粘土ってバラになれるんだ。元花屋がホームセンターの材料で枯れない花を作ってみた【クレイフラワー】
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ガーデニングに興味があっても、マンションやアパート住まいだからとあきらめている人もいるでしょう。しかし、工夫さえすれば、マンションやアパート住まいでも、ベランダでガーデニングを楽しむことが可能です。
今回は、ベランダガーデニングのメリットや適した植物、注意点などについて解説します。
ベランダガーデニングとは、文字どおりベランダやバルコニーを使ってガーデニングを行うことです。マンションやアパートなどで地植えできる場所がない場合でも、ベランダでガーデニングが楽しめると年々人気が高まっています。スペースが限られているため、できることには限りがありますが、ベランダガーデニングならではのメリットもあります。
まず挙げられるのは、部屋と庭植物を栽培している場所との距離が近いこと。ちょっと手を伸ばしてハーブを収穫することができますし、植物を選べば日除けや目隠しとしての効果が期待できます。また、緑がいつも身近にあるため、生活が豊かになるでしょう。
室内のフローリングの色に合わせた床材を敷けば、室内の延長線上として見せることができ、空間をより広く感じさせることもできます。ライトアップすれば夜でもアウトドアリビングとしても活躍してくれ、天候に左右されずにガーデニングできるのもベランダならではのメリットです。
ベランダガーデニングは基本的にプランターや植木鉢で構成するので、植物を地植えした場合と異なり、レイアウトを自由に変えられます。ひとつの植物の季節が終わったら、見頃の鉢と場所を交換することで、華やかさを保つことが可能です。
ベランダガーデニングには、緑を楽しむ植物と、季節を楽しむ植物を配置することがおすすめです。続いては、ベランダガーデニングにぴったりの植物を紹介しましょう。
ベランダガーデニングでは、骨格として常緑の植物を3~4割入れることがおすすめです。頻繁に植え替えしなくてもいいので、メンテナンスも楽でしょう。
葉が斑入りの物やライムイエローなど、たくさんの種類がある常緑低木のアベリア。初夏から晩秋まで、長いあいだ花を咲かせます。とても丈夫で、枝が伸びすぎたらどこで切ってもOKなので、初心者にもおすすめです。
ローズマリーは、寒さに強く生育旺盛な常緑のハーブ。葉に良い香りがあり、剪定した枝葉は料理や入浴剤、におい消しなど、暮らしの中でさまざまな用途で使えます。
繊細な葉が美しいカレックス。風にそよぐ様子は、室内にいても戸外の心地良さを伝えてくれます。斑入りや黄色、キャラメル色など、たくさんの種類があります。
ベランダガーデニングでは、常緑植物をメインに季節の花で彩りを添えると、いつも瑞々しい景観が保てます。あまり大きな樹木でなければ、地植えと同じように季節の植物を楽しむことができ、開花期間が長く育てやすい一年草や宿根草、球根が華やかさの演出に向いているでしょう。
また、スペースが限られているベランダでは、立体的なつる性植物も活躍します。夜、室内から漏れる明かりだけでもよく見えるように、明度の高い植物を選ぶこともおすすめです。
パンジー・ビオラ(一年草)、アリッサム(一年草)、クリスマスローズ(宿根草)、ラナンキュラス・ラックス(宿根草)、スイセン、チューリップ、ムスカリ、ヒヤシンス(球根類)など
半つる性や木立性のコンパクトサイズのバラ、クレマチス(つる性宿根草)、ジャスミン、ユーフォルビア・ダイアモンド・フロスト、ペチュニア(一年草)、サフィニア(一年草)、ジャスミン(半常緑つる性)、ニチニチソウ(一年草)、ブルーサルビア(一年草)、アンゲロニア(一年草)、ジニア(一年草)など
ダリア(球根)、ケイトウ、千日紅、コスモス(一年草)、グラス類(宿根草)など
ガーデンシクラメン(一年草扱い)、クリスマスローズ(宿根草)、パンジー、ビオラ、ハボタン(一年草)など
ベランダガーデニングの場合、スペースに限りがあるため、植物の並べ方も重要です。リビングから常に見える場所ですから、レイアウトにも工夫しましょう。
小さな植木鉢だけをたくさん並べていると、狭苦しくごちゃごちゃした印象になってしまいますし、作業性も悪く散らかりがちです。また、同じサイズの鉢ばかりだと、「ガーデン」という風景ではなく「植物の陳列」のよう。
風景を作ることを意識して鉢のサイズや形を選び、箱などを利用した高低差でメリハリを出しましょう。また、鉢の色はある程度統一した方がスッキリ綺麗に見えます。
ベランダガーデニングを楽しむためには、植物だけでなくガーデニンググッズも欠かせません。初心者が用意したいガーデニンググッズをまとめました。
