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ピーコック魔法瓶が「ステーキ」に着目!? 脱メーカーの決意と“水筒の再定義”

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山中千佳

山中千佳

ピーコック魔法瓶工業株式会社代表取締役社長。2006年3月、ピーコック魔法瓶工業株式会社入社。2007年5月、ピーコック魔法瓶工業株式会社取締役就任。2012年5月、ピーコック魔法瓶工業株式会社常務取締役就任。2015年6月から現職。

SDGs時代に脚光を浴びる「水筒」

持続可能な世界を実現するために設定され、ビジネスの上でも無視できない用語になっている「SDGs=持続可能な開発目標」。地球に生きる全ての人に課されていると言っても過言ではないこのSDGsが世間に浸透するにつれ、あるアイテムにまた光が当たりつつある。

水筒である。

プラスチックやペットボトルの廃棄の問題が深刻になるなか、その代替品としてステンレスボトルに期待が寄せられているのだ。これまでの水分補給としての価値に加え、「ゴミを生まない」という新たな価値が見出され始めている。

「水筒の意義を再定義するとともに、マイボトルの普及活動の一環で大阪市の水道局に協賛し、街中に給水サーバーを設置する活動を応援しています」と話すのは、大阪市にあるピーコック魔法瓶工業株式会社代表取締役社長の山中千佳さんだ。「おおさかマイボトルパートナーズ」にも参画し、マイボトル利用の啓発に力を入れている。

ピーコック魔法瓶工業は70年の歴史を持つ老舗水筒メーカー。しかし、水筒だけを製造しているわけではない。水筒の開発で培った技術を他のアイテムにも展開し、最近はステーキプレートの製造も開始した。

そんなピーコック魔法瓶工業の山中さんに、魔法瓶に対してのこだわりや歴史、いま中小メーカーに吹く逆風をどう打開していくのかなど、いろいろと聞いてきた。

ピーコック魔法瓶の70年。今は女性目線の商品開発に尽力

ピーコック魔法瓶工業の創業は戦後間もない昭和25(1950)年のこと。当時は主に東南アジア向けに魔法瓶を製造していた。現地在住のヨーロッパ人にニーズがあった。

「当時はまだガラス製しかありませんでした。魔法瓶は高級品だったため、国内での販売や普及はもう少し後になります。

1980年代にはステンレス製ボトルの販売を始めました。父である先代が社長に就任したその頃、円高による差損解消のためもあって輸出8・国内2だった比率をひっくり返すべく、国内販売に力を入れ出していくことになります」

大阪市福島区にある本社。ピーコック魔法瓶の発祥の地。

大阪市福島区にある本社。ピーコック魔法瓶の発祥の地

2001年にはステンレスのポットやボトルの生産拠点を中国に移管。2012年には上海に販売会社を設立している。

現在、同社を率いる山中社長が就任したのは2015年。女性社長ということもあり、女性目線での商品開発を掲げている。

「働く女性が増えていることもあり、便利さや時短につながるアイテムが求められていることを感じます。忙しいなかで手際よく洗えることも大事なので、例えばボトルのパーツを少しでも減らせないか? といったこともよく開発チームに伝えています。料理が楽しくなるとか、デザインが素敵でいつも持っていたいといった具合に、女性に好まれる製品を作っていきたいですね」

メーカーとして「モノづくりに徹するということを意識しています」と話すように、モノづくりへの思いは強い。特に、代名詞でもある魔法瓶の製造において妥協は許さない。

魔法瓶の「真空二重」構造に隠された工夫

そもそも魔法瓶は自然な現象に反して、熱いお湯は熱いまま、冷たい水は冷たいままにできるところに魔法と名付けられる所以がある。

保温と保冷をすると言ってしまえばそれまでだが、実はそこにはかずかずの目に見えない工夫が凝らされている。

「熱伝導があると熱いお湯は冷め、冷たい水はぬるくなります。つまり、熱伝導を抑えることが魔法瓶には最も大事なことなんです。そのために真空二重構造になっているのですが、サイズが大きくなるのを避けるため真空のゾーンを薄く作りながら、真空率を高めるのがポイントです」

切断サンプルを見ると、真空ゾーンがいかに薄いか一目瞭然。

切断サンプルを見ると、真空ゾーンがいかに薄いか一目瞭然



「弊社の場合、真空率を上げるため環境温度を高め、空気抜きの工程を長く取っています」

真空率が低いと熱伝導が起きやすくなるため、ピーコック魔法瓶工業のアイテムはこの工程にじっくり時間を費やしている。

しかし、真空にしても熱源が放つ輻射熱を抑えないと熱が伝わってしまう。これに対しては、内瓶の外側に銅メッキを施すことで対応している。

「ガラスの場合は銀メッキなんですけどね。あとは蓋を断熱構造にするという工夫もしています。蓋の栓位置と蓋の内部に断熱材を入れることで、熱が逃げてしまうのを防いでいます」

いずれも商品を見ただけではわからない、見えないところへのこだわりだ。

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