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目次/ INDEX
根こぶ病はアブラナ科の植物の根に発生する病気です。カブ、キャベツ、コマツナ、ブロッコリーなどの野菜類のほか、ストックやハボタン、スイートアリッサムなどの草花にも発生します。原因となる糸状菌(カビ)が寄生することで根の細胞が異常に肥大させ、水や養分を吸い上げるのを妨げ、花付きが悪くなったり収穫量が減ってしまいます。ネコブセンチュウの症状とよく似ていますが、こぶがネコブセンチュウに比べて大きいので区別できます。
根にこぶができ、日の当たる昼間は萎れやすくなります。根にできたコブが根にある水の通り道を圧迫することで、植物体に水が不足してしまうためです。夜になって蒸散量が減ると、株姿は回復します。
日中にしおれ、夜になると株姿が回復するのを繰り返すようになったら、根こぶ病の初期症状の疑いがあります。
病状が進行すると、昼間にしおれて夜に回復するといったことは起きなくなりますが、地上部の生育が悪くなってしまいます。
根こぶ病が原因で株が枯れてしまうことは比較的少ないのですが、畑全体に病気が広がった場合、収穫量が極端に減ってしまいます。
アブラナ科の野菜を連作することも、発生の原因となります。根こぶ病の原因菌は胞子の形で土の中や種子、ほかの植物にくっついて休眠しています。生育しやすい条件になり、近くにアブラナ科の根があると活動をスタート。ほかの植物が生えているときは活動をしませんが、アブラナ科の根が近くにあると活動を始めて寄生し、増殖して胞子を放出します。土には根こぶ病の胞子がたくさんある状態になり、そこに翌年もアブラナ科の植物を植えると、すぐに根こぶ病の病原菌に冒されてしまうことに。同じ場所でアブラナ科植物を育てているとだんだん生育が悪くなってしまう「連作障害」が起きますが、土の中でこうしたことが起こっているために起きているのがその理由です。
土の中の水分量が多いと発生しやすくなります。また、地温が20℃を超えると菌が増えやすく、気温でいうと18〜25℃の時期に発生しやすいとされています。なので、春から秋までは発生しやすく、冬は比較的発生しにくい病気だといえます。また、pH6.0を下回る酸性土壌だと病気が出やすくなります。
予防法1.「連作」を避けて「輪作」を行う
根こぶ病の発生を防ぐためにはアブラナ科の植物の連作を避けるのが効果的です。アブラナ科のほかナス科、マメ科、ウリ科などの連作障害が起きやすい植物では同様に、一年その科の植物を育てたら、翌年は別の科の植物を育てる「輪作」を行います。
根こぶ病に効く薬剤を使って土壌の殺菌・消毒を行って病気の発生を抑えることも可能です。ただし、使う薬剤の量が少なかったり、頻度が少なかったりすると連作障害が発生してしまうことがあるので、プロの農家のように同じ場所で同じ作物を育てなくてもよいのであれば、輪作を行うのがおすすめです。
予防法2.石灰や苦土石灰で土壌酸度をアルカリ性寄りにする
根こぶ病の病原菌はpH6.0以下の酸性土壌で増えやすい性質があります。pHが7.2〜7.4以上になると発生がかなり抑えられますが、pHが6.5以上あるだけでも発生は減らすことが可能です。
石灰や苦土石灰、牡蠣殻を原料とした有機石灰などを土に混ぜ込むと、土壌のpHを上げて根こぶ病の発生を抑制することができます。あまりたくさん石灰を使いすぎるとほかの作物に影響が出ることもあるので、ほどほどに施すようにしましょう。
また、石灰の使いすぎで土が硬くなったり、pHが高くなりすぎるのを防ぐために、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質と一緒に土に混ぜ込むのがおすすめです。
予防法3.作物の株間を十分に取る
アブラナ科の作物を密に植えていると、土の中の病原菌が一斉に活動を始めて被害が大きくなってしまいます。こうしたことを防ぐためには、株間を広めに取ったり、別の科の作物をアブラナ科作物の間に植えたりするのが効果的です。土の中の病原菌の密度が減るので、病気が発生しにくくなります。
予防法4.水はけをよくする
根こぶ病は土の水分量が多いと発生しやすくなるので、不要な水分が停滞しないように工夫しましょう。菜園であれば畝(うね)を立てて苗を植えたり、草花であればまわりを囲った花壇やレイズドベッドに植えたりすると、水が停滞しにくくなります。土に赤玉土や軽石などの粒状の用土を混ぜ込むのも効果的です。
予防法5.道具はしっかり消毒する
有機質がたっぷりある土には、多様な菌が住むようになり、特定の菌だけが増えにくくなります。しかし、有機質が少ないと土の中の菌の多様性が失われ、害を起こす菌が増え出すと歯止めがきかなくなり、大きな被害を受けてしまうことも。
根こぶ病の胞子はどんなところにもあり、発生を根絶することは困難なので、せめて増えすぎにくいように、多様な菌が住める環境づくりを行いましょう。苗の植えつけ前に腐葉土や牛ふん堆肥をすき込んでおくと土の中にいる菌の種類が増えるので、特定の菌が増えてバランスが崩れにくくすることができます。
予防法6.土に有機質をすき込む
他にも、作業に使った道具は十分に消毒すると根こぶ病の予防になります。また、収穫後に土の中に株が残っていると病原菌が冬を越してしまうので、必ず取り除いてください。
根こぶ病が発生した株は、病原菌がいるこぶを土の中に残さないように、株全体を抜き取って、離れた場所で処分します。
病気が広がってしまった場合は、感染した株を全て処分します。いったん発病してしまったら、治療することはできません。
根こぶ病に効く薬剤を使う場合は発症前に
薬剤を使用する場合は、対象植物・病気や害虫・防除したい方法と、その薬剤の使用条件が合っていることを、ラベルなどで必ず確認してください。薬剤はネビジン、ネビリュウなどの商品が販売されています。基本的に根こぶ病に効く薬剤はタネまきや苗の植えつけ前に使用して土壌を殺菌・消毒するものなので、発症してからの使用はできません。
Q.根こぶ病が発生した際の取り除き方を教えてください。
A.株を根ごとていねいに掘り上げ、ゴミとして処分します。
Q.根こぶ病になりやすい植物は?
A.アブラナ科の植物全般です。野菜ではハクサイ、カブ、ツケナ類、キャベツ類、大根など。草花ではストックやハボタンなど。ナズナ、イヌガラシなどの雑草にも寄生します。
Q.根こぶ病はどんな土に発生しやすいですか?
A.土壌酸性度がpH6.0以下の酸性土壌で発生しやすいです。反対にpH7.2以上のアルカリ性土壌では発生が抑えられます。
根こぶ病は、梅雨や秋雨の時期に多く発生します。発生した場合は、株を全て抜き取って処分しなければなりません。この病気はいわゆる「連作障害」なので、アブラナ科の植物を植えた場所には、1〜2年はほかの科の植物を植えつける「輪作」を行うのが基本的な防ぎ方です。輪作を行った上に、植え付け前に土に石灰と有機質をしっかり混ぜ込むなどの対策を行い、水はけのよい環境を作って根こぶ病をしっかり防止しましょう。