窓やサッシの結露・カビ対策に! 窓を知りつくすプロ「YKK AP」がコツを伝授
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
炭疽病はカビが原因の病気で、野菜・草花・果樹・庭木などに発生します。主に葉に発生しますが、イチゴやウリ科植物、柿やトマトなどでは実にも発生することがあります。特に果実の場合は斑点の部分が腐り、茎や枝の場合は斑点が生じた部分から上部が枯れてしまうので、被害が大きくなります。
葉が被害を受けた場合には、初めは茶色や明るい灰色の斑点が現れます。斑点の中央の色は徐々に薄くなり、黒いつぶつぶが見え始めます。こうなると葉は破れやすい状態になり、穴が開いてしまうこともあります。
果実部分に発症したときは、小さな斑点が広がっていき、やがて実がくぼんでしまいます。乾燥しているときは黒色の粒、湿度が高いときは赤茶色の粘り気のある胞子のかたまりができます。
葉・茎・花に発症した場合は、斑点が徐々に大きくなって中心部が明るい灰色になり、丸い円模様が生じます。その後、葉に穴が開き、葉先から枯れてしまいます。果実に発症した場合は斑点が拡大し、実が急に熟して腐ったように変化して、地面に落ちてしまいます。
春や秋の長雨の時期、やや気温が高くて多湿の状態が続くと発生しやすくなります。枝や葉が混み合って風通しが悪かったり、水はけの良くない土壌だったりすることも、発生につながります。
また、以前に発病した果樹や庭木には、葉や枝などに病原菌が潜んでいるため、発病の可能性が高くなります。観葉植物など室内であっても、水やりなどの水滴の跳ね返りで感染する場合もあります。炭疽病が発病した株を確認したら、葉の上に水をあげないようにしましょう。
炭疽病を予防するためには、消毒済みの種を利用するようにします。適正な間隔を取って植え、混み合った枝は剪定して風通しを良く保つようにしましょう。炭疽病にかかりやすい野菜は連作を避けてください。また、チッ素分の多い肥料を避け、水はけの良い環境になるよう十分に管理します。
炭疽病が葉に発生した場合は、枝ごと切り取って離れた場所で処分しましょう。
株全体に発病した場合は、株ごと処分するか、薬剤治療を施します。
薬剤を使う場合は、対象植物から病気や害虫を取り除く方法と、その薬剤の使用条件をラベルなどで必ず確認してください。
Q.炭疽病は野菜類、草花でそれぞれどのような植物に発生しやすいですか?
A.炭疽病は野菜類ではイチゴ・キュウリ・エンドウマメ・ハクサイ・カブ・ニラなど、草花ではシクラメン・コスモス・トルコギキョウ・ベゴニア・シンビジウムなど、果樹ならカキ・リンゴ・ナシ・コーヒー・マンゴーなどに発生しやすいです。
Q.炭疽病の人体への影響は?
A.炭疽病の葉や果実を食べても、人間には伝染しません。植物の炭疽病と、人間の病気である炭疽病はまったく違う菌によるものです。ただし、炭疽病が激しく進行したあとの農作物は、植物自体が病気に対抗して毒素(ファイトアレキシン、アレルギー原因タンパク質など)をつくり出している可能性があり、人体に影響がないとは言い切れません。炭疽病が発生した農作物は、できるだけ食べないようにしましょう。
炭疽病は野菜・果物・草花など幅広い植物に感染する病気です。いつもこまめに注意して、早めの発見と対策を心がけましょう。