泥汚れで悲惨な玄関タイルを神アイテムでピカピカにお掃除してみた
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日本の伝統文化、盆栽。盆栽の「盆」は鉢、「栽」は樹木を指していて、樹木だけではなく鉢との相性も合わさることが、盆栽の醍醐味です。鉢の中に表現された樹木は、壮大な自然や雄大な時の流れを感じさせるもの。日本特有の概念である“わびさび”を体現していることから、海外では「BONSAI」として注目を集めています。
現代の日本では「おじいちゃんの趣味」といったイメージのある盆栽ですが、最近はインテリアグリーンとして若い人たちの間でも人気が高まっているとか。ちょっと興味があるけれど、なんだか難しそう。どこで売っているのか、どんなふうに育てたらよいかわからない。そんな盆栽初心者さんの疑問を解消するべく、盆栽の楽しみ方や手入れの仕方をまとめてみました。
盆栽と言えば、どんな植物のイメージをお持ちでしょうか? まずは、鉢に植え付ける樹木の種類別に盆栽の魅力を解説します。
代表格と言っても過言ではないのが、松の木を使った盆栽です。松は1年中、葉を繁らすことができる常緑樹なので初心者さん向けの樹種。特に「黒松(くろまつ)」や「五葉松(ごようまつ)」が松の中でも有名な樹種で、丈夫で育てやすいのでおすすめです。
落葉樹を植えた「葉物」は、四季に合わせて姿を変える盆栽です。1年中繁っている松との違いは、季節によって葉の付き方が変化するところ。葉物の代表格は「紅葉(もみじ)」です。栽培のポイントは、夏は強い日差しを避けて管理し、反対に秋は日当たりの良い場所に置くこと。そうすることで、秋になると発色の良い美しい紅葉を見ることができます。
かわいらしい実をつける「実物」という盆栽も。お正月によく見かける「藪柑子(やぶこうじ)」、「姫林檎(ひめりんご)」や「酸実(ずみ)」などが代表的で、春から夏にかけて丁寧にお世話をすると、秋から冬にかけて赤や黄色など凛として可愛らしい実が成る樹種です。
木や葉、実のほかに、花を楽しむ「花物」という盆栽も。「梅」や「桜」、「藤」、「百日紅(さるすべり)」などが代表的で、開花時の色鮮やかで華やかなビジュアルから、プレゼントにも喜ばれそうな盆栽です。
最近では、土の周りを苔(こけ)で包んだ「苔玉盆栽」や和室のみならず洋室にも映える「アート盆栽」など、従来の盆栽とは一線を画す盆栽の楽しみ方も続々と登場しています。
「ミニ盆栽」と呼ばれる、高さ10cmほどのミニサイズの盆栽から始めるのがおすすめです。ミニサイズであってもさまざまな樹種が販売されていて、ちょっとした屋外スペースにも置きやすい取り入れやすさが魅力。近隣の盆栽専門店や園芸店、ホームセンターなどで、すでに丁寧に手入れ済みのものを選ぶようにすると良いでしょう。
きちんとコツさえ掴んでしまえば、さほど扱いに苦労しないと言われているのがミニ盆栽。一方で、手入れを誤ったり怠ってしまうと、枯れて取り返しがつかなくなってしまいがちです。そんなミニ盆栽を上手に育てるポイントは以下。
盆栽は、室内で鑑賞するとき以外は屋外で育てます。1日に3~4時間は日光の当たる場所が理想的です。基本的に日当たりと風通しのよい屋外で管理しますが、冬の乾いた寒い風が当たる時期は、木が傷むので風が当たりにくい軒下の日だまりなどに置いておきましょう。害虫を避けたり風通しをよくしたりするために、60cmほど高さがある木製の台や棚の上に置くのがベストです。地面に直置きはNGで、石やコンクリートの上は、日光の反射で熱くなり冬は冷たくなり過ぎるので適しません。
観賞用に一時的に室内へ入れる場合、夏は数日、冬は1週間を限度にし、エアコンやストーブの風が当たらない場所に置きます。観賞後は、屋外に戻して十分に日光を当ててください。
盆栽の育て方で最も大切なことは、水やりと言えるでしょう。土が乾いていたらじょうろでゆっくりと、底から水が出るほどたっぷり与えることが基本です。一般的な目安は、春と秋は1日1〜2回、夏は朝昼夕の3回、冬は数日に1回ほど。じょうろの先をシャワーにして高い場所から樹木の全体にかけた後、受け皿がある場合は残った水を処分してください。
盆栽を入手後、上手く成長させられると、「せん定」や「芽摘み(=春先から伸び出す新芽を摘むこと)」といった樹木の形を整えて観賞価値を高める手入れがいずれ必要になってきます。樹種によってせん定や芽摘みの時期や方法が異なるので、購入時にプロのアドバイスを受けておくとよいでしょう。
盆栽の病害虫を防ぐため、植物が休眠する冬の間や、新芽が出る時期、梅雨入りに薬剤を散布します。手入れを怠ると、白い粉のようなはん点がつくうどんこ病や、褐色のはん点がつく褐斑(かっぱん)病、モザイクのような模様が出るモザイク病、黒いすすのようなカビがつくすす病などの病気の発生や、アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、ナメクジなどの害虫がつくことも。せん定と芽摘みに同じく、手入れの方法はプロのアドバイスに従いましょう。
今回は、盆栽についての基礎知識をはじめ、購入先、育て方や手入れの仕方を解説しました。盆栽初心者さんは、手入れの行き届いたミニ盆栽を入手して、置き場所や水やりのコツを押さえながらまずは枯らさないことに注意してみてくださいね。
この記事をきっかけに、ぜひ盆栽デビューをスタートさせてもらえたら嬉しいです!