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あなたが大切に育てている花や観葉植物、野菜。よく見ると葉や花が虫に食べられてはいないでしょうか。犯人はコガネムシかもしれません。土の中に白くて黄色っぽいイモムシがいたら、ほぼ間違いなくコガネムシの仕業です。
コガネムシは、童謡『こがね虫』の「こがね虫は金持ちだ」の歌詞で知られ、富の象徴のようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、非常に厄介な害虫です。繁殖力が高く、一度発生してしまうと根気強く駆除しなければいけません。
そこで今回は、家庭菜園やガーデニングで注意しておきたい害虫であるコガネムシの予防と対策、駆除の方法を紹介します。
コガネムシはカブトムシの仲間
コガネムシは、甲虫目コガネムシ科の昆虫で、カブトムシの仲間です。英語では「Mimela splendens」と呼び、漢字では「黄金虫」と書きます。その名の通り背中の殻に光沢が見られるのが特徴で、カナブンのようなかわいい見た目をしていますが、人間にとっては害虫です。
さまざまな種類がいますが、草花の敵として悪名高いのはマネコガネ、ヒメコガネ、ドウガネブイブイ、アオドウガネ、セマダラコガネなどです。
卵からかえったコガネムシの幼虫は、頭は黒色や茶色、体は黄色を帯びた白色のイモムシの姿をしています。脱皮を繰り返すごとに1令幼虫、2令幼虫と名前を変え、体が大きくなった3令幼虫が一番大きな被害を及ぼすと言われています。
夏から秋にかけて土の中の有機物や根を食べて育ち、寒くなるにつれ土の奥深くに移動して冬を越します。やがてサナギになり、5月頃から成虫となって地上に出てきます。
コガネムシは春の終わりから夏のはじめにかけて、体長17〜24mmほどの成虫になります。多くは夜行性ですが、昼行性の種類もいます。
産卵期は7~9月の夏の間で、土の中に数十個ずつ、数日間にわたって卵を産みます。畑や芝地などのほか、鉢やプランターでもお構いなしに産卵するため、成虫を駆除せずにいると翌年に大量発生する可能性があります。
厄介なのは、成虫は飛行して移動することから一箇所に留まらない点です。さらに、コガネムシの糞が植物につくと、その匂いでほかのコガネムシを呼び寄せ、次第に数が増えていきます。
コガネムシは野菜や果物、庭木や草花などあらゆる草木をエサにします。ダイズやインゲンといったマメ科の植物のほか、クリやブドウ、カキなどの果樹、イチゴやイモ類、根菜類やウリ科の植物も好む大食漢です。
幼虫は土の中で数匹~数十匹単位で生息しており、近くにある根を食べます。そのため、外からでは食害に気づきにくいのが厄介なところです。根をかじられた植物は養分の吸収ができなくなり、生育が悪くなってしまいます。特にイモ類は、幼虫にかじられた傷口から病原菌が発生して腐ってしまうことも。
成虫は春の終わりから秋にかけて活動し、植物の葉の葉脈だけを残して網目状になるまで食べてしまいます。花もぼろぼろになるまで食べつくすうえ、糞を残していくため美観が損なわれます。しかも糞にはフェロモンがあり、別のコガネムシを呼び寄せるという恐ろしい効果があります。糞を見つけたら必ず除去しましょう。
大切な草花や野菜をコガネムシから守るためには、見つけたらできるだけ早く駆除することです。幼虫、成虫に分けて、それぞれの駆除方法を紹介します。
コガネムシの駆除方法は、捕獲して取り除くか、殺虫剤などで駆逐するかの大きく二つに分けられます。捕獲の際に必ず用意したいのは軍手。コガネムシは危険を感じると茶色っぽい液体を出し、これが手につくとなかなかニオイが取れないためです。網やビニールシートは、捕獲したコガネムシを逃さないために使用します。
大量発生しているなど、1匹ずつの捕獲では手に負えない場合は、殺虫剤を使用するとよいでしょう。殺虫剤の種類や使い方は後述します。
また、なるべく薬剤を使いたくない場合や薬剤が効かない場合は、土ごと植物を植え替えるのがおすすめです。植え替えは次の手順で行います。
コガネムシの幼虫が発生しやすい環境は、土に未熟な堆肥(たいひ)や腐葉土などの有機物が混ざっている場合です。コガネムシの産卵場所としてちょうど良く、たくさん発生する原因になっています。
植物の植え付けや種まきにあたって、土に堆肥などを混ぜて耕すときは、コガネムシの幼虫がいないか念入りにチェックしておきましょう。卵からかえったコガネムシの幼虫を発見したら、被害が広がる前にひとつずつ取り去ります。
なお、自宅でのコガネムシ対策がばっちりでも、周囲の環境がコガネムシにとって生息しやすい場所だと、少なからず影響を受けてしまいます。手入れされていない芝生や雑草地が近くにある場合は、ネットで覆うなどの対策も必要です。
植物の種まきや植え付けをするときは、コガネムシの幼虫対策として、浸透移行性(しんとういこうせい)殺虫剤を土に混ぜ込むことで幼虫の発生を防げます。害虫に効果のある有効成分が根や葉から吸収され、植物全体に行き渡るので、コガネムシを寄せつけません。
即効性のある薬剤なら、水で薄めて散布するスミチオン乳剤も効果的でしょう。コガネムシの幼虫以外にも幅広く効き、たとえばアブラムシ類、アオムシ、アザミウマ類、カメムシ類、ケムシ類といった害虫を抑えられます。
