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あおば動物クリニック所属

犬にきゅうりを食べさせても大丈夫ですが、一本丸ごと与えたりヘタを与えたりしても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬にきゅうりを与えるメリットや適量、注意点などについて、獣医師の牧村さゆり先生監修のもと解説していきます。
きゅうりはサラダや漬物など、食卓に上がる機会の多い野菜です。犬もきゅうりを食べられるのかを知り、水分補給の手助けやトッピングに活用してみましょう。
目次
- 犬は生のきゅうりを食べられる!皮は?子犬や老犬は?
- きゅうりに含まれる栄養素と犬へのメリット
- 犬にきゅうりを与える際の適量と与える頻度は?
- 犬にきゅうりを与える際の注意点
- 犬にきゅうりの加工品をあげてもいい?
- 犬にきゅうりを与える際のおすすめのあげ方や手づくりのきゅうりを与えてみても!
- 犬が食べてもいい野菜・犬に絶対食べさせてはいけない食べ物
- まとめ
犬は生のきゅうりを食べられる!皮は?子犬や老犬は?
犬にきゅうりをあげても大丈夫ですが、いざあげようとすると皮のままあげてもいいのか、子犬や老犬も大丈夫なのか悩む点もあるのではないでしょうか。
皮は硬いのでむいたほうがいい
きゅうりは全体の95%が水分でできており、犬にとって害がある成分も含まれていないため、人間と同じように生のまま与えても構いません。ただ、皮は硬く犬にとっては消化にも良くないため、むいてからあげたほうがいいでしょう。
きゅうりは水分が多いせいか栄養成分があまりないと思われがちですが、実はさまざまな栄養成分が含まれています。
子犬や老犬(シニア犬)には細かくカットして
子犬や老犬に与えても特に問題はありませんが、成犬に比べて歯が弱くなっている点に注意が必要です。また、子犬は特に生後3カ月くらいまでは消化器官が未熟で、固形物を消化する能力が十分ではありません。食べやすいように細かくカットするか、すり下ろすなど食べやすいように工夫してあげましょう。きゅうりは犬にとって必要不可欠な野菜ではないため、嫌がる場合は無理に食べさせなくても大丈夫です。
きゅうりに含まれる栄養素と犬へのメリット
ほとんどが水分でできているといわれるきゅうりですが、水分以外の栄養素もあります。どんな栄養素があって、犬にどんな影響があるのでしょうか。きゅうりを犬に与える際のメリットも含め、詳しく見ていきましょう。
水分豊富で低カロリー、ただしダイエットに使うなら獣医師に相談して
きゅうりは100gあたり14kcalと低カロリーな食材ですが、犬の食事としては総合栄養食であるドッグフードを基本に与えることが推奨されます。ダイエット目的でドッグフードを減らし、きゅうりに置き換えるのは栄養バランスを崩す可能性があるため注意が必要です。
特に、犬に必要なタンパク質や脂質が不足すると、健康に悪影響を及ぼすことも考えられます。そのため、ダイエットのためにきゅうりを与えたい場合は、自己判断せず、必ず獣医師に相談のうえ適切に行うことが大切です。
インターネット上には「きゅうりを活用した犬のダイエット法」が紹介されていることがありますが、ネットの情報に惑わされず、現在与えているフードや愛犬の年齢、健康状態、活動量に応じて、かかりつけの獣医師と相談しながら適切な食事管理を行うことが、愛犬の健康維持につながります。
水分補給の手助けになる
きゅうりの95%が水分で成り立っており、生体内の代謝に使われています。手軽な水分補給にも役立つといえるでしょう。ただし、きゅうりを食べて水分を摂取するより、液体の水で摂取する方が水分量も多く、生体内利用率も高いかもしれません。
【ビタミンK、βカロテン】骨や皮膚・粘膜の健康維持が期待できる
きゅうりに含まれるビタミンKは血液凝固に必要な成分のほか、骨の生成や血管の健康維持にも役立ちます。また、きゅうりにはβカロテンも多く含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚などの健康維持に効果的です。
また、βカロテンは活性酸素の除去に役立つ抗酸化作用や免疫機能を正常にする免疫賦活作用を持つとされています。なお、ビタミンKは犬の体内で合成できるため、健康な犬であれば無理に摂取する必要はありません。
【食物繊維】腸内環境を整える
きゅうりには食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内環境を整えるのに効果があるとされています。便秘の解消効果も期待されています。ただし、あげすぎてしまうと水分が多いため、うんちが緩くなったり下痢になったりする可能性があります。あげる量には注意しましょう。
【カリウム】むくみの解消
体内の細胞や血液中に含まれている成分で、生体内で作ることができないため食物から摂取する必要があります。カリウムには体の中の余分な塩分を外に出す作用があります。人では塩分の摂り過ぎによるむくみ対策に有効とされています。ただし犬に対しては過剰摂取で腎臓や心臓に負担がかかる可能性があり、持病がある犬には注意が必要です。
【ホスホリパーゼ】脂肪燃焼が期待できる?
