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謎の美女に水しぶきのおじさん。水性キンチョウリキッドのCMで推している「水性」ってなんだ?

メーカー

大日本除虫菊株式会社(KINCHO)研究員

大日本除虫菊株式会社(KINCHO)研究員

田丸 友裕(右・たまる ともひろ) 2011年大日本除虫菊株式会社(KINCHO)入社。中央研究所 第二化学研究室所属。蚊取り線香などの殺虫剤や衣料用防虫剤の製品開発を担当。 片山 南美 (左・かたやま みなみ) 2019年大日本除虫菊株式会社(KINCHO)入社。中央研究所 生物研究室所属。様々な虫飼育の他、様々な虫飼育や効力試験を担当。

あのCMおもしろいけど、「水性」ってなんだ?

──夏の大問題。それは、耳元で「プ〜ン」という音を感知した瞬間。今年もどうやら、彼らとの戦いが始まったようです。

そんな夏の天敵、蚊との戦いに蚊取りアイテムは必須。家で使う定番といえば「水性キンチョウリキッド」ではないでしょうか。スイッチを入れれば薬剤が拡がり、蚊をやっつけてくれたり、室内に蚊が入って来るのを防いだりしてくれる優れもの。

「水性キンチョウリキッド」は、毎年のCMも抜群のおもしろさ。2022年版は謎のビキニ美女の後ろで、これまた謎のおじさんが何度もプールに飛び込みつつ、「水性」をアピールするというインパクト大の仕上がりです。

金鳥の水性シリーズ「水性おじさん」篇

金鳥の水性シリーズ「水性おじさん」篇

でもあれ、ちょっと待てよ。

そういえばこの「水性」って、一体なに?

CMを作るのはお金がかかると聞きますが、この30秒のCMには「水性キンチョウリキッド」が「水性」であること、そしておじさんの水しぶきが美しいこと以外の情報がほぼありません。「水性」って一体なにがすごいのだろう。

(左から )KINCHO 宣伝部 大迫さん、研究員 片山さん、田丸さん

(左から )KINCHO 宣伝部 大迫さん、研究員 片山さん、田丸さん

ということで「水性キンチョウリキッド」を販売する金鳥こと、大日本除虫菊株式会社の宣伝部と開発チームの方々に直接この疑問をぶつけることに。「水性」のすごさから歴史、CM制作の裏話まで教えてもらいました。

「水性キンチョウリキッド」は世界初の水性液体電子蚊取り

──「水性キンチョウリキッド」はいつから発売されている商品なのですか?

“大迫さん"

大迫さん

世界初の液体電子蚊取りとして、1965年に油性の「キンチョウエイト」を発売したのが始まりです。その後1990年に「キンチョウリキッド」を発売し、1994年に「水性キンチョウリキッド」が誕生しました。

──金鳥さんは液体電子蚊取りの生みの親だったんですね!

“大迫さん"

大迫さん

実はそうなんです。

── 現在販売されている液体電子蚊取り商品はほとんどが「油性」で金鳥さんは「水性」と聞いたのですが、「油性」や「水性」ってどういう意味ですか?

“田丸さん"

田丸さん

蚊を駆除するための殺虫成分を溶かしている薬液の性質を指しています。殺虫成分が灯油に溶かされていれば「油性」、水に溶かされていれば「水性」です。

「油性」と「水性」の違いは殺虫成分が灯油に溶かされているか、水に溶かされているか

「油性」と「水性」の違いは殺虫成分が灯油に溶かされているか、水に溶かされているか

──水性にするのってそんなに難しいんですか?

“田丸さん"

田丸さん

殺虫成分の「ピレスロイド」自体が油性の成分なので、開発にあたっては水に溶かすための設計にかなり苦労しました。

──水と油は混ざらないですもんね。

“田丸さん"

田丸さん

また薬液を吸い上げる芯の設計も非常に重要です。芯によっては薬液がぜんぜん揮発してくれなかったりと、トライ・アンド・エラーを重ねてやっとたどり着いたのが現在の形です。

“片山さん"

片山さん

こういった技術を盛り込んだ特許も取得しておりまして、なかなか他社さんが真似できるものではないと自負しております。

──金鳥さんの涙ぐましい技術開発のおかげで「水性」という大きなカテゴリーが誕生したんですね。

田丸さん

そうですね。この水性の技術は弊社にとって、とても大きな力になっています。

人にも環境にも優しい。「水性」はいいことづくし

──どうして水性タイプのキンチョウリキッドを開発する流れになったんですか?

