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一般的にペットとしてはマイナーながら、飼ってみると魅力あふれる野生動物はたくさんいます。その一つとして評判なのが、東アジア原産の「コツメカワウソ」。成体でも40~60cmほどの大きさで、その愛らしい顔や体型から一時期に大ブームとなりました。「自分も飼ってみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、コツメカワウソの飼い方全般を詳しく紹介します。……しかし初めにいっておきますが、コツメカワウソは簡単に飼える動物ではありません。そもそも入手難易度が高いうえ、犬や猫のようにはいかない点が多々出てきます。運良く入手先が見つかっても、お迎えするにあたっては慎重にご検討ください。
分類 | イタチ科カワウソ亜科 |
学名 | Aonyx cinereus |
分布 | インドから中国南部、東南アジアなど |
全長 | 40〜60cm |
尾 | 25~35cm |
体重 | 3~6kg |
寿命 | 10〜15年 |
コツメカワウソは、全13種類のカワウソのなかでもっとも体が小さく、手足の爪が小さいことが特徴です。体長の割には尾が長くて太く、これは水中でバランスを取る際や、推進力を生み出す際に役立てていると考えられます。
体色は暗めのグレー。丸い輪郭に平たい頭、つぶらな瞳で、口・首周りには白い毛が見られます。全体的にずんぐりとした体型で、非常に愛らしいと人気です。
好奇心旺盛で活発。獲物を捕るわけでもなく水に入って泳いだり、川岸の斜面を登ったりと、元気にはしゃぐ姿が目撃されています。昼行性なので、動物園に行けばそのような様子を鑑賞できるでしょう。
群れで行動しているため社会性があり、人間にもよく慣れます。孤独を感じると甘えるような仕草をしてくることも。知能は高く、芸を教え込むこともできます。
前脚を器用に使って魚類、両生類、甲殻類を捕獲しています。歯が固くて丈夫なので、貝も噛み砕いて食べてしまいます。陸上に上がったときは昆虫やヘビ、そのほかの小動物を捕らえて食べることもあります。
繁殖期は決まっておらず、1年を通して交尾・出産できます。妊娠すると2~3か月で1~6頭を出産するといわれていますが、平均すると2頭です。
コツメカワウソは一夫一婦制で、メスが子の世話をする一方、オスは巣を作ったり、家族の食べ物を運んだりと協力体制で育児をします。兄弟・姉妹がいれば同じく赤ちゃんカワウソの面倒を見るなど、家族の絆が強いのが特徴です。
赤ちゃんカワウソは生後約40日で目が開き、9週間で泳げるようになります。2~3年もすれば立派な大人となり、ヘビやワニといった外敵に襲われるなどがなければ10~15年は生きるといわれています。飼育下であれば、さらに長生きすることもあるでしょう。
現状、日本でペットとして飼育可能なカワウソはコツメカワウソですが、実はIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで危急種(VU)に指定されています。さらに2019年、『絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(通称「ワシントン条約」)』により、商業目的の国際取引は原則禁止されてしまいました。
すでに国内にいる個体や、そのペアから生まれた個体が条件付きで入手可能なことはありますが、一般的なペットショップで取り扱っているのはごく稀でしょう。仮に販売されていても、希少性が高いため費用相場は1頭100万円ほどだと予想できます(幼体のほうが高価です)。
なお、そのお店がコツメカワウソを正規のルートで入手したのどうかを見極める必要があります。トラブルを防ぐためにも、必ず「国際希少種の登録書」を譲り受けてください。同書類については環境省のページで詳しく解説されています。
主にかかるのはエサ代と水道代です。
エサ代は、主食となるキャットフードやフェレットフードが3kgあたり2,000円だと仮定すると、体重5kgのコツメカワウソであれば1日500g、1か月で15kgなので、最低でも1万円はかかる計算になります。魚や貝といった天然もののエサも必要なので、月1万5,000円ほどが目安でしょう(エサについては事項のカワウソの飼育に必要なもので詳しく解説します)。
水道代は、「水道局の人が漏水だと勘違いするほどかかる」と表現する飼い主さんもいるほどです。地域差もあるため具体的な額を出すのは難しいですが、通常の1.5倍、あるいは2倍以上かかると想定してよいでしょう。
