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今回の記事では、モモンガの飼い方について解説します。モモンガの生態や飼育に必要なもの、飼育にあたっての注意点など詳しく解説していきます。
足の間についている膜を広げて、まるで鳥のように木々の間を飛び回るモモンガ。大きな瞳やふわふわとした見た目が愛らしく、近年はペットとしての人気が高まりつつある小動物です。
実はモモンガには、大きく分けて2つのタイプが存在するのはご存知ですか? それぞれ「有袋類」と「げっ歯類」に属し、違う生き物であることは案外知られていません。
ひとつめは「有袋類(ゆうたいるい)」のモモンガです。有袋類とはお腹に子どもを育てる袋をもつ動物の総称で、カンガルーやコアラがよく知られています。
有袋類のモモンガは全部で6種類(※双前歯目フクロモモンガ科フクロモモンガ属に該当する種類)が存在し、日本でペットとして飼育することができるのはインドネシアやオーストラリアに生息する「フクロモモンガ」のみ。
ふたつめは「げっ歯類」のモモンガです。げっ歯類とは、物をかじるのに適した歯と顎を特徴としたハムスターなどネズミ目の動物の総称です。
げっ歯類のモモンガはリスの仲間に分類され、全部で約45種類(ネズミ目リス科リス亜科モモンガ族に該当する15属の種類)ほど存在します。この中でペットとして飼育することができるのは、カナダやアメリカなどに生息する「アメリカモモンガ」のみ。
げっ歯類のモモンガのうち、かつては飼育可能であった「タイリクモモンガ」は、外来生物法により特定外来生物に2次指定されたことから、ペットとしての飼育は原則不可になりました。
今回の記事では、ペットとして飼いやすい有袋類の「フクロモモンガ」に絞って、その魅力やモモンガの飼い方について紹介していきます。
フクロモモンガは、名前にモモンガと付いているものの、先述の通りカンガルーやコアラの仲間です。メスのお腹には育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋があり、その中で赤ちゃんを育てます。
フクロモモンガの魅力は、きちんと飼育すれば環境によく馴染み、飼い主としっかりした絆を築けるということ。社会性に長けているので2匹以上での多頭飼育も可能です。
フクロモモンガの特徴としてはじめに挙げられるのは、ぱっちりとした大きな瞳。体長は約18~21cmと小柄で、ハムスターより少し大きく、人の手に簡単に乗るくらいのサイズ感です。グレーがかった被毛と、目から尻尾にかけての黒いラインも特徴です。
フクロモモンガは、神経質で臆病な性格である反面、人になつきやすい種類でもあります。飼い主に馴れてくると活発に動き回り、ケージから脱走することもしばしば。
フクロモモンガはさまざまな声で鳴き、感情を表現します。機嫌がよいときは「プクプク」や「キュッキュッ」、甘えたいときは「シューシュー」と鳴きます。怒ったり威嚇するときは「カチカチ」や「ギーギー」などと鳴きます。
いつもは小さな声で鳴きますが、怒っているときや寂しいときは大きい声で鳴きます。夜行性で、夜に鳴くことが多いです。
フクロモモンガは雑食性の動物で、野生下では樹液や果汁、昆虫類などをよく食べます。さらにはクモや爬虫類、鳥の雛を食べることも。ペットのフクロモモンガに野生と同じ食事を用意するのは難しいので、フクロモモンガ専用の総合栄養食をメインに与えましょう。
フクロモモンガは体臭が強いと言われています。匂いでコミュニケーションを取る習性があり、あちこちに尿をかけたり、おでこや胸にある臭腺(しゅうせん)を物にこすりつけたりして、テリトリーや発情の有無を知らせます。臭腺は大人になるにつれて発達し、オスのほうがニオイは強いです。
ニオイを軽減するには、ケージの掃除や部屋の換気が効果的といえます。
フクロモモンガは野生ではインドネシアやオーストラリア周辺の温帯から熱帯の森林で暮らしていて、木の穴などに葉っぱを敷いて巣を作り、一夫多妻制の小さな群れで生活します。夜行性のため、日中はほとんど寝て過ごします。
夜間になると足の間にあるグライダーのような皮膜を広げて、木から木へと飛び移ります。これはエサを求めて行うもので、秒速16mものスピードで滑空できるといわれています。
フクロモモンガの寿命はおよそ10年。小動物の中では長いほうです。飼育環境によっては寿命の半分しか生きられないこともあり、注意が必要です。
飼育を始めるにあたって、モモンガの値段や購入場所を紹介します。
フクロモモンガの値段はおよそ15,000〜30,000円ほど。価格は毛の色によって変動し、アルビノやリューシスティックなといった希少種は100,000円以上で販売されることもあるようです。
ペットショップでの購入が一般的。また、フクロモモンガを専門にしているブリーダーさんも存在し、育て方などについて丁寧にアドバイスを受けられるのでおすすめです。
モモンガの飼育用品は、リスなどの小動物に必要なものと似ています。
エサを求めて木々を飛び移る野生のモモンガは木の上に巣を作るので、高さのあるケージを選ぶのが理想です。高さは50〜100cmを目安にするとよいでしょう。
