文系の知名度ほぼゼロ!? 理系が偏愛する紙ワイパー「キムワイプ」ってなに?
リンクをコピーしました
目次/ INDEX
デグーは近年ペットとして人気急上昇中の草食性動物です。ハムスターのような外見をしていますが、デグーは昼行性、ハムスターは夜行性と、この点だけを見ても生態はかなり異なります。
そこでこの記事では、これからデグーをお迎えしたいと考えている初心者の飼い主さん向けに、デグーの飼い方全般を詳しく紹介します。「家具をかじる?」「ニオイは平気?」など素朴な疑問にもお答えしているので、ぜひ参考にしてください。
デグーは、チリ北部から中部、特にアンデス山脈の標高が高いところに生息しているげっ歯類です。モルモットやチンチラといったテンジクネズミの仲間で、「デグーマウス」という呼び名もあります。
体長は22~35cm程度で、そのうち尻尾が12cm程度と長く占めています。尻尾には短く硬い毛が生えていますが、先端部は長くふわっとした毛が広がるように生えていることから、「トランペット・テイル」と呼ばれることも。
体色はこげ茶色が一般的で、お腹はクリーム色です。目の周辺と首周りにだけ白い毛が生えており、これを「光バンド」と呼ぶ方もいます。
野生のデグーは地面や雑木帯に巣穴を掘り、5~10匹ほどの群れで生活しています。そのため社会性が高く、仲間とは声や行動を通して豊富にコミュニケーションを取ります。特に「ピピピピ」「ピー」といった鳴き声が特徴で、まるで歌っているように鳴くことから「アンデスの歌うネズミ」という異名もあります。
好奇心旺盛ゆえに多少落ち着きのない子もいますが、前述の通りコミュニケーション能力に長けており、げっ歯類のなかではかなり賢いほうなので人間にもよくなつきます。ただ、はじめからフレンドリーというわけではなく、信頼関係を築くまでは臆病な面を見せることも多いでしょう。
デグーは草食性です。牧草を主食としながら、木の葉や樹皮、種子類、果実などを満遍なく食べて栄養のバランスを取っています。
飼育下では牧草のほか、専用フードを与えても構いません。甘いものを好むためおやつをあげると喜びますが、食べすぎは糖尿病を誘発します。
デグーは生後12~16週齢で生殖可能な状態になります。飼育下であれば季節を問わず繁殖可能ですが、野生のデグーは秋から早春にかけて繁殖します。1度に3~6匹ほどを産み、子育ては群れで行います。そのため、オスも子育てに参加する習性があります。
野生のデグーは5~8年ほど生きるといわれていますが、4歳ともなると高齢であり、8歳を超えるデグーはかなりの長寿といえます(人間に換算すると約90歳)。健康管理に気をつけ、ストレスを与えないよう注意すれば長く一緒にいられるでしょう。
デグーはペットショップの小動物コーナーにいることが多いです。ウサギやハムスターがいる辺りを探してみましょう。
デグーの費用は3,000円~6万円ほどと価格差が大きく、年齢が若くて体色が貴重なほど高価になるのが一般的です。デグーにはどのようなカラーがいて、お迎えするのにどれくらい必要なのか、表にまとめました。
カラー | 特徴 | 費用相場 |
アグーチ(ノーマル) | ・こげ茶色 ・もっともお手頃 |
約3,000~1万3,000円 |
ブルー | ・実際にはグレーに近い ・ノーマルより毛色が薄め |
約4,000~1万5,000円 |
パイド系 | ・まだら模様、雑色 ・基軸となる体色×パイドもいる ・ブルーパイドやシルバーパイドなど豊富 |
約4,000~3万円 |
サンド | ・薄い黄色のサンド色 ・レア |
約3万円 |
ホワイト | ・尻尾や耳・顔以外は白色 ・レア |
約3万円 |
クリーム | ・淡いクリーム色 ・レア |
約3万円 |
イエロー | ・黄色 ・非常にレア |
約2~6万円 |
上記は主なカラーですが、細かく分けると10種類以上に登り、どの子をお迎えするのか迷ってしまう方も多いでしょう。ただ、珍しい色合いの個体は入荷数が限られています。
ちなみに、実際に飼ってみた経験から「カラーによって性格や丈夫さが違う」という声もあります。品種改良で繁殖した個体がノーマルの個体と違うことはあり得るので、心配であればスタッフに相談するとよいでしょう。
元気に長生きしてくれそうなデグーを見分けるには、まず尻尾を観察することです。デグーにとって尻尾は非常に重要な部位で、体のバランスを取るのに必要なほか、感情も豊かに表れます。尻尾は十分な長さか、毛並みは悪くないか、先端がフサフサしているかをチェックしましょう。
