料理研究家・リュウジの簡単やばうまレシピ「手羽元と大根の塩煮込み」
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植物や作物を育てる際、質の高い土壌は必要不可欠です。そこで使用されるのが「腐葉土」。土壌の改良用土や雑草・害虫よけのマルチング材としても用いられています。
この記事では、腐葉土の役割やほかの農業資材との違い、使い方や作り方などを紹介します。園芸やガーデニングの基本となる土の知識を身につけ、草木の成長をもっと楽しみましょう。
腐葉土は、枯れ葉や落ち葉などの有機物が時間とともに分解され、土のようになったものを指します。堆肥の一種であり、「改良用土」や「補助用土」とも呼ばれています。また、腐葉土は水はけと水持ち(必要な水分の保持)をよくし、栄養分を増やすので、植物や作物を育てる際に土づくりの手助けをしてくれます。枯れ葉や落ち葉などの自然のものを利用するため、手軽に自作することもできます。
腐葉土は、肥料成分のない赤玉土などの基本用土と混ざることで、土の中の有機物を分解し、微生物(糸状菌、放線菌など)を増加させます。その結果、土は病原菌の侵入から守られ、栄養分を蓄えることができます。
腐葉土の使用では、主に以下の4つの効果が得られます。
腐葉土の材料となる枯れ葉や落ち葉は、植物由来の有機質です。そのため、これらをエサとする微生物が増えることで土壌の環境が向上し、痩せた土の改善に役立ちます。
枯れ葉や落ち葉は、水はけや空気の通りをよくします。適度に隙間ができることで、排水や保水がよりよい状態に保たれるのです。
腐葉土は、マルチング材としても使用されています。マルチングとは、植えた植物の地表面を覆うこと。これにより、土壌の乾燥や急激な温度変化を防ぎ、雑草や害虫などから植物を守ることができます。
土の表面を腐葉土で覆うと、紫外線の刺激を直接受けずにすみます。それにより、植物の毛根のダメージ回避や、土中の微生物の活性化につながります。
堆肥やバーク堆肥、培養土は、腐葉土と混同されやすいものです。ここからは、腐葉土とそのほかの農業資材の違いを解説します。
腐葉土は堆肥の一種ですが、堆肥は肥料である一方、腐葉土は土壌改良土という区分のため肥料ではありません。また、植物由来のもののみが原料で、それらを互いに積み重ね、発酵させたものが「堆肥」、植物以外にも牛糞や豚糞、鶏糞、馬糞などを発酵させたものが「厩肥(きゅうひ)」です。さらに、堆肥と厩肥が混ざり合ったものを「堆厩肥」といいます。現在は、さまざまな資材を混ぜ合わせ発酵させたものが、通称、堆肥と呼ばれています。
「バーク堆肥」は、木材の伐採や加工などで余った樹皮(バーク)を分解し、発酵させたものです。腐葉土と同じように、土の保湿性を高め土全体を柔らかくしますが、バーク堆肥は有機酸などの含有量が多く、C/N比(有機物の炭素(C)含有率と窒素(N)含有率の比)が高いため、微生物による有機物の分解スピードは腐葉土より遅いです。
基本用土に補助用土が混ざった状態のものが「培養土」です。培養土には、草花用、野菜用、種まき用、挿し木用などの種類があります。赤玉土をベースとし、それぞれの用途に合わせてバランスよく土が配合されています。
植物や作物を育てる際、培養土は単体で使用することができますが、腐葉土は補助用土のため赤玉土や黒土、鹿沼土などの複数の土と混ぜ合わせて使用しないといけません。ただ、腐葉土がより分解され、土と同じような形態になると培養土として使用できます。森林や竹林の下層部では、葉などが原形の姿をとどめない状態まで分解されています。
腐葉土は、基本用土と混ぜ合わせて使います。作付けする植物にもよりますが、割合は土2:腐葉土1が好ましいでしょう。
また、腐葉土を使う際は、おさえておきたい注意点がいくつかあります。
腐葉土を使用する前に、土壌の特徴を確認しましょう。土は、湿度や日当たりによって状態が大きく異なります。土壌診断キットや土壌酸度(pH)計、酸度測定薬を使って、通気性や保湿性、酸度の割合、EC値(土壌中にある物質のイオン濃度の総量)などをチェックするとよいでしょう。また、土壌の状態を知っていると、赤玉土や石灰など、ほかの資材と腐葉土を配合する際の調整にも役立ちます。
腐葉土と混ぜる土の質もしっかりと確認しておきたいところです。いくら質のよい腐葉土を用いても、混ぜ合わせる土の質がよくないと、通気性や保湿性などの効果が薄れてしまいます。基本用土の赤玉土は、しっかりとした弾けにくい粒子がよく、花や植物の植え替えには中粒程度がおすすめです。安価な土はできるだけ避けるなど、混ぜ合わせる土の質にも注意しましょう。
形や色、臭いで、質のよい腐葉土を見分けることができます
腐葉土は、以下の点に注意して選びましょう。
厚い葉や、葉の形がそのまま残っているようなものは、腐葉土に適しません。また、腐った黒い葉や常緑樹なども避けたほうがよいでしょう。
