培養土とは何? 使い方や種類、おすすめ商品を解説!
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「フライパンには、まだまだ改善の余地がある。日本人にとっての“究極のフライパン”を作りたい」──そう語るのは、カインズでフライパンの開発を担当している姫井健児(オフィス・家庭用品部)だ。
とはいえ、姫井はフライパンの開発畑を歩んできたわけではない。カインズの店舗に12年勤務し、店長も務めた。その後、文房具のバイヤーに転じるなど、キッチン用品の開発とは無縁のキャリアを積んできた。
しかし、それがかえって功を奏した。ホームセンターの実店舗において、実際に商品を手にとった来店客の厳しくもリアルな声に直接触れてきた体験が、フライパンの開発にも生きた格好だ。
「カインズの強みは、自社で商品開発を行いながら、自前のお店も持っていること。お店に立ってお客さまの声を聞き、その購買行動を目の当たりにしていると、“どんなお悩みがあるか”や“どこを見て買っているか”がつぶさにわかるんです」
たしかにメーカーでは、顧客の声をダイレクトに拾うのは難しい。統計データやアンケート調査からニーズを拾うこともできるが、自分の耳と目からダイレクトに入ってくる情報と比べると、どちらにリアリティがあるかは言うまでもないだろう。
では、姫井が考える日本人にとっての「究極のフライパン」とは何か? ホームセンターならではのフライパンは、ほかと何が違うのか?
カインズ史上でも記録的なヒット商品と言える、プライベートブランドの『ストーンマーブルフライパン』。その改良プロジェクトの舞台裏も含めて語ってもらった。
日本人が理想とするフライパン像は、欧米のそれとは異なる。たとえば、フライパンに「軽さ」を求めるのは日本特有の傾向だ。欧米では逆に、がっしりした重みが好まれる。
また、日本の家庭ではフライパンを消耗品のように使うケースが多い。ひとつのフライパンで焼く・炒める・煮る・揚げるなど、さまざまな調理に用いる習慣が根強く、使用頻度が高くなることで劣化のスピードも早まるためだ。
「表面のコーティング強化も行っていますが、劣化しないフライパンを作ることはできませんし、根本の原因である“日本人の習慣”を変えるのも難しい。より丈夫にするために厚みを出すと、そのぶん重くなるので、それはそれで日本人の好みに合わなくなってしまいます」
2店舗で店長を務めたのち、文房具のバイヤーを8年経験して、現在は家庭用品を担当している
一方、国内で販売されているフライパンに目をやると、サイズや形状のバリエーションが非常に多い。選択肢が多いというのは悪いことではなく、いろいろなフライパンを持っていればそれだけ調理も楽になる。しかし、買い揃えるにはお金がかかる。さらに、日本の住宅は狭いのでキッチンスペースの収納が足りないという問題も、主婦にとっての大きな困りごとになっていた。
「まず、消耗品としての使われ方は大前提と考える。そのうえで、さまざまな用途に対応できるようにし、コストの問題と収納面の困りごとを解消する──この3つを解決できるようなフライパンを作りたいんです。それが日本人にとって、最大公約数としての“究極のフライパン”だと思っています」