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目次/ INDEX
子供から大人まで幅広く人気の高い昆虫であるクワガタムシ。名前の由来はクワガタの雄成虫が持つ大顎が、かつて武将が被っていた兜についている「鍬形」に似ているからだそう。
夏になると山に捕まえに行くという風物詩的なクワガタ。今ではペットショップやホームセンターなどでも購入できるようになりましたね。
かっこいいクワガタを飼育したいという方も多いことでしょう。カブトムシに比べて種類が多く、生態やライフサイクルもバラエティに富んでいるクワガタなので、飼育や繁殖(ブリード)も奥深いところが人気ポイントの一つでもあります。
しかし一部の種類を除けば、クワガタの飼育は基本的には特別な管理や特殊な器具も必要なく、シンプルで難しくはありません! 今回は一般的な国産のクワガタの成虫の育て方や、必要な道具などをご紹介します。
クワガタムシ(鍬形虫)は、コウチュウ目・クワガタムシ科に属する昆虫で、オスの大きく発達したハサミのような大顎が特徴的。木の中や隙間で生活するため、平べったい形をしています。
クワガタの大顎は餌場やメスの取り合い使用される大切な武器。クワガタの大顎の力を人間の大人の男性に換算すると、8トン以上もの力になるといいます。その力強さに驚いてしまいますね! 指などを挟まれて痛い思いをしないように気を付けましょう。
種類も多くて見た目もカッコイイクワガタムシって、どんな昆虫なんだろう。まずはみんなが気になるクワガタムシの疑問について解説しながら、クワガタムシの生態について知っていきましょう。
世界中では1400~1500もの種類が生息しているといいます。その2/3は東南アジアや熱帯アフリカに分布しています。
日本には約13属40種類前後のクワガタが生息していて、「オオクワガタ」「ノコギリクワガタ」「ミヤマクワガタ」「コクワガタ」の4種類がよく知られています。
体長 | 24~80mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | 日本にいる最大級のクワガタで、最も人気が高い種類。温厚で臆病な性格なので、冬眠して長生きするため飼育しやすい。 |
体長 | 25~75mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ノコギリのようにギザギザした突起がついた大顎を持ち、成長するとともに力が強くなっていく。 |
体長 | 28~79mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | ミヤマ(深山)の名前の通り標高の高い場所に生息し、涼しく湿度が適度にある環境を好む。こげ茶色で鹿の角のようなフォルムの大顎が特徴的。 |
体長 | 18~53mm |
分布 | 日本全土 |
特徴 | 小型で細長い体型をしている。飼育が簡単で、顎の力も比較的弱いのでクワガタの飼育初心者の方にオススメ。 |
採集・飼育が人気のクワガタですが、希少生物保護のために採集が禁止されている種類もありますので、必ずルールを守って楽しみましょう。
クワガタはどのように成長していくのでしょうか。
クワガタは7~9月に産卵期を迎え、数週間かけて卵から孵化します。幼虫になったクワガタはそのまま朽ち木の中で1~2年過ごし、さなぎになって夏の終わりごろに成虫になるのです。
クワガタの寿命には種類によって大きく幅があります。一般的には1~3年と言われていますが、個体差も大きいので、最長では7年生きた例もあるそうです。冬には朽ち木の中で冬眠し、暖かくなると活動を再開します。
気になるクワガタ寿命についてですが、一般的に寿命というと成虫になってからのことを言い、幼虫の期間は入っていません。前述の主要な国産クワガタの寿命は次のように言われています。
※()内は幼虫期を加えた寿命を表しています。
この寿命はあくまで目安です。野生よりも飼育下の方が長生きしたり、オス・メスを分けずに飼育し交尾をさせると寿命が短くなったりもします。クワガタの飼育環境によってだけでなく、何よりも個体差が大きいとされていますので、品種選びの参考程度に考えてみてください。
幼虫からクワガタを飼育するとしたら、オスなのかメスなのか知りたいですよね。クワガタの幼虫は頭のサイズや雌斑と呼ばれる器官の有無で見分けます。
オスよりもメスの方が全体的にひと回り程小ぶりです。オレンジ色の頭部は見比べやすいでしょう。さらにメスにはおしりあたりに一対の雌斑と呼ばれる器官が見られます。これは卵巣で、黄色やクリーム色の斑点のように見えるものです。この雌斑は生育具合や食べるエサの色によって見にくい場合もあるので、よく観察してみてくださいね。
