犬ははんぺんを食べても大丈夫？ 愛犬の健康を守るための与え方と注意点【獣医師監修】

はんぺんの主原料は、スケトウダラやキントキダイ、イトヨリダイなどの白身魚のすり身です。白身魚は、犬の筋肉や皮膚、被毛、血液など体を作る上で欠かせない良質なタンパク質を豊富に含んでいます。独特のふわふわした食感を出すために、卵白や山芋なども使われています。鶏卵と同程度のタンパク質を持ちながら、低カロリーで脂質が少ないのも特徴です。

 

また、はんぺんには炭水化物も多く含まれており、これは犬が活動するための大切なエネルギー源となります。柔らかく消化吸収が良い食材なので、食欲が落ちてしまった犬や、高齢で固いものが食べにくくなった犬のごはんのトッピングとして、少量加えることで食いつきが良くなることも期待できます。

 

しかし、人間用のはんぺんは風味を良くしたり日持ちさせたりするために、塩分がやや多めに含まれている傾向があります。また、多くの場合、化学調味料や増粘多糖類などの添加物も使用されています。そのため、愛犬に与える際はごく少量にとどめることが大切です。

おかずやおつまみによく使われるちくわやかまぼこも、はんぺんと同じ魚肉加工品です。これらもはんぺんと同様に塩分が多く、添加物が含まれていることが多いため、与える際は少量にとどめておきましょう。

前述のとおり、はんぺんにはタンパク質などの栄養素が豊富な反面、塩分やアレルギーの原因になる成分も含まれています。以下に該当する犬には、はんぺんを与えないようにしてください。

 

心臓・腎臓に疾患のある犬

過剰な塩分は、犬の心臓や腎臓に大きな負担をかけます。そのため、心疾患や腎疾患を持つ犬には、はんぺんを与えないようにしてください。獣医師から低塩分食を推奨されている場合、ほんのわずかな塩分でも症状を悪化させるリスクがあるため、絶対に避けましょう。

 

アレルギー体質の犬

魚、卵、山芋にアレルギーを持つ犬には、はんぺんを与えないようにしてください。

 

初めてはんぺんを与える際は、必ず商品の原材料名をチェックし、動物病院が開いている日中にごく少量から与えて様子を見るようにしましょう。アレルギー症状は、食べた直後だけでなく、数時間から数日後に現れることもあります。

 

もし、以下のような症状が見られたり、普段と違う様子を感じたりした場合は、すぐに動物病院を受診してください。その際、症状が出たときの様子を動画で撮影しておくと、獣医師の診断の助けになることもあります。

 

＜アレルギー症状の例＞

• 下痢・嘔吐
• 皮膚のかゆみ
• 目の充血
• 元気がない

人間用のはんぺんを愛犬に与える際には、下準備が必要です。これらのひと手間が、愛犬の健康と安全を守るために欠かせません。

 

まずは、必ず塩抜きをしましょう。水を張った鍋に、細かく切ったはんぺんを入れて火にかけます。沸騰したら火を止め、そのまま1分ほど置いてから、ざるにあけて水でさっと洗い流します。この工程で余分な塩分が抜け、犬の心臓や腎臓への負担を軽減できます。

 

はんぺんを塩抜きする際に細かく切るのは、塩抜きの効果を上げるだけでなく、犬が食べやすいサイズにするという意味もあります。市販のはんぺんは柔らかいとはいえ、そのまま愛犬に与えた場合、喉に詰まらせてしまう可能性もゼロではありません。必ず細かく切ってから与えるようにしましょう。

 

また、市販されているはんぺんの中には、無添加と記載された食品添加物が含まれていないものもあります。犬に与えるのであれば、無添加のはんぺんを選ぶとより安心です。

 

はんぺんが入っていた袋にも注意が必要です。はんぺんの匂いやうま味がついているため、犬が興味を持って口にしてしまうことがあります。袋を噛みちぎって誤食してしまう危険性もありますので、密閉できるごみ箱に捨てるようにしましょう。

 

さらに、人間が食事ではんぺんに付ける醤油やわさびに、犬が興味を示すこともあります。犬にとって醤油やわさびは塩分が多く刺激物となるので、絶対に与えてはいけません。人間が食事をする時間や場所を犬と分けたり、犬が手を出さないように気を付けたりするなど、徹底した対策が必要です。

はんぺんはあくまでもおやつであり、メインの食事とは別に与えるものです。犬のおやつは、1日の総摂取カロリーの10%程度にとどめるのが理想的とされています。

 

以下は、はんぺんを与える際の1日当たりの目安量です（塩抜き後の量）。

 

小型犬：約20g
中型犬：約40g
大型犬：約70g

 

これは一般的な目安で、愛犬の活動量や健康状態、普段の食事内容によって調整が必要です。例えば、運動量が多い犬と少ない犬では同じ体格でも消費カロリーが異なるため、愛犬の状況に合わせて量を加減するようにしましょう。

人間にとってはおいしく安全な食べ物でも、犬にとっては危険な場合があります。なぜなら、犬と人の体の仕組みは異なるからです。

 

はんぺんのように与え方に注意が必要なものもありますが、中には少量でも命に関わる危険な食材もあります。

 

身近な食材で、犬に与えてはいけないものをまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてください。

犬用につくられた練り物として、はんぺんではありませんがペット用のカニカマが販売されています。タンパク質が豊富ですから、健康的なおやつやごほうびとしてストックしておくと安心ですね。カインズオンラインショップでご購入いただけます。

 

カニ肉入り！　スライスされた食べやすいペット用カニかま

やわらか仕上げ カニ入りかま 120g

 

カインズオンラインショップには、栄養豊富な魚や肉入りのおやつが豊富にそろっています。ぜひチェックしてみてくださいね！

素材（お肉・魚）おやつ｜カインズオンラインショップ

 

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合がございます。
※上記商品は獣医師の監修外です。

はんぺんは、犬に良質なタンパク質を与えることができる食材ですが、塩分や添加物が含まれているため、注意が必要です。愛犬に与える際は必ず塩抜きをして、喉に詰まらせないよう細かく刻むことを徹底しましょう。

 

また、アレルギーや持病を持つ犬には与えないことが大切です。はんぺんの包装袋にも匂いが付いているため、誤って犬が口にしないよう、取り扱いには十分注意してください。愛犬の健康を守りながら、安心しておやつの時間を過ごせるよう工夫しましょう。