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どこの企業もつくらない「とても役に立つ」ものを生み出す発明家・カズヤシバタ

聞いてみた

カズヤシバタ

カズヤシバタ

発明家。1994年生まれ、大阪市在住。メカのエンジニアとして働きながら活動中。ゴージャス登場箱「デルモンテ」が話題になり、メディア出演多数。大阪にあるものづくり集団「ゆるつく」にも所属している。

ものづくり生態図鑑#11 発明家・カズヤシバタ

ものづくり生態図鑑#11 発明家・カズヤシバタ

発明家・カズヤシバタの特ちょう

ものづくり生態図鑑#11 発明家・カズヤシバタ

【分類】
ものづくり科 電子工作属 発明種

【生そく地】
さまざまなホームセンターに出没

【特ちょう】
なぜか どのきぎょうもつくらない とってもやくにたつ 発明品を をつくっている

大好きなSF映画の世界を現実に

ゴージャス登場箱 デルモンテ

──たくさんの発明をされているシバタさんですが、代表作品を挙げるとしたら?

シバタさんアイコン

シバタ

一番思い入れがあるのは、自分の出発点となる「ゴージャス登場箱 デルモンテ」ですね。最初に制作した2017年当時はまだ知識が浅く独学だったので、自分の中ではうまくいかなかったんですよ。でもそれが思いのほかたくさんの反応をいただいて、見せてほしいという声が増えてきたのでいざ見せようとしたら、再起不能なぐらい壊れてしまったんです(笑)。その体験で歯がゆい思いをして、それならちゃんとしたものをつくろうとアップデートを重ねて、4代目となる「デルモンテ2020」を発表しました。

デルモンテ2020

「デルモンテ2020」の告知

シバタさんアイコン

シバタ

もう1つの代表作品は、「全自動割り箸割り機」。デルモンテを作る過程で学んだ電子工作を応用した作品で、その名の通り全自動で割りばしをきれいに割ってくれます。

全自動割り箸割り機

シバタさんアイコン

シバタ

この作品からは「製品ぽさ」という意識を入れました。作るだけでなく、その情報の発表方法や、告知動画など、製品周辺のディティールを追求して、まるでどこかの企業が本当につくって大々的に発表しているような雰囲気づくりを始めました。そこが自分の今のものづくりスタイルに繋がる分岐点でしたね。

制作過程

──制作を始めたきっかけは何ですか?

シバタさんアイコン

シバタ

父の影響が大きいです。父親が工事の仕事をしていて、家にもいろんな工具やものが転がっていました。あとこれも父親の影響でSF映画が好きで、その世界観を現実に持ってこれないかと考えていました。

父親の影響

シバタさんアイコン

シバタ

でも、真面目すぎるものづくりにはしたくない、という感覚も同時にありました。説明書を真面目に読みたくないというか(笑)。シンプルでバカなものごとをあえて真面目に複雑にすることが自分にとっては一番おもしろいことですね。でもその反面、自分の作品づくりに満足できなくて反省の毎日です。

──反省されるんですか?

シバタさんアイコン

シバタ

なんかすごく反省するねってよく言われます(笑)。イベントに参加したあととか、反省文を一人でめちゃめちゃ書いてたりします。制作において反省するプロセスは自分にとってかなり重要かもしれないです。実際、反響に比例して反省も増えますしね。足りない部分をちょっとずつ補うことでステップアップとしたり肉付けしたりしている感じです。

装着型名刺射出装置

「装着型名刺射出装置」

シバタさんアイコン

シバタ

大好きなSF映画に出てくる主人公と自分には大きな隔たりがあるんですよね。何が足りないかをずっと考えているんです。たとえば『アイアンマン』の主人公であるトニー・スタークは、お金持ちで何でもできて頭も切れる人物で、もちろん今の自分とは全然違う。ただ、現実的に考えるとあれはフィクションなので、目指そうと思ってもキリがない。だから周りから見て、フィクションのような存在に自分を魅せるにはどうすればと考えた結果、作品以外のディテールや演出などにもこだわるようになりました。それが現時点の自分のものづくりのスタイルになりつつありますね。

アドレナリン出まくりの制作過程

アドレナリン出まくりの制作過程

──作品をつくっていて楽しい瞬間はどこですか?

シバタさんアイコン

シバタ

最高の瞬間は僕の中で3か所あって、企画段階、制作段階、発表段階ですね。

 

企画段階で言うと、ネット上でもよく話題になる「ぼくが考えたさいきょうの○○」を突き詰める高揚感があります。リアリティとかは考えずに、極端に突き詰めた最強の姿を考える楽しさ。これが企画で一番盛り上がる、アドレナリン出まくりな瞬間です(笑)。

 

制作段階では、その企画で決めた理想形になるべく近づけるという「努力するおもしろさ」があります。まあ、企画時の自分に対して「無茶言いやがって」と思いながらつくっていますが(笑)。

18自由度を持つ「機械の手」

18自由度を持つ「機械の手」

シバタさんアイコン

シバタ

そしてやっと完成してフラフラの段階で発表に挑んだ結果、SNSで「こいつ馬鹿だww」って話題にしてもらえたりするんですよね。そのときの「響いた!!」という高揚感。最高の気分ですね、気持ち良くてやめられません。

──愛用している道具を教えてください。道具選びのこだわりなどはありますか?

