LEDとは違う本物のネオンサインに心奪われる理由とは。ネオン職人・高橋秀信
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目次/ INDEX
「アゲハチョウの飼い方を知りたい」
「子どもと一緒にアゲハチョウの変化やお世話を楽しみたい」
春になるとよく見かけるアゲハチョウですが、実は飼育はとても簡単。アゲハチョウは完全変態(成長の過程で全く違う姿に形を変えること)の昆虫で、短い期間で卵から幼虫、さなぎから成虫へと変化を楽しむことができます。
ただ簡単に飼育できるとはいえ、正しい知識を身につけてから飼うことが大切です。しっかり知識を身につけた上で正しい飼い方をすれば、アゲハチョウの成長の様子を最後まで見届けることができますし、お子さんの生き物への興味を刺激し、教養や理科の学習意欲を育てることにも繋がります。
「子どもたちと楽しみながらアゲハチョウの飼育・観察をしたい」という方は、この記事をぜひ参考にしてみてください。
まずは基本的なアゲハチョウの生態から解説していきます。あらかじめ知識をしっかり身につけておくことで、飼育の際も理解を深めながら日々お世話することができます。
アゲハチョウと一言で言っても様々種類があり、中でも有名なのが「ナミアゲハ」と「キアゲハ」です。成体はもちろんですが幼虫の見た目にも大きく違いがあるため、比較しながら飼育するのもおすすめです。
ナミアゲハ | キアゲハ | |
翅(はね)の模様 | 前翅のつけ根に黒い筋状の模様ができる。 | 前翅のつけ根に黒い模様ができる。筋は入っていない。 |
翅の色 | 淡い黄色※個体差あり。濃い個体もいる。 | 濃い黄色※個体差あり。薄い個体もいる。 |
成虫の食べ物 | 花の蜜。 | 花の蜜。 |
幼虫の見た目 | 大きくなると目玉のような模様ができる。 | 縦筋の入ったしましま模様ができる。 |
幼虫の食べ物 | ユズやミカン、サンショウなどのミカン科の植物。 | ニンジンやセリなどのセリ科の植物。 |
そのほか次のようなアゲハチョウもいます。
アオスジアゲハ | クロアゲハ |
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カラスアゲハ | モンキアゲハ |
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ジャコウアゲハ | オナガアゲハ |
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地域差もありますが、ナミアゲハやキアゲハより比較的珍しく、見つけるのが難しいです。全体的に黒っぽい色をしているので、もし見つけた際は違いを観察してみましょう。
アゲハチョウは1年間に3、4回卵を産み、季節ごとに姿が異なります。春先に生まれたら6月頃に成虫に。6月頃に生まれたら夏頃成虫に。秋頃生まれたら、さなぎのまま冬を越し春頃成虫に変化します。
秋頃生まれたアゲハチョウをのぞくと、約1ヶ月の間に卵から幼虫、さなぎから成虫へと変化したのち、約2週間過ごしその一生を終えます。日々変化があるため、見逃さないように毎日お世話して観察しましょう。
アゲハチョウの特徴や種類、成長サイクルが分かったら、さっそく飼育に挑戦してみましょう。ここでは比較的見つけやすいナミアゲハについて解説していきます。
まずは卵や幼虫を見つけるところから始めましょう。ナミアゲハは春先〜秋頃まで卵を3、4回生みますが、よく見かけるのは8月頃です。
先程解説したとおり、ナミアゲハの幼虫はミカン科の植物をエサとしているため、ユズやミカン、サンショウやキハダなど柑橘系の木を探してみましょう。ご近所さんや施設に生えている木や、ホームセンターで売られているユズやミカンの苗などを探します。
ナミアゲハの卵は黄色でまん丸な形をしていますが、孵化が近づくとだんだん茶色になります。孵化したばかりの幼虫は、イメージにあるような緑色ではなく茶色っぽい色をしています。卵は約1mm、幼虫も2mmととても小さいので、葉っぱを注意深く見ながら探しましょう。
ナミアゲハの幼虫
見つけたら葉っぱも一緒に持ち帰るようにしてください。売り物の場合はそのまま購入し、ご近所さんや施設、農園などの木から採る場合は、トラブルを避けるために許可を取ってから持ち帰るようにしましょう。
