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【獣医師監修】猫のあごニキビはなぜできる? ブツブツの原因と対処法を解説

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岡田響

岡田響

北里大学獣医学部卒。東京・神奈川の複数の動物病院で勤務医や院長獣医師を経験しながら麻布大学動物病院にて腫瘍科の専門診療を学ぶ。2007年に横浜市磯子区にひびき動物病院を開院。獣医師の奥さんと協力しながら、身近な動物病院としてペットと愉しい生活を送るために必要な診療や指導を日々続けている。

猫のあごニキビとは?

あごニキビ

室内飼育をしている1~2歳の猫にできたあごニキビ(監修者提供)

あごを撫でられるのが好きな猫は多く、ゴロゴロと喉を鳴らして喜ぶ姿はとても可愛いものです。そんな猫のあごに、砂粒やカビのような黒いブツブツができているのを見たことはありますか?

これは通称「猫のあごニキビ」といわれるもので、皮膚疾患の一種です。

あごニキビは、下あごや口周りの毛穴に余分な皮脂や汚れが溜まってしまうことで発生します。皮脂や汚れが詰まってニキビができる、というのは人間のニキビにもよく似ていますね。

猫のあごニキビは「挫瘡(ざそう)」や「猫アクネ」とも呼ばれ、初期症状は黒いブツブツが見られる程度で痒みもほとんどありません。しかし症状が悪化すると痛みや痒みが強くなり、猫自身が掻きむしって出血してしまったり、二次感染を起こして化膿してしまうこともあります。

猫のあごニキビには適切なケアと日頃の衛生管理が大切なので、原因や対処法をチェックしておきましょう。

猫のニキビができやすい場所と症状

猫のニキビができやすい場所と症状

猫の体の中で特にニキビができやすいのは下あごの部分です。猫のあごは皮脂腺が発達していて、分泌物が多いためニキビができやすいといわれています。

猫はよく柱や人の足などにあごを擦りつける行動をとりますが、これはあごや頬からニオイを分泌することでマーキングしているためです。あごの他には、口角や唇など口周りにニキビができることもあります。

あごニキビは猫種・年齢問わずどんな猫にもできる可能性があり、発生頻度が変わらないため性別や不妊手術の有無も関係ないだろうといわれています。

あごニキビができる原因として挙げられるものは次の見出しで詳しく解説していますが、同居猫やその他の動物にうつることはありません。

あごニキビには軽度のものから重度のものまであり、症状が軽いうちは猫に自覚症状はほとんどなく、一見汚れているだけのようにも見えます。見過ごされてしまうケースも多いのですが、放置していると悪化することがあるので楽観視はできません。一旦完治しても再発を繰り返すことがあるので、あごニキビを発見したらまずかかりつけの獣医師に相談してみることをおすすめします。

以下にあごニキビの主な症状をまとめたので、飼い猫に当てはまる場合はできるだけ早めに対処してあげましょう。

尚、症状には個体差があるためこの限りではありません。

【猫のあごニキビの症状(軽度)】

  • 砂粒のような黒いポツポツ(塊)ができる
  • 皮脂や汚れが毛に絡んでいる
  • 猫自身に自覚症状はなく、痒がる様子も見られない
  • あごの皮膚が赤くなる場合もある

【猫のあごニキビの症状(中等度)】

  • 毛が抜ける
  • 皮膚が赤い、または赤い斑点のようなものができる
  • 炎症が見られはじめている
  • 痒がったり、痛がる様子が見られる
  • あごを掻いたり、壁や家具に擦りつけることがある

【猫のあごニキビの症状(重度)】

  • (たくさんいじるため)ただれる
  • (強くひっかいたりすることで)出血する
  • 細菌感染を起こして化膿する
  • 患部を頻繁にいじるなど、酷く痒がったり強い痛みを感じている様子が見られる