クワガタとカブトムシは特に人気の昆虫ですよね。クワガタの大顎とカブトムシのツノのようにはっきりとした外観の違いもありますが、他にも違いはあります。まずクワガタはクワガタムシ科の昆虫で平べったくて大きなハサミのような大顎が特徴的です。カブトムシはコガネムシ科カブトムシ亜科の昆虫です。頭部は丸く盛り上がっていて、大きな角を持っています。
寿命はクワガタの成虫が1~3年なのに対してカブトムシは1~1年半と短め。
幼虫では一見見分けがつきにくいように感じますが、次のような特徴があります。
住処 | 朽ち木の中 |
エサ | 朽ち木・キノコの菌 |
頭部 | オレンジ色 |
住処 | 腐葉土の中 |
エサ | 腐葉土 |
頭部 | こげ茶色 |
ここからはいよいよクワガタを飼育する方法についてご紹介していきます。まずはクワガタの成虫を観賞用として飼う方法についてです。
最初に飼育に必要な道具からご紹介します。初めてクワガタムシを飼うときにはまず次の4つのアイテムを用意すると良いでしょう。
必ず必要なのがクワガタを飼育するための飼育ケース(虫かご)です。クワガタの大きさや飼う頭数に合わせてサイズを選びましょう。大き目の方がストレスの軽減につながるともいわれています。
(ケンカが起こりやすいので個別にケースに入れて飼育するのがおススメ)
観察もしやすく、フンなどで汚れた時にも気づきやすいので、透明なプラスチックのケースを選ぶと良いでしょう。昆虫ゼリーや飼育マットなどにコバエが発生しやすいので、気になる方はコバエの侵入や外に出るのを抑えてくれるケースを選んでください。
ケースの中に敷く飼育用の土を昆虫マットと呼びます。クヌギやコナラのおがくずで作られたものが一般的で、成虫を飼うだけなら昆虫マットをケースの5~10cmほど敷いておけば安心です。(産卵させる場合については後ほど紹介します) 霧吹きなどで昆虫マットを湿らせて適度な湿度を保ったり、クワガタが潜って隠れる場所になったりします。
フンや食べかすなどで汚れてきたり、ニオイが気になってきたら昆虫マットを交換します。(4か月程度が目安)クワガタを越冬させるときには冬が来る前にマットを多めに入れてあまり寒くならない屋内で管理しましょう。
このような昆虫ウォーターを昆虫マットに挿してセットしておくと、乾燥を防いで栄養も与えてくれます。
クワガタのエサは基本的に市販の昆虫ゼリーを与えていれば問題ありません。栄養バランスの良いものや、高たんぱくなもの、消臭効果のあるものなどなど種類もさまざまです。
クワガタはリンゴやバナナなどの果実も好みますが、傷みやすく飼育環境の悪化にもつながるためゼリーを与えるのが無難でしょう。
クワガタは樹木や木くずの下に隠れる習性があるので、足場や隠れ家になるのぼり木はセットするようにしましょう。身体が薄いクワガタは転倒してしまった時に起き上がることが困難です。そんな時にものぼり木に脚を掛けたり体を寄せたりして起き上がるための補助として使用することもあります。
飼育環境が整ったらケースにクワガタを入れて、湿度や温度に気を付けてエサを切らさないようにすればOKです。
直射日光の当たらない涼しい場所にケースを置き、ケース内が乾燥してきたらマットが湿る程度に霧吹きで水を与えてください。高温多湿の環境は良くありませんので、できるだけ自然に近い環境にして育てましょう。
エサは無くなり次第交換してあげてください。多頭飼いの場合はエサがなくなるとケンカの原因になりますので注意してください。
全てのクワガタが越冬できるわけではありませんが、オオクワガタやコクワガタなどは冬眠をする種です。
越冬する種類のクワガタの成虫は気温が15℃以下になるとマットに潜って冬眠し始めます。(関東では11月~3月くらい)越冬はとても体力を消費しますので、10月半ばくらいになったら栄養価に優れたゼリーを与えておきましょう。
また、越冬時はマット内にずっと潜った状態になるため、昆虫用マットはケースの半分から8分目くらいまで入れておき、定期的にケース内が乾燥しないように霧吹きで湿らせてあげるようにします。
越冬に適した温度は5~10℃位なので、暖房が効いた暖かい部屋や0℃以下になるような屋外は避けてケースの置き場を考えてくださいね。
次にクワガタの繁殖飼育(ブリード)の方法をご紹介します。産卵から幼虫の飼育を目的としていて、成虫の飼い方とは飼育環境が少し違いがあり、クヌギやコナラなどの朽ち木の中に産卵する「材産みタイプ」と発酵マットに産卵する「マット産みタイプ」の2タイプに分かれます。
繁殖飼育に関してはクワガタの種類によって異なりますので、ここではオオクワガタやコクワガタなど木材の中に産卵する材産みタイプの繁殖飼育について解説します。
まずは産卵させるときに使用する飼育ケースです。観賞用のものと同じで大丈夫ですが、マットに朽ち木を埋め込むので十分深さがあるものを選ぶようにしてください。
材産みタイプの場合はどんな昆虫マットを使用しても大丈夫ですが、幼虫の飼育や産卵向けに高栄養のマットもありますので使ってみるのもおすすめです。
