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ハムスターがかかりやすい病気とは? 予防策や治療費の目安も解説

スタッフ

カインズ How to ペット編

カインズ How to ペット編

カインズ・スタッフ自らが実践した情報満載。動画で見る「カインズ How to」のペット関連のコンテンツを文字起こししています。

一般的にハムスターの寿命は2~3年で、人間の感覚からするとあっという間にお別れがきてしまいます。ただでさえ短い命を蝕むのが怪我・病気です。ハムスターがかかりやすい傷病はいくつかあり、なかには命にかかわる深刻なものも……。

そこでこの記事では、ハムスターに多い傷病の種類とその対応・予防策を解説します。1日1日を元気にストレスなく暮らせるよう、飼い主さんが細心の注意を払ってあげましょう。

病気のサイン? 不調のハムスターによくある症状

病気のサイン? 不調のハムスターによくある症状

ハムスターに限らず、野生動物は自分の不調を隠そうとする傾向があります。しかし、毎日のお世話を通して健康チェックをしていると、「おや?」と感じる瞬間がいくつかあるはずです。「食欲がない」「ケージの隅でうずくまっている」などはその代表例。ほかにも、次のような症状が見られる場合は体調不良を疑ったほうがよいでしょう。

  • 下痢気味である(お尻が汚れている)
  • 以前より痩せた
  • 脱毛が見られる
  • 体に腫れや傷がある
  • 発疹が見られる
  • 体を痒がっている時間が長い
  • フラフラしている
  • 足を引きずっている
  • 目やにがたくさん見られる
  • 耳の中が汚れている
  • くしゃみや鼻水が多い
  • 歯が伸びすぎている

ハムスターがよくかかる「目」の病気と対策

ハムスターがよくかかる「目」の病気と対策 

ここからは、ハムスターがかかりやすい病気の種類とその予防策などを部位ごとに解説します。飼い主さんの配慮で防げる傷病はたくさんあるので、改善できることには積極的に取り組んでみてください。

目の病気で注意したいのは結膜炎や角膜炎、マイボーム腺腫、麦粒腫、緑内障、眼球突出などです。老化が始まる1歳半くらいから白内障を発症する確率も高まります。

結膜炎

症状 ・目やにや涙で目が開かなくなる
・結膜が赤くなる
・まぶたが腫れる
原因 ・細菌やウイルス
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ

結膜炎は、多くのケースで目のこすり過ぎによる炎症です。目のかゆみはゴミやホコリが原因のときもれば、毛づくろいのときに傷づけてしまうこともあります。したがって、できるだけ飼育環境を清潔に保つことが大切です。軽症であれば目薬で治りますが、重度の炎症には抗生物質を投与することもあります。

角膜炎

症状 ・目やにや涙で目が開かなくなる
・結膜が赤くなる
・まぶたが腫れる
原因 ・尖った床材や喧嘩
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・適切な床材を利用する
・多頭飼いに注意する

角膜炎は、症状や治療法は結膜炎と似ていますが、原因は外傷であることが異なります。牧草や広葉樹など尖った床材が目に入ったり、ハムスター同士の喧嘩で負傷したりするケースが多いといえます。床材選びはもちろん、多頭飼いは控えることや、長く伸びた爪のケアを徹底することが大切です。

麦粒腫

症状 ・結末やまぶたの端に白い腫瘍ができる
・目やにや涙で目が開かなくなる
原因 ・まつ毛の根本が細菌に感染
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・一度発症した床材やトイレ砂は使用しない

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は、平たくいえば「ものもらい」で、ジャンガリアンによく発症するといわれています。発症した目が治っても反対側の目に発症したり、あるいは角膜炎を併発したりと、油断のならない病気です。必ず獣医師の診察を受けましょう。治療には目薬を用い、それでも腫瘍が引かない場合は切開して膿を取り出すこともあります。

眼球突出

症状 ・眼球が飛び出たようになる
原因 ・外傷、肥満、頭部の腫瘍など
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・怪我をさせないよう注意する

眼球突出は、病名通り目やまぶたが押し出されたように腫れるのですぐにわかるでしょう。原因は外傷による細菌感染や肥満が主で、失明の恐れもある緊急性の高い病気です。壊死した目を自分で引っかいて目が取れることもあります。症状が軽ければまぶたを切開して膿を排出しますが、目の裏に悪性の腫瘍等がある場合は眼球摘出手術を行うことも。

