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信長もビックリ! ホームセンターの野望2020

クリエイター

ヨッピー

ヨッピー

『オモコロ』『SPOT』『Yahoo!ニュース個人』『みんなのごはん』など、さまざまなWebメディアで活躍中のライター。週に8回、銭湯に行く。

群雄割拠のホームセンター業界!

ヨッピーです
全国18億6,000万人のホームセンター愛好家の皆さんこんにちは。

ホームセンター神(ホームセンターしん)のヨッピーです。

急におっさん出てきても「えっ、ホームセンター神って、なに!?」ってビックリするかと思いますので、説明しますね。

ホームセンターの、神です。

すいません流石にそれは言い過ぎました。

実際はせいぜい「ホームセンターが異常に好きなおじさん」くらいのポジションです。そしてそういう人は、周囲にだいたい1人か2人くらい居ます。

実は最近、ホームセンター業界がめちゃめちゃ面白い感じになってきていることをご存知でしょうか。

ビバホーム

例えば、埼玉などに多く展開する「ビバホーム」が、新潟県を中心に「ホームセンタームサシ」を運営する「アークランドサカモト」に買収されるなど、ホームセンター業界における経営統合、M&Aが多発。業界再編が加速しており、『信長の野望』で言えばある程度強い勢力が出揃ってきて「そろそろ天下統一も近いか……?」的な、だいたい中盤くらいの進行状況です。

その例えだとあまりピンとこないかもしれませんが、参考までにこの日本地図をご覧ください。

都道府県、売り上げシェア1位を取っている会社

この日本地図は、それぞれの都道府県で売り上げシェア1位を取っている会社ごとに色分けしたものですが、どうですか。「なんか『信長の野望』っぽいな」ということが伝わらないでしょうか。
(※2017、2018年度の合計売上高を元に作成 出典元: HC業界ハンドブック2020「都道府県別パワー分析」より)

例えば、今日本で一番広い地域に勢力を持っているのがオレンジ色のDCMグループで、地図を見れば、特に北海道・東北・東海・四国でそれぞれ強い基盤を持っていることがわかります。

どうしてこうなるか、と言いますと、DCMグループは元々、北海道・東北で強かった「ホーマック」、および東海地方で強かった「カーマ」、四国で強かった「ダイキ」と、地域に根差した豪族が統合する形で設立され、統合前に強かった各地域がそのままDCMグループに引き継がれています。戦国時代末期で言えば伊達家・徳川家・長曾我部家の連合軍といった感じでしょうか。

では、天下統一を目指して競い合っている各勢力について解説したいと思います。

勢力その1 DCMグループ

DCMグループ

写真は北海道・東北の人たちにはお馴染みのホーマック。北海道・東北の人は上京すると「えっ、ホーマックって東京にないの!?」とビックリする。

前述の通り、DCMグループは北海道・東北で強かったホーマック、東海地域で強かったカーマ、四国で強かったダイキという3社が経営統合する形で生まれました。

更には青森で強かった「サンワドー」、山梨で強かった「くろがねや」など地方の豪族をグループに統合し、積極的に規模の拡大を続けている上、近い内に千葉を中心として首都圏に店舗を展開する「ケーヨー」との統合も進むと見られているため、戦線を全国規模に拡大、天下統一に近い地位にいると言えるかも知れないのがこのDCMグループであります。

過去、DCMグループが買収・吸収した競合は以下の通り。

  • ホームセンタータテヤマ(富山)
  • オージョイフル(近畿)
  • ホームセンターサンコー(九州北部)
  • ホームエキスポ(東海)
  • サンワドー(北海道・東北)
  • ユーホーム(東海)
  • くろがねや(山梨)

こうやって並べるとめちゃめちゃ買収しとるな。

ただし、「買収」と聞くと、

「フッフッフ、ほな、あんたの会社買い取らせて貰いますわ」

「クッ、祖父の代から続いた商売も、ワシで終わりか……!」

みたいなストーリーを想像してしまいますが、戦線が拡大する中、後述するカインズやコーナンのように全国的に店舗を展開し、大きな売上高を持つ他の競合に地場の小資本だけで対抗するには間違いなく限界があるため(※1)、「買収された」とは言っても「独力で戦うことの限界を知り、チームの一員として戦うことを選んだ」という見方をするのが正しい気がします。

※1:基本的に小売業は「規模の経済(※2)」がゴリゴリに通用します。
※2:「規模の経済」はめちゃくちゃ雑に言うと「デカい所が有利」。

こうやって、大きな力を持つ他勢力に、各地の豪族が結集して対抗する構図は、織田信長の台頭に危機感を覚えた足利将軍が各地の有力大名に檄文を飛ばし、信長包囲網を敷いたのと情勢が似ている。

ちなみに、DCMグループの持ち株会社であるDCMホールディングスは「ホーマック」「カーマ」「ダイキ」など各屋号に沿った事業会社に分かれている子会社群を、2021年3月を目途に全て統合した上で最適化・効率化を図ると発表していますが、逆に言えば「寄り合いの大所帯であるがゆえに現在は最適化・効率化の点で問題がある」ということの裏返しとも言えます。

つまり、そういった「まだ経営が一本化されていない」という足枷がつけられたDCMグループは「我がDCMグループはまだ本気を出してないからな……!」みたいな状態であるわけでして、2021年の統合によってこれまで枷になっていたものから解き放たれた時、はじめて連合軍として本来の力を発揮出来るようになるかと思われます。

ただし、その統合にかかる時間や資本のロス、各所から出るであろう軋みが今後の命運を左右するかもしれません。

風雲、急を告げる!

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