感情をストレートに伝えられるすごいマシーンを作りました
リンクをコピーしました
PR
目次/ INDEX
みなさま、はじめまして。石濵栞と申します。私は普段、お香作りを教える教室で講師を務めています。
お香は、焚くと心が落ち着きリラックスできるので、日々を忙しく過ごしている現代人にはぴったりです。実際に、教室の生徒さま方からは、お香を生活に取り入れてから「いつもやさしい心でいられるようになった」や「周囲との人間関係がよくなった」というお声をよくいただきます。私自身も「顔つきがやさしくなったね」とか「穏やかになったね」と言われた経験があります。
そんなお香ですが、手作りできるということをご存知ですか? 実は、お香を作るのに難しい技術は必要なく、誰でも簡単に挑戦できるのです。
今回は、お香の調合の専門家として、お香の魅力や作り方をたっぷりお伝えしますので、ぜひみなさまも“お香のある暮らし”を楽しんでみてください。
お香は今から5000年以上も前、古代メソポタミア文明の頃から存在しています。日本へ伝えられたのは6世紀頃で、仏教とともに、発祥地となるインドを経て伝来したと言われています。
平安時代になると“教養”としてのお香が発展します。お香の調合を学んだ貴族たちが、自ら作った練香(ねりこう)というお香を披露し合う「薫物合わせ(たきものあわせ)」を楽しむようになりました。そうした当時の風習は源氏物語にも書き記されており、男女が御簾(みす)越しでしか会えず言葉を交わすことが許されなかった時代に、着物からほのかに漂うお香の香りが恋を叶える雅なアイテムになっていたようです。
なんともロマンティックなお話ですね。現在でも、香りは恋愛のエッセンスなどとも言われていますので、自分だけの特別なお香の香りで、愛する人との素敵な時間を演出してみるのもよいかもしれません。
仏教では、お香を焚くことは不浄を祓い心身を清める行為であり、仏前にお香を焚くことはご供養の基本です。戦後に代用されていた杉葉や桧葉の香りにより「お香=煙臭い」という認識が持たれがちですが、本来の薫香料である沈香(じんこう)や白檀(びゃくだん)の天然香木の香りこそが、古来からお香とされてきました。
代表的な香木のひとつ。ジンチョウゲ科の常緑高木の中に樹脂が凝結してできたもの。数百本の原木に対して数本の割合でしか採れない、希少価値の高い香料です。
代表的な香木のひとつ。ビャクダン科の半寄生常緑樹。インド・マイソール地方で採取される白檀が、もっとも上質とされています。
世界からも注目されている日本の“お香”。ひとことにお香の魅力と言っても多岐にわたりますので、ここではその一部をご紹介します。
品質の高いアロマオイルを使用したアロマテラピーの癒やし効果は有名ですが、同様に植物由来のお香にも、心を癒やし、リラックスさせてくれる働きがあります。最近、お店などでさまざまなリラクゼーショングッズを見かける機会が増えました。お香が、五感のひとつ「嗅覚」から脳を刺激するように、やはり五感を満たしてくれるアイテムは、私たちに直接的な癒やしの感覚を与えやすいように思います。
お香ならではの特徴は、何といってもその上品な香り。香水のように華やかではないけれど、奥ゆかしくほのかに香るからこそ、十二分に魅力を堪能できます。単に癒やしを求めるだけでなく、心を落ち着かせ、集中するのにもよいと言われていますよ。
お香には殺菌作用を持つものもあり、高温多湿な日本の梅雨や初夏の時季には、香りを楽しむだけでなく空間を健やかにしてくれる働きもあります。
お香と対峙することは、自分の心と対峙することにつながります。感覚が研ぎ澄まされ、直観力が磨かれるので、周囲に流されずブレない自分をもてるようになります。
また、仏教と密接な関係があるお香の香りは、まるでお寺にいるかのような神聖さと厳かさをその場にもたらし、ゆったりとした時間の流れも演出してくれます。
崇高なお香の香りに、邪悪なものは近寄れません。その結果、良縁に恵まれるようになるでしょう。私自身、お香を生活に取り入れてから、明らかに人生が好転していった経験があります。