花束・フラワーアレンジメントをもらったらどうする? 元花屋さんが教えるケア方法とドライフラワーの作り方
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目次/ INDEX
初めに化成肥料とは何かを簡単に押さえておきましょう。
まず、肥料には大きく分けて有機肥料と化成肥料の二種類があります。
有機肥料が油粕や魚粉など有機物を発酵させて作った肥料であるのに対し、化成肥料は鉱物などの無機質を原料にした肥料です。
どちらも自然界に一般的に存在する物質でできていますが、化成肥料の場合は化学的に合成して作られるために化成肥料と呼ばれています。
化成肥料には肥料分の主要な要素であるチッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K、カリウム)をはじめ、マグネシウム、ケイ素などさまざまな種類があります。1種類の成分だけを含む「単肥(たんぴ)」のほか、複数の肥料を組み合わせたものもあり、肥料分の組み合わせ方によって用途や効き方が異なります。
また、肥料分がすぐに植物に吸収される「速効性肥料」、ゆっくりと効き目が現れる「遅効性肥料」「緩効性肥料」など、効き目が現れるタイミングもさまざまです。粒状、粉末状、タブレット上、液体状など、形態もさまざま。
単純に肥料分を生成したものはすぐに効き目をあらわす速効性肥料として使うことができますが、少しずつ溶け出すようにコーティングが施されたものは、長い間効き目が持続する遅効性肥料、緩効性肥料として使うことができます。
化成肥料の基本がわかったところで続いては化成肥料ならではのメリットとデメリットを押さえておきましょう。
化成肥料はリンやカリウムなどの成分の配合をある程度自由に決めて作ることができるため、さまざまな作物やシチュエーションに合わせた肥料を作ることができます。使う側も、さまざまな肥料の中から自分の意図に合ったものを選んで使うことができるのがメリットです。
肥料の効き方も、すぐに効くものからゆっくりと長い期間効くものまでさまざま。肥料分をすぐに効かせたいのであれば、速効性肥料のような効き目がすぐに出る肥料を選びましょう。また、長くゆっくりと効くタイプを選べば、一度与えてしまえば春から秋まで一度も肥料を追加しなくてもよく、手間がかかりません。
肥料分をさまざまな比率で組み合わせたものが作られているので、果実がなるものにはリン酸分が多いものを、葉物野菜や葉を観賞する観葉植物にはチッ素が多いものをなど、作物に合わせた肥料を使うことができます。過湿などで根が傷んだ植物には肥料を与えないというのが植物栽培のセオリーですが、水に溶かして作った液体肥料を葉に散布する「葉面散布(ようめんさんぷ)」であれば、根に負担をかけずに肥料を与えることができます。
有機質を含まない化成肥料は、室内で使ってもコバエなどが発生しにくいというメリットもあります。
化成肥料自体にデメリットはありませんが、化成肥料だけに頼り切ってしまうことで起こる弊害があります。
土の中にはある程度の有機質が含まれていることが理想的ですが、肥料を与えていれば作物は育つため、有機質の補給がおろそかになってしまうことがあります。土の中の有機質が少なくなると土中の微生物のバランスが崩れ、病気の原因となる菌が増えてしまうことがあります。有機質肥料も、腐葉土や堆肥などの有機質資材を補充していかないと、同様のことが起こる可能性があります。
また、有機質肥料は微生物に分解されることで、植物が利用できる肥料分が溶け出していくため、土壌中に過剰な肥料が供給されにくい特徴があります。化成肥料であっても緩効性化成肥料や遅効性肥料のような、ゆっくりと溶け出すように作られている肥料であればよいのですが、速効性肥料をたくさん使うと、土壌中の肥料分が過剰になってしまうことがあります。肥料分が多すぎると、作物の根が傷んだりすることがあります。
続いて化成肥料の種類について解説します。
一口に化成肥料といっても配合されている配合量や形状によっていくつもの種類にわかれています。
ここではいくつかの肥料のカテゴリーを紹介しつつ代表的なものをいくつかご紹介します。
化学的に合成されたチッ素、リン酸、カリなどの肥料分のどれか1つだけを含む肥料のことです。多くはすぐに効き目が現れる速効性肥料です。与えたい成分だけをすぐに与えることができるのがメリットです。チッ素だけを与えたり、タイミングに合わせてチッ素とリン酸だけを与えたりという使い方もできます。水に溶かして液体肥料として使うこともあります。
