ニチニチソウの寄せ植えに合う花は? おしゃれな配置や管理方法を解説
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「苔は地球温暖化の解決に役立つ」という研究がされていますが、ベランダの床や外壁のコンクリート、玄関タイルといった歓迎しない場所に生えることがあります。放置すると景観が損なわれるうえ、苔の水分が建材へ浸水する恐れもあるため、できるだけ早く対処することをおすすめします。
苔を落とすこと自体はさほど難しい作業ではありませんが、苔が生えている規模や場所、建材の状態によっては「厄介な相手」になるケースも。そこでこの記事では、びっしりと生えた苔の落とし方を解説するとともに、再発防止に向けた対策も紹介します。
生えたばかりの苔や少量の苔なら、水とブラシなどだけでもこそぎ落とせます。次の道具を用意しましょう。
タワシやブラシなどに水をつけてこするだけで、だいたいの苔は削ぎ落とせます。狭い隙間に生えている苔には、使わなくなった歯ブラシを利用するとよいでしょう。あまりに力強くこすると、外壁などの表面が傷ついてしまう点には要注意です。
乾いた苔であれば、ヘラや軍手をした手で剥がしてしまうのも有効です。
しかし、頑固な苔や広範囲に生えた苔には対処しにくいのが、この方法の弱点です。
苔落とし専用に作られた洗剤や駆除剤は、かなりの効果を期待できます。「墓石用洗剤」と記載のあるものも、主に苔落としを想定した商品です。使い方は簡単で、苔に直接吹きかけるだけで済むため、労力を最小限に抑えられます。コンクリートやタイルなどの表面を強くゴシゴシと洗う必要もありません。
狭い範囲の壁などに生えた苔なら、上記のようなスプレー状の駆除剤が使いやすいでしょう。隙間や溝などへもピンポイントで噴射できるのが強みです。
広範囲に生えた苔には、ホース接続が可能なタイプか、シャワータイプの駆除剤が適しているでしょう。使用してよい素材(コンクリート、アスファルト、ウッドデッキなど)が記載してあるため、注意書きをよく読んだうえで最適な商品を選んでください。
墓石などにこびりつく厄介な敵・「ゼニゴケ」によく効く駆除剤もあります。特定の苔を除去したい場合、このように苔の種類にまで言及した駆除剤を選ぶのも一つです。
駆除剤を散布し、数時間または数日後に苔が枯れたらタオルや雑巾などで拭くか、ほうきで掃いてきれいにしましょう。
真鍮ブラシは元々金属部品などのサビや頑固な汚れを落とす用途で使いますが、壁やガレージなどコンクリートに生えた苔を落とすのにも有効です。
真鍮ブラシにはさまざまな種類がありますが、ここではブラシが細く毛の量が多いものを使います。
尾崎さん
まずは、苔が生えているところを水で十分に濡らして苔をふやかしてください。そして力を入れず、軽く小刻みに擦ります。これだけで表面の苔が驚くほどきれいに取れますよ。力みすぎてブラシが寝てしまうと逆に落ちないどころか、素材の表面を傷をつけてしまう恐れがあるので注意しましょう。
なお、苔が生えてまだ1年程度と浅い場合は、ナイロンタイプのハンドブラシでも同様のやり方で落とせます。
苔の落とし方として定番といえる「高圧洗浄機」「カビ取り剤」「熱湯」などは、効果は望めるものの注意したほうがよいケースがあります。
外壁のコンクリートや玄関タイルなどに苔が広範囲に及んでいる場合は、高圧洗浄機が役立ちます。高圧で水を噴射できるため、水の勢いだけでも苔をきれいに除去できます。プロ用の機材ほどの威力はないものの、強固にこびりついた苔でなければ高圧洗浄機で落とせるでしょう。ただし、次の注意点があります。
水圧を上げすぎるとコンクリートやタイルの表面が痛みます。とはいえ水圧が弱いと苔が取れにくく、調整には慣れが必要です。
表面に塗膜や防水加工が施されている場合、高圧洗浄機によって剥がれてしまうことがあります。結果、劣化や腐食を早める原因になります。
経年劣化や外的要因によって脆くなっている表面に使用すると、高圧洗浄機が原因で破損してしまう恐れがあります。
尾崎さん
特にひび割れしているブロックなどは、ひび割れの中に大量の水が入ることでひび割れがさらに進んで大きく破損してしまうことがあるため、使用しないようにしましょう。
効果を期待できる家庭用高圧洗浄機の多くはリーズナブルとはいえません。苔を落とすために高圧洗浄機を買う場合は、入念に検討することをおすすめします。