歯も重要です。健康なデグーの歯は黄色っぽく、白味を帯びている場合は病気をしている可能性があります。気に入った子の歯が白くなっていたら、念のためペットショップのスタッフに体調を確認することをおすすめします。
意外な落とし穴が年齢です。一般的に、ペットは幼体から育てたほうが人間になつく傾向がありますが、生後3か月未満のデグーは非常にか弱く、飼育難易度が上がります。初心者の方は生後3か月以上の子をお迎えするほうがよいでしょう。
なお、性格は個体差によることが大きく、一緒に暮らしてみないとわからないことが多いです。オスのほうがおとなしいといわれていますが、メスでも温厚な子はたくさんいます。多頭飼いする場合も個体差で相性が決まるので、仲が悪いようなら飼育ケージを分けたほうが無難です。
お迎えしたデグーが快適に過ごせるよう準備したいものは、次の通りです。
デグー用には少し大きめの小動物用のケージを用意してあげましょう。高くジャンプすることがあるので、ハムスター用の小さなものはおすすめしません。また、柔らかい素材のものだとかじられてボロボロにされる恐れがあります。
上記は「ラビットケージ」となっていますがデグーにも使え、床材(すのこ)やペットボトル給水器といった付属品もそろっている人気商品です。
こちらは線と線の間隔が11mmと細かいうえ、非常に頑丈なのが特徴。54.5cmと高さもあり、デグーがストレスなく動き回れるレイアウトを作りやすいでしょう。
デグーは砂浴びが大好き。砂を体につけることで汚れや皮脂を取り除き、雑菌や寄生虫からも身を守っています。用意する砂は、デグーやチンチラを想定した小動物用のものがよいでしょう。公園などの砂は衛生面が心配なのでおすすめしません。
次の商品は固まった部分を水洗トイレで流せるうえ、ひのき粉が主原料なので燃やすことも可能です。
砂を入れる容器は専用のものでなくても構いません。ただ、あまりに窮屈だとかわいそうなので、ある程度の広さのある瓶やプラスチックケースを用意してあげましょう。
デグーは草食動物で、主にイネ科の植物を好んで食べるので、チモシーまたはデグー専用のフード、あるいはその両方を与えるとよいでしょう。専用フードには、そのままでは高カロリーになりかねない野菜や果実などの栄養がバランスよく含まれており、デグーの健康を手軽に維持できます。
チモシーは牧草ボックスやフィーダーと呼ばれる専用の箱が便利でおすすめ。ケージに固定でき、わざわざ外に出さなくても補充できます。
こちらはかじり木を兼ねた牧草ボックスです。後述しますが、デグーは木をかじるのも大好きなので一石二鳥のアイテムといえます。
専用フードを入れるエサ皿は何でも構いませんが、デグーが引っくり返してしまうので、陶器製など重みのあるものが適しています。
給水器もお皿で代用できますが、エサ皿と同じく引っくり返されるかもしれないので、ドリンカータイプのほうが使いやすいでしょう。ケージを購入するとセットでついてくるボトルを使用するのもよいですし、別途レイアウトに合うものを設置しなおすのもOKです。
ただし、バイプ部(飲み口)がプラスチック製だとかじられて劣化するため、ステンレス製になっているものをおすすめします。
野生のデグーは巣穴に隠れて生活しているため、シェルター代わりになる巣箱を設置してあげましょう。木製のほうがリラックスしてくれるのでおすすめです。下記は「ウサギの~」とついていますが、デグーにも使用可です。
ただ、木箱ゆえにデグーが「かじり木」の対象とし、場合によっては短期間でボロボロにされるかもしれません。したがって、布製のベッドのほうが管理しやすいという声もあります。
テントベッドうさぎ ニュークラシック ピンク
こちらは床置きも吊り下げも可能な小動物用のベッドです。ウサギ用となっていますが、デグーでも寝床にできる大きさです。ケージに固定すればハンモックのようにも使えます。
デグーは何かをかじるのが大好きです。かじることでストレスを発散させているのと、どんどん伸びていく歯を削っています。止まり木を兼ねられる大きめのタイプのほか、地面に置くタイプもあります。
なお、かじることはデグーは本能なので、適当な対象物がない場合は家具の角などに目をつけることがあります。