コツメカワウソをお迎えするにあたって必要なもの、あると便利なものを紹介します。一覧にすると次の通りです。
コツメカワウソは小型犬ほどのサイズですが、活発に動き回ることがあります。小さなケージだと息苦しく、ストレスになる恐れがあるため、少し大きめのケージを用意してあげましょう。
コツメカワウソのトイレには、ドッグトレーとペットシーツを使うとよいでしょう。トレーは飼育ケージにセットで付いている場合もあります。
コツメカワウソはきれい好きなので、排泄物が付いたペットシーツをトイレにしてほしい場所におけば、そこで用を足してくれることが多いです。
家庭用プールや大きめのタライを用意してあげましょう。
カワウソは水浴びをすることで汚れを取り除いたり、運動したりして健康を維持しています。ストレス発散のためにも水浴びは必須で、1日に2回、多ければ4回以上したがるときもあります。
好奇心旺盛で活発なコツメカワウソは遊ぶことが大好きです。おもちゃを与えて楽しませてあげましょう。犬猫用のおもちゃで喜んでくれます。
咬合力が非常に強いため、おもちゃを噛んで壊してしまうこともあります。長持ちさせたければ、噛んでも切れにくい布やゴム製のものがよいでしょう。
また、使い古しのタオルや麻袋を噛んで遊ぶ子もいます。誤って飲み込んでしまうなど安全性には配慮しなければいけませんが、おもちゃの代用になるものはほかにもあるでしょう。
コツメカワウソはなかなかの大食漢で、体重の10~15%も食べるといわれています。本来の食事である魚類や甲殻類などを主食とするのは費用面で厳しく、新鮮さの維持も難しいのが難点です。
そこで、飼育下での主食はキャットフードやフェレットフードで代用し、魚類や甲殻類などは副食として与えるとよいでしょう。
コツメカワウソにとって快適な暮らしとはどのようなものか、ここでは上手な飼育の仕方について解説します。
前述のように、主食はキャットフードやフェレットフードで代用、副食として魚類や甲殻類、貝類などを与えます。
エサは適度な大きさの皿に入れてやると器用に手でつかんで口に運びます。野生の狩猟本能を満たすために、浴槽や家庭用プールに水を張ってドジョウなどを放つのもよいでしょう。
コツメカワウソは体重の10~15%も食べる大食漢なので、1日300~600g与えるのが目安です。もちろん個体差もあるので、体重管理をして食事量を割り出してください。
コツメカワウソはきれい好きで、なおかつ知能が高いためトイレを覚えさせることは可能です。
ケージの角っこなど、トイレにしてほしい場所にトイレコーナーを作り、コツメカワウソの糞尿のにおいが付いたペットシーツを置きましょう。すぐに覚える子もいれば、何度目かようやく覚える子もいますが、気長にしつけていれば理解してくれるケースがほとんどです。
コツメカワウソは水浴びをすることで心身共に健康状態を保っています。水浴びの回数や時間は季節にもよりますが、1日に2~4回、30分~1時間ほどが目安です。
水浴びの水は毎回交換する必要はありませんが、あまりに使い回すと不衛生です。川や海のように自浄採用は働かないため、適度に交換してください。
スキンシップをかねて、たまには一緒にお風呂に入るのもよいでしょう。30℃程度のぬるま湯にしてあげると、コツメカワウソが入りやすくなります。
コツメカワウソは人懐っこい性格で、飼い主さんと遊ぶのが大好きです。水場でおもちゃを与えておくだけでなく、一緒に触れ合うことも忘れないようにしましょう。
やんちゃな性格ゆえに噛んだり引っ掻いたりすることもありますが、その場で注意すると、それがダメなことだと理解する知能を持っています。飼い主さんと過ごす時間が長ければ長いほど、信頼関係を築きやすくなるでしょう。
適度なブラッシングが必要です。特に季節の変わり目は毛が抜けやすく、放っておくと毛玉ができ、衛生上よくありません。特別なブラシやコームは必要ありませんが、コツメカワウソの細くて短い毛に合う、短めのものがよいでしょう。
カワウソはイタチの仲間なので「臭腺」を持っています。正確には肛門嚢(のう)と呼び、ここから強烈なにおいを放つことがあります。イタチやスカンクは敵襲から身を守るために使うことが有名ですが、カワウソは自分の縄張りを示すために使用するようです。
通常、肛門嚢から分泌される液は糞と一緒に排出されますが、加齢や健康状態によって体内に残ることがあります。放っておくと肛門嚢が詰まって炎症を起こす恐れがあるため、「肛門絞り」と呼ばれるお手伝いが必要になります。