モモンガは木の上で生活をする動物なので、止まり木は必須のアイテムといえるでしょう。ケージには止まり木を設置し、上下運動ができるようにしましょう。止まり木は歯や爪を研ぐのにも役立す優れもので、なるべく添加剤不使用のものをチョイスするとよいです。
1日あたり平均18時間も眠るモモンガのために寝床にもこだわりたいところ。ケージに吊り下げるように設置すると、野生と同じような環境で休ませられるでしょう。
床材はホコリがでにくい素材や、チップが重いものを選ぶとお手入れがしやすくなります。クッション性の高さや、吸収性の高さもチェックしましょう。ウッドチップや牧草などを選ぶと、アレルギー性が少なく安心でしょう。
モモンガは体が小さいので、エサ入れは小柄な体つきに合ったもので、ひっくり返さないよう重さのあるものを選んであげてください。野生のフクロモモンガは木の上で食事をする習慣があるので、お皿はケージの中でもなるべく高い場所に置いてあげるとよいでしょう。
いつでも新鮮な水が飲めるように、ケージに取り付けられるボトルタイプのものがおすすめです。
モモンガはトイレのしつけが難しく、どこでも排泄します。ケージの底面にペットシーツなどを敷き、汚れたら取り替えるようにしましょう。
運動不足になるとストレスがたまり、体調を崩す恐れがあります。モモンガがケージ内で楽しく遊べるように、遊具も用意してあげましょう。
フクロモモンガを飼育する場合、エサはフクロモモンガ専用の総合栄養食を中心に与えます。
フクロモモンガは雑食なので、昆虫なども大好物。与えやすく栄養たっぷりのペレットタイプのおやつも良いですね。
モモンガを上手に飼うにあたって、上手な飼い方のポイントを紹介します。
夜行性のモモンガに食事をあげるタイミングは、夕方から夜にかけての時間帯がおすすめです。
モモンガは木の上で暮らしているため、床に置いて使う給水器には慣れません。床置きは排泄物やエサのカスなどで汚れ、衛生的にも不向きです。
モモンガの皮膚には雑菌が増えやすく、特に梅雨時など湿度が高い季節は要注意。皮膚病を防ぐためにも、匂いがしはじめたら水の要らないシャンプーなどで拭ってあげましょう。
フクロモモンガは熱帯の森林などに生息しているので寒さが苦手。飼育適温は18〜28度。急激に暑くなると熱中症になったり、逆に寒くなると低体温症になったりするので、エアコンや専用のヒーターなどを使って25度前後をキープすると良いでしょう。
モモンガを飼育するうえで特に注意したい点をいくつか紹介します。
好奇心旺盛なモモンガは、運動不足になるとストレスがたまって元気がなくなってしまうことがあります。狭いところを好むモモンガが家具や家電の隙間に入らないように注意ながら、おもちゃなどで興味を引いたり、室内を散歩させたりしましょう。
モモンガをケージから出すときは必ず家の窓は閉め切ってください。 窓から出るとすぐに滑空していってしまうのでご注意を。
モモンガには適度な日光浴も必要です。紫外線を浴びる量が足りないと、骨が曲がったり骨折しやすくなったりする「くる病」にかかりやすくなるためです。ちなみに、脱走につながるので屋外に出すことは控えましょう。
基本的にモモンガはトイレのしつけができません。室内で遊ばせるときは、あちらこちらに排泄されることを覚悟してください。
モモンガの爪は細くて鋭いので、気付くと飼い主さんが傷だらけ......ということが多々。定期的に爪を切ってあげましょう。
モモンガはいわゆるエキゾチックアニマル。モモンガの診断ができる動物病院は多いとはいえないため、行きつけの動物病院は事前に見つけてあげてくださいね。
ここからは、モモンガを飼うにあたってよく頂く素朴な質問にQ&A形式でお答えします。
A.ムササビはモモンガと混同してしまいがちな動物です。どちらもよく似ていますが、見分けるポイントは「羽の大きさ」と「目の位置」です。
ムササビは通称「空飛ぶ座布団」といわれるほど、滑空する際に広げる羽の大きさがフクロモモンガより大きいです。また、フクロモモンガの目は顔に対して横の方に付いていますが、ムササビは正面に目がついています。
A.ペットとして生活するモモンガは、野生と違って行動パターンが少なくなってしまいます。そんなモモンガが退屈しないように、行動パターンを増やしてあげることが遊びにつながります。例えば、ケージの中には止まり木などの仕掛けを用意してあげましょう。部屋に出して運動させることも効果的です。
フクロモモンガの場合、社会性の高い動物なので飼い主に慣れることはとても大切なこと。慣れてくると飼い主の体によじ登ってくることもあるほどです。毎日少なくとも30分~1時間程度は一緒に遊ぶ時間を作りましょう。
Q.室内を散歩させてあげることは推奨します。モモンガが活動を始める夕方から明け方にかけての時間帯に、室内でケージから出してあげるようにしてください。一方で、室外に連れ出すのはNGです。脱走はもちろん、寄生虫や感染症などさまざまなリスクがあるためです。
モモンガはまだまだペットとしての馴染みは薄いですが、いざ飼ってみるとだ自由奔放なかわいさがあります。小さな頃から育てれば人間に慣れ、スキンシップも取れる動物です。
ただし、野性味を残しているため非常に繊細であり、ストレスを感じると体調を崩します。長く元気に暮らせるよう、まずはモモンガという生き物を理解し、注意点をよく守ってお世話してあげてくださいね。