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ホームセンターのおじさんと「捨てるもの、捨てたくないもの」

調べてみた

しまだあや

しまだあや

エッセイを書く作家活動を中心に、企画やMCなど。代表作品に「今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く」、「7日後に死ぬカニ」、「小学1年生ぶりに、父の前で真っ裸になった話」、「日常を3日間タイムループさせたら、74歳に娘ができた」。大阪生まれ、奈良暮らし。気まぐれで借りた家が広すぎて、寝室以外を開放中。

捨てたいものと、捨てたくないもの

私の家には、廃材がいっぱいある。ぼろぼろのふすまとか、さびさびのフェンスとか。捨てようと何度も思ったけれど、なぜかずっと置いてある。

私の家には、宝物がいっぱいある。くしゃくしゃのメモ書きとか、ぐちゃぐちゃの落書きとか。捨ててもおかしくないものだけど、大切だから置いてある。

家の廃材と、家の宝物。捨てようと思ったものと、捨てたくないもの。組み合わせたら、どうなるかなあと思った。そしたら、いろんなことに気がついた。

今日はそんな話を書きます。

・・・

自己紹介が遅れました。こんにちは、しまだあやといいます。

日常の中で起きた非日常をエッセイに書くという、作家活動をしています。そして、家の94%を10〜20代へ開放するという、変な暮らし方をしています。

さて、そんな私の家は奈良にありますが、これがかなりのレア物件で。家賃は新卒のアパート級なのに、100畳ほどの2階建て。さらにでっかいお庭付き。ひとりやふたりじゃ持て余す、そんな間取りです。(※訳あり物件ではないよ)

でっかいお庭付きの家

ある日、知人つながりで遊びに来た高校生から、「今度、友達つれてきていい?」と相談を受けた。もちろんいいとも。使ってください。やってきた人達とも仲良くなると、次は「来週ここで食事会していい?」と相談を受けた。もちろんいいとも。使ってください。

開催される食事会

「速度制限かかった。Wi-Fi借りてゲームしていい?」「家で集中できひんから2階でテスト勉強していい?」もちろん。「庭でバーベキューしていい?」「映画鑑賞会もしていい?」もちろんもちろん。

映画鑑賞会

「就活、詰んだ。ちょっと休んでいい?」

「フラれた。今日はここに、いてもいい?」

もちろんです。一緒にごはん食べよう。

そうして気づいた頃には、私の家は、自分の寝室以外をいろんな人達が自由に出入りする、スーパーオープンなハウスになりました。

自分の寝室以外をいろんな人達が自由に出入りする、スーパーオープンなハウス

月並みな言葉だけど、訪れるみんな、本当に個性的。興味や苦手は、全員バラバラ。けれど揃って、全員「いいやつ」。

たとえば、誰かが出かけたあとに、こうしたメモを残してくれたり。

残してくれたメモ

ちょっと凹んでる人に、似顔絵を描いてくれてたり。

ちょっと凹んでる人に、似顔絵を描いてくれてたり。

これは「バイトがうまくいかん」と相談をしていた人が、そんなバイト代で買ってくれた、福岡みやげのメモ。「協多」という新しい街が生まれてる。ちなみに明太子せんべいでした。おいしかった。

福岡みやげのメモ

私は、こういう瞬間をアーカイブするのが、とっても好き。だから、家中のあらゆるところに、誰かの跡を残している。他の人にも浸透して、気づけば増えていたり。私にとっては、それらが「宝物」のような気持ち。

けれどまあ、紙系が多いし、古い家だし、湿気やホコリで、次々はがれてきたりもする。

次々はがれてきたりもする

そこで、フレームを用意して、額装することに決めました。メモ書き、落書き、写真や手紙。ついでに、すぐにどっかいく、Wi-Fiのパスワードカードも額装しようかな。

メモ書き、落書き、写真や手紙。

とはいえ、きっちりした既製品のフレームを買うのは、なんとなくうちには、しっくり来ない。今の、雑多に貼ってる感じも好きだし、家の一部として馴染むようなものがいい。

家の一部……あ、そういえば家の廃材、捨ててなかったな。これでフレームいっぱい、作れないかな。捨てたいもので、捨てたくないものを包むの、なんか面白そうだし。でも、どうやって作るのかな……?

捨てたいもので、捨てたくないものを包むの、なんか面白そう

そこで、近くのホームセンターに行って、お店の人に相談することにした。……先に言っちゃうと、このあと登場する、「カインズ奈良二名店」のおじさんが、最高に素敵な人だった。この記事、私がフレーム作るどうこうじゃなくて、このおじさんの取材記事にしたいくらい素敵だった。よかったらぜひ、引き続きお楽しみください。

跡を活かして、思いを引き継ぐ

「すみませーん! あの、額縁……フレームを作りたいなと思ってて。詳しい方はいますか?」

「よかったらお伺いしますよ」

「あの、使おうと思ってる材料が、家から出た廃材で……いけますかね?」

「僕、昔は家の材料になる、材木屋をやってたんです。まかせてください」

話を聞いてくれたのは、カインズ奈良二名店・DIYアドバイザーの廣瀬(ひろせ)さんという方

話を聞いてくれたのは、カインズ奈良二名店・DIYアドバイザーの廣瀬(ひろせ)さんという方。早速、作りたいもののイメージを伝えるものの、説明してるとつい、家を開放してること、遊びに来る仲間たちのこと、関係のない話まで喋りすぎてしまう私。でも、廣瀬さんはそれも含めて、「うん、うん……」と聞いてくれた。

関係のない話まで喋りすぎてしまう私

「なるほど……素晴らしいですね。それは大切なDIYになりますね」

そして、廣瀬さんは自分のこともお話してくださった。

「僕、普段、家のリフォームとか外装の相談に乗ったりもするんです。でね、お客さんによるんですけど、僕そのとき、全部ぴかぴかにしないこともできるよって提案してて……」

廣瀬さんが言うには、たとえば表札。前の表札を、砕いて取って、その上から新しい表札を貼ることもできるけど、前の表札の上から、そのまま貼ってもいい、と。なんだったら、そのほうが、平らなので安定もするらしく。

「もちろん、一新されたい場合は別です。でも、全部剥がしてしまうんじゃなくて、前の人や、前の苗字での想いに、重ねて引き継ぐ感じもいいなと思ってて。『跡がある』ってことも、僕の中では、大切なことで……だから、しまださんが、おうちに来る人達の跡を、残していらっしゃる気持ちが、ものすごくわかります。ぜひ協力させてください」

説明してくれる廣瀬さん

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