リュックの洗い方は? 洗濯機・手洗いで洗う方法と注意点
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こんにちは。ギター制作系YouTuberのあおきちラボです。
まだまだ寒い日が続いています。屋外でDIYをしていると、たまに凍えそうになるほど……。「ああ、外にストーブがあればどれだけ温かいだろう」と物思いにふけっていたところ、「ロケットストーブ」といううってつけのアイテムの存在を思い出しました。ロケットストーブがあれば、寒い中でも作業ができるし、持ち運びもできるのでキャンプでも使えそうです。
しかも、誰でも作れる前提で開発されたため、自作のハードルは低め。ドラム缶やペール缶などで作るという例もありましたが、大型のものは置く場所や持ち運びに困ると考え、今回は一斗缶で小型のものを作ってみました。
そもそも「ロケットストーブ」という言葉に耳慣れない方もいらっしゃると思うので、まずはロケットストーブについて解説します。
ロケットストーブとは、1980年代にアメリカの学者、イアント・エバンス氏により開発されたストーブです。
開発に至った経緯は、薪ストーブの健康被害を抑えるため。発展途上国や難民キャンプなどで使われる薪ストーブでは、煙・煤(すす)・タールなどが多く発生し、健康被害が出ていました。
つまり、ロケットストーブは煙・煤(すす)・タールが発生しにくいストーブということ。発展途上国や難民キャンプでの使用を前提として開発されたこともあり、制作や火の管理の難易度が低くなっています。
薪を燃やすと発生する、ガスや煤(すす)などの「可燃性の物質」をさらに燃やして熱を得るのが、ロケットストーブの大まかな仕組みです。
つまり、一度薪を燃焼させたあとに(一次燃焼)、燃焼で発生したものをさらに燃やすこと(二次燃焼)で熱を得るストーブなのです。二度の燃焼でエネルギーを得られるところが、薪のみの燃焼でエネルギーを得る一般的な薪ストーブとの大きな違いであり、ロケットストーブの特徴と言えるでしょう。
ちなみに、発生した可燃性物質は、およそ600℃前後で発火します。そのため、ヒートライザーと呼ばれる“炎の通り道”を断熱・保温して600℃より高い温度を保たないと、二次燃焼が起こりません。「ヒートライザーの断熱」が、ロケットストーブ制作のカギを握っているといっても過言ではありませんね。
では、さっそく作っていきましょう。まずは、今回の主役である一斗缶を準備します。一斗缶にはいくつかの種類がありますが、今回は円形の上蓋がついている「グリスキャップ付き一斗缶」をカインズの店頭で購入しました。
一斗缶の中にロケットストーブのパーツたちを詰め込んでいくので、蓋が外せるものを選ぶと、後々の作業やメンテナンスがラクになるでしょう。
次に、ロケットストーブの本体ともいえる通気口・一次燃焼室・二次燃焼室・煙突などを形作る「薪ストーブの煙突」を用意します。「T曲がり煙突」「エビ曲がり煙突」「半直筒煙突」を、同じくカインズの店頭で購入。
端のギザギザの部分と、ギザギザになっていない部分とで接合できます。いずれの煙突も直径は106mm。異なる直径だと、うまく組み合わせられないこともあるため、同じ直径のものを用意するのがよさそうです。
T曲がり煙突には蓋がついているので、取り外して使います。筆者が購入したものは手で外せました。
さらに、ヒートライザーの断熱材となる「小粒軽石」を16リットルほど準備しました。耐熱性と断熱性があれば、軽石以外のものでも代用できるかと思います。
ちなみに軽石以外では、パーライトや鹿沼土を使用しているケースが多いようです。どちらも園芸コーナーで見つかるモノですね。
いずれの材料も「多孔質」である理由は、断熱するためには“動かない空気の層”を作ることが重要だと言われているためでしょう。