ハムスターがよくかかる「耳」「鼻」の病気と対策 

ハムスターがよくかかる「耳」「鼻」の病気と対策

耳の病気では外耳炎、鼻は鼻炎に要注意。鼻炎は主にアレルギー性と細菌性があります。

外耳炎

症状 ・耳を頻繁に引っかく
・耳垢ができる
・出血や傷、かさぶたが見られる
原因 ・細菌、カビ、ダニによる感染
・怪我
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・爪のケアをする

外耳炎は放っておくと中耳炎・内耳炎に発展する恐れがあるほか、耳の奥にカリフラワーのようなとげが見られる場合は、乳頭腫の疑いもあります。飼い主さんでできる応急処置は特にないため、早急に動物病院を受診してください。

治療には耳薬や抗生物質、かゆみ止め、消炎剤を使用するケースが多いです。耳を引っかく仕草を止めない場合は、エリザベスカラー(円錐台形状の保護器具)を付けることもあります。伸びた爪で自分を傷つけたり、飼育ケースが不衛生なために細菌やダニが発生したりするケースがあるため、こまめな健康・衛生管理が大切です。

鼻炎

症状 ・くしゃみが多い
・鼻水を出す
・呼吸しづらそうにしている
原因 ・アレルギー
・細菌感染
・ストレス
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・床材を変える
・食事を見直す

ハムスターも鼻炎にかかります。頻繁にくしゃみをしたり、鼻水をよく出したりしていたら鼻炎の疑いがあります。鼻水がさらさらしていればアレルギーが原因、ドロっとしていれば細菌感染が原因であることが多いです。早めに通院すれば抗生剤の投与で治りますが、症状が進行すると肺炎に発展することもある、油断のならない病気といえます。

飼育環境を清潔に保つことで対策できますが、アレルギー性の場合は原因の特定が必要です。床材なのか、食事なのか、獣医師に相談して元凶を取り除きましょう。ハムスターの免疫力を下げないために、余計なストレスをかけないことも大切です。

ハムスターがよくかかる「口」「歯」の病気と対策 

ハムスターがよくかかる「口」「歯」の病気と対策

口周りは、歯のかみ合わせが悪くなる不正咬合や、それがもとで起こる過長歯、また頬袋脱に注意したほうがよいでしょう。

不正咬合

症状 ・歯が変形する
・固いものを食べられなくなる
・体重激減や出血
原因 ・先天的要因
・固いものをかじる癖で起こる歯の変形
・老化
予防策 ・金網ケージでは育てない
・固いエサを与えない

前歯が過剰に伸びるなどして噛み合わせが悪くなる病気です。食欲はあるのにうまく食べることができないため、体重が激減してしまいます。口を閉じられず、出血にいたる個体もいます。

炎症を抑えたうえで、歯を削る治療法が取られます。一度、不正咬合になると再発する可能性が高いため、定期的な通院が必要になるでしょう。

不正咬合は遺伝や成長不全といった先天的な要因もありますが、大多数の原因はケージの金網をかじることで起こる歯の変形です。水槽や衣装ケースに移し替えるなど、飼育環境を変えてみましょう。

頬袋脱

症状 ・頬袋が口から飛び出す
原因 ・食べものによる炎症・腫瘍
予防策 ・頬袋を傷つけるものは与えない
・頬袋にくっつきやすいものは与えない
・頬袋内に長時間あるエサは腐る可能性があるため取り除く

食べたものを一時的に溜め込んでおく「頬袋」が反転し、口から飛び出してしまう病気です。尖ったもの、腐ったもの、頬袋内に張り付きやすいものなど、食べ物が原因で発症することがほとんどです。

ごはん粒やパスタ、パン、とがった種類、乾燥バナナといったエサは頬袋脱を引き起こす恐れがあることを知っておきましょう。頬袋脱は再発する可能性が高いため、手術で切除するケースが多いです。