きゅうりにはホスホリパーゼという脂肪を分解する酵素が含まれています。人では脂肪燃焼によるダイエット効果が期待できると注目されていますが、犬への効果は不明です。ホスホリパーゼには消化を助ける働きもあるとされていますが、犬が摂取することで消化が良くなるなどの効果は特にありません。
犬の食事にきゅうりばかりを与えた場合、栄養は足りるの?
きゅうりには水分以外にもさまざまな栄養素が含まれていることがわかりましたが、主食として必要な栄養素を全て満たしているわけではありません。犬にきゅうりばかりを与えても、ほとんどが水分なので栄養は全く足りません。水分補給がてらにおやつとして出す程度にし、栄養は総合栄養食であるドッグフードでまかなうようにしましょう。
犬にきゅうりを与える際の適量と与える頻度は?
愛犬がきゅうりを好む場合、どれくらいの量をあげたらいいのでしょうか?適量や頻度はどれくらいなのか解説します。
丸ごと1本与えても大丈夫?
犬に与える際の適量は愛犬の体重によって変わります。小型犬など体重が少ない犬に大量に与えたり1本丸ごと与えたりすると消化不良を起こす可能性があります。
また、体重にかかわらず初めてきゅうりを食べさせるときは少量から始めてください。犬の様子をよく観察しながら量を調節するといいでしょう。
体重別の目安
きゅうりを犬に与える際の適量は、以下の通りです。
- 体重3kgの子…約25g(約4分の1本)
- 体重10kgの子…約60g(約5分の3本)
- 体重20kgの子…約100g(約1本)
- 体重30kgの子…約140g(約1本+3分の1本)
犬に毎日きゅうりを与えても大丈夫?
あまり頻繁にあげると「ねだれば何かもらえる」と誤学習をしてしまいます。与える場合はおやつと同程度の頻度にしておきましょう。アレルギーのない犬であれば、毎日与えても問題ありません。きゅうりはほとんどが水分で、犬にとって有害な成分も含まれていないからです。
犬にきゅうりを与える際の注意点
きゅうりは水分を多く含み、低カロリーで犬にとってもヘルシーな食材ですが、与え方には注意が必要です。特に、へたに近い部分の苦み成分や、アレルギー、持病のある犬への影響を考慮する必要があります。ここでは、犬にきゅうりを与える際の重要なポイントを解説します。
ヘタに近い部分は与えない
きゅうりにはまれに苦いものがあり、その苦みの原因は「ククルビタシン」と呼ばれる成分です。ククルビタシンは特にヘタに近い部分に多く含まれることがあり、強い苦味を持つことが特徴です。
人間がククルビタシンを大量に摂取すると、下痢や嘔吐といった消化器症状を引き起こすことがあるため、犬にとっても安全とはいえません。特に胃腸が弱い犬や子犬、シニア犬には注意が必要です。
そのため、犬にきゅうりを与える際は、ヘタとヘタに近い部分をしっかり切り落として与えないようにしましょう。
ウリ科の食べ物にアレルギーのある犬はNG
きゅうりやブタクサ、にんじんなどにアレルギーを持っている子がきゅうりを食べると食物アレルギーを起こす可能性があります。症状は、下痢、嘔吐、皮膚のかゆみなどです。こういった症状が見られたら、かかりつけの動物病院に相談してください。心配な場合には、初めて与える時に様子を見ながら少量ずつ与えるようにしましょう。
ウリ科植物にアレルギー反応を示したことがある子にきゅうりを与えるのは、やめておいた方がいいでしょう。きゅうりは犬にとって絶対に必要な食材ではないので、無理に与える必要はありません。もし与えたい場合には、少量ずつ様子を見ながら与えてください。
尿路結石や腎臓病、心臓病の犬は要注意
きゅうりには尿路結石の要因にもなるシュウ酸カルシウムやマグネシウムが含まれていますが、その他95%は水分です。そのため、きゅうりが原因で病気になるというのは考えにくいでしょう。ただし、シュウ酸カルシウムやマグネシウムを全く含まないわけではないので、結石を作りやすい体質の子は与えないほうが無難です。
また、持病のある犬にきゅうりを与えても大丈夫か心配する方もいらっしゃるでしょう。きゅうりはほとんどが水分なので、きゅうりを与えたことで病状が急変することはほぼないといえます。
ただし、慢性腎臓病(腎不全)の犬はカリウムを摂りすぎると高カリウム血症になる可能性があります。腎臓だけでなく心臓にも負担がかかる場合もあるため、尿路結石を起こしたことのある犬や、腎臓病、心臓病のある犬、これらの病気にかかるリスクが高い状態で心配であれば、きゅうりを与えるのは避けましょう。
犬にきゅうりの加工品をあげてもいい?