シバタさんアイコン

シバタ

2つ紹介します、1つはノギスという長さを測る道具です。自分はいつもパソコンで設計図をかくんですけど、画面だといくらでも拡大・縮小できるので現実的なサイズ感がわからなくなってしまうんですよね。その時、ノギスで身近にあるもののサイズを測って、現実感を取り戻しています。ちょっと変な使い方なんですけど、デジタルでものづくりをする人たちの中ではたまにあることだと聞いてますね。

ノギス

シバタさんが実際に使っているノギス

シバタさんアイコン

シバタ
さん

もう1つは、3Dプリンターです。現在2つのプリンターを持っていて、それぞれ使い分けをしています。強度を重視したり大量に試作したりするときはFDM(熱溶解積層)方式のプリンターを使っています。製品っぽい外観をつくるなど、より精密に造形する必要があるときにはSLA(光造形)方式の3Dプリンターで作っていますね。

FDM方式の3Dプリンター

シバタさんが実際に使っているFDM方式の3Dプリンター

※FDM(熱溶解積層)方式とは:細いノズルから熱で溶かした樹脂をソフトクリームのように吐出、積層することでモデルを作製する方法。比較的安価な材料でつくることができる。

SLA方式の3Dプリンター

シバタさんが実際に使っているSLA方式の3Dプリンター

※SLA(光造形)方式とは:液体状の樹脂に点状の紫外線を当て、土台から少しずつ樹脂を固めて積み重ねることでデータを出力する方法。よりデータに忠実で繊細な再現が可能。

シバタさんアイコン

シバタ

二次元の世界にあるようなものを三次元でどれだけ再現できるか、実際にモノとして存在している感覚を大事にしたいので、やっぱり造形にはこだわりますね。

──もし時間やお金や材料に制限がないとしたら、どんなものを作りたいですか?

シバタさんアイコン

シバタ

めちゃめちゃでかいデルモンテをつくりたいですし、未確認飛行物体を空に飛ばして、ニュースなどで取り上げられて話題にしたいですね。法に触れるかもしれないのでやりませんが、現実的に制作について考えたこともあります(笑)。

まじめにふまじめ

制作過程2

──アイデアはどんなところで浮かびますか?

シバタさんアイコン

シバタ
さん

自宅かホームセンターのどっちかですかね(笑)。ホームセンターはめちゃくちゃ行ってますよ。各ホームセンターの違いについても話せますし、どの場所に何があるのかもある程度把握しています。ホームセンターの中を歩きながらアイデアを考えることが多く、なんなら部屋で考えるより多いと思います。目的とは全然関係のないコーナーを見るとなぜかアイデアが浮かんだりしますね。

──一見「無駄なもの」のように思えるところにアイデアがある?

シバタさんアイコン

シバタ
さん

「無駄なもの」というものは存在しなくて、現在必要とされていないだけ、だと僕は思っています。たとえばくしゃくしゃのちり紙でも、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界ではごみを燃料にしたりして重要なものになるんです。だから、無駄だと思っているものにこそ可能性があると思うんです。僕はそういう誰も見出していない可能性を拾って磨き上げて、みんなと一緒に誰も見たことのない景色が見たいんですよね。

──発明を続けるコツはありますか?

シバタさんアイコン

シバタ

まじめにふまじめにやることです(笑)。やりたくない時には作らない。自分のモチベーションを維持するようにするようにしています。ただ、あまり楽しくないって時期は今のところないんですけど(笑)。

──シバタさんにとってものづくりとは?

シバタさんアイコン

シバタ

生活の一部ですね。眠くなったら寝る、お腹が減ったらご飯を食べる。それと同じです。三大欲求並みに重要ですね。自分であり続けるためのものなので、もう切り離せないと思います。

──今後チャレンジしたいことは?

シバタさんアイコン

シバタ

作品の発表会がしたいです。Appleの新作製品発表会ような大々的なものを。実は用意も進めていて、3Dモデルでステージを作って、自分のモデルもクロマキー合成でやろうと思ってたんですけど、時間が無くてできてなかったんです。できれば新作発表の前に作品情報がなぜかリークされて、その情報の真偽についてネット上で論争が起こる、みたいな状況になるのが野望でもあります(笑)。新作の発表会、皆さんぜひ見てください!

デルモンテ2020-2

──カズヤシバタさん、ありがとうございました!

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