ハムスターがよくかかる「皮膚」の病気と対策 

ハムスターがよくかかる「皮膚」の病気と対策

ハムスターは皮膚病に弱く、部分的な脱毛をはじめ、さまざまな病気を発症します。アレルギー性皮膚炎や「ニキビダニ」によるニキビダニ症、細菌性の細菌性皮膚炎、カビが元で起こる皮膚真菌症などが主な病気です。栄養が十分に取れていない個体も皮膚炎を起こすことがあります。

ニキビダニ症(アカラス)

症状 ・脱毛
・炎症
・かゆみ
原因 ・ニキビダニによる寄生
・体力・免疫力の低下
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・心身ともに快適な生活環境を維持する

ニキビダニ症(アカラス症)は、ニキビダニという毛包虫の寄生が原因で起こる病気です。ニキビダニに寄生されても健康なハムスターなら問題ありませんが、ほかの病気や高齢などで免疫力が落ちている場合、脱毛や炎症、かゆみなどを伴います。治療するには専用の塗り薬を用いるのに加え、体力や免疫力を低下させている原因を取り除くことも大切です。

細菌性皮膚炎

症状 ・脱毛
・炎症
・かゆみ
原因 ・怪我や不衛生な環境による細菌感染
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・怪我をさせないよう注意する

基本的にハムスターは皮膚病になりやすい動物で、細菌性皮膚炎も多くの皮膚病の一つです。発症すると脱毛が見られ、かゆみや炎症を伴うケースも多々あります。不衛生な環境では細菌が繁殖しやすく、ハムスターが怪我をしているとそこから感染します。特に肥満のハムスターは、床材で腹や手足がこすれて擦り傷を起こしているケースがあるため要注意です。

抗生物質を投与すれば完治することが多いですが、皮下膿瘍がある場合は切開して膿を排出しなければなりません。

皮膚真菌症

症状 ・脱毛
・乾燥
・フケ
原因 ・怪我や不衛生な環境による細菌感染
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・心身ともに快適な生活環境を維持する

皮膚真菌症の「真菌」とはカビのことで、梅雨などの多湿な時期に注意すべき皮膚病です。皮膚真菌症になると脱毛、乾燥肌、フケなどが見られますが、かゆみを伴うことは少ないといわれています。だからといって油断はできないのは、皮膚糸状菌は人間にも感染する点です。ハムスターを触る前後は必ず手洗いをしましょう。梅雨時は特に飼育環境を清潔に保つことも大切です。

ストレス性脱毛

症状 ・脱毛
原因 ・ストレス
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・過度なスキンシップをしない

その名の通り、ストレスがたまって免疫力が低下し、脱毛となって表れます。飼育環境が不衛生である場合、多頭飼いで窮屈な暮らしをしている場合などに発症しますが、ケースとして多いのは構いすぎによるストレスです。細菌性の皮膚病を併発する恐れもあるため、ストレスを取り除くよう努めてください。

ハムスターがよくかかる「外傷」の病気と対策 

ハムスターがよくかかる「四肢」の病気と対策 

ハムスターは見た目とは裏腹に縄張り意識が強く、多頭飼いをしていると喧嘩が勃発して怪我をすることがあります。また、ケージの金網やおもちゃが元で足を挫くことや、ひどいときは骨折をする個体もいます。

骨折・捻挫

症状 ・足を引きずる
原因 ・喧嘩
・金網ケージによる事故
・回し車による事故
予防策 ・多頭飼いはしない
・飼育ケース・ケース内を見直す

足を引きずっているなど、歩き方がおかしい場合は骨折や捻挫の疑いがあります。原因はさまざまですが、金網ケージによる事故(足を引っかける、ぶら下がりによる落下)が多くを占めます。回し車に足を挟んだり、同居するハムスターとの喧嘩で負傷したりすることもあります。飼い主さんの配慮で防げることがほとんどなので、事故が起こらない飼育環境を整えましょう。

切り傷

症状 ・出血
原因 ・喧嘩
・金網ケージによる事故
・回し車による事故
予防策 ・多頭飼いはしない
・飼育ケース・ケース内を見直す

外傷による切り傷は出血を伴うので一目でわかるでしょう。金網ケージの網に引っかかった、高いところから落下した、回し車に足を挟んだなど、飼育ケース内で起こることがほとんどです。複数匹を同居させている場合、喧嘩で負傷することもあります。

