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目次/ INDEX
春先になると多くの人が悩まされる花粉症。くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が続くとツライものがありますよね。実は人間だけでなく、猫も花粉症になることがあります。
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー症状です。人間の花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれ、体内の免疫機能が花粉に過剰反応してしまうことで起こります。
猫の場合も同じように花粉が原因でアレルギー症状が出てしまうことがあり、これを「花粉症」と呼んでいます。花粉由来のアレルギー症状全般を指す言葉ですが、動物病院で診断される場合は花粉症という病名になることはあまりありません。「アレルギー性皮膚炎」や「アレルギー性気管支炎(猫喘息)」など、症状に合わせた診断名が付くケースが一般的です。
症状や程度には個体差がありますが、猫はくしゃみや鼻水よりも皮膚疾患の症状がメインになることが多いです。
花粉症の症状が現れる時期は、猫が何の植物の花粉に対してアレルギーを持っているかによって違います。
アレルギーの原因物質を「アレルゲン」といって、日本人の大体3人に1人はスギ花粉がアレルゲンだといわれています。そのため、全国的にスギ花粉の飛散量がピークになる春に症状が現れる人がとても多いです。
猫の花粉症もスギ花粉やヒノキ花粉がアレルゲンである場合は、やはり春頃に症状が現れます。ただし、猫も人間と同じようにスギやヒノキ以外の花粉がアレルゲンであるケースもあります。アレルゲンとなる植物によっては夏や秋に花粉の飛散量が増えて花粉症の症状が現れることもあるので、一概にはいえません。
また、ハウスダストなど花粉以外のものがアレルゲンであることもあります。まずは症状に季節性があるかどうかを確認し、原因となり得る植物の花粉が飛散する時期に症状が現れるような場合は、花粉症が疑われます。
以下に、猫の花粉症の原因として知られる主な植物と花粉の飛散時期をまとめたので参考にしてみてください。植物の開花時期は地域や年度によっても変わるので、正確な花粉の飛散情報が知りたい場合は日本気象協会のHPなどで確認してくださいね。
では、猫が花粉症になると具体的にどのような症状が起こるのでしょうか?
個体差はありますが、花粉に対するアレルギー反応で起こる症状は特に花粉症特有のものではありません。判断材料として、毎年決まって同じような時期に症状が現れるときは花粉症である可能性が高くなります。
また、もともとアレルギー疾患を持つ猫が一定の時期にだけ症状が酷くなってしまうような場合も花粉症が疑われます。
猫の花粉症は、人間と違って皮膚に症状が現れることが多いです。
過剰にグルーミングをする、やたらと体を掻くなどの行動は花粉症による皮膚のかゆみからきている可能性があります。顔や耳・鼻の周り、お腹やワキ、太ももの内側など皮膚の柔らかい部分を中心に赤みが見られたり、発疹ができることもあります。
「アレルギー性皮膚炎」を発症している状態なので、掻いたり舐めたりするほどに悪化してしまいます。酷くなると脱毛したり、皮膚が膿んでしまうこともあります。慢性化すると色素沈着により皮膚が黒くなったり、分厚く硬くなる様子が見られることもあります。
皮膚の炎症やかゆみが花粉症由来のものかどうかは、飼い主さんが目で見るだけで判断するのは難しいです。もし皮膚の異常を発見したら、どちらにしても早めに動物病院へ連れて行って対処してもらうことをおすすめします。
花粉症によって、くしゃみや鼻水など人間とよく似た症状が出る猫もいます。「アレルギー性鼻炎」といって、皮膚炎ほど多くはありませんが、犬の花粉症に比べると猫の花粉症の方がよく発症する傾向にあるといわれています。