運動不足解消のために回し車を設置してあげましょう。一般的にデグーは昼行性ですが、明るい室内では夜に活発になることもあるので、静音タイプのほうがおすすめです。
下記は「ハムスター用」と冠がついていますが転用可能です。ケージに直接取りつけることもできます。
ハムスター ホイール M
デグーは温度変化に弱い生き物です。快適だと感じる20~25℃を保てるよう冷暖房を管理してあげる必要があります。特に寒さには要注意なので、暖房にプラスしてペット用ヒーターも使ってあげましょう。下記はウサギ用と書いていますが、デグー用にも転用可能で、コードカバーをかじられない対策もされています。
デグーは基本的にトイレを覚えてくれないため、糞尿は好きなところでします。特に臭くはありませんが、衛生面を考えるとよろしくないため、ペットシーツを活用するとよいでしょう。
床材に網やすのこを使って排泄物が下に落ちる仕組みを作り、飼育ケージ最下層にペットシーツを敷くという手もあります。
必要な環境がそろったところで、今度はデグーが快適で元気に過ごせる飼い方のコツを紹介します。デグーはコミュニケーション能力が高いため、大切に育ててあげると飼い主さんラブな子になってくれますよ。
デグーにとって砂浴びはお風呂のようなものです。砂を浴びることで体についた雑菌などを取り除き、同時にストレス発散もしています。
砂浴び場をケージ内に常設するとデグーが好きなときに浴びられますが、砂の中で排泄することもあるため、衛生上良くありません。また、なかには砂を食べてしまう子もおり、砂が腸につまると病気につながります。
飼い主さんの負担が増えてしまいますが、事故を防止する意味でも砂浴びのタイミングは飼い主さんで決め、ケージの外で浴びさせるとよいでしょう。砂浴びの頻度は週に3回ほど、多くても5回ほどで構いません。砂は1週間に1度は交換が必要です。
デグーは社会性が高い動物なので、飼い主さんとのコミュニケーションを好む子が多いです。頻繁になりすぎない程度に、手の上に乗せたり、やさしくなでたりしてあげましょう。抱っこしても逃げず、心地よさそうにしていれば飼い主さんのことを信頼している証拠です。「もっとなでて」といったおねだりをしてくる子もいます。たまにはおやつを与えるなどし、どんどんなついてもらいましょう。
また、デグーは聴覚が優れているため、名前を呼んだり、話しかけてあげたりすることも有用なコミュニケーションです。
デグーは非常に活発な生き物で、野生では1日の大半をエサ探しのために駆け回っています。飼育下ではどうしても出不精になりがちなので、ケージ内に回し車などを設置するだけでなく、たまには外に出して冒険をさせてあげましょう。
一緒に遊んであげられる時間がない場合は、日光がほどよく当たる場所にケージを起き、10~15分程度でもよいので日光浴をさせることも大切です。ただし、日差しが強いと熱中症を引き起こす恐れがあるため、ケージにタオルを被せて日陰を作ってあげるなど配慮も忘れずに。
デグーには「アンデスの歌うネズミ」という異名があるほど、さまざまな鳴き方をします。鳴き声には感情が表れているので、慣れてくればデグーが求めていることがわかるようになります。寂しいとき、不満なときなど、我が子の感情を聞き取ってあげてください。
主な鳴き声 | 感情と声の特徴 |
---|---|
「ピプピプ」 「ピピッピピ」 |
・うれしい、楽しい ・短く高く、小さな声 |
「ピルピル」 「プスプス」 |
・気持ちよい、甘えたい ・短くやや低く、小さな声 |
「プー」 「プギ」 |
・ゴキゲンななめ ・長くて高く、大きな声 |
「キッ」 「クゥーックゥーッ」 |
・怖い、警戒している ・短くてやや低く、小さな声 |
「プキュプキュ」 「キュッキュッ」 |
・お腹が減った、遊んでなどの要求 ・短くて高く、大きな声 |
「キュー」 「キュイー」 |
・寂しい ・長くて高く、大きな声 |
デグーに限らず、ペットは飼育環境が世界のすべてです。病気や事故がないよう、細心の注意を払ってお世話してあげてください。ここでは、デグーを飼ううえで知っておきたい注意点を解説します。
デグーは本来、気温が高く乾燥した地域に暮らしている動物です。暑さには比較的強いものの、日本の夏のように湿度が高い環境は合いませんし、冬は低体温症になってしまいます。
温度は25℃前後、湿度は約50%が、デグーが好む環境です。暑すぎても寒すぎてもデグーにとっては居心地が悪いため、エアコンやペットヒーターを活用して温度・湿度調整をしましょう。