ハムスターが怪我でできたしこりを噛み切ったり、伸びた爪で患部をかいたりすることでより症状が悪化する恐れもあるため、早めに対処しましょう。軽度の切り傷であれば消毒するだけで問題ありませんが、患部が壊死していると手術が必要です。

ハムスターがよくかかる「内蔵」の病気と対策 

ハムスターがよくかかる「内蔵」の病気と対策 

五臓六腑に関わる病気で怖いのは、心疾患や肝疾患であり、その症状の一つである肺水、腹水も要注意です。また、飼育可のハムスターには必要のない疑似冬眠は、急激な温度変化による低体温症による症状です。

低体温症(疑似冬眠)

症状 ・呼吸・心拍・体温が極端に低下する
原因 ・急激な温度変化
・部屋が暗すぎる
・ストレス
予防策 ・室温の温度管理を怠らない
・十分にエサを与える

人間と同じで、急激な気温低下(5~10℃以下 / 10℃以上の温度変化)により体が硬直し、動かなくなります。部屋が暗すぎたり、ストレスがたまりすぎたりすることで起こることもあります。

冬眠に入ったような状態にも見えるため、低体温症を「疑似冬眠」と呼ぶことがありますが、飼育可のハムスターに冬眠は必要ありません。たとえ偽りでも、いたずらに体力を奪うことになり、免疫力を下げる恐れもあります。低体温症になったら、保温性の高い布やタオルでくるみ、ゆっくりと体温を上げてあげましょう。

糖尿病

症状 ・多飲多尿
原因 ・遺伝性
・偏った食生活や運動不足
予防策 ・健康的な食生活を心がける

糖尿病のハムスターは明らかな多飲多尿が見られ、正常なハムスターの3倍以上の水を飲むこともあります。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型とがあり、前者は遺伝的、後者は食生活や運動不足など後天的な原因で起こります。Ⅰ型糖尿病のハムスターはインスリンの分泌ができず、人間のように注射薬による処置もできないため、残念ながら有効な治療法はありません。Ⅱ型糖尿病であれば、食事療法で改善する見込みはあります。

肺水・腹水

症状 ・腹が膨れる
・食欲不振
・呼吸困難
原因 ・心臓疾患・内臓疾患など
予防策 ・発症の原因となる病気を予防する

体液あるいは膿や血が肺にたまれば肺水、お腹であれば腹水です。いずれも心疾患や肝疾患などの症状の一つとして併発することが多く、大病の危険サインといえます。肺水・腹水を治すというより、原因である病気を突き止める必要があるため、早急に獣医師の診察を受けましょう。肺水・腹水が発症してからあっという間に息を引き取る個体もいます。

心疾患

症状 ・食欲不振
・呼吸困難
・肺水・腹水
原因 ・高齢による心機能の低下
・高血圧
・肥満
・偏った食事
予防策 ・高脂肪・高カロリーなエサは控える
・心身ともに快適な生活環境を維持する

心疾患は老化による心機能の低下で起こることが多く、飼い主さんとしては覚悟のいる病気といえます。前述した肺水腫・腹水などを併発し、食欲不振や呼吸困難を引き起こします。

治療は心臓の負担を減らすために血管拡張剤や強心剤、利尿剤などを用いますが、完治することはないため、以後は病状が悪化しないように努めるのが最善です。運動制限、食事制限を心がけ、ストレスのない生活をさせてあげてください。

肝疾患

症状 ・食欲不振・下痢
・脱毛
・肺水・腹水
原因 ・偏った食生活
・細菌感染
・ストレス
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・健康的な食生活を心がける

肝臓は「沈黙の臓器」といわれるように、多少悪くなっても症状となって表れないところが厄介です。原因の多くはヒマワリの種の与えすぎなど、偏った食生活にあります。

肝臓が弱ると栄養をためられないばかりか、口に入った細菌などを解毒できなくなり、さらに大きな病気にかかる恐れも。ハムスターがいくら求めても甘やかさず、健康的な食生活になるよう管理してください。

ハムスターがよくかかる「腫瘍」の病気と対策

ハムスターがよくかかる「腫瘍」の病気と対策

ハムスターに腫瘍は付きものといってよいくらい、罹患率が高い病気です。良性であれば特別な処置が不要なケースもありますが、悪性の場合は手術・入院が必要でしょう。

腫瘍(悪性・良性)