窒素、リン、カリを中心に複数の成分を配合した肥料で、家庭菜園やガーデニングに使う肥料として最も一般的なものの1つです。特にガーデニング用の肥料は多くの場合、溶け出すのがゆっくりで、肥料過多になりにくく、一度与えると長い間効き目が続きます。
化成肥料に有機質の肥料を配合した肥料です。化成肥料の溶け出すスピードをコントロールしながら、土壌に微生物などが増えやすくなります。また、微量要素の供給も期待できます。
水に溶けてすぐに効き目をあらわす肥料です。肥料分はすぐに水に溶けてしまう分、肥料が切れたら追加で与える必要があります。
与えると1〜12か月にわたり、少しずつ肥料分が溶け出して、長く効果があらわれる肥料です。製品によって溶け出すスピードや効き目が続く期間は異なります。ガーデニングで使われる粒状やタブレット上の肥料の多くはこのタイプです。
原液や粉末を水に溶かして与えるタイプの肥料で、すぐに植物の根に届き、効果が表れます。一般的には畑などよりは、鉢やプランターなどで使われます。
化成肥料は植え付けの際にも、植えつけてからも使うことができます。また、さまざまな比率で肥料分が含まれているものがあるので、作物や用途によって使いこなすこともできます。ここでは、化成肥料の与え方や、使いこなしについて紹介します。
元肥は苗の植え付けの際に与える肥料のことです。植え付けの際に土に肥料を混ぜ込むほか、鉢植えの場合は鉢土の表面に粒状の肥料をばらまいたり、置いたりして与えることもあります。苗の初期の生育に必要な肥料分を補給するために与えます。春から生育する樹木や作物に、冬のうちに与える肥料を寒肥(かんごえ)といいますが、一年の生育の元になる肥料ということで、これを元肥と呼ぶ人もいます。
春以降ある程度生育が進んだときに追加で与える肥料のことです。元肥の肥料分がなくなってきた時に与えたり、春先に咲く花が終わって枝葉の生育がスタートする時などに与えたりします。マリーゴールドのように春から秋の終わりまで長く咲く花などは、定期的に追肥することで長くたくさんの花を咲かせてくれます。
肥料のパッケージに「N-P-K=8-8-8」などと書かれていることがあります。これはその肥料に、どのような肥料分が含まれているのかを示したものでそれぞれ
を表します。N-P-K=8-8-8は畑などで使われる一般的な比率の肥料です。
チッ素、リン酸、カリウムは肥料の「三大要素」と言われ、肥料分の中でももっとも植物が必要とする成分です。それぞれの成分のおもな役割は以下の通りです。
店頭ではさまざまなバランスの肥料が販売されています。それぞれの配合バランスをタイプ別に分け、使いこなしのポイントを紹介します。
最後にカインズでおすすめの化成肥料を5つ厳選してご紹介します。
良質な有機質を含有した粒状の肥料。
窒素、リン、カリが8パーセントずつ均等に配合されたオールラウンダー型の化成肥料なので作物を選ばずに使用できます。
含まれた有機質は土の中の微生物を活性化させ、ふかふかで柔らかい土を作る手助けをします。
こちらは配合合計を30パーセントに調整した有機質入りの高度化成肥料。
土壌を豊かにしてくれる点やあらゆる作物に使用できる点は変わりありませんが、効果に速効性があり、長持ちする点が違いです。
こちらは苦土やマンガン、ホウ素なども微量に含んでいるので、作物の品質向上も期待できます。
ながく効くBB一発肥料・作物全般16‐10‐10
化成肥料のほかにコーティング尿素が配合されており、効果が3か月持続。
作物全般に使用でき、苦土やマンガン、ホウ素が作物の品質向上に役立ちます。
こちらは化成肥料とコーティング尿素に加えて堆肥入りの有機化成が配合されており、土壌改良に役立ちます。
リン酸の成分が高めに配合されており、トマトやナス、キュウリなど果菜全般に使用できます。
名前の通り、ネギ栽培に特化した化成肥料。
含有されている有機質がネギのうま味を引き出し、健康に育つのを手助けします。
配合合計が30パーセント以下の普通化成肥料なので、施肥ムラや濃度障害を起こしにくい扱いやすい肥料です。
化成肥料は効率的に肥料分を土に供給できますが、それだけでは地力はどんどん落ちていってしまいます。土は肥料分が十分にあることと同時に、豊富な有機質を含んでいることが重要。特に長い間植物や作物を育てる庭や畑では、今シーズンの収穫量や花数だけを追い求めるのではなく、長期的な視野に立って土作りをしていく必要があります。
化成肥料を効果的に使って収穫したり花を楽しんだ後は、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質をしっかり土に補給して、翌シーズンに備えましょう。肥料分が多いと病害虫の発生が増えることがありますが、有機質が土の中にたくさんあることで土壌内や庭・畑の生態系が豊かになり、害を減らすこともできます。