アレルギー性鼻炎はアレルゲンとなる花粉を吸入することで起こるアレルギー反応の一種で、「鼻炎」の名前の通り鼻の粘膜に炎症が起きている状態です。アレルギー単独の症状ではサラサラとした透明な鼻水が出ることが多く、アレルゲンの刺激により弱った粘膜に二次感染が起きるとネバネバとした粘性の高い鼻水が出るようになります。
鼻腔内の違和感から頻繁にくしゃみが出たり、鼻づまりによって鼻呼吸がスムーズにいかず、口呼吸をしたりする様子が見られることもあります。鼻炎が悪化して鼻腔内で出血が起こると、ピンクがかった鼻水が出ることもあります。
鼻水や鼻づまりによって匂いがあまり感じられなくなることは、猫にとっては重大な問題です。食べ物の匂いがわからないと食欲が湧かず、体重の減少や免疫力の低下に繋がる恐れもあります。
たかが鼻水と侮らず、異変を感じたら放置せずに動物病院で診てもらいましょう。
粘膜のアレルギー反応によって、目のかゆみや炎症、目やにや涙目などの症状が起こることもあります。
ただし、健康な猫でも生理現象で目やにが出ることは普通なので、少量の目やにが出るくらいならあまり心配はいりません。異様に目やにが多かったり、粘り気のある黄色や緑色っぽい目やにが出たりする場合は花粉症やその他の病気を疑いましょう。
目に異変が起きていると、違和感からしきりに目をこすってしまう猫も多いです。顔を洗う仕草に似ていますが、急に頻繁に行うようになったら要注意です。家具や柱などに目をこすりつけて目に傷をつけてしまう危険もあるので、様子がおかしいと感じたら早めにかかりつけ医に相談してください。
猫の花粉症の症状の1つとして、咳や喘息が出ることがあります。
「アレルギー性気管支炎」や「猫喘息」などと呼ばれ、はっきりとした仕組みは解明されていませんが花粉などのアレルゲン物質の吸入が主な原因とされています。アレルゲンが気道の粘膜を刺激することにより気管支の壁を収縮させ、分泌物が異常に増えたり、気道が狭まることで喘息が起こったりするといわれています。
アレルギー性気管支は年齢問わず発症する可能性があり、人間の喘息とよく似た症状が見られます。ただし、猫は人間と違って頻繁に咳をする動物ではないので、もし花粉症で咳をしていても飼い主さんが咳だと気づかないようなケースも少なくありません。
「ゲッゲッ」と嘔吐する前のような仕草をしたり、発作のように息が荒くなったり、くしゃみを連発しているように見えるなど、病状によって咳の仕方は様々です。咳をした後にクチャクチャと舌なめずりをする場合もあります。
「咳をしてるのかな?」と思っても自分で判断できないような場合は、動画を撮って獣医師に見せるのがおすすめです。
さらに、喘息の症状が進行してしまうと「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうな呼吸になり、呼吸の回数も通常より多くなります。発作的に激しい喘息を起こし、血液中の酸素が不足してチアノーゼを引き起こす危険もあります。
口や舌の粘膜が青白く(または紫色に)なるのはチアノーゼの兆候で、一刻を争う状態なのですぐに動物病院へ連れて行ってください。呼吸困難になり、命に関わる恐れもあります。
猫のアレルギー性気管支炎は慢性化してしまうことも少なくない病気です。幸い、呼吸の異変には飼い主さんも比較的気づきやすいため、早期発見もしやすいです。飼い猫がアレルギー性気管支炎であることがわかったら、治療と併せて可能な限りアレルゲン物質をシャットアウトすることが大切です。
ちなみに、アレルギー性気管支炎の原因は花粉以外にもハウスダストやタバコの煙、芳香剤、猫砂のホコリ、ヘアスプレー、食べ物などが知られています。
飼い猫に花粉症の疑いがある場合は、動物病院でアレルギー検査を受けましょう。「IgE検査」という血液検査で、少しの採血で実施することができます。
IgE検査では、花粉やダニ、ハウスダストや食べ物など様々なアレルゲンに対する抗体を調べることでアレルギーの原因を特定します。検査費用は動物病院によって違いますが、大体1万円前後で受けられることが多いです。
検査によって特定の植物の花粉に対するアレルギー反応が確認されると、花粉症を患っていることになります。
