春の花30選|3月・4月・5月に咲く種類や育て方を一覧で解説
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春の野草「ノビル」。食材として流通することはあまりないですが、ネギやニラのような香りとピリッとした辛さ、ラッキョウのような味がする人気の野草です。調理の幅も広く、そのまま刻んで薬味として使ったり、味噌汁や天ぷら、おやきの具材としても使われています。
この記事ではノビルの基本知識から、育て方、増やし方についてご紹介します。自宅でノビルを育てたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ノビルはヒガンバナ科ネギ属の多年草で、日本全国の日当たりの良い野原や土手、道端などに自生しています。群生していることが多く、一箇所見つけると大量に採取することができます。
同じネギ属のネギやニラ、ニンニクのようにツンとする香りが特徴で、白い球根部分はもちろん、ネギやニラと同じように葉や茎も食べることができます。
ノビルとよく似た植物としてタマスダレ、ハタケニラ、スイセンが挙げられます。有毒のものもあり危険なため、採取の際は注意が必要です。
タマスダレは同じくヒガンバナ科の植物で、葉がノビルやニラとよく似ていて間違われやすいです。全草が有毒で、食べると吐き気や嘔吐、痙攣などの症状が出ることがあります。園芸用として流通しているため、栽培するときはノビルやニラと離れた場所に植えるようにしましょう。
ハタケニラはネギ亜科の植物で、ノビルの生息地の近くに生えていることが多く、茎の丈や色が似ているため間違われやすいです。有毒とも食用とも情報がなく、繁殖力がかなり強いため雑草として扱われています。
スイセンもノビルと同じくヒガンバナ科の植物で、園芸用として人気の花ですが全草に毒があるため注意が必要です。食べると嘔吐や下痢、頭痛や低体温など重い症状が出ることがあるため、ノビルかどうか見分ける際は葉をちぎって匂いを嗅いでみましょう。ノビルにはネギのような匂いがあるため見分けることができます。
ノビルは調理前に下処理が必要です。まずは水洗いしながら泥や土を落として、茶色の薄い表皮や枯れた葉っぱを剥きます。根っこの落としにくい土は歯ブラシなどで落としましょう。ノビルの食べ方は様々あり、次のような料理に使われています。
他にも、ネギのように刻んで薬味として冷奴に乗せたり、炒め物にアクセントとして加えたりするのもおすすめです。
ノビルの保存方法として、下処理をした状態でビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。長期間保存したい場合は酢漬けにしておくと安心です。
ここからはノビルの栽培方法について解説していきます。ノビルは野原や土手などに自生しており、丈夫な性質を持っているため自宅でも手軽に育てることができます。日当たりを良い場所を好むので、なるべく日光が当たりやすい場所で育てましょう。
ノビルを育てる上で、まずは次の5つを揃えるようにしてください。
ノビルの球根は自生しているノビルを採取して用意しましょう。もし近くに生えていない場合は、スーパーや直売所、道の駅、園芸店のオンラインショップなどでも購入できます。
庭がある方は地植えしても良いですが、ノビルは繁殖力が強くどんどん広がるため、最初のうちはプランターで育てるのがおすすめです。
ノビルは丈夫な性質を持っているのでどんな土壌でも育ちますが、水はけの良い少し湿った土を好みます。野菜用の培養土などを用意しましょう。
元肥として化成肥料を土に混ぜ込んでおく必要があります。こちらも野菜用の肥料を用意しておきましょう。
プランターに用土や肥料を入れる前に、底に鉢底石を敷くようにしてください。ノビルは水はけの良い環境を好むため、排水性や通気性を良くするために使用します。あらかじめネット入りのものを用意しておくと繰り返し使えて便利です。