※ノコギリクワガタなどのマット産みタイプのクワガタの場合には発酵したマットが必要となりますので、専用のものを用意してください。
柔らかく腐木した朽ち木は材産みタイプのクワガタの産卵場所になり、さらに幼虫のエサにもなります。メスは自分が好んだ朽ち木に産卵する傾向があるので、複数準備しておくと良いでしょう。
産卵を控えたメスのために高たんぱくで栄養価の高いゼリーを準備しましょう。
鑑賞用と同様に転倒防止や隠れ場所として使用します。
クワガタの幼虫を飼育するために使用する菌糸ビン。おが粉にキノコ菌を植え付け、成分を分解させることで幼虫が吸収しやすくなって成長が良くなります。
セットが完了したらオス・メスのクワガタを一対入れます。1週間程度同居させれば交尾が完了したと考えられます。気性の荒い種類のクワガタだとオスがメスを殺してしまう場合もありますので、交尾が確認出来たらオスは別のケースに移してください。すでに交尾済みであればメスだけ産卵セットに入れましょう。
産卵セットにメスだけを残したら直射日光の当たらない静かな場所で1か月程度様子を見ましょう。産卵行動中はマットに潜ってほとんど姿が見られません。この時決して産卵木を掘り起こしたりしないでください。ゼリーの交換程度のお世話で十分ですので、じっくり待つようにしましょう。
産卵セットのケースの外から見て、産卵木がかなり削られている様子が見られるようであれば散乱している可能性が高いといえます。産卵セットにメスを入れて1か月っ程度経って産卵した様子が見られたら、マットの上に出てきているときにケースから取り出して別のケースに移してください。
産卵したメスを産卵セットから取り出したらさらに1か月程度放置し、その後1匹ずつ菌糸ビンで飼育します。これはクワガタの幼虫はケンカしやすく皮膚も弱いため一緒に育てられないからです。
クワガタムシの幼虫の飼育方法は次のような手順で行います。
菌糸ビンが劣化していたりカビが見られた場合には慎重に掘り起こして、マットを大目に敷いたケースに移し、静かな場所で様子を見る
ケースに移してから昆虫ゼリーなどのエサを食べることを「後食」と言い、クワガタは羽化後1~3か月後にエサを食べ始めるのが一般的です。後食をし始めると成熟したと考えられます。
その後さらに1~3か月程度経つと繁殖もできるくらい成長します。カブトムシに比べて時間がかかりますが、ブリードを成功させるにはしっかり成熟していることがポイントになりますので、じっくり待つようにしましょう。
クワガタのエサと言えば昆虫ゼリー以外にもスイカやメロンなどのフルーツをあげるというイメージを持っている方も多いと思います。しかし実は水分が多すぎる果物はクワガタやカブトムシのエサとしては向きません。コバエが発生しやすかったり、傷みやすくて管理も難しいためです。
フルーツであればバナナやリンゴなどがオススメですが、昆虫ゼリーであればニオイ対策のものやコバエが発生しにくいもの、栄養価の高いものなど使い分けもできて便利ですよ。
同じケースの中に数頭のクワガタを入れたり、カブトムシとクワガタを一緒に入れて飼うのもケンカの原因となり寿命にも影響するためおすすめしません。たくさん飼うという場合にはケースを分けたり、ケース内に仕切りがあるタイプなどを選んでみたりしましょう。
実はクワガタやカブトムシはサナギから羽化した時点で大きさが決まってしまうので、成虫になってからどんなにエサを与えてもそれ以上大きくなることはありません。
そのため、大きくしようとエサをたくさん入れてもクワガタは必要な分しか食べないので無駄になってしまうかも。ケースを選ぶ際も成虫の大きさを基準に選べば大丈夫です。
コバエが湧きやすいからとベランダなどの屋外で飼育するという方も多いかもしれませんが、クワガタの飼育には直射日光が当たらない日陰や風通しの良い屋内の場所が適しています。ケース内は温度が上がりやすく、30℃以上になると弱ってしまうので気を付けてくださいね。
冬眠中のクワガタにはエサが必要ないように思いますが、冬でも暖かい日には目を覚ましてエサを食べる場合があります。特にマットに潜ったばかりのころはまだ冬眠のスイッチが入ったかどうかわかりにくいので、必ず昆虫ゼリーを入れておきましょう。
また、冬眠が明けた時にも餌が食べられるように常に入れておくと安心です。
この記事ではクワガタの飼い方や飼育のポイントをご紹介しました。
クワガタの育て方はシンプルで初心者にも比較的簡単ですが、種類が豊富で個性も豊かなので奥深いのが魅力です。さらにブリードをするとなると羽化させたりと神秘的な様子も見ることができます。
なんといっても生きものですので個体差があったり環境によってうまく行ったりうまくいかなかったりすることも。じっくり根気強く観察しお世話してあげるのが大切ですよ。
ぜひ参考にしてクワガタの飼育を楽しんでみてくださいね。