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本当にカブトムシが心地いい飼育法をプロに聞いて、カブトムシを過保護に育てる

クリエイター

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小島渉

小島渉

1985年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科で博士号を取得。その後、日本学術振興会特別研究員、日本学術振興会海外特別研究員、山口大学理学部助教を経て、現在は山口大学理学部講師。研究分野は動物生態学。学生の時から10年以上、カブトムシの生態を主に研究している。

カブトムシを過保護に育てたい!

カブトムシにリコーダーを聴かせる

カブトムシという虫がいる。夏を代表する昆虫で、昆虫の王様とも呼ばれる。オスには大きな角があり、子どもにとっては憧れの存在だ。クワガタとは異なり越冬することはなく、ひと夏でその命は終わってしまう。

そんなカブトムシを過保護に飼いたいと思う。成虫になれば、ひと夏で死んでしまうのだ。だからこそ、ひと夏を楽しんでもらいたい。つまり快適な夏を過ごしてもらうのだ。専門家に聞いて実践してみたいと思う。

カブトムシと夏

夏になると、クヌギなどの木を注意深く見る日が増える。それはなぜか、カブトムシがいるかもしれないからだ。子どもはもちろん、大人にとってもカブトムシは心をくすぐる存在なのだ。

この記事を書いている地主とカブトムシ(のおもちゃ)です!

この記事を書いている地主とカブトムシ(のおもちゃ)です!

私も例外ではなく、もう30代(独身)だけれど、カブトムシに憧れる一人だ。子どもの頃は、夏になればカブトムシやクワガタを捕まえて飼っていた。虫かごに土を入れて、ゼリーを入れられる穴の空いた木を置いて飼っていた。

飼う時はこういうイメージですよね!

飼う時はこういうイメージですよね!

カブトムシを飼うとなるとこんなイメージだし、実際、私もそのように飼ってきた。でも、これがカブトムシにとって、そして我々にとってベストなのだろうか。よくコバエやダニなどが発生してしまうのだ。そこでプロに話を聞こうと思う。

山口大学大学院創成科学研究科の小島渉先生にお話を聞きます!

山口大学大学院創成科学研究科の小島渉先生にお話を聞きます!

小島渉先生プロフィール

小島渉

1985年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科で博士号を取得。その後、日本学術振興会特別研究員、日本学術振興会海外特別研究員、山口大学理学部助教を経て、現在は山口大学理学部講師。研究分野は動物生態学。学生の時から10年以上カブトムシの生態をおもに研究している。

理想の環境は意外とシンプル

小島先生は10年以上、カブトムシの研究を続けている。研究室には成虫と幼虫を合わせて、700から800匹ものカブトムシがいるそうだ。また今年は「外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる」という研究を、埼玉県の小学生と共同で発表して話題になった。

オンラインで伺いました!

オンラインで伺いました!

まずは、カブトムシを飼う際の理想の環境を聞く。

小島先生アイコン

僕はタッパーで飼っています。

地主アイコン

タッパーで!? 専用の虫かごじゃなくていいんですか? ほら、土をいれたりとか…。

小島先生アイコン

土も入れないほうがいいと思っています。コバエとか絶対に湧かないですし、掃除もめちゃくちゃ楽なので清潔ですよね! 土ではなくキッチンペーパーを敷いています。

いきなり驚いた。そもそも虫かごを使わないのだ。タッパーでいいのだ。1匹ならば、幅・奥行・高さがそれぞれ20cmほどあればいいそうだ。

また、そこに土も入れない。代わりに湿らせたキッチンペーパーを敷く。それを2・3日に1回取り替えるそうだ。

小島先生アイコン

自然界でもカブトムシは、基本的には土にはもぐらないですよね! 木にいますから。コバエなどは、土を餌にして沸いているのが多いです。つまり、土を入れるメリットは特にないのです。

地主アイコン

なるほど! たしかに土を入れなければ、コバエもダニも湧かないですよね。嬉しい事実!

タッパーとキッチンペーパーが正解です!

タッパーとキッチンペーパーが正解です!

タッパーに穴を開けたほうがいいのだろうか。また、カブトムシにとって理想の温度はどのくらいなのだろうか。快適に過ごしてほしいので温度は重要だ。

小島先生アイコン

タッパーには1つ穴が空いていれば大丈夫です。直射日光が当たるところで飼うのはよくないです。温度は23℃から25℃くらいが一番いいですね。30℃くらいでも平気ではあります。

ちなみに私の家の日中の室温! あついですね!

ちなみに私の家の日中の室温! あついですね!