なお、殺虫剤を散布する際は念のためマスクを着用することをおすすめします。ペットを飼っている場合も、吸引したり口に入れたりしないよう注意しましょう。
とにかく、コガネムシの成虫は見つけ次第すぐに取り除くことが大切です。庭木などにコガネムシの成虫を発見した場合は、早朝であれば動きが鈍いため、枝を揺らすと落ちてきます。雨の日は特に動きが鈍く、簡単に捕獲できる傾向があります。網を使って効率的に捕獲・駆除しましょう。成虫が分泌する液のニオイ対策として軍手をするのも忘れずに。
なお、成虫がいるところには幼虫もいる可能性が高いです。植物の根本近くを掘り、見つけたら同じく駆除しましょう。
地道に駆除するのが負担なら、殺虫剤の使用も検討しましょう。コガネムシの成虫がいる場合は、近くの土に卵を産み付けた可能性が高いので、殺虫剤を植物のまわりの土に混ぜます。浸透移行性のあるオルトラン粒剤なら、植物全体が殺虫効果を持ち、成虫にも有効です。
なお、薬剤を使用する際は、その使用条件が自宅や畑の環境に合っているかどうかを必ず確認してください。
うまくコガネムシが捕まえられない場合は、トラップを仕掛けて捕獲するのも一手です。市販のフェロモントラップ(誘因捕獲器)を購入するのが手っ取り早いでしょう。ただし、コガネムシ専用のトラップには高価なものもあり、検討が必要です。幅広い害虫に対応するタイプのものなら比較的リーズナブルです。
お庭の虫キラー誘因捕獲器 2個入り
なお、家にあるものでも、ある程度のコガネムシトラップは作れます。自作する場合は次のものを用意しましょう。
〈捕獲器用〉
まずは捕獲器作りです。ペットボトルの上部を1/4程度にカットし、飲み口の部分が逆さになるように下部にはめ込みます。風なので外れてしまわないように、ガムテープで固定しておきましょう。
木の枝など地上約1.5mのところに吊り下げて使うため、カッターで切り込みを入れ、丈夫なひもや針金を通します。これで完成です。
〈誘引剤用〉
中に入れる誘引剤には上記のものを混合するのがよいとされています。薬剤を入れると捕獲だけでなく殺虫効果も望めます。ただし、長く使っていると効果が薄れるため、月に1度は交換しましょう。
コガネムシが苦手な植物もある?
駆除の方法に留まらず、コガネムシに関する質問はよく頂きます。ここでは代表的なものを3つピックアップしました。これ以上の食害に遭わないよう、コガネムシの生態をよく知っておきましょう。
A. コガネムシは世界で3万種類、日本では360種類いるといわれています。悲しいことに園芸をする人間にとってはほとんどが害虫であり、中でも注意したい種類は、アオドウガネやドウガネブイブイ、マメコガネやヒメコガネなどです。色も多様で、緑色や茶色、黒色などがいます。
A. コガネムシ科には、カナブンやハナムグリなどの似た昆虫がいます。カナブンは腐葉土や樹液を食べ、ハナムグリは花粉や花の蜜を食べます。要するに、両方とも園芸には無害であるどころか、土壌の改善や受粉の手助けをしてくれる益虫です。
見誤って駆除するのは避けたいため、コガネムシとの見分け方を知っておきましょう。ポイントは羽の付け根の形です。
全体像としては、コガネムシはなんとなく丸っこく、対してカナブンは角ばっています。ハナムグリは背中の白い斑点模様を目印にするとよいでしょう。
A. ほとんどの草花に食害を与えるコガネムシにも、嫌いな植物はあります。代表的なのは以下です。
これらからコンパニオンプランツ(成長を助け合うもの)となるものを選び、対抗植物として植えると一定の予防効果を望めるでしょう。
コガネムシは草花の大敵
コガネムシが発生したら駆除するしかありませんが、そもそも発生させない予防と対策を講じることも大切です。大掛かりな準備は必要ないので、取り入れられるものを試してみましょう。
育てている植物の周りの雑草を定期的に刈り取ることが、コガネムシ大量発生の予防につながります。コガネムシだけでなく、他の害虫も抑制できる効果が期待できます。
コガネムシの幼虫は、未熟な堆肥(たいひ)や腐葉土などを好みます。できるだけ完熟したものを使うことで発生を防げます。
土を耕したときなどにコガネムシの幼虫を見つけることがあります。かわいそうではありますが、園芸の大敵となるので必ず処分しましょう。
コガネムシの成虫が卵を産み付けないように、植物を不織布やビニールシートなどで覆いをするのもおすすめです。これをマルチングといいます。雑草の発生や水分の蒸発、地温の調節といった効果も期待できます。
マルチング材に「ココファイバー」という商品を使う方もいます。ヤシの実の繊維から作られたガーデニング資材で、通気性・水はけを良くするために使用しますが、ハンギングバスケットやマルチングにも最適です。
コガネムシが嫌いなマリーゴールドやチャイブ、またニンニクなどを植えて近寄らせない、という手もあります(詳細はコガネムシに関するよくある質問をご覧ください)。ただし、すでにある植物との関係性が大切なので、相性を考えて選びましょう。マリーゴールドなら大根やカブ、チャイブならバラなどとの組み合わせが良いとされています。
コガネムシは草花の大敵ですが、しっかりと対策をすれば防ぐことができます。ベランダ栽培でもコガネムシの成虫は飛んで来るので、夏以降は葉の状態を気をつけて見るようにましょう。
最後に、コガネムシの駆除方法を動画でまとめていますので、参考になれば幸いです。