その後治療がはじまりますが、人間の花粉症と同じく猫の花粉症も原因を抜本的に取り除くことは難しいです。基本的には花粉症を完治させるための治療ではなく、「対症療法」といって症状を和らげるための治療がメインになります。
花粉症と一口にいっても症状は猫によって違うため、症状に応じて薬の処方や生活環境の改善が提案されます。
例えばアレルギー性皮膚炎の症状が出ている猫に対しては、皮膚の激しいかゆみを抑えるためにステロイド剤や抗ヒスタミン剤を投与する治療が一般的です。症状の程度によっては内服薬と外用薬(塗り薬)を併用し、悪化を防ぐ方法がとられます。
掻きむしり防止のためにエリザベスカラーを装着したり、皮膚の状態をサポートする食事療法を行うこともあります。
ツライ花粉症の症状を緩和するには、薬物療法に加え生活環境を改善することがとても重要です。もし愛猫が花粉症になってしまったら、アレルゲンである花粉とできる限り接触させないような対策をしましょう。
また、猫のいる室内に花粉を入れないようにすることは花粉症の予防にも効果的です。
散歩に出る犬と違い、室内飼いの猫は通常なら屋外で花粉と接することはありません。そのため、人間が外から家の中に花粉を持ち込まないことが何よりの対策になります。
帰宅したら、玄関に入る前にまず衣服や髪を手で払って花粉を落としましょう。できればコートは家に入る前に脱いで両手でバサバサと払うと効果的です。
玄関に入ったら服用ブラシなどでしっかり花粉を落とし、手洗いうがいを済ませましょう。もし可能なら外で着ていた衣服のまま猫には会わず、先に部屋着などに着替えるとより安心です。
春や秋の花粉シーズンには、そもそも花粉が吸着しにくい素材の服を選ぶのも手です。ウールやフリース、コーデュロイ、ベロアなどの素材は表面に花粉が絡まりやすいので避けた方が無難でしょう。ナイロンジャケットやポリエステル素材のトレンチコートなど、ツルツルした化学繊維のアウターは花粉がつきにくいためおすすめです。
花粉症の猫がいる場合、窓を開けての換気はできるだけ控えた方が安心です。
とはいえ、定期的に換気をして室内の空気を入れ替えなければいけない場面もありますよね。もし何も対策せずに窓を全開にすると、室内に無数の花粉を侵入させてしまうことになるので注意しましょう。
まずできる対策として、窓を開けて換気をするときは花粉の飛散ピークといわれる時間帯を避けることです。
花粉のピークは1日2回あり、気温が上昇するお昼前後と気温が低下する日没前後が最も飛散量が多くなるといわれています。反対に午前10時頃までと、午後16時前後は1日のなかでも花粉の飛散が落ち着きます。窓を開けて換気をするならこの時間帯を狙うのが良いでしょう。
換気するときは窓を全開にするのではなく、レースのカーテン越しに10cm程度開けると室内に入る量をある程度軽減させることができます。近頃は花粉キャッチ性能を謳った機能性カーテンなども販売されているのでチェックしてみてください。
もし空気清浄機があるなら、窓を開けての換気と併用することで対策になります。窓を開けながら空気清浄機を利用するときは、置く位置と向きが重要です。
外気と一緒に入ってくる花粉を取り込むことができるよう、空気清浄機の給気口は窓側に向けてください。反対に排気口はできるだけ窓と反対側方面に向けて、浄化された空気が室内に向かうようにしましょう。
このとき、排気口を窓側に向けてしまうのはNGです! 外気と一緒に入ってきた花粉を室内に散乱させることになるので注意してください。
濡れた布には花粉が付着しやすいため、できれば花粉症シーズンの洗濯物は部屋干しにするのが望ましいです。特に猫が長時間触れる猫用ブランケットやクッションなどは外へ出さない方が安心です。
どうしても外に干したいのであれば、花粉飛散量が少ない朝方~午前10時までの時間帯を狙って干すなど工夫しましょう。
外干しした洗濯物を室内へ取り込む際は、手でよく花粉を払ってからしまうのもポイントです。それだけで4~6割程度の花粉が払い落とせるといわれるので忘れずに実行してください。
花粉症のシーズンは、普段以上に室内の掃除を徹底することも大切です。ただし、掃除方法を間違うと室内に花粉を散乱させてしまうことになるので注意しましょう!