そのほかに、燃料用のアウトドア薪や塗料、金切りはさみ、油性マーカーなどを購入しました。すべてカインズで売っているモノです。
一斗缶ストーブの作り方を簡単に説明すると、下記のとおり。
今回はDIY初心者でも簡単に作れるように、電動工具を使っても使わなくても作れる方法をご紹介します。
まずは、一斗缶に煙突が通るための穴をあけます。穴をあける場所は、上蓋の中心と、側面の下のほうです。
側面の穴は、断熱性を高めるために均等に軽石を詰められるよう、底面と側面からそれぞれ同じくらいのスペースをとったほうがよいと思います。今回は、煙突の縁が一斗缶の両端から7cm、下から7cmくらいの場所になるように穴をあけました。
煙突の外周サイズを一斗缶に書き写し、穴をあけていきます。
今回使用した金切りはさみは、「直刃」という刃がまっすぐなものですが、どうやら丸を切り出すのには適していなかったようです。今回のような作業には、「エグリ刃」という種類の金切りはさみがよさそうですね。
また、金切りはさみ以外では、ドリルとニッパーを使った穴のあけ方もあります。実際にあけたい穴の内側にドリルで小さな穴をあけていき、穴と穴の間をニッパーで切るという方法です。
いずれの方法でも、穴をあけた後の切り口をそのまま放置すると手を切る危険があるため、ハンマーで叩くかヤスリで削っておきましょう。
続いて、一斗缶の中に軽石を敷き詰めていきます。
エビ曲がり煙突を一斗缶の内側に取り付けたあと、煙突が多少埋まるくらいまで軽石を詰めます。エビ曲がり煙突の位置は、半直筒煙突が一斗缶の中心を通れるように調整しておきましょう。
位置が調整できたら半直筒煙突を差し込み、その周囲にも軽石を詰めていきます。偶然にも、今回は16リットルの軽石1袋でぴったりでした。
詰め終わったら、上蓋を閉めておきます。筆者は後々のメンテナンスのことを考え、あまり強く締めすぎないようにしました。
楽しくなって、調子に乗って側面の穴を叩きすぎていたら、穴が煙突よりも若干大きくなってしまいました……。軽石が漏れてきては不便なので、アルミテープで塞ぐ応急処置を施します。ここはかなり温度が上がるポイントなので、アルミテープでは耐久性に難があるかもしれません。
最後に、塗装をして完成です。耐熱塗料で塗装するのがよいですが、今回は近所のカインズで品切れだったので、耐熱ではない塗料を使いました。
黒く塗装すると、なんだか引き締まった感じがしてかっこいいですね。
今回、ロケットストーブの燃料になるのは薪です。
このままでは薪が太くて使いにくいため、ナイフで薪を割ってから使いました。細い薪にナイフをあて、重めの薪をハンマーのようにナイフに叩きつける「バトニング」という方法で、薪をどんどん割っていきます。
細い薪ができたら、その薪を燃焼室に入れて、ガスバーナーで着火します。炎が安定するまでは、ガスバーナーで火力をサポートしてあげると、炎が早く安定する気がします。
炎が安定し、ヒートライザーも十分に加熱されると、炎が煙突のほうへ吸い込まれて火力も増えていきます。
炎の流れは、わりとはっきり見えました。男ゴコロをそそりますね。濃縮されたロマン!
使い終わった後は、塗装が劣化して白くなってしまいました。やはり耐熱塗料を使うべきですね。でも、これはこれで味があって悩ましい……。
実際に使ってみた感想としては、炎が安定しており、暖かさも十分。
今回は、暖房や焚火用具として制作しましたが、煙突の先端に五徳などを載せれば、キャンプなどでの調理にも使えそうです。調理用としての完成度を上げるには、煙突を短くして、鍋やフライパンなどを使いやすくするとよさそうです。
自宅でもアウトドアでも重宝するロケットストーブのDIY、ぜひチャレンジしてみてください。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。