猫のあごニキビができる主な原因

猫のあごニキビができる主な原因

猫のあごニキビは、皮脂腺から出る分泌物や日常生活で付着した汚れが毛穴に詰まり炎症を起こすことで発生します。体質や環境など様々な原因が可能性として挙げられますが、いずれも因果関係が証明されているわけではありません。猫のあごニキビは特発性疾患の一種で、はっきりとした原因がわからない疾患なのです。

以下に猫のあごニキビができる一因としてよく知られるものをまとめたので参考にしてください。

1.フードの原料や食器の素材に対するアレルギー

キャットフードに含まれる原料や、食器の素材に対するアレルギーが原因であごニキビが発生するケースがあります。

特定のアレルギーを持つ猫は、アレルゲンとなる原料が含まれるフードを食べるとアレルギー反応を起こします。アレルギー反応の症状としては、皮膚のかゆみや発疹、脱毛、軟便、下痢などが一般的ですが、猫の場合はあごニキビが一緒にできることもあるといいます。

ステンレスやプラスチック素材がアレルゲンの猫であれば、体が反応してしまうそれらの素材で作られた食器でフードを食べることでアレルギーを発症してしまいます。アレルギーが疑われる場合は食べ物や食器、生活環境を見直す必要があるので動物病院へ相談しましょう。

また、なかにはフードが体質に合わない猫もいます。皮脂が多い体質の猫は、脂肪分を多く含むフードを食べたことが原因であごニキビが発生してしまう可能性があります。

成分を参考にしながらフードを選び、実際に変更してみたところ、あごニキビが良くなったという猫も少なくありません。動物病院では、一度治療用の食事を与えてみて判定することもあります。そういった場合、結果的にアレルギーだったというケースもあります。

2.毛づくろい(グルーミング)不足で汚れが溜まっている

基本的に猫は自分で毛づくろい(グルーミング)をして体を清潔に保つ動物です。しかし、部位や猫によっては毛づくろいが十分できていないこともあり、毛穴に溜まった汚れがニキビの原因になってしまいます。

下あごはにおいつけのために分泌された皮脂などが特に溜まりやすく、また食事によって汚れやすい部位です。しかし肝心の舌が直接届かないため、猫でも上手に毛づくろいするのが難しいのです。

あごについたままになってしまったフードの食べかすやよだれ、毛玉や余分な皮脂などから雑菌が繁殖して毛穴が詰まり、あごニキビができることがあります。

3.食器に繁殖した雑菌が付着した

食事や水入れに使っている食器に雑菌やカビ菌が繁殖していると、あごニキビを誘発してしまうかもしれません。食事の際、食器に猫のあごが触れることで雑菌やカビ菌が付着し、毛穴に炎症を起こしてしまうためです。

特に注意したいのが、細かい傷がつきやすいプラスチック製の食器を使用している場合です。表面にできた傷の凹凸部分に雑菌が繁殖しやすいため、あごニキビのリスクも高まります。

プラスチック製の食器は特にこまめに洗って清潔に保ちましょう。

4.ホルモンバランスの乱れ

長時間持続する緊張状態やストレス状況、病気や出産、手術などによって体内のホルモンバランスが乱れると、あごニキビなどの皮膚疾患を発症してしまうことがあります。

ホルモンバランスはストレスとも密接に関係していて、過度なストレスはホルモンバランスを崩し、猫の心身に支障をきたすといわれています。反対にホルモンバランスが乱れると精神的にも不安定になることが多いため、ストレスや免疫力の低下にも繋がりやすくなります。

5.過度なストレスによる免疫力の低下

過度なストレスは猫の免疫力を低下させるため、様々な病気の引き金になってしまう恐れがあります。あごニキビなどの皮膚疾患もそのひとつで、ストレスによって皮膚のバリア機能が弱まったり、皮脂が異様に分泌されることなどが原因で起こります。

猫は環境の変化に敏感なので、新しく猫を迎えるときや引っ越しをするときは特に注意しましょう。例えば近所の工事の音や家具の模様替え、お客さん来訪など、小さな変化にストレスを感じてしまう猫もいます。

