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味わうのも調理するのも、栽培するのも楽しい野菜──にわかに今、「イタリア野菜」への注目が高まっている。
イタリア野菜とは、イタリア近隣国を原産とする野菜、ないしイタリアで親しまれている野菜のこと。香りが強く、甘味や苦味といったひとつの味覚が突出し、野菜本来の風味を大いに楽しめる。さらにはユニークな形と鮮やかな色が食卓を彩り、見栄えの良さにも貢献する。こうした魅力が食のプロを惹きつけ、イタリア野菜はブーム目前の様相を呈しているのだ。
育てやすさと食べやすさを考慮した品種開発が功を奏し、国内での安定した栽培に成功。輸入モノより新鮮な“日本産のイタリア野菜”が市場に出回るようになると、料理人や料理研究家が、自身のレシピにいち早く取り入れた。旬を愛でる日本人の気質と、季節野菜を存分に味わうイタリアの食文化との相性の良さも手伝って、そのトレンドは、一般の食卓や家庭菜園にまで広がりを見せている。
では、プロの調理に頼らずともイタリア野菜をおいしく味わい、お店で買うのではなく家庭菜園で上手に栽培するにはどうすべきか。イタリア野菜の魅力を深掘りすべく、日本国内においてイタリア野菜の品種開発を手がけるトキタ種苗株式会社の神保梢さんと、イタリア野菜を栽培するとともにその普及活動にも尽力する東京西洋野菜研究会の野村夫妻にお話を伺った。
イタリア料理といえば、パスタやピッツァをはじめとした小麦粉料理のイメージがあまりにも強く、野菜の印象はどこか希薄ではないか。そのイメージに反して、イタリアはヨーロッパ屈指の野菜消費国の顔を持つ。1日平均にして1人当たり452gの野菜や果物を消費し、これは日本人の平均値である290gの約1.6倍だ。
「その理由は野菜の食べ方にあります。イタリア人は食感がなくなるくらいクタクタに野菜を煮ます。そして、クタクタに煮た野菜をソースにパスタを食す。煮れば当然、カサが減りますから、量を食べられるのも納得。視察でイタリアを訪れたときの印象からすると、逆に生野菜のサラダは、ほとんど見かけなかったほどです」(神保さん)
トキタ種苗株式会社 グストイタリアプロジェクト担当 神保梢さん
なるほど。パスタの定番であるポモドーロソースを例にしても、トマトをコトコトと煮るのみ。イタリアの家庭ではトマトのみならず、あらゆる野菜を煮て絡め、名もなきパスタ料理を味わう。イタリア野菜は風味の強さが特長だが、それを「クセが強い」と感じる人もいる。しかし、煮ることでクセがうま味に変わり、独特の風味をおいしく味わえる。
イタリア視察時のひとコマ。町には青果店も多く、活気と彩りが溢れている
さらにはイタリアの特産品である、オリーブオイルの存在も大きいという。イタリア人は煮るのともうひとつ、野菜を焼いて食す。焼いた野菜にオリーブオイルをかければ、それだけでおいしい。調理方法はとにかくシンプルで、必要な材料も野菜とオリーブオイルに塩のみだ。
野菜をクタクタに煮る、野菜にオリーブオイルをかける──これがイタリアの食文化だが、イタリアは日本よりもずっと、“野菜の旬”が鮮明だという。日本人も旬を愛でる気質が強いが、技術が発達した現在では通年栽培される野菜が多く、秋を例にすれば、旬が際立つのはマツタケとサツマイモくらい。本来はニンジンもタマネギも、秋が旬の野菜だ。
「イタリアにも通年栽培される野菜はありますが、日本と比べると少数派。売り場では旬の野菜たちが幅を利かせ、季節の野菜ばかりを繰り返し食べる、といった家庭が多いようです」(神保さん)
イタリア野菜の象徴ともいえるトマト。旬の時期ともなれば、色・形・大きさの異なるたくさんの品種が店頭に並ぶ
こうした食文化の違いや、日本の野菜とは異なる風味に食指を動かされたのが、日本の料理人や料理研究家といった食のプロ。特に風味の強さが魅力のイタリア野菜となれば、その個性をどう生かし、どう日本人の舌にマッチさせるのか、探求心をくすぐられるのも頷ける。
食のプロたちは、かねてからイタリア野菜に興味を持ち、料理に取り入れてきた経緯があるという。それが今や、一般家庭でもブームの兆し。数年前からじわじわと人気が高まり、広く注目を浴びるようになった背景には、野菜のおいしさを大きく左右する“新鮮さ”がある。
「日本で本格的なイタリア野菜の栽培が始まったのは、ここ10年ほどのこと。皆さんの目に真新しく映るのも当然ですが、以前からイタリア野菜を取り入れてきた食のプロは、輸入モノにはない国産モノの新鮮さに感嘆されます。すると料理の完成度も上がり、プロの方々もより自信を持って、イタリア野菜の魅力を伝えてくださいます」(野村夫妻)
東京都あきる野市でイタリア野菜を栽培する「東京西洋野菜研究会」の野村さんご夫婦
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