バブルーンで洗面台とトイレを泡掃除してみた。驚きの効果は閲覧注意!?
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キャンプでしかできない楽しみ、それは焚き火や炭火料理など、生の火を扱うこと。テントの設営を終えて、次第に陽も傾き、もう腹ペコ。そうなると、なるべくスピーディーに火を起こしたいものですね。でも、太い薪や炭は、そのままではなかなか火がつきません。
そんなとき頼りになるのが、「着火剤」です。紙やおが屑などに油脂を染み込ませ、固めたものが一般的。でも、毎回の使用で、かなり費用が嵩んでいませんか? そんな着火剤、実はとても安価に自作できます。
主な材料は、新聞紙や布切れなど身近にあるものばかり。作り方も簡単です。今回は、クラフト感覚で作れる5種の着火剤の自作方法をご紹介しましょう。キャンプ場で、のんびりくつろぎながら作れるものもありますよ。
火をつけてもすぐに消えて、燃えかすがフワフワと舞ってしまう新聞紙。そのままでは着火剤としての能力は今ひとつですが、バラバラに溶かしたものを棒に巻いて固めると、優秀な着火剤「ペーパーログ(紙薪)」に変身します。
【用意するもの】
新聞紙を手で細かく裂いて、バケツの水の中に入れます。大きさは紙吹雪くらいが適当です。
ペーパーログがスッと抜けるよう、丸棒の先にラップを巻きます。ここでは木の棒を使っていますが、プラスチック製や金属製のパイプなら、ラップは不要です。
十分に水を含んだ新聞紙を手ですくい、ぎゅっと握りながら、ラップを巻いた丸棒にくっつけていきます。少しずつ、厚みが平均になるようにしてください。
太めの竹輪のような形にまとまったら、両手できつく握って水分を絞ります。
ペーパーログの塊を丸棒から引き抜き、トレイに並べてしっかり乾燥させてください。
朝刊1日分から12個のペーパーログができました。中まで完全に乾くのに数日かかるので、キャンプに持っていくのなら、前もって自作しておくといいでしょう。お子さんと一緒に楽しみながら、紙粘土遊びのつもりで作ってみてください。
ペーパーログを2本、小型焚き火台の中に置き、1本に点火。すぐに火がつき、煙が出始めました。
約2分後、炎が上がり、勢いよく燃焼を始めました。中心に穴が空いているためか、ペーパーログを立てて置くと、気流の煙突効果でよく燃えるようです。ペーパーログ2本で、約6分間ほど燃焼が続きました。これなら焚き火などの着火に十分ですね。
新聞紙を固めただけですが、かなりしっかりしています。空き缶やギアコンテナなどに入れておけば、運搬中に形が崩れることもありません。
「チャークロス」の特徴は、ファイアースターターのようなわずかな火花を捉え、ゆっくり燃えてくれるところ。厚手の木綿布を缶に入れて火にかけ、不完全燃焼の状態にして炭化させたものです。市販品もありますが、キャンプ中の時間を使って自作してみては?
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が混じっていると、炭にならずに溶けてしまうので、必ず綿100%の布を準備してください。
【用意するもの】
材料となる木綿の布を、缶の内側サイズぴったりの大きさにカットします。
切った布を重ねて缶に入れます。余計な空気が少ないほうがうまく炭化するので、ぎっちり詰め込むのがコツ。
フタを閉め、缶のてっぺんに釘で穴を開けます。これで下準備完了です。
焚き火台にゴトクを置き、その上に缶を載せて加熱開始。
しばらくすると、缶にあけた穴から細く煙が出てきました。この煙は可燃性ガスを含んでいるので、チャークロスの作成は必ず屋外で行なってください。
穴から出たガスに、小さく火がつきました。そのまま加熱を続け、穴から煙や火が出なくなったら、焚き火から下ろしましょう。
フタをしたまま、完全に冷めるまで放置します。まだ熱いうちにフタを開けてしまうと、中の布が空気中の酸素と結びついて一気に燃え尽きてしまうので、注意してください。
ひと晩置いて、十分に冷ましたあとにフタを開けると、真っ黒に炭化した布が出てきました。チャークロスの完成です。
チャークロスは手で簡単に切れます。必要な分だけちぎって使ってください。
火のつきやすい麻の繊維と一緒に使って、焚き火に着火してみましょう。
ライターでチャークロスに点火し、火吹き棒で空気を送って火を育てていきます。
チャークロスに点火してから約1分で、フワフワの麻の繊維に火が移り、小割りの薪が燃え始めました。5cm角のチャークロスの火持ちは約3〜4分なので、焦らず火を大きくできますね。
