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ストックの育て方|注意点や増やし方を解説【初心者にもおすすめ】

スタッフ

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小川恭弘

小川恭弘

千葉県館山市の植物園に20年勤務後、現在フリーランスとして活動、熱帯果樹の栽培等にかかわっている。NHK『趣味の園芸』にて、熱帯植物の分野で特集記事などを執筆、テレビ出演。現在は質問コーナーを主に担当している。著書『よくわかる栽培12か月ハイビスカス』

ストックは華やかで爽やかな芳香があり、とても人気の高い花です。そのため、家でもストックを育ててみたいと思っている人も多いでしょう。

この記事では、これからストックを育てようと思っている人に向けて、ストックの特徴や詳しい育て方などをわかりやすく解説します。ぜひ、参考にしてください。

ストックはどんな花?

ストックはどんな花?

ストックはアブラナ科アラセイトウ(Matthiola)属に分類され、学名はMatthiola incana です。南ヨーロッパ原産で、和名は「アラセイトウ(紫羅欄花)」です。原産地では多年草ですが、日本では夏の暑さで枯れるため、1年草として扱われています。花は一重咲きと八重咲きがあり、花の色には多数の種類があります。高さは20~80cmぐらいまでです。日本には江戸時代に渡来したといわれており、歴史がある花といえるでしょう。

ストックの特徴

ストックは花持ちがよいため、切り花やフラワーアレンジメントなどの用途のために多く栽培されています。甘い香りが長く続くという点も、切り花として人気の高い理由の一つです。ストックは寒さにはやや弱く、強い霜に当たると枯れてしまうため、冬のガーデニングの材料として広く普及していません。関東でも多くの地域で、鉢植えにして室内に取り込むなどの対策が必要です。ただし温暖化の進行にともない、関東南部の霜が降りにくい地域や、東京や首都圏の建物の密集地域など、戸外での栽培可能な範囲が広がってきています。咲く花が少ない冬場でも花壇を華やかに彩ることができるため、冬場のガーデニングで活躍する花として今後のさらなる発展が見込まれます。

ストックの開花時期と期間

ストックの開花時期は11月~5月です。寒冷地では、春にタネまきして夏までに開花させるのが一般的です。分枝性のよいガーデニング用品種の開花期間は2~3か月ほどで、以後は弱った株が目立つようになり、枯れていきます。パンジーやノースポールなど他の冬花壇植物に比べると、ライフサイクルが短いです。

ストックの種類

ストックは本来一重咲きの花でしたが、品種改良によって八重咲きのストックが生まれました。現在では華やかな印象の八重咲きの方が主流となっています。ストックは切り花用の品種が主体で、よく枝分かれするタイプ、1本立ちになりやすいタイプ、矮性タイプに大きく分けられます。その中でも丈夫で開花期間が長く、矮性でよく分枝するタイプが、花壇・ガーデニング用として育種されて流通しています。そのため一般に入手できるストックの苗は、ガーデニング用の矮性タイプの品種です。花壇やガーデニング用の品種は少なく、流通量もパンジーなどと比べるとまだまだ少ないです。

ストックの花の色

ストックの花の色

ストックには、赤、ピンク、白、紫、黄色などの色があります。また、花色は淡いものから濃い目のものまでバリエーション豊かです。そのため、自分好みの花を選びやすいでしょう。

ストックの名前の由来

ストックには、「茎」という意味があります。ストックの茎は太くしっかりとしていて存在感があるため、そのままストックと名付けられたといわれています。

一方、和名のアラセイトウはラシャ布が由来です。葉の質感が毛織物に似ているという点から、ポルトガル語でラシャ布を表す「ラセイタ」と呼ばれ、転じてアラセイトウになったとされています。

ストックの花言葉

ストックの花言葉

ストックの花言葉は、「求愛」や「永遠の美」、「永遠の恋」などです。ストックの花持ちのよさや香りが長く続くという特徴から、永遠の美や永遠の恋、という花言葉が生まれたといわれています。

ストックの花言葉は、ポジティブで恋や愛にちなんだものが多く、好きな人や大切な人への贈り物として重宝されています。

【色別】ストックの花言葉

ストックには以下のように、色のよって違う花言葉があります。

  • 赤:私を信じて
  • ピンク:ふくよかな愛情
  • 白:密かな愛、思いやり
  • 紫:おおらかな愛情
  • 黄色:さびしい恋

ストックの花の育て方

ストックの花の育て方

ストックの花を育てるためには、栽培方法をしっかりと把握しておきましょう。ここでは、ストックの育て方を解説します。

ストックの苗を植える時期

9~11月ごろが植え付け時期として適しています。ストックは根が真っ直ぐに伸びていく性質で、根に触れられるのを嫌います。

そのため、一旦植えつけたら植え替えはせず、そのまま育てるようにしましょう。植え替えの際に根を傷めやすく、根が傷付くと上手く根付かなくなります。

ストック栽培に適した場所

ストックは、地植えでも鉢植えでも栽培可能です。ただし、花を咲かせるためには日光が必要になるため、日当たりのよい場所で育てましょう。花壇に地植えする場合は、日当たりと風通しのよい場所に植えましょう。鉢植えの場合も同様によく日が当たり、空気がこもらない場所に置いて育てます。寒さには強くないため、冬の冷たい北風や西風が強く当たる場所は避けてください。霜に当たったり凍結する地域では、冬は鉢植えを室内で育ててください。室内に置く場合は、換気が大切です。閉め切った室内で空気が動かず温度が上昇すると病気にかかりやすくなってしまいます。基本的に室内では育てません。鉢植え・地植えどちらの場合でも、比較的冷え込みが厳しくない地域では、鉢植えを家の南側そばに置く、または霜よけ程度の対策で戸外でも栽培可能な場合があります。

