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日本デルモンテといえば、食卓を彩ってくれるケチャップのブランドとして有名。でも実は、それだけじゃないんです。同社が50年以上も取り組んでいるのが、原料であるトマトの品種開発。現在なんと、約8,000ものトマト品種を保有しているのだそう。
そんな日本デルモンテから、家庭菜園で育てることができる「トマト苗」が販売されていることをご存知でしたか? 今回は群馬県某所にあるトマト開発施設にお邪魔して、トマト開発の秘話や、家庭でおいしいトマトを育てるコツを、開発担当者・北原直人さんに教えてもらいました。
──日本デルモンテはどんな会社なんですか?
北原:キッコーマン株式会社の経営多角化の一環として、農産加工食品の製造を目的に設立されました。社名も最初は「吉幸食品工業株式会社」だったんですよ。今年、弊社は創業60周年を迎えますが、社名を日本デルモンテ株式会社に変更したのは1991年になってからのことです。
設立後まもなく、米国デルモンテ社との技術提携によりデルモンテ・トマトケチャップ、トマトジュースの製造販売を開始し、国内屈指のトマト加工メーカーとして歩み始めました。それからソース、各種ジュースおよびドリンク、コーヒー、スープ、当社独自の製法によるリンゴ果汁、果実・野菜パウダーなどの開発を手掛け、現在では総合的な農産加工メーカーとなっています。
──デルモンテ=ケチャップというイメージがあります。
北原:ケチャップやジュースのほか、最近は野菜原料をたっぷり使った手間いらずの「具Tanto」シリーズのトマトソースなども展開しています。あと「キッコーマン デリシャスソース」の加工も弊社の工場で行っています。ソースにもトマトが使われているんですよ。
海外産トマトを使用していますが、弊社の担当者が現地に赴き、栽培管理から品質までしっかりと確認したたしかな原料を使っています。弊社は「種から、畑から」をモットーに原料となるトマトの品質にこだわり、独自の優良品種「デリシャスレッド種」を開発から展開し、デルモンテの味を作りあげています。
──今日お邪魔しているここは温室ですが、トマトの品種開発のための施設なんですか?
北原:はい、ここではトマトの品種開発と種子の生産を行っています。ハウス全体でいま300種ほどのトマトを育てているのですが、栽培すると同時に、それぞれのトマトの生育状況や特徴を見ながら育種(農作物の改良品種を作り出すこと)しています。
開発施設。背の高さや葉のつきかたが異なる、さまざまなトマトが並んでいる
──300種類も! 1つのトマト品種を完成させるのには、どれくらいの時間がかかるんですか?
北原:5〜10年くらいです。育種はまず、完成形のトマトを見据え、残したい性質を持つ“親”を作ることから始まります。優れた性質を持ったトマトだけを繰り返し選んでいき、性質が固定された純度の高い親を作る。この作業にとっても時間がかかるんです。
──果てしない作業ですね…。生食用のトマトと加工用のトマトは、やっぱり違うんですか?
北原:見た目も味わいも違いますね。このハウスで栽培しているのはほとんどが生食用のトマトで、ケチャップやジュースの原料になる加工用トマトは基本的に露地栽培(屋外の畑で栽培すること)します。生食用のトマトは皮が薄いのですが、加工用トマトは大量にトラックに積んで工場まで運ぶので、崩れないよう皮が厚くて果実が硬いものに品種改良されています。
──デルモンテさんだけでも8,000種ものトマトを保有されていると聞いたのですが、作りたいトマトのアイデアがなくなったりしないんですか?
北原:味・色・大きさなど、さまざまな特徴を持つトマトがあって、世の中にない組み合わせも無数にあるので大丈夫です。世の中の傾向やニーズに合わせて、まだまだいろんなトマトを作っていきますよ!