「最強の定食」の定義から考える。「色」と「方向」重視の定食
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徳島県の特産品としても知られ、昔から広く親しまれているすだち。丈夫で寒さに強く、実は初心者にも育てやすい果樹です。
家庭でも種からの栽培は可能ですが、結実はとても難しく、苗木からの栽培が主流です。環境さえ整えれば、地植えでも鉢植えでも育てられます。
ここでは、すだちの育て方を解説します。栽培のポイントやすだちに適した環境。剪定の仕方や植え替え、収穫方法、病気や害虫についても紹介しますので、ぜひ役立ててくださいね。
すだちはミカン科カンキツ属の常緑樹です。原産地は日本の徳島県。暖かく風通しのよい環境を好みますが、比較的寒さに強いため東北地方南部での栽培も可能です。
食酢として使われていた時の酢橘(すたちばな)が由来となり、やがて現在の「すだち」と呼ばれるようになりました。
果実は20〜40gほどで、皮が濃い緑色のうちに収穫します。ビタミンC、カリウム、クエン酸などを含み、特にビタミンCが豊富です。酸味が強く、果汁や香りを利用する香酸柑橘類としてさまざまな料理に使われます。
5〜6月頃には白い花が咲きます。甘くさわやかな香りを楽しめるでしょう。人工授粉をしなくても、秋には実がなります。
一般的に、すだちは苗木から育てます。種からの栽培はとても難しく、10年以上実ができないことも。ある程度育った苗木を使用するのが手軽で確実です。
苗木はホームセンターや園芸店、インターネットなどで購入するといいでしょう。接ぎ木をしてから2年、3年たった「2年生」や「3年生」の接ぎ木苗がおすすめです。秋〜春にかけて、2000〜3000円ほどの値段で販売されます。
すだちは低木ないし小高木です。成長は緩やかで、高くても3m程度のものがほとんどですが、樹齢を重ねると5mまで成長することもあります。
地植えはもちろん、定期的な剪定で成長を管理すれば、鉢植えでも栽培可能です。植え付けの時期は3〜4月頃が適しています。
すだちは日当たりと風通しのよい場所が適しています。暖かな気候を好むため、年間平均気温が14℃以上の環境で育てましょう。
柑橘類の中では比較的寒さに強い果樹です。しかし、最低気温が-6℃以下の環境では寒さで枯れてしまいます。寒さの厳しい冬は、鉢植えの場合は室内に入れるようにしてください。地植えの場合は、植え付けの際に北風が強く吹かない場所を選びます。
地植えの場合、水やりはほとんどしなくても大丈夫です。自然の雨で十分育ちます。ただし、夏場に雨が降らず、1週間以上乾燥が続いているようなら水を与えてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたら水やりします。鉢底から水が出るまで与えましょう。とくに夏場は乾燥しやすいため、朝と夕方の2回行うようにします。
すだちは水はけのよい弱酸性の土を好みます。
土を用意する際は、市販の果樹用培養土の使用が手軽でおすすめです。赤玉土、腐葉土、川砂を6:3:1の割合で配合し、自作してもよいでしょう。
すだちをしっかり生育させるために、年に4回肥料を与えます。
3月の萌芽期には、元肥として油かすなどの有機肥料を。6月の開花後、7月の果実の成長期、10月の収穫後は、速効性化成肥料を与えてください。市販の果樹用肥料や柑橘用肥料を使ってもよいでしょう。
すだちの成長に合わせて剪定を行います。
1年生の苗を植え付ける時は、苗の一番太い幹が根元から40cmほどの高さになるように切りましょう。根の負担が軽減され、生育がよくなります。樹高も低くなるため、鉢植えでの栽培時に管理がしやすくなります。
2、3年生は3月頃、花をつける前に再び剪定します。伸びすぎた枝や古い枝、下向きに伸びた枝を選んで根元から切りましょう。内部まで日光がいきわたるよう、枝同士のバランスを見ながら剪定してください。この時、蕾のついている枝は切らないように注意します。
4年生以降は間引き剪定を行います。時期はこれまでと同様に3月頃。込み合った枝を切り、風と日光が内部まで届くようにします。
枯れ枝は病気の原因になり得るので、見つけたときに切り取ってください。また果実を傷つける恐れもあるため、トゲも取り除いて構いません。
鉢植えで栽培しているすだちは植え替えが必要です。これは、根詰まりによる生育の阻害を防ぐためです。2年に1度を目安に行いましょう。
植え替えの時期は、植え付けと同じ3〜4月頃が適しています。ひと回り大きな鉢に新鮮な培養土を用意して植え替えます。
すだちは、植え付けから収穫まで最低3〜4年かかります。植え付けから3年ほどは、樹形を整える方を優先し、収穫は控えましょう。
収穫は4年目から行います。摘果を兼ねて6〜7月頃から始めましょう。摘果とは、良質な実を収穫するために不要な果実を間引くことです。生育の悪いものや傷のあるもの、実が重なっている箇所を摘み取ってください。
残す果実の目安は、地植えの場合は、葉5〜10枚につき1つ、鉢植えの場合は1鉢に7〜10つほどです。
すだちの旬は8〜10月頃、香りが最もよくなるのは9月頃です。果皮が濃い緑色のうちに収穫しましょう。10月過ぎまで残った果実は熟して黄色くなり、香りや酸味が減少してしまいます。
すだちはハサミで切り取って収穫します。幹のトゲで手や果実を傷つけないよう注意してください。収穫後は、他の果実を傷めないよう、果実に残った果柄を2度切りしておきましょう。
収穫後、鉢植えのすだちはひと回り大きな鉢に植え替えてください。時期は3月頃、頻度は2年に1回を目安に行います。新鮮な土と肥料をたっぷり与えましょう。
枝が込み合っていたら、日光が内部まで届くように剪定します。切りすぎると次の実付きが悪くなるので、形を整える程度に余分な枝を切り取ってください。
すだちがかかりやすい病気に「そうか病」があります。感染すると、葉や果実にあばた状の病斑が発生します。窒素肥料が多いと発病しやすくなるので、肥料は適量を与えてください。もし発病した葉や果実を見つけたら、すぐに取り除きましょう。
台風などの強風にさらされたり、ミカンハモグリガの食害傷があると「かいよう病」にかかりやすくなります。感染すると、葉や枝、果実に褐色のコルク化した病斑が形成されます。強風やミカンハモグリガの対策を行い、発病した箇所は見つけ次第除去しましょう。
すだちにつきやすい害虫はミカンハモクリガ(通称エカキムシ)です。4〜5月、9〜10月頃に発生し、白いスジを残しながら葉肉を食害します。被害が進むと、葉が枯れてしまったり、かいよう病の原因になることも。葉の白いスジに幼虫を見つけたら取り除きましょう。定期的に市販の殺虫剤を散布するのも効果的です。
3〜10月頃にはアブラムシが発生します。集団で葉や枝の汁を吸い、葉の形が悪くなったり、すだちの生育の阻害につながります。見つけ次第、ブラシなどで除去しましょう。大量発生している場合は、市販の薬剤で駆除してもよいです。
カイガラムシは1年中つく恐れがあります。葉や枝に群生し、樹液を吸ってすだちを衰弱させてしまいます。カイガラムシは殻を持っており、薬剤での駆除が困難な害虫です。発生したらブラシなどでこすり落としましょう。風通しを良くすると予防できます。
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