高圧洗浄機は大量に水を使うため、近隣の家が近い場合は「洗濯物」や「車」や「人」に水がかかったり、隣の敷地内に水が流れていったりしてクレームになる可能性があります。周りの環境を十分確認するとともに、作業前には近隣に一言声をかけるなどの配慮が必要です。
また、マンションの上層階のベランダは下の階の洗濯物などに影響が出る可能性が高いため、高圧洗浄機の使用はおすすめできません。
多くの苔は高温が苦手で、45度以上のお湯をかけると弱ります。熱湯を数度かけて苔全体をふやかし、ブラシなどでこすり落とすとよいでしょう。
ただし、コンクリートやタイル表面の塗装や防水処理が脆弱な場合、熱湯によって剥がれてしまうケースがあります。結果、劣化や腐食の原因になることも頭に入れておきましょう。また、くれぐれも火傷には注意してください。お湯の温度は45度以上であれば効果を見込めるため、上げすぎる必要はありません。50度程度でも十分です。
重曹は「家庭にある苔落とし剤」としてよく紹介されています。直接まいたり、水で希釈して吹きかけたりする方法ですが、室内やガラスの表面などの清掃に用いるのが基本です。屋外となれば使用用途がずれるため、少量であれば問題ありませんが、大量に使用するのは避けましょう。
また、一定の効果は望めるものの、苔落とし専用剤のような効果は見込めません。
ここで取り挙げる方法は「苔の落とし方」として紹介されていることがあるものの、決しておすすめしません。
お風呂やトイレを洗う用の中性洗剤は、界面活性剤が多く含まれるため泡立ちが極端に多く、屋外で使用するとなかなか泡がなくなりません。結果、近隣からのクレームにつながる可能性があります。生態系に影響が出る恐れもあるでしょう。もし使うとしても、水でかなり薄めるか、ごく少量にしましょう。
塩素系洗剤は漂白作用を含んでおり、素材に対する腐食リスクが高いため、外壁などには適していません。たとえ少量でもおすすめしません。
酢は近隣から「臭い!」とクレームになる恐れがあるほか、虫を呼び寄せる原因になるためやめたほうがよいでしょう。
また、塩は土壌に深刻な影響を及ぼしたり、土中の配管や鉄筋などがサビたりする恐れがあり、使用リスクが高いです。
アクアリウムが趣味の方は、住宅周りよりも水槽や水槽内のレイアウト素材に生える苔に悩んでいるかもしれません。水と日光があれば水槽内のどこにでも生えてくるため、ガラス面、流木、フィルターパイプ、水草、底砂などはこまめな清掃が必要です。ミナミヌマエビやオトシンクルスなど「苔取り部隊」として名高い観賞魚を飼う手もありますが、ノーメンテナンスというわけにはいかないでしょう。
ガラス面の苔は、スクレーパーや苔落とし用のワイパーで落とすのが手っ取り早いです。下記は水槽内に苔を巻き散らかさずに掃除できるグッズです。
苔が生えた流木や石を取り出し、ブラシでこすり落としてしまいましょう。頑固な苔には(火傷には注意しながら)熱湯をかけてから落とす、あるいは熱湯にしばらく浸してからブラシでこするとよく落ちます。熱湯による殺菌効果も期待できます。
尾崎さん
頑固な苔に対して塩素系漂白剤を使う方もいるようですが、微生物などをむやみに攻撃するためおすすめしません。基本的には、細かいところに届きやすく、毛にコシのあるようなブラシを使って水だけで擦り落とします。
フィルターなどのパイプ内に付いた苔もやブラシでこすり落とす方法が有効です。ガラス製品のパイプだと割れてしまう恐れがあるため、下記のようなブラシを使って慎重に洗い落としましょう。
水草に生えた苔は、「洗い落とす」というより「切り落とす」ほうが手っ取り早いです。水草が生えている部分だけをカットしてしまいましょう。苔が全体に及んでいる場合は、水草をすべて処分するのも選択肢の一つです。
とはいえ、そこまで深刻な事態に陥る前に対処するのが理想です。「どうしても再発してしまう」「水槽の立ち上げ時から対策したい」といった場合は、水草に使っても影響がない苔取り水質剤もあります。
底砂も日々のお手入れが大切です。専用のクリーナーを使って底砂を吸い上げて取り出し、定期的に洗ってください。
苦労して苔を落としても、苔が発生しやすい環境がそろっていると苔は何度でも生えてきます。そこでこの項目では、苔の再発防止に向けた必須知識を解説します。
一般的に、植物は根を伸ばして水や養分を取り入れて成長しますが、苔には根がありません。苔の胞子は風に乗って空気中に浮遊しており、付着した場所で一定の条件がそろえば、たとえコンクリートや石の表面であっても生きていくことができます。
■苔が生育できる条件