猫にあごニキビができてしまったときの対処法

あごニキビの対処法

あごニキビは重度になると痒みや痛みが酷くなり、治療にも時間がかかります。

重度のあごニキビの治療方法としては、動物病院で患部の毛を剃り、抗生剤や炎症止めの投薬が一般的です。症状によって、内服薬(飲み薬)・外用薬・注射などの薬が選択されます。

軽度のうちであれば自宅でケアすることもできますが、やり方を誤ると皮膚を傷つけてしまったり、症状を悪化させてしまう恐れもあるので注意しましょう。

【猫のあごニキビのケア方法(軽度の場合)】

  1. 清潔なガーゼやコットンをぬるま湯で濡らす
  2. 患部にそっと当てて毛穴をふやかす
  3. 優しく拭き取る
  4. 患部を乾かす

 
3は、温まって柔らかくなった皮脂やニキビ、汚れを一緒に布でそっと拭き取るイメージです。擦り取ろうとしたり、力を入れて潰すことは絶対にしないでください!

傷口から細菌が入ると炎症を起こして却って悪化させてしまう恐れがあります。取れないときは動物病院に診てもらいましょう。

他には、猫用シャンプーであごの部分を洗ってあげるのも効果的です。その際もゴシゴシ擦らず、マッサージするように優しく洗ってあげましょう。シャンプーが残ったままだと皮膚に良くないので、しっかりと洗い流してきちんと乾かすのもポイントです。

歯ブラシで擦ったり人間用の市販薬を塗るのはNG?

ネット記事などを見ると、猫のあごニキビの治し方として歯ブラシやストロー、ピンセットなどで取る方法が載っていることがあります。しかし、飼い主の判断で無理にニキビを取り除こうとすることはおすすめできません。

もし皮膚を傷つけてしまうと、前述のように症状を悪化させてしまう危険があるためです。猫のストレスになる可能性も高いので、自己判断で過度な処置はしない方が懸命です。猫の負担にならない形で早めに治してあげたいのであれば、自宅では簡単なケアのみを行い、後は動物病院で適切な処置をしてもらう方が良いでしょう。

人間用に市販されているニキビ薬やクレンジングクリーム、消毒液なども猫が舐めてしまうとよくないものがあるため、自己判断での使用は避けて薬については動物病院で相談しましょう。

あごニキビ予防のために普段からできる対策

あごニキビの予防策

猫のあごニキビを予防するためには、普段から衛生的にしておくことが大切です。口周りや食器を清潔に保ち、必要であればフードや猫の生活環境を見直すことで発生や悪化を防ぐことができるでしょう。

日常的にできる猫のあごニキビ対策

  • 食後、汚れがある場合は濡らしたガーゼや使い捨てのペーパーシートなどで口周りを拭く
  • 猫の食器は毎回洗い、常に清潔に保つ
  • 雑菌の繁殖しやすいプラスチック製から陶器製やガラス製の食器に変更する
  • 獣医師に早めに相談し、必要であればフードを変更する
  • ストレスの原因を探り、疑わしいものを可能な限り取り除く
  • 悪化防止のため、たくさん遊んで痒みに注目させないように工夫する など

猫のあごニキビは放置厳禁! 日常的なケアを続けよう

あごニキビは、軽症であれば猫の命や生活の質に大きく関わるような病気ではありません。しかし重症化してしまうと皮膚がただれたり膿んでしまうこともあるため、猫にとっても辛くなります。もし発見したら放置せず、可能な限り早めに処置をしてあげましょう。

外見はニキビのように見えても、歯周病や口のトラブルなど別の病気が隠れている場合があるため、数日以内に良くならない場合は動物病院で診てもらうことをおすすめします。

食事内容や食器、身の回りを清潔に保ち、日常的な予防に努めながら、日頃から愛猫の様子をよく観察してあげましょう。

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