外から入ってきた花粉は室内の空気中を散乱した後、床や棚の上などに落ちたり、部屋の隅などに溜まります。この状態でいきなり掃除機がけをするとせっかく落ちた花粉を舞い散らせることになり、猫がそれを吸い込んでしまう危険があります。
まずは棚上などの高いところのホコリや花粉をハンディモップで拭き取り、ラグやカーペットには粘着テープ式のコロコロをかけて花粉をキャッチしましょう。フローリングの床はフローリングワイパーなどで乾拭きして花粉を除去してください。
一通り花粉を取り除いた後に掃除機がけをすることで、舞い散らさせることなく掃除することができます。
また、空気中に舞った花粉は当然猫の体にも落ちています。毛に付着した花粉はグルーミングによって体内へ侵入してしまうため、花粉シーズンはいつもより頻繁にブラッシングをしてあげることも対策になります。
「交差反応」という言葉を聞いたことはありますか?
交差反応とは、アレルギーの原因であるアレルゲン物質だけでなく、それとよく似た構造を持つ別の物質にも体が反応してアレルギー症状を引き起こしてしまうことです。
例えばスギ花粉とヒノキ花粉にはよく似た部分があるため、スギ花粉症(スギ花粉アレルギー)の猫はヒノキの花粉に対しても症状が出てしまうことが少なくありません。そのため、アレルギー検査で陽性が出たのがスギ花粉だけだったとしても、ヒノキ花粉にも気をつけた方が良いといわれます。
さらに、特定の植物の花粉にアレルギーがある場合、一部の野菜や果実に対して交差反応を起こす可能性があることがわかっています。例として、カバノキ科の花粉にアレルギーがあると、バラ科のリンゴや桃などを食べたときに口腔アレルギーを発症してしまうケースがあります。
野菜や果物を飼い猫に与えることは少ないかもしれませんが、花粉症の猫には特に野菜や果物は食べさせないようにしましょう。
また、食物アレルギーがある猫はない猫に比べて花粉症になりやすいともいわれています。
猫の花粉症の症状には皮膚炎やくしゃみ、鼻水、咳などがあると前述しましたが、それとよく似た症状の病気もあります。
季節性のものだと決めつけて放置すると悪化してしまう恐れもあるので、気になる症状があるときは早めに獣医師に診てもらうようにしましょう。
猫風邪(上部気道感染症)はウイルスや細菌による感染症の総称で、「猫カリシウイルス感染症」「猫ヘルペスウイルス感染症(猫ウイルス性鼻気管炎)」「猫クラミジア感染症」などが代表的です。原因となるウイルスや細菌によって細かい症状は違いますが、主にくしゃみや鼻水など風邪や花粉症によく似た症状が現れるのが特徴です。
副鼻腔炎(蓄膿症)は主に鼻炎の悪化によって発症する病気です。鼻の中にできる腫瘍・ポリープなども鼻炎の症状が現れることが多い病気です。
クリプトコッカス症はくしゃみや鼻水などの呼吸器症状以外にも、皮膚疾患が現れることがあります。
歯周病は一見くしゃみや鼻水とは無関係な病気に感じますが、症状が進行すると鼻の中に炎症が起こり鼻炎と同じような症状が出ることがあります。
猫にも人間にもツライ花粉症シーズン。特に猫は人間と違ってマスクやメガネで防ぐことができないので、室内飼いにすることはもちろん、環境を整えてあげることが重要です。
花粉を完全にシャットアウトするのは難しいですが、工夫次第で対策できるのでぜひ試してみてください。