症状 ・しこりができる
原因 ・遺伝
・偏った食生活
・高齢による免疫力低下
予防策 ・心身ともに快適な生活環境を維持する

ハムスターは腫瘍ができやすい動物です。腫瘍には悪性と良性の2種類があり、見た目だけでは判断できないところが厄介です。さらに、体内にできた腫瘍は発見が遅れる恐れもあります。特に1歳以降になると免疫力が低下するため、異変を感じたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。

予防策は、心身ともに健康な生活の維持に努めるほかありません。しかし前述の通り、ハムスターに腫瘍ができるのは珍しいことではないため、「高い確率で発生するもの」という覚悟も必要です。

膿瘍

症状 ・しこりができる
原因 ・外傷による膿
・細菌感染よる膿
予防策 ・怪我のない飼育環境を用意する
・飼育環境を清潔に保つ

膿瘍とは名称通り、膿による腫瘍です。しこりの正体は膿なので、水ぶくれのように膨らむこともあります。原因は喧嘩による外傷や、不衛生な飼育環境による細菌感染が考えられます。切開して膿を排出すれば治るため、基本的には大事にいたる病気ではありませんが、発症場所によっては麻酔ができず、ハムスターに負担がかかります。

原因は単純なので、怪我をさせない、あるいは細菌に感染しない、快適な環境を整えてあげてください。

脂肪腫

症状 ・しこりができる
原因 ・偏った食生活
予防策 ・健康的な食生活を心がける

脂肪腫の多くは良性の腫瘍で、通常は処置不要ですが、悪性の場合は切除しなければなりません。原因のほとんどは高カロリーの食事のため、エサの与え方には注意しましょう。おやつは控える、人間の食べ物は与えないなど、飼い主さんによる管理が必要です。

ハムスターがよくかかる「便」「尿」の病気と対策

ハムスターがよくかかる「便」「尿」の病気と対策

尿・便は健康のバロメーターになります。色ニオイ、形状など、異変が起きていないか毎日チェックしましょう。

腸閉塞

症状 ・便秘
・腹部が膨らむ
・体重が減る
原因 ・エサでないものの誤飲
予防策 ・誤飲の原因になるものを取り除く

食事はしているのに便秘気味の場合は腸閉塞かもしれません。体重が減っていき、お腹が膨れ出したら症状が進行しているサインです。「ただの便秘」と思うかもしれませんが、治療が遅れると命にかかわるため、早急に治療を受けさせましょう。

原因の多くは固まるトイレ砂や布、じゅうたんの繊維、ハムスター自身の毛の誤飲が多いです。下剤を投与して消化器の運動を促すのが有効ですが、腸に固まった異物が詰まっている場合は手術で取り除くこともあります。

寄生虫性陽炎

症状 ・下痢
・脱水症状
・体重の減少
原因 ・寄生虫の感染
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ

ハムスターがジアルコア、トリコモナスといった寄生虫に感染することで、下痢や脱水症状、ひどい場合は体重の激減を起こします。原因のほとんどは不衛生な飼育環境であり、本来なら体内にいない寄生虫を飼い主さんが媒介しているケースが見られます。ハムスターのお世話をするときは必ず手を洗い、飼育環境は清潔に保ってあげましょう。

尿路結石

症状 ・頻尿や体重減少
・オレンジやピンクの尿が出る
原因 ・遺伝
・細菌感染
・偏った食生活
予防策 ・健康的な食生活を心がける

尿路結石はカルシウムなどミネラルの過剰摂取でよく起こります。尿の色やニオイに異変が見られたら、大事に至らないうちに獣医師に相談しましょう。手術して石を取り除けば治りますが、再発の恐れがあるため定期的な検査も必要です。

飼い主さんができることは、野菜や果物など水分を多く含むエサも食べさせるなど、食生活の管理です。

膀胱炎

症状 ・血尿や頻尿
・尿道閉塞
・食欲不振
・体重減少
原因 ・細菌感染
・尿路結石
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・尿の色が分かりやすい床材に変える

