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あおば動物クリニック所属

犬はブロッコリーを食べても大丈夫ですが、腎臓に持病やアレルギーのある犬は注意が必要です。また、犬の健康維持に役立つのか、適量はどれくらいなのか気になる飼い主さんもいるのではないでしょうか。
ブロッコリーには、筋力の維持に欠かせないタンパク質や免疫をアップさせるビタミンC、がん予防やアンチエイジングに効果的なスルフォラファンなどが含まれ栄養価が高い野菜です。
今回は、犬にブロッコリーを与えるメリットや与えるときは生がいいのか茹でたほうがいいのか、アレルギーなど注意点について、獣医師の牧村さゆり先生監修のもと解説していきます。
目次
- ブロッコリーは犬に与えても大丈夫!子犬や老犬は与え方や量に注意
- 犬にブロッコリーを与えるときは生?茹でる?茎はどうする?
- ブロッコリーの栄養素と抗酸化作用など犬の健康面でのメリットは?
- 犬にブロッコリーを与える際の適量!体重ごとの目安量
- 犬にブロッコリーを与える際の注意点!アレルギーや持病のある犬は気を付けて
- 犬にブロッコリーを使った手作り料理を与えても大丈夫?
- 犬の健康をサポートしてくれるその他の野菜
- まとめ
ブロッコリーは犬に与えても大丈夫!子犬や老犬は与え方や量に注意
ブロッコリーはビタミンC、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミン類が豊富なほか、がん予防効果のあるスルフォラファン、食物繊維も含まれるなど、栄養たっぷりなことで知られています。
基本的には、犬がブロッコリーを食べても問題ないとされています。ヘルシーで食べやすい野菜のため、手作りごはんに混ぜたり、フードのトッピングとして使ったりするのもいいでしょう。野菜が好きな犬には、おやつとして与えることもできます。
注意が必要なのは、ブロッコリーが属するアブラナ科の植物にアレルギーを持つ犬です。アブラナ科にアレルギーがある場合は与えないようにしましょう。また、甲状腺疾患を持つ犬の場合も、ブロッコリーを与えるのは少量にとどめてください。
アブラナ科にアレルギーがない犬であれば、子犬や老犬(シニア犬)であってもブロッコリーを与えても大丈夫です。がん予防効果や肥満抑制効果のあるスルフォラファンが含まれているので、特にシニア犬の健康維持には役立つかもしれません。
ただし、ブロッコリーは食物繊維が多く、犬にとっては消化しにくい食べ物です。
子犬の場合、離乳が完了し、頻回の食事が不要になる生後4~5カ月ほど経った頃から与えるのがよいでしょう。心配な場合は歯が生え替わったことを確認してから与えてください。
また、加齢によって消化機能が衰えた老犬は、健康な成犬よりも下痢を起こしやすい傾向にあるため、与え方や量には注意しましょう。
犬にブロッコリーを与えるときは生?茹でる?茎はどうする?
犬はブロッコリーを食べられることがわかりましたが、与えるときは生がいいのか、加熱したほうがいいのかなど迷う点もあるのではないでしょうか。与え方の注意点について細かく見ていきましょう。
衛生面、消化のしやすさから加熱して与える!丸呑み防止のために刻んでから!
ブロッコリーは生のまま与えても、健康な成犬であれば問題ないことが多いといえますが、消化のしやすさや衛生面を考えると、成犬も含め、加熱してから与えることが推奨されています。
ブロッコリーを生で与えるとサルモネラ菌などの食中毒のリスクもあるほか、硬くて消化しづらい可能性があります。免疫力が弱く体調を崩しやすい子犬や老犬、持病のある犬などには特に十分加熱し、人肌程度まで冷まして与えましょう。柔らかめに茹でてから細かく刻んで与えると安心です。
犬は食べ物をよく噛まず、丸呑みしやすい習性があります。ブロッコリーを大きくカットして与えると、喉や消化管に詰まらせ食道閉塞や窒息につながるおそれがあります。
また、ブロッコリーは食物繊維が豊富で便通を促してくれる野菜ですが、その一方で消化しにくいというデメリットもあります。消化機能が未発達であったり、衰えていたりする犬の場合は、下痢を起こす可能性もあります。
子犬やシニア犬だけでなく、健康な成犬であっても、ブロッコリーを与える際は細かく刻んでからあげましょう。特に茎の部分は硬くて消化が悪いので、可能であればミキサーにかけてから与えるのがおすすめです。
腎臓などに持病がありカリウム制限をしている場合も加熱して与える
腎不全や心不全などの病気があり、カリウム制限をしている犬の場合は含まれる栄養素にも注意が必要です。ブロッコリーをはじめとする生の野菜には、カリウムが豊富に含まれています。与えたい場合は茹でるなどして加熱し、カリウム量を減らした方が安心です。
茎(芯)は皮をむいて加熱する
ブロッコリーの茎の部分は特に硬く、食物繊維の多いのが特徴です。
茎を与える場合は皮を厚めに剥き、細かく刻んだりすりつぶしたりしたうえで、まずは少量から与えてみましょう。
生のままではなく、茹でてから与えることをおすすめします。茹でる際は栄養分がお湯に溶け出さないよう、短時間でサッと加熱しましょう。また、加熱後すぐに与えると火傷の危険があるため、人肌程度に冷ましてから与えてください。
その他、ブロッコリーにはゴミや小さな虫、農薬がついていることもあるため、十分に洗ってから与えるようにしてください。
ブロッコリースプラウトを与えても大丈夫?
ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトも食べさせることができますが、細かく切ってから与えるようにしましょう。
ブロッコリーの栄養素と抗酸化作用など犬の健康面でのメリットは?
ブロッコリーは「野菜の王様」とも呼ばれるほど栄養豊富な野菜です。2026年には国民生活に重要だとして、国が位置づける「指定野菜」に加わることになりました。主な栄養素には次のようなものがあります。
ビタミンC・ビタミンE・ビタミンK
ビタミンCとビタミンEには抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果や動脈硬化の予防、免疫力のアップが期待できます。また、コラーゲンの生成にも関わっており、皮膚や関節のケア、毛艶の維持にも効果的です。
ビタミンKには、出血した時に血を固める凝固作用や、骨を丈夫にする働きがあります。
犬は人間と異なり、体内でビタミンCを作り出すことができるため、必ずしも食べ物から摂取しなければならないわけではありません。ただし、激しい運動の後やストレスを感じているとき、年齢を重ねたときは、体内のビタミンC量が減少します。また、すべての犬が必要量を合成できるわけではないため、食べ物から補った方がよい場合もあります。
βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持します。皮膚や粘膜を良好な状態に保つことは、免疫力の維持・向上にも効果的です。
スルフォラファン
スルフォラファンは体内の化学物質を解毒してがんを予防する効果や、エネルギー消費を増やして肥満を抑制する効果が期待できる栄養素です。
スルフォラファンはブロッコリーに多く含まれるとされ、抗酸化作用があるとして近年注目されています。研究段階ではありますが、犬の健康維持においても注目されている成分です。
食物繊維
ブロッコリーには、腸内環境を整える働きを持つ食物繊維が豊富に含まれています。特に不溶性食物繊維が多く、腸の運動を活性化させることで便秘の予防に役立つ効果が期待されています。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚など体の組織の形成に不可欠な栄養素であり、免疫や代謝、神経機能などの維持にも関与しています。犬の成長や発達、体組織の修復や健康を維持するためには、動物性タンパク質とともに、植物性タンパク質も適度に摂取することが重要です。
ミネラル(カリウム・マグネシウム・リン)
カリウムは神経伝達や筋肉の収縮を助け、体内の余分な塩分を排出する働きがあるため、高血圧の改善なども期待されています。マグネシウムは、筋肉の収縮や骨の形成をサポートし、リンはエネルギー代謝や骨の健康維持に重要な役割を果たします。これらのミネラルは犬の健康に欠かせない栄養素です。
ただし、腎臓病の犬はカリウムの排出がうまくできないため、与え方に注意が必要です。
グルコシノレート
グルコシノレートは、ブロッコリーに含まれる成分の一つで、体内の酵素と反応することで辛味成分「イソチオシアネート」に変換されます。この成分には抗菌・殺菌作用があり、体内の炎症を抑える効果が期待されます。また、血液をサラサラにする作用があるため、心血管系の健康維持にも寄与する可能性があります。人ではがん予防効果が示唆されていますが、犬に対する同様の効果はまだ研究段階にあります。
犬にブロッコリーを与える際の適量!体重ごとの目安量
ブロッコリーに限らず、犬に与えるおやつは1日に必要なカロリーの1割程度が限度とされています。
1日に必要なカロリーは犬の体重によって異なるため、愛犬が1日何キロカロリーを必要とするのか、おやつは何キロカロリーまで与えていいのかを計算してみましょう。
1日分のブロッコリーの目安量は以下の通りです。「これだけの量を与えなくてはならない」というものではなく、あくまで上限と捉えてください。
- 超小型犬:体重4kg以下で20g
- 小型犬:体重10kg以下で50g
- 中型犬:体重15kg程度で90g
- 大型犬:体重25kg以上で100g
ブロッコリーは低カロリーでヘルシーな食べ物ですが、食物繊維が豊富なため、食べすぎるとお腹を壊す原因になります。愛犬がたくさん食べたがっても、上記の目安量をしっかり守って与えるようにしましょう。
犬にブロッコリーを与える際の注意点!アレルギーや持病のある犬は気を付けて
持病がある犬の場合は、ブロッコリーを与えるのに注意が必要なこともあります。まず、アブラナ科の植物にアレルギーを持つ犬にはブロッコリーを与えることはできません。その他には、どのような病気があるときに気を付けたらいいのでしょうか?