小島先生アイコン

カブトムシの寿命は一般的には2・3カ月ですかね。気温などの条件で全然変わってくるんですが、気温が低いと長生きします。たとえば20℃で飼えば、めちゃくちゃ長生きしますね。動けないので。うまくやれば半年くらい生きます。

カブトムシは越冬しないけれど、気温を低くして飼えば冬くらいまでは生きるそうだ。気温が低いと動けず体力を使わないため長生きすると考えられる。

小島先生アイコン

でも、カブトムシは“太く短く生きる昆虫”だと思っています。

動かずに長生きするのがいいのか、太く短くがいいのかは難しいところだ。カブトムシによっても変わるだろう。今回は適温と言われる25℃で飼育しようと思う。

25℃にします!

25℃にします!

餌はどうなのだろうか。土を入れないのは分かったけれど、ゼリーを置くための木などはあったほうがいいのだろうか。

小島先生アイコン

昆虫ゼリーでいいと思います。キッチンペーパーに直置きです。

地主アイコン

直置き!? カブトムシはミニマリストなのか……?

タッパーにキッチンペーパーを敷いて、そこにゼリーを置けば、それで十分なのだ。実に飼いやすい昆虫と言える。

小島先生アイコン

ゼリーは切らさないようにしておけば1個で十分ですね。たくさん置いても関係ないので大丈夫です。また、ゼリーには水分が多いものとそうでないものがあるのですが、それがカブトムシの健康にどう影響しているかはわからないんです。不要な分はおしっことして出すので。ただ汚れやすくなるので、僕は水分が少ないものを使っています!

地主アイコン

スイカをあげると下痢をするという話を聞いたことがありますが、本当ですか?

小島先生アイコン

水分が多い餌だと排泄物の量が多くなるという話で、ケースが汚れやすくはなります。カブトムシが下痢をして苦しんでいる、というわけではないです。

地主アイコン

下痢でも辛くないの、羨ましいな!

結局はゼリーで十分ということだ。もちろんスイカなどをあげてもいいけれど、ケースが汚れやすくなるので特に必要ないわけだ。

ゼリーを買いました!

ゼリーを買いました!

地主アイコン

カブトムシを飼う場合って、つがいのほうがいいのか、あるいは1匹だけがいいのか、複数を同時に飼ったほうが仲間がいて嬉しいのか、伺いたいです!

小島先生アイコン

1匹だけで飼ったほうがいいです! 産卵させたければつがいで飼う必要があると思いますが、交尾が終われば別にしたほうがいいです。

地主アイコン

へぇ〜! なぜですか?

小島先生アイコン

複数だとストレスがかかるのです。オスとオスは特に! メスとメスならあんまり影響はないと思いますが、オスとメスもよくないですね、干渉するので。

カブトムシにいま、急に親近感が湧いた。

結婚できないタイプではないか。私と一緒なのだ。

今までもカブトムシは好きだったけれど、さらに好きになった。今回はオスを1匹だけで飼うことにする。

地主アイコン

ちなみに部屋で飼うつもりなのですが、暗い部屋にずっと置いておいても大丈夫ですか?

小島先生アイコン

昼間は明るくしてあげたほうがいいです! でも、夜はちゃんと暗くしてあげてください。いつ活動していいかわからなくなるので。ずーっと暗い部屋などはよくないです! 薄暗い程度なら大丈夫ですけどね。

さっきカブトムシに親近感が湧いたけれど、私とは違った。めちゃくちゃ規則正しい生活なのだ。不規則な生活の私とは大違い。でも、カブトムシのために規則正しい生活をしようと思う。

彼と私は一緒なのだ、一部は!

彼と私は一緒なのだ、一部は!

この後もいろいろな話を聞いた。

基本的にカブトムシには触らないほうがいいこと(ストレスになるから)。また、野生のカブトムシは圧倒的に関東に多いということなど。私は九州出身で、子どもの頃、カブトムシが少ないと思っていたのだけれど、今回お話を聞いて謎が解けた。

ちなみに今回登場するものは基本的にカインズで全部揃います!

ちなみに今回登場するものは基本的にカインズで全部揃います!

一旦まとめよう。

  • タッパーで飼う(空気穴を1つ開ける)
  • キッチンペーパーを敷く(その際、霧吹きなどで湿らせる)
  • ゼリーを1個置く(たくさん置いても特に関係ない)
  • 室温は25℃前後
  • 昼間は明るく、夜は暗く、規則正しい生活を
  • 1匹で飼う(つがいの場合は交尾後に離す) ※卵を産ませる場合は土を敷く必要があります

以上が、カブトムシにとって“おそらく”一番よい飼い方だ。それを実践していこうと思う。

カブトムシもカインズで買ったよ!

カブトムシもカインズで買ったよ!

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