リンクをコピーしました

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • もっと見る

2020.10.10

聞いてみた

最後の1社になっても作る。バケツを原点に+αのモノづくりにこだわる尾上製作所

名城 嗣明

名城 嗣明

株式会社尾上製作所専務取締役。2013年に入社、営業部に所属し法人への営業活動を中心に行う。現在は営業業務以外に、商品開発・広報活動などを行っている。

防火用バケツから最新の焚き火台まで

世の中にはたくさんのバケツが存在する。

プラスティック製、ブリキ製、トタン製。素材の色だけのシンプルなものから、カラフルなもの、そして形も少しずつ異なる。バケツの基本的な目的はさほど変わらないはずなのに、これでもかとバラエティー豊かなバケツがお店には並んでいる。

そんななか、カインズで赤地に白い字で「防火用」と大きく書かれたトタンのバケツを発見した。時代が令和だからこそ、この商品がどこまでも昭和を纏っていて気になった。

商品タグを見ると作っているのは、兵庫県姫路市にある尾上製作所とある。一体どんな思いでこのバケツを作っているのだろうか? 実際に現地を訪れて、こだわりや目指していることを聞いてみることに。
すると、「日本で初めてメッシュ状の網が乗ったBBQコンロを作った」「じょうろにもまだ進化の余地がある」など、色々と面白い話が出てきた。

尾上製作所の外観。市街地から5駅分ほど北の市川と播但連絡道路の間の工場地帯に佇む。近くには昔ながらの団地群も広がる

尾上製作所の外観。市街地から5駅分ほど北の市川と播但連絡道路の間の工場地帯に佇む。近くには昔ながらの団地群も広がる


「トタンのバケツに関しては、需要がある限り最後の一社になっても作り続けます」

こう話してくれたのは、株式会社尾上製作所専務取締役の名城嗣明さん。昭和23年創業の同社の3代目社長は義父に当たるという。現在、営業や商品開発、広報を担当している若手のやり手といった印象だ。

株式会社尾上製作所 専務取締役 名城嗣明さん

株式会社尾上製作所 専務取締役 名城嗣明さん

「うちは創業者がバケツの製造・販売から始めました。それからトタンを使ったちりとりや湯たんぽ、じょうろなど商品群を拡充。1980年代中頃からはバーベキューコンロの製造を皮切りにアウトドアアイテムのラインナップを充実させています」

社員とパートを合わせて30名程度の尾上製作所。まずは創業時より製造しており、圧倒的な全国シェアを誇るトタンのバケツについて聞いてみた。

昭和20年代から作り続けるバケツへのこだわり

尾上製作所の商品展開には驚いてしまう。大きさごとに特1号から12号まで11種類、ツルベ、工事用、モルタル用、そして防火用や吸い殻入れといった用途もあり、その数は20種近くに及ぶ。

工場内に並ぶ多彩なバケツ。防火用の赤いバケツが一際目を引く

工場内に並ぶ多彩なバケツ。防火用の赤いバケツが一際目を引く


「共通しているのは、衝撃や紫外線に強いということです。底輪が付いていることに加え、主に亜鉛鉄板という耐久性のある素材を使用しています。特殊な巻き締め工法を施しているため、水漏れにも強いのが特徴。製造時にも水漏れチェックは欠かしません。リベットを使わずかしめることにより、穴を開けていないので断面がないためにサビづらく、結果的に強度アップに貢献しています」

特に工事用バケツは頑丈さに特化して作られているそうだ。だが、強度だけが特徴ではない。実はこまやかな配慮がなされている。

「持ち手の部分は握りやすいように、微調整が施され続けたと聞きます。その持ち手部分と本体を繋ぐ部分も内巻きにして、モノや人に引っかかってしまう危険を排除しています。本体上部には鉄線を入れた巻き部分があるのですが、この繋ぎ目の位置にまでこだわって作っているんですよ」 

一見シンプルだが、こだわりがつまった尾上製作所のバケツ

一見シンプルだが、こだわりがつまった尾上製作所のバケツ


創業から30年以上、バケツを中心に製造してきた尾上製作所。しかし、昭和50年代に大きな転機を迎えることとなる。

となりのカインズさんをフォローして最新情報をチェック!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RELATED関連する記事

POPULAR人気の記事

  • Daily
  • Weekly

Webライター・イラストレーター募集

取材のご依頼や情報提供はこちらから