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Animal Life Partner代表。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、製品開発など幅広く活動。
人間にとって、白内障予防などの健康効果が期待できるとされているブルーベリー。ヨーグルトなどにもよく使われていますが、犬に与えてもよいのでしょうか。今回は、ブルーベリーは犬に食べさせても大丈夫な食材なのかどうか、含まれている栄養素や注意することなどを、Animal Life Partner代表で獣医師の丸田香緒里先生監修のもと解説していきます。
目次
- 犬にブルーベリーを与えても大丈夫?
- 子犬やシニア犬にブルーベリーを与えても大丈夫?
- ブルーベリーに含まれている栄養素とは?
- ブルーベリーが犬の目にもいいって本当?
- ブルーベリーを与えないほうがよい犬は?
- 犬がブルーベリーを食べて中毒を起こしてしまったら?
- 犬が食べても良い果物・食べてはいけない果物
犬にブルーベリーを与えても大丈夫?
ブルーベリーは、白内障予防や目の健康維持に有効な成分を含む果物で、健康な犬であれば与えてもよいとされていました。ただ、体調を崩す犬がいる可能性を示唆する報告(※1) もあったため、もし不安のある方は、与える前にかかりつけの獣医師に相談する等、注意をしてください。
子犬やシニア犬にブルーベリーを与えても大丈夫?
ブルーベリーは、果物の中でも食物繊維を多く含む食材です。犬は食物繊維の消化が苦手なので、子犬やシニア犬など、消化に不安のある犬は与えないようにしましょう。
ブルーベリーに含まれている栄養素とは?
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素です。ブルーベリーの色はこのアントシアニンからきていて、植物を有害な紫外線から守る働きを持っています。その他に、強い抗酸化作用を持ち、老化防止や目の疲労回復に役立つ栄養素です。
ビタミンE
若返りのビタミンとも言われるビタミンEは強い抗酸化作用があり、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあります。豊かな体毛を持つ犬にはあまり関係ないかもしれませんが、紫外線から肌を守る効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸の働きを整える効果があります。便秘や血糖値上昇の予防、血中コレステロールの調整など幅広く活躍してくれる成分です。便秘がちな犬は特に食物戦士の消化が苦手なので、取りすぎるとかえって悪影響になることもあります。
ブルーベリーが犬の目にもいいって本当?
人間にとって「目にいい」と言われているブルーベリーですが、犬にも同様の効果があります。アントシアニンの効果で、網膜や視神経、毛様体の血流が良くなると言われています。そのおかげで目の疲れや視力回復に役立つと言われているのですが、残念ながら病気や白内障を直したり、視力を劇的によくしたりという力は持っていません。
ブルーベリーを与えないほうがよい犬は?
ブルーベリーは健康な犬であれば与えてよく、消化機能の弱い犬には控えた方がよいと言われています。しかし、体調を崩す犬がいる可能性を示唆する報告(※1) もあったため、もし不安のある方は、与える前にかかりつけの獣医師に相談する等、注意しながら与えるようにしましょう。
犬がブルーベリーを食べて中毒を起こしてしまったら?
ブルーベリーを食べた後に犬の体調が悪そうな場合は、早めに動物病院を受診するようにしてください。診察を受ける際、ブルーベリーをどのくらい食べたのか、どのような症状が出ているのかなどを獣医師に伝えられると、診察がスムーズになります。症状が出ている様子を動画で撮る、メモにまとめておくなどするとよいでしょう。
※1 ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授、米国獣医栄養学専門医のニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師による報告。ただし本件について現時点では、論文等によってその危険性を100%示されているものではありません。(2021年11月現在)
※獣医栄養学はまだまだ発展途上の領域です。犬にその食材を初めて与える・体調に不安がある・持病がある場合には、かかりつけの獣医師にご相談の上、判断を仰いでから与えるようにしてください。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。