デグーによくあるのが「尾抜け・尾切れ」といわれるトラブルです。尻尾の皮膚が裂けて骨がむき出しになったり、文字通り尻尾が切れてしまったりする事故のことをいいます。
デグーの尻尾には骨と皮膚をつなげる皮下組織がないため、尻尾に負荷をかけないよう注意しましょう。たとえば、抱っこ中にデグーが飛び降りようとしても、慌てて尻尾をつかんではいけません。「尻尾を踏んづけてしまった」「ケージに尻尾が挟まった」などもよく聞くトラブルです。
もし尾抜け・尾切れになったら必ず獣医師に診てもらいましょう。放置すると細菌感染を起こし、最悪の場合命に関わります。
デグーが何かをかじるのは本能です。ケージ内でかじり木を十分に堪能(?)していても、ケージ外で気になるものがあればかじります。柱や家具も要注意ですが、特に気をつけたいのはコード類です。最悪の場合、感電死してしまうので、コードカバーを設置するなどして対策しましょう。
繊維質の足りない食事をしていたり、適切なかじり木がなかったりする状態が続くと、歯がどんどん伸びて噛み合わせが悪くなる「不正咬合」を招きます。不正咬合になるとうまく食事を摂れなくなるどころか、歯が歯茎にささり化膿するかもしれません。
意外に注意したいのが落下です。好奇心旺盛なデグーがケージから勢いよく飛び出した際に、地面に歯をぶつけることがよくあります。不安定な足場や、段差の激しい場所でデグーを放す場合は注意が必要です。
なお、デグーは尾でバランスを取っているといわれているため、尾抜け・尾切れ状態だと落下事故を起こす危険性が上がります。
デグーも人間のように糖尿病になります。特にデグーはインスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌量がほかの哺乳類よりも低めで、おやつの与えすぎなどが原因で糖尿病を引き起こすケースが多いです。
「しっかり食べているのに痩せていく」「尿を頻繁にする」「目が白く濁っている」といった症状が見られる場合は、速やかに獣医師の診察を受けてください。
デグーをお迎えする前、または一緒に暮らしていくうえで出てくる疑問や不安にQ&A形式でお応えします。
A.個体差もあるので、もちろんそういう子もいるでしょう。ただ、あまりにしないと健康面が心配です。
「容器をより広めのものに変える」「砂浴びの場所を変える」「砂を新しいものに変える」「砂の種類を変える」など、根気強く試してみてください。それでも興味を示さない場合は獣医師に相談することをおすすめします。
A.うるさいかそうでないかは主観によるところも大きいですが、ご近所迷惑を心配するほどの声ではないといえるでしょう。
A.鳴き続けるのには原因があるはずです。鳴き声の種類である程度の感情は読み取れるので、何を訴えているのか推察してみてください。
ただ、細部の感情までは理解できない部分や、人間ではどうしようもないケースもあります。また、単に「構ってほしい」から鳴いている場合、それに応えると「鳴くと出してもらえる」と悪知恵(?)を覚えることもあります。我慢して放っておくのも一つの手です。
A.ニオイも主観によるところがありますが、きちんと砂浴びしている健康なデグーならほぼ無臭といってよいでしょう。もしも臭く感じる場合は、デグーの健康状態が良くなかったり、ケージ内の衛生面が保たれていなかったりする可能性が高いです。
あまりに臭う場合は病気が疑われるので、獣医師に相談してみてはいかがでしょうか。
飼育下のデグーの平均寿命は5~8年と、小動物のなかでは長いほうですが、元気に過ごせるかどうかは飼い主さん次第です。
エサは繊維質が豊富なチモシーや専用フードを用意し、糖尿病の原因になるおやつは与えすぎないようにしましょう。砂浴びで体を清潔に保つことはもちろん、飼育適温を守ることも大切です。
また、「アンデスの歌うネズミ」の異名通り、さまざまな鳴き声で飼い主さんに話しかけてくれるでしょう。愛情不足もストレスをためる原因になるので、適度にコミュニケーションを取ってあげてください。触るときは尻尾を持たないよう注意してくださいね。
※専門家・有識者のみなさま
本記事の内容については細心の注意を払っておりますが、行き届かない点、お気づきの点がある場合は、下記メールアドレスまでご連絡ください。迅速に対応させていただきます。
info_tonarinocz@cainz.co.jp