膀胱炎も尿の色で瞬時に判断しやすい病気です。重症の場合は頻尿になることもあれば、逆に尿が出にくくなることも。膀胱炎は細菌に感染することで発症し、高齢のハムスターに起こることが多いです。その場合、完治は難しいかもしれません。

飼い主さんにできることは、とにかく飼育環境の清潔さを保つことです。ハムスターはお腹をするようにして歩くため、床材の状態には気を配りましょう。また、尿の異変の早期発見につながるよう、床材やトイレ砂の色を変えるのもよいでしょう。

腎疾患

症状 ・多飲多尿
・血尿
・尿の悪臭
原因 ・膀胱炎
・たんぱく質の過剰摂取
・高齢
予防策 ・食生活の見直し
・飼育環境を清潔に保つ
・尿の色が分かりやすい床材に変える

血尿のほか、尿のニオイがきつく感じたら、腎臓に炎症を起こしているかもしれません。腎疾患の原因はさまざまで、細菌感染や腫瘍、高齢による腎機能の低下などが考えられます。膀胱炎と併発する場合もあります。

治療は抗生剤の投与や点滴を用い、エサは低たんぱく質・高カロリーのものに切り替えます。ただし、一度衰えた腎機能の回復は難しいことが多いです。日頃からひまわりの種や落花生など、たんぱく質の多いエサを与えている場合は要注意です。

ハムスターがよくかかる「生殖器」の病気と対策

ハムスターがよくかかる「生殖器」の病気と対策

オス・メス特有の病気を紹介します。メスは出産による負担がある分、オスよりも注意しなければならないことが多いです。高齢になると抵抗力が弱まり、ホルモンバランスも崩れやすくなるため、よりストレスをかけない生活環境の用意が必要です。

精巣炎

症状 ・睾丸が膨らむ
・歩きにくそうになる
・睾丸部分の毛が抜ける
原因 ・細菌感染
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・ハムスターに触る前はよく手を洗う

精巣炎はオスのハムスターに起こる病気で、精巣(睾丸)が大きく腫れます。歩きにくそうにしていたら、睾丸が腫れていないかチェックしてみてください。

精巣炎の原因は細菌やウイルスの感染、またはホルモンバランスの異常です。多くの場合、不衛生な飼育環境がもとで発症します。トイレ、寝床の掃除には特に気を配り、快適な生活環境を保ってあげましょう。

子宮蓄膿症

症状 ・生殖器からの出血
・脱毛
・腹部が腫れる
原因 ・細菌感染
・ホルモンバランスの変化
・腐敗した胎児
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・過度な出産を避ける

高齢のハムスターのメスは、子宮内に血や膿がたまって排出することがあります。生殖器や腹部の周辺に左右対称の脱毛が見られたら、子宮蓄膿症を疑ってください。出血等があった時点で緊急を要することが多いです。妊娠・出産後であれば、子宮内に残された胎児が亡くなって腐敗していることも考えられます。

免疫力が弱まる1歳以降になると頻発する恐れがあるため、繁殖をコントロールするのはもちろん、心身ともにストレスのない生活環境を維持してあげてください。

子宮内膜炎

症状 ・生殖器からの出血
・脱毛
・腹部が腫れる
原因 ・ホルモンバランスの変化
・免疫力の低下
予防策 ・飼育環境を清潔に保つ
・過度な出産を避ける

子宮内膜炎も、症状としては子宮蓄膿症に似ています。免疫力の低下や度重なる出産によるホルモンバランスの低下が原因でしょう。抗生物質を投与として様子を見ますが、症状によっては卵巣・子宮の摘出手術を行います。高齢のハムスターの出産は、ある程度コントロールしてあげないと病気の発症・進行を早めることを知っておきましょう。

ハムスターの治療費・料金の目安 

ハムスターの治療費・料金の目安

動物病院は獣医師会等が料金の制定したり、獣医師同士の協定で料金設定したりすることを禁じています(独占禁止法)。治療費は動物病院側がそれぞれの基準で決めているため、同じ処置をしてもらっても動物病院によって変わることがあります。したがって、ここではあくまで目安を紹介します。

