感情をストレートに伝えられるすごいマシーンを作りました
リンクをコピーしました
PR
目次/ INDEX
猫は比較的暑さに強い動物ですが、日本の夏のような高温多湿な環境は得意とはいえません。ジメッとした暑さが続いたり、温度変化の激しい環境に置かれると、猫も夏バテをしてしまうことがあります。
急激に体調が悪化する熱中症と違い、夏バテは比較的軽い症状が慢性的に続くため、飼い主さんも気づきにくくなります。湿気の多い夏場は特に飼い猫の体調の変化を見逃さず、早めに対策することをおすすめします。
夏の暑さや急激な温度変化に体がついていけず、自律神経が乱れることで起こる体調不良を夏バテと呼びます。
猫は人間のように全身から汗をかいて体温調節することができないので、通常は口や鼻から水分を蒸発させたり、毛づくろいをして唾液を蒸発させることで熱を逃がしています。しかし湿度が高いとそれが上手くできず、体内に熱がこもり発散できなくなってしまうのです。
目安として、猫にとって快適と感じるのは室温22~28℃前後、湿度50~60%前後といわれています。基本的には室内を適切な温度と湿度に保つことで夏バテの予防になりますが、風通しが悪く湿気のこもる部屋であったり、日当たりが良くて体感温度が高くなるような場所も要注意です。
夏バテ対策として、「真夏になったらエアコンをつけっぱなしにするから大丈夫」と考えている飼い主さんもいるかもしれません。しかし実は、夏バテ予防には暑さが本格的になる前から注意しておくことが大切です。
5~6月頃の季節の変わり目は朝晩や日ごとの寒暖差が激しく、体内ではそれに適応するために頻繁に体温調節が行われます。体温調節の指示を出す役である自律神経はフル稼働状態になり、そのせいで疲れを感じやすくなってしまうのです。
毎年この時期になると体のダルさや疲れを感じるという人も多いのではないでしょうか? 猫も同じで、季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、疲労が蓄積され夏バテに陥りやすくなってしまうのです。
地域にもよりますが、気温が上がり出す5月の終わり~暑さが和らぎはじめる9月頃までの期間は夏バテに警戒しておくと良いでしょう。
猫種や体型によって、もともと夏バテしやすい体質であることがあります。飼っている猫が以下にあてはまる場合は、特に注意してあげましょう。
長毛種の猫は寒い地域が原産国であることが多く、寒さに適応するために密度が高い保温効果に優れた被毛を持っています。そのため短毛種と比べると暑さに弱く、夏バテにもなりやすいといえます。
例:ノルウェージャンフォレストキャット、メインクーン、ラグドール、ラガマフィン、ソマリ、サイベリアンなど
マズル(鼻)が短い短頭種の猫は口腔や気管が狭く、一般的な鼻の長さの猫と比べて呼吸をしにくい体の構造をしています。そのため、夏は呼吸による体温調節が上手くできず、夏バテや熱中症になってしまうリスクが高くなります。
例:ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなど
太っている猫は皮下脂肪が多いため体内に熱がこもりやすく、夏バテの危険も高くなります。さらに首回りに脂肪が多くついてしまうと呼吸機能が低下し、呼吸による体温調節も上手くできなくなってしまいます。
猫もシニア期になると体温調節機能や自律神経が衰えはじめ、夏バテや熱中症になりやすくなります。特に腎臓病などの病気を患っている高齢猫は、夏バテをきっかけに持病が悪化してしまう恐れもあるので注意が必要です。
夏バテ自体は軽症でも、体力や内臓機能の低下から病気に繋がってしまう恐れがあります。夏バテかな? と思ったら早めに動物病院を受診するか、かかりつけの獣医師へ相談しましょう。
夏バテが疑われる猫の行動や症状についてまとめたので、早期発見の参考にしてください。
夏バテになると体のダルさを感じ、体力を温存するためにあまり活発に動かなくなる猫は多いです。最近寝てばかりいる気がする、いつものように遊ばなくなった、なんとなくぐったりしていて元気がなさそう…などは夏バテのサインかもしれません。
夏場に猫の食欲が落ちたり、水を飲む量が減ったときは夏バテを疑いましょう。食欲不振が続くと痩せるだけではなく、免疫力や体力が低下して病気にもかかりやすくなるため侮ってはいけません。
また、猫はもともとのどの渇きには鈍感な動物ですが、水をあまり飲まないと腎臓に負担がかかり腎臓病の原因になってしまうことも。水分不足が原因で便秘になったり、膀胱炎や尿路結石などの病気に繋がる恐れもあります。
飲水量が減り、体の水分量が足りなくなると、おしっこが出なくなるので猫がトイレに行く回数が減ります。なかには暑さで動くのが億劫になり、トイレを我慢してしまうような猫もいます。
反対に、頻繁にトイレに行ってポーズをしているのにあまりおしっこが出ないといったケースもあります。このような場合には泌尿器系のトラブルが疑われるので、すぐに動物病院に連れて行くことをおすすめします。排泄物は健康状態のバロメーターになるため、普段から飼い猫のトイレチェックを習慣化しておくと良いでしょう。
猫の夏バテは消化器系に不調をきたすことが多く、下痢や嘔吐の症状が現れることがあります。
猫は普段から早食いや毛玉が原因で吐くことが多いので見極めが難しいですが、食欲不振や下痢を伴う嘔吐は夏バテや病気を疑いましょう。
他にも吐いた後の様子や、吐く頻度などもポイントになります。吐いた後にぐったりしていたり、1日に何度も吐く、連日吐き続けているなどの場合は危険信号なのでできるだけ早く動物病院を受診するようにしてください。
熱中症は、高温多湿な環境に長時間いたり、急激な気温の上昇に体が適応しきれずに起こる機能障害です。少しずつ体調を崩したり軽い症状がダラダラと続く夏バテに比べ、急激に体調が悪化するうえ、最悪の場合命の危険もあるため、下記のような症状が現われたら病院へ行くことをおすすめします。
猫は正常な状態では開口呼吸(パンディング)をしないので、開口呼吸をしているときは特に危険信号だと思ってください。熱中症の疑いがあるだけでなく、心臓病や肺疾患など重大な病気が潜んでいる可能性もあります。
もし飼い猫が口を開けて呼吸しているのを発見したら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう!
