感情をストレートに伝えられるすごいマシーンを作りました
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目次/ INDEX
夜の街を照らす、華やかなネオンの文化を支える職人がいる。
横浜、スマイルネオン代表・高橋秀信さん。
真剣に炎を見つめるその瞳には、バブル時代から現代に至るまでのネオンの歴史を映し出している。
高橋さんは、ネオンをこう語る。
「ネオンは嘘をつかない」
「本物の良さがそこにある」
「人の手で作っているからこその温かみを感じて欲しい」
高橋 秀信
横浜市出身 / スマイルネオン代表 / ネオン職人 / ネオン一筋35年 。
高校卒業後、自動車、看板デザイン製作会社を経て、蒲田のネオン工房へ弟子入り。12年間修行を積んだのち2000年に独立。横浜市中区新山下に『スマイルネオン』を設立。大小問わず、企業から飲食店、アパレル、アーティスト、個人のお客様などからオーダーを頂き、数多くの作品を制作。ネオンは機械化が出来ない為、1つひとつ手作業です。LEDとは違う温かみを本物のネオン管で感じて頂きたいと思います。
──今回は、高橋さんのお店「スマイルネオン」さんにお邪魔しています。うわ〜! すごくかっこいい店内ですね……!
──生で見ると、よりかっこよさが伝わってきますね。今回は、そんなネオンの世界についてたっぷりと教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします!
ネオンを語るなら、やはり実際に作っているところを見てもらうのが1番だと思うので、今回は作りながらお話ししていきますね
──いいんでしょうか? ありがとうございます!
──まず、それは何をしているのでしょうか?
ネオン作りは、“設計”から始まります。基本的にデザインはお客様から提案していただくのですが、そこから僕が実現可能なのかを合わせて考えながら、完成形まで詰めていきます
──実現が難しいデザインとは、どういったものなんですか?
ネオン管を曲げることのできる角度なのかなど、物理的なところで作るのが可能かどうかという点ですね。でも基本的に、デザインの幅に制限はありません
──設計図って、けっこう大きいんですね。
設計図は原寸大で作成します。設計図にガラス管を当てて場所を確認しながら曲げていくので、実物大で書きます。また、設計は平面ではなく、立体的に考えます。1本のネオン管をつなげて1つの作品にしているので、見せたい部分だけを見せるには、裏でどうつなげていけばいいのかを考えながら、図面に起こしていくんです
──けっこう複雑ですね……。しかもよく見ると、デザインを裏返しにして書いていませんか?
そうですね。ネオンの設計は“裏単語”が基本です。見せない部分である裏側を、自分に向けた方が考えやすいので。一見、ややこしいように見えますが、経験を積めば設計図を書くのはそこまで時間はかかりません
──文字のデザインもいろんな種類がありますね。作るのが難しいと感じるデザインや書体はあるんでしょうか?
難しいというのはないのですが、英語より漢字のデザインの方が複雑ですね。アルファベットは画数が決まっているんですけど、漢字は種類が多いので
シングル
あと、文字のデザインの場合は、“シングル”と“ダブル”というものがあります。シングルは一筆書きのようなデザイン。ダブルは縁取ったデザインですね。ダブルの方が使うネオン管の量が多いので、その分工程も増えます
こちらの海外製の作品は、「ICE」の部分がダブルになっている。
ありがとうございます。最近はLEDライトでネオンに近いものを手軽に作ることもできますが、やっぱり本物のネオン管にしか出せない良さってあるんですよね