診察料の目安

初診料 1,000~2,000円
再診料 500~1,000円
夜間救急 5,000円~1万円の加算
健康診断 2,000円

動物病院にかかると最低限、必要になる料金です。体の小さなハムスターとはいえ、診療にかかる料金はほかのペットと変わらないといえます。夜間の救急対応となると、通常の診察料に加算されます。

健康診断は触診や視診、体重測定といった基本的なものであれば診察料だけで済むこともあるでしょう。できれば月に1度の診断が理想です。ハムスターは体が小さく抵抗力が弱いため、人間から見れば些細な変化でも、実は重病のサインということもあり得ます。

検査料の目安

尿・便検査 500円~2,000円
※検査の仕方によっては5,000円程度になることも
皮膚検査 1.000~2,000円
眼検査 1,000~2000円
超音波検査 3,000~6,000円
レントゲン検査 2,000~1万円
※撮影枚数によって変動

検査は一般的なものであれば上記が目安です。ハムスターに多い皮膚病での検査では、症状の改善が見られない場合に病原体の培養検査等を行うことがあり、通常より料金がかかるケースも。

レントゲン検査は撮影枚数によって変わるため、症状次第では2~3万円かかることもあるでしょう。

処置・治療費の目安

爪切り 300~2,000円
歯切り 1,000~3,000円
外傷の手当 1,000~3,000円
注射・点滴 2,000~3,000円

爪切りは数百円で行ってくれることもありますが、病院によっては1,000円を超え場合も。また、不正咬合による歯切りの処置では麻酔が必要になるケースもあり、麻酔費用として5,000~1万円がかかることもあります。

手術・入院費の目安

手術 1~10万円
入院 3,000~1万円 / 日
生命に関わる緊急対応 2~5万円の加算

手術費は疾患により大きく異なります。たとえば腫瘍の除去手術は1万円で済むこともあれば3万円以上、あるいはそれ以上かかることもあります。飼い主さんに十分な説明がないまま手術・入院を推し進める獣医師はいないと思われるため、不安や疑問はすべて解消したうえで治療に進みましょう。

薬代の目安

薬の処方 500~1,000円
飲み薬 100~400円 / 日
点眼薬 800~1,500円
塗り薬 1,000~2,000円

薬代も、症状によって処方される種類・量が異なるため、変動しやすい治療費です。外科療法の後に薬物療法に切り替える場合も想定され、手術料と合わせて費用を計算しておかなければなりません。

動物病院の探し方と上手な症状の伝え方

スムーズに診察が進むよう、獣医師には次の点を意識して症状を伝えましょう。

  • 異変に気づいたのはいつ頃か
  • 食欲はあるか(ないならいつ頃からなくなったか)
  • 排泄はあるか、便の状態は正常か
  • 異変が起こる前に飼育環境を変更したか
  • そのほか、気づいた点

ハムスターは犬や猫とはまったく違う生態をしており、診療を得意・不得意とする獣医師もいます。できれば、ウサギやフェレットといったエキゾチックアニマルの診療を専門とする動物病院を探しましょう。

ハムスターの病気を予防するには?

ハムスターの病気を予防するには?

ハムスターの病気は飼い主さんの予防策である程度は防げます。衛生管理や食事管理はもちろん、怪我の要因を排除すること、余計なストレスを与えないことも大切です。ここでは、代表的な予防策について解説します。

衛生管理

古い床材やトイレ砂、飲水、エサの食べ残しなどがもとで細菌やウイルスに感染する恐れがあります。上記のものは特に汚れやすいため、基本的には毎日交換し、飼育ケースは月に1度程度は大掃除しましょう。

温度管理

ハムスターは暑さや寒さに弱い生き物です。春や秋は比較的過ごしやすいですが、昼夜の寒暖差が激しいため油断はできません。エアコンを点ける、パメルヒーターを使う、床材の量を工夫するなど、いろいろと調節してあげましょう。夏は30℃以上、冬は5℃以下になると命に関わります。

食事管理

偏った食事は肥満を引き起こし、さまざまな病気にかかりやすくなります。ペレットを主食とし、野菜、果物、種子もバランスよく与えましょう。ひまわりの種などの種子類はハムスターにとって嗜好品で、与えると非常に喜びますが、与えすぎは病気のもとです。