では、室内飼いの猫の夏バテを防ぐためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
すぐに実行できる夏バテ対策や、おすすめの夏バテ予防グッズについてまとめました。
飼い猫の夏バテ対策として、最も手軽にできるのがエアコンの活用です。冷房やドライ機能を使用するときは、部屋が冷えすぎないように25~28℃前後を目安にセットしましょう。
猫にとって快適な湿度は50~60%前後なので、湿度が高い日は扇風機や除湿器を使って湿度を下げるのもおすすめです。
その際、できれば人間の体感ではなく温湿度計などを部屋に置いてチェックするようにしてください。同じ室内でも天井近くと床近くでは意外と温度が違うので、人間の高さではなく猫の高さ(または猫がよく過ごしている場所)に温湿度計を設置するのがおすすめです。
猫は人間と違って自ら衣服や道具で体温調節することはできないので、夏バテ予防のためには人間の方で快適な室内環境に配慮してあげることが重要です。
夏バテ予防のために、ひんやりマットなどの冷感グッズを活用する方法もあります。
同じ部屋の中でも毛の密度や体型、年齢などによって体感温度が変わるので、猫が「暑いな」と感じたら勝手に涼めるようなスポットを用意してあげましょう。
シニア猫や仔猫、痩せている猫などは、エアコンによって冷えすぎてしまう可能性があります。
外出時は特にエアコンが効いた部屋を締め切るのではなく、ドアを少しだけ開けておくなどして、冷えたら猫が自分で移動して温度調節できるようにしてあげてください。
夏バテ予防には、水分補給をしっかりさせることが重要です。この時期は暑さでめんどくさがったり、湿度が高いせいで猫が水をあまり飲まなくなることがあります。病気や脱水症状を起こす恐れもあるため、いつもより水飲み場を増やすなどできるだけ猫が水を飲みやすい環境を作ってあげましょう。
1日に必要な飲水量の目安として、健康な成猫で体重1㎏あたり50ml程度が適量といわれています。
猫が水を飲んでくれない場合は置き場所や器に原因があることもあるので、色々と試しながら飲水量を確保するようにしてくださいね。ヒゲがあたらないくらい広めの器が好きな子や、少し高い場所で水を飲むのが好きな子、器を手で持ってあげたら嬉しそうに飲む子など、好みは様々です。
夏バテで食欲が落ちてしまったときは、フードを変えることで効果がみられることもあります。いつもドライフードを食べている猫なら、ウェットフードを混ぜたり、1食をウェットフードに変えると食事から水分補給ができるので一石二鳥です。
いつものフードを食べなくなってしまった場合の対処法として、嗜好性の高い猫用かつおぶしやふりかけを少しだけトッピングしてあげるのもおすすめ。栄養補助食品やおやつなどは栄養価が高く、猫の食いつきも良いのでこちらも上手に活用すると良いでしょう。
また、ご飯を食べない原因として夏場でフードが傷んでいる可能性もあります。高温多湿の環境ではフードも傷みやすくなるため、食べ残しはすぐに片付けるのが鉄則です。開封済みのドライフードが湿気ってしまうこともあるので、夏場は保管方法や保管場所にも注意してください。
はじまりはただの夏バテでも、悪化すると膀胱炎などの下部尿路疾患を引き起こしたり、体のバランスが崩れることでどんどん悪化して病気になってしまうこともあります。
夏バテを悪化させない一番の対策は、飼い猫の異変をいち早く察知すること。そして、異変を感じたらすぐにかかりつけの獣医師さんに電話などで相談するか、動物病院へ連れて行くことです。
人間でもグッタリしてしまうような日本の夏。心配のしすぎもよくないですが、飼い猫の変化にすぐに気づくことができるよう、日頃から意識して観察しておくことも大事な夏バテ予防対策です。
本格的に暑くなる前に室内環境を整えて、愛猫と一緒に快適な夏を過ごしたいものですね。