甲状腺疾患のある犬
ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、グルコシノレートという成分が含まれています。グルコシノレートは体内でゴイトロゲンという物質へと変換され、代謝の調節をつかさどる甲状腺ホルモンを生成するために必要なヨウ素の吸収を妨害することがわかっています。そのため、グルコシノレートを大量に摂取すると、甲状腺機能低下症という病気になる可能性があります。
ただし、グルコシノレートによって甲状腺機能低下症になるのは、毎日大量に摂取した場合だけだと考えられています。今のところは、犬がブロッコリーを食べることによって甲状腺機能低下症になったという例は報告されていません。すでに甲状腺疾患を持つ犬の場合は、念のためブロッコリーを与えない方がよいでしょう。
腎不全や心不全の犬
腎不全や心不全を患っており、カリウム制限を行っている犬の場合も要注意です。ブロッコリーをはじめとする生の野菜には、カリウムが豊富に含まれています。与えたい場合は、必ず茹でてカリウム量を減らしましょう。
アブラナ科の野菜にアレルギーがある犬
ブロッコリーが属するアブラナ科にアレルギーを持つ犬もいます。初めて与えるときは、少量ずつ、様子を見ながらにしましょう。万が一下痢や嘔吐、口の周りや顔を痒がる、皮膚が赤くなるなどの症状が出た場合には、早めに獣医師に相談してください。なお、ブロッコリーの他にはキャベツや大根などの野菜がアブラナ科に属しています。
アブラナ科にアレルギーがある犬以外には、基本的には問題なくブロッコリーを与えることができます。ただし、先に説明した通り甲状腺疾患や腎不全、心不全を患っている犬には与えない方が無難です。
尿路結石を患ったことがある犬
ブロッコリーには摂取しすぎると尿路結石の原因になるシュウ酸が多く含まれています。過去に尿路結石を患ったことがある場合は控えましょう。
犬にブロッコリーを使った手作り料理を与えても大丈夫?
普段、愛犬に手づくりごはんをあげている場合は、ブロッコリーを活用した料理を作りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大丈夫だが調味料は使用しない
犬にブロッコリーを使った手作り料理を与えても問題はありませんが、醤油、マヨネーズなどの調味料は使用を控えましょう。塩分の摂りすぎは体に害を及ぼします。
そのほか、素揚げなど油分を多く含むものや、犬にはNGとされている食材と和えたり一緒に調理したりしたものは与えないでください。シュウ酸が溶け込んだブロッコリーの茹で汁も与えない方がよいでしょう。
犬は肉中心の食生活を送る動物のため、野菜の消化があまり得意ではありません。人間が食べるような大きさに切ったブロッコリーは消化の負担になるため、手作り料理を作る際は細かく切るか、ミキサーで砕いてから与えてください。
ブロッコリー入りの手づくりごはんレシピ
愛犬にブロッコリーを使った手づくりごはんを与えたいときに役立つレシピを紹介します。ドッグフードにトッピングしてもいいですね。
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ブロッコリー入りドッグフードやトッピング
市販されているドッグフードやおやつのなかにも、ブロッコリーを使った商品があります。選ぶ際は、砂糖や人工甘味料が含まれていないか確認し、自然由来の成分で作られたものを選ぶとよいでしょう。
グラン・デリ ほぐし 2つの味わい ブロッコリー&かぼちゃ 30g×2
ドギーマンハヤシ かける野菜 ブロッコリー14g×4本 おやつ(犬・猫) 4976555824636 【別送品】
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※上記商品は獣医師の監修外です。
犬の健康をサポートしてくれるその他の野菜
犬の健康にいいとされる野菜には、さまざまな栄養素が含まれています。ここではブロッコリー以外で犬に与えてもよい野菜をいくつか紹介しましょう。
野菜によって与え方は異なりますが、消化しやすくするために細かく切った後、加熱したり、すりおろしたりするのが基本です。それぞれでどのような調理方法があるか、注意点はあるか事前に調べておきましょう。また、火傷のリスクを避けるため、加熱した場合は常温~40℃程度の人肌に冷ましてから与えることが推奨されます。
野菜は犬の食事の10%以下に抑え、過剰に与えないようにしましょう。栄養バランスが崩れる可能性があります。新しい食材を与える前には、犬の体調やアレルギーの有無を確認し、心配な場合は獣医師に相談することが重要です。
まとめ
ブロッコリーは、ビタミンやミネラル、抗酸化成分などを豊富に含み、「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養豊富な野菜です。
犬はブロッコリーを食べられますが、与えすぎには注意が必要であり、適量を守りながら犬の食事に取り入れることが大切です。
特に、腎臓に持病のある犬やアレルギーを持つ犬には慎重に与えるようにしましょう。
愛犬の健康を考えながら、適切な方法でブロッコリーを活用してみてください。