なお、下記はハムスターにとって毒となる食べ物です。誤って与えないよう注意してください。

  • チョコレート
  • 紅茶
  • コーヒー
  • ネギ
  • タマネギ
  • ニラ
  • ニンニク
  • アボカド

外傷の管理

ハムスターが怪我をしない環境を築くことが大切です。一つのケージに複数匹を同居させると喧嘩が勃発し、場合によっては共食いが発生します。また、ケージの金網や運動のための回し車も、ときに怪我の原因になります。使用する際は十分注意してください(飼育ケージの選び方は、初心者にもおすすめハムスターケージの選び方|掃除方法も解説で詳しく解説しています)。

心の管理

ハムスターにとってストレスとなる行動は止めましょう。必要以上に触る行為はもちろん、騒がしい場所や強いニオイがする場所に飼育ケースを置くのもイライラがたまります。また、ハムスターは飼い主さんの生活リズムに合わせて生活できますが、基本的には夜行性なので、昼間は寝ていることが多いです。無理に起こさないようにしましょう。

年齢によってかかりやすい病気を知っておく

ハムスターは年齢によってかかりやすい病気が異なります。生後0日から20日のベビー期は特に身体が弱く、ちょっとした温度変化でも命を落とす恐れがあります。

生後20日~6か月は人間でいう青年期です。若く健康ではあるものの、目や耳の病気には注意しなければなりません。

生後6か月~1年6か月は、人間に換算すれば30歳半ば~60歳ほどの成年期です。この時期は頬袋脱出や不正咬合などを発症する個体が多く、治療をしないと命に関わります。

生後1年6か月以上ともなれば立派な高齢期。人間と同じく、身体中の抵抗力が弱まります。内臓系が弱くなるほか、骨ももろくなるため外傷にも注意しましょう。

もうちょっと知りたい!ハムスターの病気にかかわるQ&A

もうちょっと知りたい!ハムスターの病気にかかわるQ&A

ハムスターの病気や治療費にかかわる質問でよく頂くものをQ&A形式で紹介します。

Q.ハムスターに噛まれると危険なのでしょうか?

A.ハムスターに指を噛まれてアナフィラキシーショック(アレルギー症状)を起こす方もいるため、要注意といえます。アレルギー体質の方はもちろんですが、過去にハムスターに噛まれて吐き気や腹痛、じんましん、息切れ、痙攣といった症状が出た方は、噛まれるような接し方をしないようにしましょう。

Q.ペット保険には入ったほうがよいでしょうか?

A.ペット保険の必要性は人それぞれなので、何ともいえません。ハムスターの治療費が家計に多大な影響を及ぼすのではあれば、加入したほうがよいでしょう。ペット保険に加入する場合は、下記の点を忘れずに確認しましょう。

  • 生後何日から満何歳まで保障可能か?
  • 入院・通院・手術などで保障対象外のケースはあるか?
  • 保険料は負担にならないか?

ちなみに、アニコム損保がまとめた『家庭どうぶつ白書』によれば、1年間にかけた怪我や病気の治療費は、犬が約6万円、猫が約3万円、鳥、うさぎ、フェレットが約7,500円です。小動物であるハムスターも年間で1万円弱の支出だと想定できるでしょう。

Q.ハムスターの種類によって寿命が違うのでしょうか?

A.品種ごとの寿命の違いはあるといわれています。日本でよく飼われている5種類のハムスターの寿命の目安は、次の通りです。

  • ゴールデンハムスター:2年~3年
  • ジャンガリアンハムスター:2年~2年半
  • キャンベルハムスター:1年半~3年
  • ロボロフスキーハムスタ:2年~3年
  • チャイニーズハムスター:2年~3年

繰り返しますが、あくまで目安です。なかには3年以上生きた飼育例もあるため、健康でストレスのない生活をさせてあげましょう。

思わぬトラブルを防ぐのも飼い主さん次第!

ただでさえ寿命が短いうえ、体の弱いハムスターを少しでも長生きさせてあげるためには、病気の予防や早期発見に努めることが大切です。

また、ハムスターは脱走による行方不明や、同居する別個体との生死をかけた喧嘩など、思わぬトラブルを起こすこともあります。かわいい我が子が危険な目に遭わないよう、飼い主さんが目を光らせてあげてください。

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