犬にきゅうりを与える場合、生の状態が最も安全です。きゅうりの加工品は、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため少量であっても絶対に与えないようにしてください。
例えば、人間用に味付けされたきゅうりは、塩分や調味料が多く含まれています。特に漬物やキムチには大量の塩分や酢、香辛料などが含まれており、犬にとっては有害です。過剰な塩分は高血圧や腎臓病を引き起こす可能性があり、香辛料は胃腸を刺激し、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。
また、ニンニクや玉ねぎが含まれている場合もあり、これらは犬にとって中毒を引き起こす危険な食材です。
漬物やキムチは人間の食卓に上がることが多く、誤って犬が食べてしまう可能性もあります。犬が誤食しないよう、食事の際はテーブルやキッチンに置きっぱなしにせず、適切に管理することが大切です。
犬にきゅうりを与える際のおすすめのあげ方や手づくりのきゅうりを与えてみても!
きゅうりは生で与えるだけでなく、さまざまな方法で愛犬の食事に取り入れることができます。ここでは、新鮮なきゅうりの選び方や、おやつとしての活用方法、手づくりレシピなどをご紹介します。
与えるきゅうりは新鮮なものを選ぶ
犬に与えるきゅうりは、人間用に選ぶ時と同じように、緑色が濃くハリツヤのあるもの、とげがしっかりしている新鮮なものを選びましょう。与える前にヘタは必ず取り、皮は硬いのでむいてあげたほうが消化に優しくなります。
よく丸飲みする子や歯が弱い子の場合は、喉に詰まらせてしまう危険があるため、細かくしたり、スティック状に切ったりしてから与えてください。スープに混ぜてもいいですし、フードやおやつにトッピングしたり、すり下ろしてあげたりしてもいいでしょう。加熱しなくても問題はありません。
お散歩時のおやつにおすすめ
夏場のお散歩では、きゅうりを冷たいおやつとして楽しむ犬もいます。傷まないよう温度管理に気を付けながら持ち歩きましょう。
おやつとしての活用はOK、でもダイエット目的は注意
きゅうりはカロリーが低いため、人間のダイエットに利用されることがある食材です。人間の場合は「ダイエットする」という目的を持っているため、1〜2本のきゅうりを食べれば「もう十分食べた」と自分に言い聞かせることで食べ過ぎを防ぐことができます。
しかし、きゅうりには直接的なダイエット効果のある成分が含まれておらず、食物繊維も多くはありません。犬の場合はあまり満腹感もなく、健康維持に必要な栄養素を十分に含んでいるわけでもないため、ダイエット食としてあえて与える必要がありません。
犬のダイエットのためにドッグフードの代わりにきゅうりを与えることは、栄養バランスを崩す可能性があるため避けるべきです。しかし、普段のおやつの代替として少量与えることで、おやつのカロリーを抑えることにはつながる可能性があります。
ただし、与える際は、適量を守り、総合栄養食であるドッグフードを基本とした食事管理を行うことが大切です。ダイエット目的でおやつ選びを考えている場合は、必ず獣医師に相談して適切な食事管理、体重管理を行いましょう。
きゅうりを使った手づくりごはんレシピ
きゅうりは手づくりごはんにも活用できます。きゅうりを使った手づくりごはんのレシピを下の関連記事リンクでご紹介しています。
自宅で手づくりきゅうりを愛犬に与えてみても!
無農薬で安全なきゅうりを育て、自宅で収穫したものを愛犬に与えるのも良い方法です。最近では家庭用の水耕栽培キットやプランター栽培などで簡単にきゅうりを育てることができます。カインズで購入可能なきゅうりの種の他、愛犬と一緒に使ったり遊べるグッズやトイなどを紹介します。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※上記商品は獣医師の監修外です。
犬が食べてもいい野菜・犬に絶対食べさせてはいけない食べ物
きゅうり以外にも犬が食べられる野菜はたくさんあります。その一方で、食べさせてはいけない食材も存在します。飼い主が適切に判断するためには犬が食べても良いものと食べてはいけないものを知っていなければなりません。ここで紹介する情報をお役立てください。
犬が食べてもいい野菜
犬に絶対食べさせてはいけない食べ物は?
まとめ
犬にきゅうりを与えても大丈夫ですが、皮は硬く消化に良くないため皮をむいて与えましょう。新鮮なきゅうりを選び、適量を守ることが大切です。ヘタに含まれる苦み成分やアレルギー、持病のある犬への影響に注意しながら、最初は少量ずつ与えてください。また、散歩時のおやつやダイエット食として活用できるほか、手づくりごはんに取り入れることで、愛犬の健康管理にも役立ちます。