その他、軍手やスコップ、ジョウロなど基本的な園芸用品も合わせて用意しておきます。道具が準備できたらさっそく植え付けていきましょう。
ノビルの植え付け時期は9月下旬〜10月上旬頃。収穫時期は4月〜5月頃です。まずはプランターに用土と肥料を入れて混ぜ、植え付ける準備をしましょう。準備ができたらノビルの球根を植え付けます。球根の根を下にして、株と株の間5cm・深さ5cmほどの植え穴をあけて植え付けていきましょう。植え付けた後は日当たりの良い場所に置いて、適宜水やりや追肥を行います。
水やりのタイミングは、土が乾燥してから与えるようにしましょう。外で栽培している場合はあまり頻繁に与えなくても元気に育ちます。水やりをしすぎると根腐れしてしまうことがあるため注意してください。追肥は3月頃に行いましょう。
春になり草丈が50cm、葉鞘部分の太さが1cmほどになったら収穫のサインです。スコップを使って株ごと掘り上げて収穫しましょう。収穫したあとは土をよく洗い流して、酢味噌和えや味噌汁、天ぷらなどに使います。秋にまた植え付ける場合は、球根部分を乾燥させて植え付け時期になるまで風通しのよい暗所で保管してください。
ノビルは収穫時期を過ぎた5月〜6月頃に花を咲かせますが、種を作らず「分球」で株を増やしていきます。分球とは球根が分かれて増えることで、ノビルは親球の横に小さな子球をつけて分球します。環境が合えば1年で4球以上に分球しますので、速いペースで増やすことができます。放置したままでも自然に育つことがありますが、確実に株を増やしたい場合は子球を切り離してそれぞれ植え付けるようにしましょう。
ノビルは野原や土手に自生していることもあり、性質が丈夫で比較的育てやすい植物ですが、次のポイントに注意しながら栽培・採取するようにしましょう。
ノビルは日当たりと水はけの良い場所を好むため、栽培する際も環境を整える必要があります。水はけが悪いと根腐れしたり、カビや病害虫が発生する原因にもなりますので注意しましょう。水はけを良くするために、あらかじめプランターの底に鉢底石を敷いたり、水受け皿に水が溜まっていたらこまめに捨てたりするなど、対策をするようにしてください。
ノビルは繁殖力が強く、分球して株がどんどん増える特徴があります。環境が合えばあまり手を加えなくても自然に増えるため、手間がかからず育てやすいのですが、増えすぎには注意が必要です。
とくに庭や花壇などに地植えをしている場合、土壌の栄養を吸って他の植物の生育を邪魔したり、真下から生えてきたりと大繁殖してしまいます。ノビルを駆除するには、ノビルが生えている箇所をスコップで掘り起こして、球根や根ごと取り除く必要があります。一度広がってしまうとかなり手間がかかるため、忙しくて日頃の管理が難しい方は、プランターや鉢植えで育てるのがおすすめです。
ポイント3つ目は、採取の際に気をつけたいポイントです。前述したように、ノビルはスイセンやタマスダレなど毒性の植物とよく似ているため、注意して採取するようにしてください。とくにスイセンは毒性が強く、海外では死亡事故の事例もあるほどです。
ノビルかどうか見分けるには、葉っぱを折ってニラのような匂いがするか確認してください。他にも、掘り起こして球根の形が丸ければノビル、フラスコのように先が尖っていればスイセンです。どうしても見分けがつかないときは、安全のために口にしないようにしましょう。栽培目的で球根を入手したいときは、スーパーや直売所、道の駅や園芸店のオンラインショップなどで購入するのがおすすめです。
いかがでしょうか。ここまでノビルの食べ方や育て方、株の増やし方や栽培のポイントなどを紹介してきました。丈夫な性質のノビルですが、元気に育てるために日当たりと水はけの良い場所で育てるようにしましょう。また、繁殖力がかなり強いため増えすぎには注意しながら栽培を楽しんでください。
また、カインズではノビル栽培に便利な培養土や肥料、園芸グッズなどを豊富に取り揃えています。オンラインショップでも購入できるので、興味がある方はぜひご覧ください。