土を素手でさわっていると、皮膚の水分が奪われ乾燥しがちです。また、植物でかぶれることがあるので、ガーデニング用の手袋をはめて作業するといいでしょう。
植えつけや植え替えなどの作業で、スコップと土入れを使います。
花殻を摘んだり伸びすぎた植物を剪定したり、誘引ひもをカットするのに剪定バサミを用います。
つる性の植物を誘引したり、枝葉が広がりすぎる植物をまとめたりするのに誘引ひもを用います。ビニールひもや綿のひもは劣化しがちなので、園芸用のひもをおすすめします。
じょうろは水やりに必要です。はす口、細口などの注ぎ口がどちらもあると便利で、最近は2Wayタイプもあります。水を入れたときに重くなりすぎないか考えて容量を選びましょう。
小さい熊手は、植物の植えつけや植え替えの際、根をほぐすのに便利。園芸用フォークでも代用可能です。
用土を混ぜたり、土を振るったりする際の容器としてサイズ違いでバケツがあると便利。花殻を捨てる一時的なゴミ箱にもなります。
ベランダガーデニングでは、簡単に土を捨てることができないので、植え替えをするときふるいにかけ、古い根などを取り除き、再生材などを混ぜて新たな植物が育てられるように土を再生させます。
作業をする際に土で床が汚れないよう、ビニールシートを敷いてその上で作業をすると後片づけが楽です。
床面をはくホウキに加え、排水溝を掃除できる小さいタイプのホウキもあると便利です。
ベランダでガーデニングを行う際は、庭でガーデニングを行う場合とは違った注意点があります。マンションやアパートなどでは、工夫を怠ると周囲に迷惑をかけてしまい、思わぬトラブルを招くおそれも。始める前に注意点を確認しておきましょう。
マンションなどの集合住宅において、ベランダでガーデニングを始める際、知っておきたいのがベランダはほかの居住者との「共有部分」だということです。マンションのベランダは、「非常時の避難経路」という大事な役目があります。
ベランダには、火災や災害時などに使う避難はしごを収納したハッチや、隣家との境に蹴破って通れる仕切り板が設けられています。災害はいつ起こるかわかりませんから、いざというときにベランダが避難経路として機能するため、消防法にもとづいて共有部分と定められているのです。
ただし、同時に住人には「共用部分の専用使用権」があります。平常時は住人がベランダを専用的に使用する権利があるため、ベランダガーデニングを行ってはいけないということではありません。避難経路を遮らないよう、レイアウトに注意しましょう。 どのようにベランダを使えるかは、マンションごとに細かいルールを定めた使用細則がありますので、確認しておきましょう。
ベランダで植物を育てる場合、重さにも配慮が必要です。ベランダの耐荷重は建築基準法で1平米180kgまでと定められていますが、独自のルールがないか、規約も確認してください。
地植えできない植物を育てる場合に必須なのがプランターや鉢ですが、素材と大きさで重さはかなり変わります。例えば、口径1m、高さ1m程のテラコッタという素材の大鉢の場合、鉢だけで100kg近く。土を入れ、樹木を植えつけると180kgを超える可能性があるのです。
最近は、見た目はテラコッタのような重厚感がありながら、素材はプラスチック製や強化繊維プラスチック製の軽量鉢も登場しています。容量は同じでも、鉢の重さはテラコッタの10分の1程に抑えられる場合があり、ベランダでは有効です。土も同様に、通常と同じ容量でも軽くなるように配合された培養土があります。ベランダガーデニングでは、植木鉢も土も軽量なタイプをセレクトし、1ヵ所に物が集中しないレイアウトにすることが大切でしょう。
ベランダガーデニングで植物に水やりをしていると、少量ずつ鉢底穴から水とともに土が流出します。植物の落葉などもありますから、何も対策をしないと排水口が詰まってしまう可能性もあるのです。排水口が詰まると、水があふれて近隣や階下のベランダへ水が流れ込み、トラブルの原因となってしまうことも。
対策としては、排水口の手前に隙間テープを貼って、大きなゴミをせき止めます。排水口を不織布などで覆っておくと、細かい土などをキャッチすることが可能です。
ベランダの床や排水溝をこまめに掃除し、隙間テープと不織布はこまめに取り替えるようにしましょう。
広い庭がないからといってガーデニングをあきらめている人がいるかもしれませんが、マンションやアパートでも、工夫次第でベランダガーデニングが可能です。
鉢植えやプランターを使うため、簡単にレイアウトを変えることができ、無機質なベランダに彩りを添えられます。事前に注意点をしっかりと確認して、ベランダガーデニングを楽しみましょう。