やり方は犬や猫と変わらず、肛門をつまんで軽く押し出すように絞るだけです。勢いよく糞が出ることもあるため、肛門をティッシュで覆いながら絞るとよいでしょう。
なお、ペットのコツメカワウソに臭腺は必要ないため、早い段階で臭腺除去手術を受けるのも一つの選択肢です。肛門嚢が元でなる病気の予防にも役立ちます。
コツメカワウソの飼育難易度は高めだといわれています。コツメカワウソの生態に合った生活環境を用意するのが難しいことや、コツメカワウソを診てくれる獣医師が少ないことが主な理由です。そのほか、コツメカワウソを飼うにあたって、知っておいたほうがよい注意点を紹介します。
コツメカワウソは顎の筋肉が非常に発達しており、大型犬並の力を持つといわれています。野生下では貝を噛み砕いて食べるくらいですから、相当なものだと考えてよいでしょう。
人間によくなつきますし、飼い主さんには甘噛みすることがほとんどでしょうが、ふとした拍子にガブリとやられてしまう可能性は十分にあります。下手をすると病院に直行するくらいの大怪我を負うため要注意です。
コツメカワウソはとても利口で、観察眼があります。ドアを開けることはもちろん、簡単な鍵であれば解除することもできるほどです。
人間のこともよく見ており、甘やかしすぎると「自分のほうが上」だと主張してくることも。結果、脱走を試みたり、気に入らないことがあると凶暴になったりするので、きちんとしつけすることが大切です。
コツメカワウソの診察ができる動物病院は多くありません。万が一の際に頼れる獣医がいないということは、病気になったら治療できないという意味です。
突然のトラブルですぐに診察してもらいたいケースも想定すると、自宅から通える範囲にコツメカワウソ診療可の動物病院があるかどうかは調べておくべきでしょう。
コツメカワウソは犬や猫と違い野性味が残る動物です。自然界で弱みを見せると死につながるため、体調不良を隠す傾向があります。ただでさえコツメカワウソ診察可の動物病院が少ないのに、体調不良が発覚した際は手遅れに近い、といったケースも起こりえます。普段から糞尿や毛並み、食欲などを観察し、おかしなところがないか注視しましょう。
コツメカワウソを飼ううえで注意したい病気は下記です。
エサとして与える魚介類に寄生虫がいるケースがあります。購入した状態で与えるのは避け、一度冷凍するとよいでしょう。
元々カワウソは腎臓や膀胱に結石が多い動物で、原因ははっきりとわからないケースが多いそうです。完全に予防するのは難しいかもしれませんが、尿路結石予防成分が含まれた人工フードを与えるなどの配慮も必要でしょう。
何らかの理由でストレスがたまり、食欲不振や下痢を引き起こす例もあります。たとえば、不衛生な環境や運動不足、触れ合いの頻度(多すぎても少なすぎてもいけません)などです。
多頭飼いしているご家庭で、互いの相性が良くない場合は喧嘩が勃発する恐れがあります。特に発情しているオスは危険で、オスの攻撃を受けたメスが死亡する事故も起きています。
コツメカワウソをお迎えする前、または一緒に暮らしていくうえで出てくる疑問や不安にQ&A形式でお答えします。
A.正規のお店であれば、その証として許可証(国際希少種の登録書)を持っているはずです。提示を希望したときに出し渋るお店は、それだけで疑ったほうがよいでしょう。異様に安価だったり、ブリーダーの名前を提示できなかったりする場合も密輸の疑いがあります。
A.毎日きちんと水浴びしている健康な子であれば、さほどにおうことはないでしょう。ただし、飼育ケージやエサ皿が水で汚れ、湿気を含んだ際に臭くなることは考えられます。換気、ペットシーツの入れ替え、消臭剤の使用などをこまめに行いましょう。
A.一般の方ではほとんど無理といって差し支えないでしょう。野生のコツメカワウソは広い縄張りのなか群れで生活しているのが基本スタイルです。たった二匹だけ、さらに室内飼いのスペースで安心して子作りに励むかどうかは確証が持てません。
コツメカワウソは原則「ペットして飼う目的」での輸入は禁止されています。希少性が高く、1頭100万円以上する個体もおり、飼育環境や飼育費用を用意するのは簡単ではありません。事実、飼ってみたけれどお世話をしきれず手放す方もいます。
賢くて人なつっこいコツメカワウソとの生活はとても楽しそうですが、お金や時間に余裕がないと飼育するのは難しいと思ってください。コツメカワウソ自身の幸せのためにも、よく考えて判断しましょう。
※専門家・有識者のみなさま
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