苔の胞子は雑木林や川べりなどから飛んできやすいため、周囲が自然に囲まれている郊外の住宅地は苔が発生しやすいといえます。また、モルタル壁など凹凸のある表面には水滴が溜まりやすく、苔にとってはうれしい繁殖場所です。隣家との間が狭い、高い堀で囲んでいるなど、風通し・日当たりが良くない場所も一定の苔が好みます。
外壁、ベランダ、バルコニー、玄関タイル、墓石などに生えている苔にはいくつかの種類があります。
ハリガネゴケ科ハリガネゴケ属のギンゴケは、日本全土に生息する最もメジャーな苔の一つです。端の白い部分(透明尖)が光を反射して銀色に見えるのが名称の由来。都市部でもよく見られることから、「アーバンモス」とも呼ばれています。
多くの苔と違って日光を好み、乾燥にも強いため、都会のアスファルトなどでも生きていけます。次に紹介するゼニゴケと違い、落とすのは比較的簡単だといわれています。
ゼニゴケ科ゼニゴケ属のゼニゴケは、壁や庭に繁殖する定番の苔です。表面にへばりつくように生えるため剥がしにくいうえ、雌株は「破れ傘」と呼ばれる傘のような突起物を伸ばすことから、少量でもボリューム感が出ます。不快害虫の発生源になる恐れもあるため、見つけたら早急に落とすことをおすすめします。
ハリガネゴケ科ウリゴケ属のホソウリゴケは、ギンゴケほどメジャーではないものの、都市部のコンクリート壁などでよく群生している苔です。ギンゴケと似た見た目をしていますが、ギンゴケよりも葉が小さく細身です。日当たりの良い場所を好み、乾燥に強いため、直射日光の当たる場所ならどこでも繁殖する可能性があります。
キボウシゴケ科シモフリゴケ属のスナゴケは、北海道~九州、北半球に広く分布しています。観賞用として人気の高い苔ですが、繁殖力が強いため歓迎しない場所に生えてくると「厄介な敵」になります。日当たりが良く乾燥した場所を好み、コンクリートやモルタル、硬くなった真砂土の上などに姿を現します。
ネンジュモ科ネンジュモ属のイシクラゲは、苔ではなく藻類の仲間です。しかし、庭や駐車場などに広範囲で生える「苔のような厄介な敵」として認識されています。乾燥しているときはアオサのようですが、雨天の日など水分を含むとワカメやキクラゲのようになります。ブヨブヨとしており、滑りもあるため不快に感じる方が多いでしょう。景観を損ねるほか、イシクラゲの上は滑りやすくなるため、放置していても良いことはありません。
もしかして、外壁に生えているのは苔ではなく、藻やカビかもしれません。
藻は苔の仲間で植物ですが、浅い川や側溝など、水中・水場で育つものです。一方、カビは菌類の仲間で、苔や藻と違い日光がなくても発生します。
藻もカビも落とし方は苔とそう変わらないものの、「何が生えているか」「どこに生えているか」で予防の仕方が変わります。よく観察して見極めましょう。
通常、家の外壁の表面には塗膜が張られているため防水性や撥水性があり、苔にとっては生息しにくい場所です。にもかかわらず、外壁などに苔が大量発生している場合は、経年劣化により塗膜がはがれている疑いがあります。「新築なのに苔が生えてきた!」「外壁塗装したばっかりなのに!」といったケースは、前述した「苔が生育できる条件」がそろっている可能性が高いでしょう。
苔が生えてこないようにするには、一度きれいに落としたうえで、「苔が生育できる条件」を達成させないことが重要です。たとえば多湿を好む苔の場合、次のように対策します。
元々の環境や外的な要因を解消できない場合は、予算をかけて撥水・防水塗料でコーティングするのも一案です。一度施してしまえば、しばらく苔に悩まされることはないでしょう。もちろん、「定期的に掃除する」のも有効です。苔が定着する前に正しい方法で落とせば、最低限の労力で済ませられます。
「ハシゴを使わないと手が届かない場所にびっしり苔が生えている」「外壁の劣化が激しく下手に触れない」など、自分では対処しきれない苔はプロに相談するのも一案です。専門業者であれば、苔の種類や苔が生えている場所、表面の状態などを踏まえたうえで適切に除去してくれるでしょう。
尾崎さん
プロであれば、周辺に水が飛び散らないように丁寧に養生を行なったうえで、水が周囲に飛散しない特殊な回転ノズルなどを使って洗浄します。
サービスの内容や料金は各社さまざまなので、複数社に問い合わせて比較・検討することをおすすめします。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※効果は使用環境や使用状況により異なります。
尾崎さん
ただしこの方法は、苔が生えている表面の素材が塗装されていない場合のみ有効なので注意してください。