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【獣医師監修】猫に危険・安全な植物とは?

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服部幸

服部幸

JSFM(ねこ医学会)理事。2005年より猫専門病院の院長を務め、2012年東京猫医療センターを開院。2013年、国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定。15年以上猫の専門医療に携わり、昨年(2020年)の猫の診察件数は1万7000件以上。インターズー『猫を極める本』、ねこねっこ『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑』の監修のほかTBS『情熱大陸』等メディア出演や講演も多数。

猫には食べられない植物がたくさんある

おうち時間の増加と季節柄、植物を部屋に置きたくなるタイミングですが、現在、猫にとって有害な植物はなんと約300種もあります。

まだ分かっていないだけで、実際はそれよりも多いかもしれません。

中には、一口で死に至る危険な種類もあるので部屋に植物を持ち込む際には注意が必要です。

猫が絶対に手に届かない条件であれば問題ないですが、完璧に隔離をしない限り、猫は上下運動ができてしまうので届かないように置くのは難しいです。肉食動物である猫は、植物中の成分を肝臓で解毒できないので中毒を起こしてしまうことがあり、人間でも毒性のある観葉植物を食べたら死にますし、猫は人間よりも解毒能力が低いので人間が食べてだめなものは基本的に全てNGと考えたほうがいいでしょう。猫が植物を誤食してしまった場合、解毒薬というものはないので危険です」(服部 幸先生)

また、残念ながら植物で心が癒されるのは人間だけのよう。必要以上に植物を部屋に入れないほうがいいかもしれません。

「植物を見せても猫の心が癒されたり、より健康的になるとは考えにくい。高い場所に登れるような工夫は必要ですが、木登りはキャットタワーでも代用できますし、そもそも天然木にこだわる必要があるのかは疑問です。それに、人間は体に悪いと分かっていてもお酒を飲むわけで、猫が本能的に危険な植物を避けることはありえません。ですので、猫に長生きして欲しければ植物は極力室内には持ち込まないほうがいいとは思います」(服部幸先生)

特に危険な植物リスト

観賞用にメジャーでありながら、猫にとって特に危険度の高い植物をお伝えします。死に至る可能性もあるので、万一猫が食べてしまったと気づいたらすぐに動物病院で受診をしましょう!

1. ユリ

ユリ

身近でありながら特に危険なのが、ユリ科の植物。花粉や花瓶の水を舐めただけで中毒を起こしてしまったり、葉っぱも茎を一口でも食べたら最悪の場合、死んでしまうことも! たとえ助かっても、後遺症として一生腎臓病になる恐れもあります。

2. チューリップ

チューリップ

華やかな見た目で定番の花ですが、実はユリ科の植物。特に球根部分に心毒性の有毒成分、アレルギー性物質が含まれ、生けてある水が危険となる可能性があります。急性腎毒障害のリスクがあり、猫の死亡事故も確認されています。

3. サトイモ科の植物

モンステラ

モンステラ

ポトス

ポトス

鉢植えの観葉植物で人気ですが、サトイモ科の植物は猫には危険なものばかり。シュウ酸カルシウムの結晶を含み、猫がかじると口の中の粘膜が刺激されて炎症が起きたり、唾液過多、腎障害や中枢神経の兆候などを起こします。

サトイモ科の中でも、スパティフィラム、フィロデンドロン、ディフェンバキアは猫が中毒を起こすリスクが高いので注意です。

他にもたくさん危険な植物があります!!!

  • ラナンキュラス
  • ナス科の植物(イヌホオズキ、ジャガイモ、トマトなど)
  • シクラメン
  • スズラン
  • ツツジの仲間(レンゲツツジ、シャクナゲ、サツキ、アザレアなど)
  • ナンテン
  • アイビー
  • シェフレラの仲間(カポック、ブラックサイアなど)
  • ソテツ  など

これ以外にも危険な種類はたくさんあるので要注意。一口でも危険な植物は、部屋に持ち込むのは厳禁です。土も肥料の有無などを製造元にできれば確認をしましょう。

ちなみにアロマオイルも一滴が植物何キロ分と凝縮しているので危険です! 猫の体についた成分をグルーミングでなめるのは飲んでいるのと同じなので注意しましょう。

猫に優しい植物リスト

植物の中毒に関する報告や情報はまだ新しいものが多く、今後新たに更新される可能性もあります。

なので、猫のいる部屋に植物を持ち込まないのが最善策ですが、お供えや送別等のギフトでもらうシーンもあったりして、一切持ち込まないのは難しいもの。
参考までに「比較的影響が出にくい」と考えられている植物をピックアップします。

1. 猫草、イネ科植物

猫草

世界中の獣医さんが報告し統計をとっている中で、猫に安全とされているのはイネ科の植物と猫草。ただしイネ科の中でもレモングラスは危険とされていてイネ科植物全てに毒性がないとは言えないので、やはり一番安全なのは毛玉対策にもなる「猫草」です。