ストックに適した土

ストックは肥沃(ひよく)で水はけのよい土壌を好みます。鉢植えで育てる場合には、草花用の培養土をそのまま使って構いません。もしくは、赤玉土6:腐葉土4で混ぜた用土を使いましょう。

地植えの場合には、植える場所を直径、深さともに20cmほど掘り返し、土に腐葉土や牛ふん堆肥などを混ぜて水はけをよくして置きます。また、元肥(もとごえ)用の緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。アブラナ科の植物は連作障害が起こるため、過去1年にアブラナ科の植物を育てた場所は避けましょう。連作障害は、ナス科やアブラナ科などの植物で起きる、同じ科の植物を同じ場所で育てると、生育不良になりやすい現象のことをいいます。アブラナ科の植物はストックや菜の花類などの草花のほか、大根やハクサイなどの野菜も含まれますので気をつけましょう。

ストックの肥料

ストックに適した肥料

植え付け時に3要素が等量の緩効性化成肥料などを与え、肥料切れしないよう追肥します。鉢植えなどに肥料入り培養土を使う場合は、1か月程度肥料の効果が持続する場合が多いので、目安にしてください。肥料によって効果が持続する期間や量が異なるので、説明書きをよく読んで正しく把握することが大切です。開花株や蕾のついた苗を購入した場合は、2~3か月効果のある緩効性化成肥料を元肥として与えれば、追肥の必要はほどんどありません。 茎があまり太くならない、葉が黄色くなってしまうときは、肥料が不足しているかもしれません。肥料が不足している場合は、500倍程度に薄めた液体肥料を水やり代わりに2週間に1回、または緩効性化成肥料を株元に規定量与えると生育や開花がよくなります。

ストックの水やり

ストックは乾燥には強くなく、水やりが少ないと生育が悪くなります。ただし過湿も嫌うので水を与え過ぎると根腐れを起こします。水のやり過ぎには注意しましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたら水やりをします。鉢の底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。地植えの場合には、基本的に水やりの必要はありません。ただし、植えつけ直後でまだ根がしっかりと張っていないときは、葉が萎れてきたら水を与えましょう。

ストックの花を育てるときの注意点

ストックの花を育てるときの注意点

ストックを栽培するときには、注意してほしいポイントが2点あります。それぞれどのようなポイントか、解説します。

コナガの幼虫・アブラムシに注意する

コナガの幼虫はストックのようなアブラナ科の植物によくつく害虫です。葉を食べられてしまうと、生育が悪くなる可能性があるため、みつけ次第駆除しましょう。

アブラムシもストックに発生しやすい害虫です。栄養分を吸うだけでなく、ウイルスの媒介にもなるため注意が必要です。どちらも薬剤の散布によって駆除できます。また、株元に果粒をまいておく浸透移行性の薬剤も有効です。

立ち枯れ病に注意する

水の与えすぎによる過湿などで、元気だった株が急に枯れてしまう立ち枯れ病が発生します。土が清潔でないと発病する可能性が高まるため、タネまき時には古い土を使わずに、市販の新しい用土を使用しましょう。

また、風通しの悪い環境でも発病しやすくなります。

ストックの増やし方

ストックの花の増やし方

ストックを増やしたい場合にはどうすればよいのでしょうか。ここでは、ストックを増やす方法を解説します。

ストックはタネで増やす

ストックは株分けやさし木ができないので、タネまきで増やします。ただし、八重咲きのストックからは基本的にタネは取れません。これはタネをつけるために必要な雌しべや雄しべが花弁に変化して八重咲きになっているためです。

タネを取りたい場合は一重咲きのストックを育てる必要があります。八重咲き品種のタネを購入しても、そのままでは半分くらい一重咲きになります。切り花や花壇用に販売される苗は八重咲きのストックを使うのが普通ですが、発芽した時の生育の差を利用して、八重咲きだけを選抜しています。八重鑑別不要の品種もありますが、切り花用の少ない品種しかありません。

ストックの種まきのポイント

ストックは気温20℃前後が発芽の適温です。夏以降、できるだけ早くタネをまけば、年内の早い時期から花を楽しむことができます。できれば8月の後半にタネをまいて、10月中から花を楽しみたいところですが、近年は9月に入ってもなかなか涼しくならないため発芽がうまく行かないことも少なくありません。

暑い時期にタネをまく場合は、直射日光が当たらない風通しのよい場所で、できるだけ涼しく管理する必要があります。また、タネをまいたポットを発泡スチロールの箱に入れて管理し、夜は保冷剤を入れてフタをして温度を下げることで発芽させることも可能です。涼しくなる9月下旬以降にタネをまくというのも手です。

タネまきは、市販のタネまき用土を入れた3号(直径9cm程度)のポリポットに3~4粒のタネをまいて土を薄く被せます。上からじょうろなどで水を与えるとタネが流れてしまうので、最初は水を張ったバケツなどにポリポットを浸して底から水を吸わせ、以降の水やりは霧吹きなどでおこないましょう。

ストック栽培まとめ

ストック栽培まとめ

ストックはさまざまな色があり、バリエーション豊かな植物です。寒さにはやや弱いですが、育て方のコツさえ把握しておけば、ガーデニング初心者であっても育てやすいでしょう。

冬のガーデニング素材として貴重な存在なので、ストックを使いこなしてさらにレベルアップしたガーデニングを楽しんでください。

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