八百屋歴10年のプロが指南。新鮮でおいしい産直野菜を選ぶコツ
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
キャベツは、世界中でもっとも多く栽培されている野菜のひとつです。味にクセが無く、調理法を選ばず、煮物でも炒め物でも、そして生でも食べられる食卓の強い味方ですよね。
キャベツは厚さが苦手で、温度管理に気を付けたい野菜ですが、品種改良によって家庭菜園向きの育てやすい品種も登場しています。
ぎっしりと葉が詰まっていて、ずっしりと重いキャベツですが、その92%以上を水分が占めています。そのためローカロリーで、栄養も豊富なヘルシーさも人気です。
キャベツは風邪予防や疲労回復に効果があるビタミンC、骨の形成に貢献するビタミンKなどが豊富です。さらにビタミンUは「キャベジン」と呼ばれ、胃腸の新陳代謝を盛んにしてくれます。
でんぷん分解酵素の「ジアスターゼ」は消化を助け、胃もたれや胸やけに効果が期待できる栄養素です。キャベツはジアスターゼが大根よりも多く含まれているといわれています。
キャベツは、育苗期に虫からの食害などを受けやすい作物です。そのため、害虫などから苗を守る育苗ポット(連結)で育てるようにしましょう。また、土は市販の野菜用培養土を使うようにしてください。
涼しい気候を好み、春・夏・秋の3つの季節にまくことができます。どの時期も、苗の温度管理が大切ですが、春まきは保温、夏まき・秋まきは涼しく管理して育苗することを心がけましょう。
気温が25℃くらいになったら、連結ポットに種を3〜4粒ずつまき、その上から土を3mmほど薄くかぶせます。たっぷりと水をあげて育てましょう。
キャベツは涼しい気候を好むので、夏に種をまく場合は、園芸用の寒冷紗をかぶせて日よけします。
もっとも作りやすく、質の良いキャベツが取れるのが秋まき栽培です。ですが、種をまくのが早いと、収穫の時に旬を過ぎてしまい、美味しくなくなってしまいます。種をまくのが遅いと、収穫時期に病気や害虫が発生しやすくなるので、正しい時期に種をまきましょう。
肥料はあらかじめ1㎡あたり、苦土石灰100g(コップ1杯くらい)、たい肥3kg(バケツ3杯くらい)、化成肥料100g(コップ1杯くらい)を土に入れ、よく耕しておきます。ただし、キャベツは肥料が多すぎると外葉ばかりが大きくなり、甘さがなくなるので注意しましょう。
秋まきなら本葉が7~8枚、夏まきなら5~6枚の頃に、畑に移して植えます。
植えたときに、周りの土がやや高くなるようにし、苗がぐらつかないように固めておきましょう。
外葉が広がってきたら、1㎡あたり70gの化成肥料を与えます。また、茎も伸びてきているので、根元に土を寄せて株を安定させましょう。
キャベツの大敵は、ヨウトウムシやアオムシなどの害虫です。農薬を使う場合は少ない回数で、害虫ができるだけ小さいうちに使用しましょう。
秋まきの場合は、種をまく時期が早すぎないように、また、遅すぎないように注意しましょう。収穫は、横から手で押し倒すようにして、包丁で芯をカットします。収穫が遅れると、球が割れたり葉が固くなったりするので、採り遅れには十分注意してください。
Q. 大きなキャベツに育てるコツはありますか?
A. 結球(葉が重なり合って球状のなること)するまでに外葉を大きく、葉を多く育てることがポイントです。外葉が7〜8枚になってきたタイミングで、追肥と土寄せを忘れずにしっかり行いましょう。土寄せには株のふらつきを押さえるだけでなく、雑草が生えるのを防いだり、肥料が流れ出るのを防いだりする効果もあります。
Q. ヨウトウムシやアオムシの食害を予防するには、どうすればいいですか?
A. 畑に防虫ネットをトンネル状にかけ、土との間にすき間をなくして、害虫を中に入れないようにしましょう。また、土の中にいる害虫は殺虫剤を使って駆除するのがおすすめです。
Q. 葉が結球しませんでした……。なぜでしょうか?
A. 結球しない原因はいくつか考えられますが、そのひとつとして肥料不足が挙げられます。追肥の時期が遅れてしまうと、栄養不足で結球できないことがあります。また、キャベツは涼しい気候を好むため、生育温度が低すぎても高すぎても結球しないケースがあります。種まきの時期に遅れがなかったか、振り返ってみましょう。
大きくてずっしりと巻いたキャベツを是非おうちでも作ってみてくださいね!