2. バラ

バラ

バラは毒性が低いとされていますが、猫がじゃれてしまうとトゲが刺さる危険があるので置き方や取り扱いには注意です。

3. パキラやペペロミア

パキラ

パキラ

ペペロミア

ペペロミア

人気の観葉植物で比較的危険度が低いのはパキラとペペロミアで、今のところ統計上の被害はなく毒性もないとされていますが、猫が興味を持ってしまったりする場合は近づかせない対策が必要に。

他に「比較的影響が出にくい」とされている植物
(※これらは強い毒性はないものの軽い胃腸障害は起こる可能性あり)

  • ガーベラ
  • ラン
  • ひまわり
  • キンギョソウ
  • フリージア
  • リモニウム
  • スターチス
  • マダガスカルジャスミン
  • ストック
  • ワックスフラワー
  • トルコギキョウ など

置き方の工夫はもちろんですが、何の植物が猫にとって脅威になるかを知って購入前に正しくジャッジできるといいですね。

また、猫から植物を遠ざけるなど置き方の工夫も大切です。

猫愛好家インスタグラマーさんたちの置き方実例

※ここで登場する植物は個々人の判断のもとにご紹介をいただいています。獣医師監修ではなく安全性の確認はできておりませんのでご注意ください。

猫を飼いながらもうまく植物と一緒に生活しているインスタグラマーさんたちに、置き方の工夫やこだわりについてうかがいました。

1. 洗面所に置いて完全隔離!

洗面所に置く

きょんさん(@kiki.kalin2)
「猫に有害な植物たちは、猫が入らないトイレに集めて飾っています」

2. 造花やフェイクグリーンをうまく利用

全てフェイクグリーンに

プラントスタンドにまとめている

Mimi・−・maronさん( @naomi03140314)
「うちの子は植物が好きでじゃれてしまうので、全てフェイクグリーンにしています。プラントスタンドにまとめて、部屋のアクセントに」

リビングはフェイクグリーンのみ

きょんさん(@kiki.kalin2)
「リビングでは基本的にフェイクグリーンのみを飾るようにしています」

3. トゲトゲシートや植木鉢カバーで接触防止

トゲトゲシートが大活躍

まめさん(@mame_1173)
「土遊びや飛び乗るのを防ぐために、我が家ではトゲトゲシートが大活躍」

ビニールカバーで土遊び対策

kaaco.さん(@1____ ho.331)
「基本的に植物に興味を示さないのですが、猫に害がないとされるエバーフレッシュの植木鉢を市販のビニールカバーで覆い、万が一の土遊び対策を」

4. 可動式棚やハンギングで手の届かない場所に配置

可動式棚で対策

kaaco.さん(@1____ ho.331)
「我が家では猫が手を伸ばす位置には植物を置かないようにしていて、洗面台横の稼働棚にお気に入りの植物たちをまとめて置いています」

ハンギングして対策

まめさん(@mame_1173)
「棚に飾っている植物の周りをトゲトゲシートで囲い、猫たちの標的にならないようハンギングにして届かない位置に吊るしています。枯葉は落ちる前に取り除き、ツルが長い植物は猫に届かないようにこまめにカット」

天井から吊るして対策

yu_shibamikekoさん(@yuyu_ktom)
「植物は極力リビングには置かずに、天井のハリにネジを取り付け、S字フックをひっかけて吊るしています」

上から吊るして対策

猫に無害な植物をチョイス

いたずら防止対策もしっかり

fav & rep & tagさん(@ragdoll_favorite)
「猫に無害とされる植物でも上から吊るしたり、用土のいたずら防止にウッドチップや軽石などを敷いたりしています」

造花やフェイクグリーンならやっぱり安心!

猫への安全性でいうと、愛猫家インスタグラマーさんらからも支持されていたフェイクグリーンを使うのがやはり安心だと考えられます。

最近の造花やフェイクグリーンは本物さながらで手入れも楽ちん。

ただし、造花やフェイクグリーンでも、猫の性格によってはかじったり誤食の心配もあるので、危なくない位置に飾るなど愛猫の様子をよく観察して置き方には気をつけましょう。

造花やフェイクグリーンが安心

最近の造花は色味がとても自然でパッと見、本物? と見間違えるほど。

造花ブーケ

カインズでは、自分好みの造花ブーケもお手頃価格で作れる店舗もあります。ECサイトでも取り扱っています。

まるで本物のよう

種類が豊富!

ツル系やおしゃれな雰囲気のグリーンも種類豊富で選ぶのが楽しい…!

植物を部屋に置くときは万全の対策を

人間にとっての癒しである植物は、手軽に部屋の雰囲気を変えられるメリットはありますが、時に猫には有害です。生花でなくても造花やフェイクグリーンでも代用できるので、好奇心旺盛な子猫や若い猫、植物に興味をもってしまう子がいる場合は活用してみるのもオススメ。

猫を飼っている方も、これから飼われる方も、植物を部屋に置く場合は万全の対策が必要です。猫に有毒とされていなくても、個体差が大きいので愛猫の行動をしっかり観察して見極めた上での管理をしましょう。

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