嫌な臭いや変な臭いがするものは、発酵しきっていない腐葉土の可能性があります。できるだけ臭いのしないものを選ぶことで、発酵した質のよい腐葉土を使用できます。
また、腐葉土の臭いが森林を散策したときの土の臭いと同じであれば、選んで問題ありません。悪い臭いとは、腐敗臭や酸っぱい刺激臭など。酸っぱい刺激臭は、石灰窒素を発酵の資材として使用したものです。短期間で人工的に製造した腐葉土なので、使用する場合は買ったあとに一工夫が必要です。
腐葉土は、カブトムシ用のマットに使用されることもあります。マットに用いられる腐葉土は、針葉樹が入っていなかったり広葉樹のみを使用していたりと、草花や野菜を育てる土には適していない場合があります。
市販のものを購入する際は、腐葉土の成分をよく確認しましょう。どれを選べばよいかわからない場合は、園芸店やホームセンターのスタッフに尋ねるとよいでしょう。
腐葉土のおおよその価格は、14Lで約300円、25Lで約400円、40Lで約800円です。ホームセンターには、バーク堆肥入り腐葉土や木の葉100%腐葉土など、さまざまな種類の腐葉土があるので、好みのものを探してみるとよいでしょう。
腐葉土は、市販のものを利用する以外にも、自作する方法があります。ここからは、必要な道具や手順など、腐葉土の作り方を紹介します。
腐葉土を作る際は、以下のような道具を用意します。
大量に作る場合は大きめのショベルがおすすめです。
フタ付きのものがよいでしょう。ない場合は、蓋の代わりとなるビニールシートを準備します。また、底がないものを使用すると、土との接触で地上の微生物が活発に働き発酵が早く進むのでおすすめです。
枯れ葉や落ち葉を集める際に使用します。
ベランダのような雨に当たらない場所を選びましょう。庭などスペースに余裕がある場合は、穴を掘って容器の代わりにしても構いません。
落葉樹や針葉樹のような樹木の下などで作ると、そこに棲む微生物の力を利用できるので、できあがりが早くなります。
熊手を使って集めます。完成後はかさが減るため、たくさん作りたい場合は大量に集めておく必要があります。
通気性をよくするため、入れすぎには注意しましょう。一緒に米ぬかや黒糖、牡蠣殻石灰(亜鉛、マグネシウムを含む資材)を入れると発酵が早く進みます。
通気性がよすぎても良質な腐葉土はできず、発酵も遅くなります。材料を入れ、体重約50㎏の人が均等に一回り踏みつけるとよいものができます。
土の温度を保ち、雨がかからないようにします。
まんべんなくかき混ぜて適当な量の空気を取り込み、土全体が発酵するようにしましょう。
また、好気と嫌気のバランスを考えるとよいでしょう。好気発酵は微生物のバイオマスを向上させ、嫌気発酵はマイナスイオンの発現と、それによるCEC(土が肥料を吸着できる能力)を向上させます。両方を兼ね備えることにより、良質な腐葉土ができあがります。
中の葉が乾いていたら、水やりのタイミングです。水に黒糖液(100倍に薄めたもの)を混ぜると、早く、良質に作れます。
早くて3ヵ月ほどで完成します。
ここからは、腐葉土に入れてはいけないものや適していない葉など、腐葉土を作る際の注意点について詳しく解説します。
発酵の妨げになるものを入れないように注意し、新鮮な空気と水を取り込みましょう
腐葉土に枝や小石は入れないようにしましょう。枝や小石は固くて分解されにくいため、腐葉土に適していません。また、発酵を促進する米ぬかは入れすぎないよう注意します。米ぬかを多く入れると、水分などの調整によって土壌が酸欠状態となり、腐敗菌の酪酸菌が発生してしまいます。
腐葉土には、適している葉とそうでない葉があります。
腐葉土に適している葉 | クヌギ、ポプラ、ケヤキ、ナラ、モミジなど |
腐葉土に適していない葉 | マツ、イチョウ、スギ、サクラ、クス、カキ、コニファー、ヒノキ、カヤなど |
適していない葉を完熟させると、適している葉よりも、腐植、CECの高いものができますが、それには技術が必要です。
腐葉土作りで失敗しないためには、ほどよく空気を取り込み、適度に水分を与えることが大切です。空気に触れすぎていると発酵がうまく進みません。かき混ぜるとき以外はフタをしておきましょう。
また、水分量が多すぎると酸欠状態による嫌気発酵となり、腐葉土が腐敗してしまいます。よく混ぜて土中の含水率を60%均一にし、必要に応じて適量の水を与えるようにしましょう。土の状態を確認しながら都度調整していくことが求められます。
腐葉土は、土壌の通気性や水はけ、必要な水持ちをよくするので、植物や作物を育てる際の土づくりに役立ちます。また、激しい温度変化や雑草・害虫の心配がある場所では、マルチング材としても使用できます。
ホームセンターなどで手に入りますし、作り方も簡単なので、必要な分だけほしいという方には自作もおすすめです。
ぜひ腐葉土を活用して、よりよい土づくりに挑戦してみてください。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。