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冬の庭を彩る、日本の代表的な花でもあるツバキは、縄文時代にもあったといわれるほど日本では古来から親しまれている花です。ツバキの仲間を交配して作られた品種や、サザンカとの交配種も「ツバキ」として扱われています。和名でいう「ツバキ」を指すCamelia japonicaは「ヤブツバキ」と呼び分けることもあります。
この記事では、ほとんど同じ手入れで育てることができるツバキの仲間を総称してツバキとして扱います。花の色によって花言葉が異なりますが、花の香りがあまりしないことから「気取らない優美さ」「控えめな愛」など、慎み深い有様を込めて花言葉がつけられています。
そのほかにもガーデニング用のグローブやハサミ、スコップやシャベル、土入れなどもあると便利です。
では、実際にツバキの育て方を解説していきます。
ツバキは初冬から冬にかけて開花します。サザンカと交配して作られた品種は比較的早く咲く傾向があります。植え付けは春先と秋に行いましょう。
ツバキは日なたに植えても日陰に植えても花を咲かせてくれます。ただし、日なたであれば出来れば西日が当たらない場所、日陰であればできるだけ明るい場所の方がよく育ち、花付きもよくなります。冬に風が通る場所だと、秋から大きくなってくる蕾が寒さで傷むことがあるので、冬にあまり寒風が当たらない場所がよいでしょう。
鉢植えであればできるだけ明るい場所で育て、夏の西日や冬の寒風を避けて季節ごとに置き場所を移動させるのがおすすめです。春〜秋に条件のよい場所で育てることができればたくさん花が咲くので、開花期に日陰や室内に移動させて花を楽しんでもいいでしょう。
鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。ツバキは植えつけ後、なかなか根を張らないことがあるので、庭植えも土が乾いていたら水を与えましょう。特に開花期は水が足りないと、なかなかつぼみが開かないことがあるので、つぼみがほころびかけてきたら水切れに注意しましょう。
肥料を与える時期は花が咲き終わった後の3月と9月頃で、化成肥料か油かすを株元に置きます。鉢植えの場合は植え付ける前に緩効性肥料を元肥としていれておきましょう。生育不良を起こさないために、毎回違う場所に肥料を置くことがポイントです。
ツバキを育てる際に最も問題となるのがチャドクガです。幼虫は葉を食害するほか、体表の毛に触れると強いかゆみや腫れを起こします。殺虫剤で駆除することも出来ますが、死骸の毛も発疹の原因となります。
葉の裏などに群れているチャドクガの幼虫を見つけたら、チャドクガがついている枝に大きめのゴミ袋をかぶせ、毛が飛び散らないように注意しながら枝を切り、ゴミ袋の口をすぐに輪ゴムなどで閉じましょう。ゴミ袋は穴があいてチャドクガの毛が外に出たりしないように注意して管理し、燃えるゴミとして処分します。
皮膚に毛がつくとかゆみなどの原因となるので、駆除作業をする際には長袖長ズボンを身につけ、手袋やゴーグルなどで体の露出を避けて下さい。
チャドクガを発生させないためには、発生時期の前の5月と8月に殺虫剤を予防的に散布するのも効果的です。また、発生した時に見つけやすいように、しっかりと剪定をして不要枝を切っておくことをおすすめします。
水やりの際に注意したいのが、花びらに水がかかることです。水がかからないように注意すれば、花腐菌核病の予防につながるでしょう。また、カイガラムシの発生はすす病の原因にもなるため、5月~7月に殺虫剤を散布しておくのがおすすめです。
Q.ツバキはどうやって植えつけるの?
A.ツバキの植え付けに適した時期は3〜4月と、9月下旬〜10月です。
鉢植えは苗の根鉢よりも少し大きめの鉢に鉢底網と鉢底石を入れ、小粒の赤玉土と鹿沼土を等量混ぜ合わせた用土で植えつけます。庭植えは、深さ30cm、直径50cmほどの植え穴を掘り、土に小粒の赤玉土10ℓ、小粒鹿沼土10ℓを混ぜ込んでから植えつけます。いずれの場合も、根鉢はくずさずに植えるようにしましょう。
ツバキは植えつけてもなかなか根を張ってくれない性質があります。もともと植えられていたのと同じ土を使うと根が張りやすいので、できれば同じ土を使うのがおすすめです。ツバキの苗は鹿沼土だけで植えられているものをよく見かけますが、自分で判断できない時は、購入するお店のスタッフに相談してみましょう。
Q.ツバキの剪定のポイントは?
A.ツバキは春先から伸びた枝に、夏頃には花芽がつきます。そのため、夏以降に剪定してしまうと花芽を切り落としてしまうので、開花が終わったら5月いっぱいまでに剪定をしましょう。上に向かって強く伸びる枝や、内側に向かって伸びる勢いが弱い枝には蕾がつきにくいので、つけ根から剪定します。基本的に剪定は枝の途中ではなく、つけ根や分岐部で切るようにすると株姿が自然にまとまりますよ。
大きくなりすぎたツバキは、地面から30〜40cmくらいのところで幹を切ってしまっても春になると新しく枝が出てくることがありますが、しばらくは花が咲きにくくなります。
Q.ツバキをあまり大きくしたくない時の手入れは?
A.ツバキの木があまり大きくなると株全体に目が行き届かなくなり、チャドクガの発生に気がつかなくて被害が大きくなることがあります。なので、あまり木を大きくしないで、手入れしやすい大きさにコントロールするのがおすすめです。
木の大きさをコントロールするためには剪定を行いますが、単に枝を切るだけだと強く伸びる枝が出てきたりして、あまり木の大きさがコンパクトにならない時があります。そんな時は剪定に合わせて、根を切るのがおすすめです。たいていの木は枝が広がっている範囲に根が伸びています。木の枝葉が茂っている部分のことを「樹冠(じゅかん)」といいますが、樹冠の外周の真下を深さ20cmほどスコップで耕すと、根の先端が切られて枝葉も過剰に伸びにくくなります。耕す場所が幹に近ければ近いほど枝葉の伸びは抑えられますが、あまり近いところを耕してしまうと枯れることがあるので、注意して下さいね。
花が少ない冬の庭を彩ってくれるツバキは、一年を通して葉がついたままの常緑樹なので、庭の目隠しとしても生かせる木です。ほぼ同じ手入れで、秋から咲くサザンカも育てることができます。日本の代表花でもあるツバキを、家庭で育ててみてはいかがでしょうか。