もし「毎年アゲハチョウの飼育を楽しみたい」と考えている場合、庭やベランダでユズやサンショウなどの木を育てるのがおすすめです。卵を産みつけてくれる上に、エサも豊富にありますので、自宅で手軽に飼育を楽しむことができます。
卵や幼虫を見つけられたら、飼育の準備を整えましょう。ナミアゲハの飼育に必要なものは次の2つだけ。
卵から育てる方は、ケースに入れたまま様子を見ましょう。4〜5日ほどで孵化してきます。
幼虫の飼育で大切なのは、葉っぱを常に切らさないようにすることです。傷んだりしなびてきたら、すぐ新しいものに交換します。近くに柑橘系の木がなく毎日交換するのが難しい方は、葉っぱが傷まないように水を含んだティッシュをアルミホイルでくるんだりするなどしましょう。
もしくは密閉できるプラスチックケース(タッパーなど)を使うのもおすすめです。卵や幼虫の場合、酸素用の穴を開ける必要がなく、そのまま卵と葉っぱを入れるだけでOKです。密閉されているため葉っぱも傷みにくく、お世話がしやすくなります。
新鮮な葉っぱを切らさないようにすることと、フンの掃除も欠かさないようにするのが大切です。幼虫は毎日たくさんの小さい茶色いフンをするため、1日に1回はフタを開けて筆などで集めて捨てるようにしましょう。
ここからは、ナミアゲハの変化の様子についてを細かく解説していきます。観察やお世話の仕方を変える目安として、ぜひ参考にしてください。
体が茶色から緑色に変化し、図鑑などでよく見る姿になります。
この頃になると、大きめの虫かごやプラスチックケースに移して飼育します。葉っぱを枝ごと採り、湿らせた綿やティッシュと一緒にビンに挿してしおれないようにしましょう。
さらに5日ほど経つとさらに大きくなり、さなぎになる場所を探して枝やケースを這い回るようになります。この時フタを開けたままにしていると外に出てしまう可能性があるため、しっかりフタをして逃げないようにしましょう。
また、フンの形も丸いポロポロしたものから、水っぽいものに変化します。さなぎになる合図だと思っておきましょう。
気に入った場所が見つかると、さなぎになるため糸を張って足場を作り、「前蛹(ぜんよう)」になります。1日経つと脱皮が始まり、さなぎに変化します。
ナミアゲハのさなぎ
ナミアゲハはケースのフタの裏や壁でさなぎになることが多く、このままだと羽化したとき脚で掴まることができず落ちてしまいます。そうなると翅を伸ばせず、羽化に失敗してしまうことがあります。
きちんと羽化できるよう、さなぎを安全な場所に移す作業が必要です。紙でさなぎが入るぐらいのポケットをつくり、枝にテープで留めます。優しくさなぎをフタの裏や壁から外し、ポケットに入れてあげましょう。
この頃になると、だんだんさなぎの色が黒っぽく変化してきます。これは中の色が透けている状態で、そろそろ羽化が始まる合図です。
さなぎが割れて羽化する瞬間はあっという間ですので、しっかり観察しておきましょう。大体早朝から14時頃までの時間帯に羽化することが多いです。
羽化したアゲハチョウの翅は最初は縮れていますが、10分ほどでキレイに広がります。半日もすると体もしっかりしてきて飛ぶようになります。
この羽化から飛ぶようになるまでの間が、じっくり観察できるタイミングです。口や触角、翅や脚のつき方など、普段中々観察できない細かいところも見ておきましょう。写真や動画を撮ったり、スケッチなどをして記録しておくのもおすすめです。
じっくり観察できたら、最後は外に逃がしてあげましょう。アゲハチョウの成虫は飼育に向いておらず、虫かごなど狭い場所では飛ぶたびにぶつかり、翅が傷ついて弱ってしまいます。さよならと感謝の気持ちを込めて、外へ飛び立つのを見届けましょう。
いかがでしょうか。アゲハチョウの飼い方について理解できたでしょうか。
教科書や図鑑でもアゲハチョウの生態や食べ物などは知ることができますが、実際に飼うことでさらに理解を深めることができます。生き物を飼育する大変さや、さなぎから成虫へ羽化する瞬間の感動なども味わえて、命の大切さも学ぶことができるでしょう。
アゲハチョウの飼育のチャンスは年に3、4回ありますので、ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。この記事が参考になれば幸いです。