八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
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こんにちは。ギター制作系YouTuberのあおきちラボです。
突然ですが、「ホームセンターの木材でギターを作ったらどうなるのだろう……」と、妄想を膨らませたことがあるギタリストは多いかと思います。私も例に漏れずその一人で、しばらく妄想を温めていたのですが、ついに作ってしまいました。
妄想はするものの、実際に作ってみるには難易度が高く、しかも良い音が出なそうと考え、実行に移す人は少ないんですよね……。今回はそんなギタリストの妄想を実現してみました。
まずは、ギターの“要”のボディになる材料を準備します。以前に作業台を作ったことがあるのですが、その際にカインズで購入した「2×4材」の残りを使用します。2×4材の寸法は38mm×89mm。長さは全部で180cmあれば十分です。木目にこだわるなら、もっとあると安心かもしれません。
木材選びのポイントは、なるべく「節」「割れ」「反り」が少ないものを選ぶこと。「節」はとても固かったり、周囲の木質が入り組んでいて加工が難しかったりします。「割れ」は仕上がりや完成後の安定性の悪化につながり、「反り」は大型の自動カンナやプレーナー、サンダー類がないと修正が難しいためです。
また、「割れ」や「反り」は製材直後だったり、乾燥していたりすると発生しやすいといわれています。そのため、売れ残って古くなっていそうな、乾燥した木材を選ぶのも良いと思います。
木材は自分で切るのが難しいので、カインズでカットをお願いするといいかもしれません。最寄りのカインズでは木材カットサービスを行っていました。そのほかに必要なのは、ギターに使うパーツたち。カインズでは購入できないので、Amazonとメルカリで入手しました。
まずはギターの型紙を作り、そこからカットするときに使う型を作ります。
型紙のデータは、「Electric Herald」という英語サイトからダウンロードし、一部を変更しました。しかし、距離の単位がインチだったことに気付けず、参考データにあった方眼を2.5mmだと勘違いしてデータを作ってしまいました……。そのため、完成物がふたまわりくらい小さくなっています。アメリカの型紙を使うときは注意が必要ですね。
図面はAdobeのPhotoshopで作成しました。Photoshopは製図に不向きなので、製図ソフトやCADソフト、Illustratorなどで製図することをおすすめします。データはPDFで保存し、プリンターで印刷する際に実寸になるようにします。今回は、A4判で4枚に分割しました。
型紙を5mm厚のMDF板に張り付け、型を制作します。電動糸ノコで大まかにカットした後、サンダー類で整えていきます。この型の仕上がりが最終的な仕上がりにかなり影響するので、妥協せずに作ります。
次に、カットされた木材を、木目を見ながら好みに合わせて並べていきます。並べ方で、木目の見え方が全然違うんですよね。
また、結構な数の木材を接着するので、木表、木裏と交互に並べられると、それぞれが逆方向に反っていくため、時間がたったときの「反り」がある程度防止できるかと思います。
並べ終わったら型の外周をメモし、木工用ボンドで木材を接着していきます。ボンドが乾燥したら、大まかにカットし、トリマーという工具で外周を整えていきます。
外周が整ったらトリマーで溝などを掘ります。
トリマーで溝を掘る際は、あらかじめドリルなどで削っておくと、トリマーでの作業がラクになります。トリマーは操作を間違えると、指の欠損などの大きな怪我につながりかねないため、なるべく作業時間を短くするのが望ましいです。さらに、トリマーを使っているときは結構チカラが必要で疲労もたまりやすいので、私はあらかじめ削っておいてから作業を行っています。
ボディの仕上げとして、日本家屋の外壁などに使われる「焼杉」のような味のある焼色を出したいので、木材をガスバーナーで燃やしていきます。このとき、軽く炙って、木材の年輪が見える堅い部分だけに色を着ける場合もあります。しかし、今回は色を濃くしたいので、表面が炭みたいになるくらいまで焼いて、木材全体に色を着けていきます。
ちなみに、年輪の部分は一般に夏から秋にかけてゆっくりと成長するため、夏材や秋材、晩材と呼ばれることがあります。今回は焼色を着けたいので年輪のある木材を選びましたが、樹種や生育地域によっては1年をかけてむらなく成長するため、年輪がよくわからない場合があります。
焼けたら、表面のススをワイヤーブラシで落としていきます。木材は部位によって硬さが違うので、この際に柔らかい部分が削り取らます。年輪として見える部分や「節」が特に固いので、そこが残りやすく、木目の凹凸がより深くなります。
この技法は「浮造り(うづくり)仕上げ」と呼ばれ、日本の伝統的な工法のひとつです。江戸時代にはワイヤーブラシではなく、藁を束ねたもので浮造りをしていたとか。真鍮でできているワイヤーブラシでも結構な時間がかかったにも関わらず、ワイヤーブラシよりもさらに柔らかい藁でやるとなったら……怖くて考えられないですね。けれど、仕上がりの質感はツルっとして、より高級感は出そうです!
続いて、オイルフィニッシュの要領でオイルを塗り込んだ後、蜜蠟ワックスを塗り込み、より色を深くしていきます。
オイルを塗り込む前と後で、かなり色が変わります。色合いは好みの問題ですが、私はオイルなどを塗り込んだほうが、高級感が出るため好みです。ここにさらに色を追加したいのなら、オイルステインなどで着色していくと、木の風合いを大きく崩さずに仕上げられると思います。
最後に、各種ギター用パーツを取り付けて完成です。