チャークロスは薄くて非常に軽量です。そのため、携行する荷物に制限のある徒歩ソロキャンプにもうってつけ。自作したものを空き缶などに入れて持っていくといいでしょう。
ミツバチが巣を作るときに出す蜜蝋を、木綿の布に染み込ませたものが「蜜蝋マッチ」です。蜜蝋はロウソクの原料になるなど、燃焼力のある素材。好みの柄で自作すれば、見た目もカラフルでおしゃれです。
【用意するもの】
蜜蝋は粒状のものが扱いやすいです。
木綿の手拭いを1.0〜1.5cm幅にカットします。その間に、アイロンを低温にセットしてください。
真ん中に折り目をつけたクッキングシートの上に、カットした布を置き、蜜蝋をパラパラとばら撒きます。
布と蜜蝋の上から、クッキングシートをかぶせます。
端の方からゆっくり押さえるように、アイロンで熱をかけていきましょう。蜜蝋が溶けて、次第に布の色が透けて見えてきます。
色が透けないところは、蜜蝋が足りていません。いったんクッキングペーパーを開いて、不足している場所に蜜蝋を追加してください。
再度、アイロンをかけ終わりました。布全体に蜜蝋が染み込んでいる状態です。熱が冷めるまでしばらく待ちましょう。
蜜蝋が染みた布をほぐし、1本ずつ端から巻いていきます。アルミホイルに載せ、完全に固まるまで置きます。蜜蝋のべたつきが気になる人は、使い捨ての手袋をはめて作業してください。
団子状に固まったら完成です。
着火剤としての能力を試してみましょう。小型の焚き火台に薪を入れ、蜜蝋マッチを2個置いて、ライターで点火。すぐに小さな炎が上がりました。
着火してから約2分後、小割りの薪にしっかり火がつきました。大型の焚き火台や、薪が多い場合は、蜜蝋マッチの数を増やしてください。自作すれば、数も大きさも好みのものが手に入ります。
クッキングシート 幅30cm×長さ50m
家庭用の救急セットにあるような材料で、着火剤が自作できます。カット綿を適当な大きさに切り、溶かしたワセリンに浸すだけと、作り方はとても簡単。
【用意するもの】
カット綿を1枚ずつはがし、ハサミでカットしましょう。大きさは5〜6cm角くらいが使いやすいです。
シェラカップにワセリンを入れます。
バーナーにシェラカップを載せて加熱し、ワセリンを溶かします。ワセリンが焦げてしまわないよう、火加減はごく弱火で。
完全に溶けて液状になったら火から下ろしてください。カット綿をトングでつまんで、ワセリン液にサッと浸し、引き上げます。
アルミホイルの上に並べて粗熱を取ります。ワセリン60gチューブ1本で、ワセリンコットンが10〜15枚ほど作れます。ワセリンコットンは出来上がりがベタベタしているので、チャック袋などに入れて保管するといいでしょう。
ワセリンコットン2枚を使って、焚き火の着火を試みます。
ライターでワセリンコットンの隅に点火。すぐに火がつきました。
点火してからわずか3分で薪に火が移り、しっかり炎が上がりました。ワセリンコットンはススが出にくく、燃え殻がほとんど残らないのが特徴です。
「フェザースティック」とは、柔らかい針葉樹の薪を細く割り、先端をナイフで削って、鰹節のようなフサフサを作ったもの。棒状の薪に比べて着火しやすく、焚き火の着火剤として威力を発揮してくれます。市販品はないので、頑張って自作しましょう。
【用意するもの】
薪の先端から10〜15cmのところにナイフの刃を当て、削ぐように刃を動かして、薪の表面を薄く削ります。
薪を少しずつ回しながら刃の位置をずらし、フサフサの数を増やしていきましょう。焦って手を早く動かすとフサフサがちぎれてしまうので、肩の力を抜いてゆっくりと作業してください。
フェザースティックができました。着火に手間取ったときのことを考え、予備として数本用意しておくと安心です。
焚き火台に薪と麻の繊維を重ね、フェザースティックと焚き付け用の小枝を準備して、いざ着火。
ナイフとファイアースターターで火花を飛ばし、まず麻の繊維に点火。すかさず用意しておいたフェザースティックの先端に火を移します。
さらに、小枝、細い薪、太めの薪へと火を大きく育てていきます。フェザースティックの自作は、ナイフの使い方の練習にもなります。キャンプ中の空き時間などを使って、5本、10本と用意しておくといいでしょう。
みきかじや村 ラクーン Raccoon アウトドアナイフ 120
炭火や熾火でじっくり料理を作りたい。仲間とバーベキューでワイワイ盛り上がりたい。ひとり静かに小さく燃える炎と向き合いたい。
それぞれのスタイルに合わせて、使い勝手のいい着火剤を用意しましょう。市販の着火剤をひと通り試したら、次のステップへ。着火剤の自作に挑戦してみてください。自らの力で炎や自然と対峙する、奥深いキャンプ体験があなたを待っています。