagram
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED関連する記事

POPULAR人気の記事

  • Daily
  • Weekly

広告掲載について

NEWS LETTER ニュースレター

Webライター・イラストレーター募集

取材のご依頼や情報提供はこちらから