田丸さん

油性タイプは主に灯油に殺虫成分を溶かしているんですが、液体電子蚊取りは熱を使う商品なのに引火性の高い灯油を使うのはどうなんだ? という課題がずっとあったんです。

──言われてみたら不安かもしれないです。

田丸さん

さらに開発当時は、PM2.5や光化学スモッグなどの原因物質である「VOC」と呼ばれる空気中に蒸発しやすい化学物質への規制が強まった時期だったことも背景にあります。

片山さん

「キンチョウリキッド」の場合は、揮発した灯油を空気と一緒に吸い込んでしまうことで、刺激を感じる方もいるかもしれないという懸念がありました。なので、一刻も早く水性の商品を市場に出したかったんです。

──人にもより安全に使えるのが水性の1番の良さなんですね!

田丸さん

そうです! 水なので火気に対する安全性は高く、ペットやお子さんがいるご家庭でも気兼ねなく使っていただけます。もちろん就寝中も点けていて大丈夫です。

片山さん

また、油性だと使用する環境によっては揮発した油が壁や床に付着してベトつきや変色の原因になったり、特有の匂いも気になったりしますが、水性ならその心配もありません。

大迫さん

液体電子蚊取り全体の販売比率と比べて、実際に「水性キンチョウリキッド」は30〜40代の女性の支持が高いんですよ。子育て世代や汚れや香りを気にされる若年層の方に選んでいただているんだなと思います。

──たしかに微量とはいえ、油が部屋中に飛ぶのはイヤかも。でも、効き目は油性のほうがスゴイなんてことはないんですか?

田丸さん

あくまでも当社比ですが効き目は油性と同等か、むしろ水性のほうが効果が高いくらいです。水は油よりも蒸発しやすいので、殺虫成分のまわりの水分だけが蒸発して殺虫成分が濃縮された状態で虫に届くんですよ。

殺虫成分が濃縮

水性は、加熱することで、殺虫成分の周りの水分だけが蒸発。殺虫成分が濃縮されて拡がるから効き目も良い

片山さん

もちろん、殺虫成分は哺乳類や鳥類などの温血動物なら体内で分解できる成分なので、それ自体は人体や犬や猫などの体にも影響ありません。

──水性、めちゃくちゃ良いじゃないですか!

もう刺されない!「駆除」と「侵入阻止」の二刀流で蚊に勝つ

スイッチオン

──もう本当に蚊に刺されたくないんですが、「水性キンチョウリキッド」のパワーを最大限に引き出す使い方ってありますか?

田丸さん

蚊の“駆除”と“侵入阻止”の2通りの使い方ができますよ。

──駆除と侵入阻止!

田丸さん

お部屋にいる蚊を駆除する場合は、お部屋の中央に「水性キンチョウリキッド 」を置いていただくと、効果的にご使用いただけます。

──スイッチオンしてから効くまでにはどれくらい時間がかかるんですか?

片山さん

20〜30分くらいで薬液が温まって殺虫成分がお部屋に拡がり、飛んでいる蚊を駆除できますよ。

──侵入阻止にはどうやって使えばいいですか?

田丸さん

蚊がお部屋に入ってこないように、蚊の出入り口になりえる場所に「水性キンチョウリキッド」を置いて使います。窓やドア、玄関などの付近に置いてスイッチオンすると、効果的にご使用いただけます。

──バリアを張るイメージですね。

田丸さん

おっしゃるとおりです。

──ずっと気になっていたのですが、蚊に刺されやすい時間帯ってあるんですか?

片山さん

日本において人を刺す蚊の種類は大きく分けて「ヤブカ」と「イエカ」の2種類がいるのですが、ヤブカは朝や夕方、屋外で刺されやすいです。反対にイエカは夜間、家の中にいる時に被害にあいやすいですね。

──知らなかった! 私、寝ている時に耳元に来られるのが一番イラっとするんですが。

田丸さん

眠れなくなっちゃいますよね。寝ている間に蚊をブロックしたいときは、寝る20〜30分前に「水性キンチョウリキッド」のスイッチを入れておくと、お部屋にいる蚊を駆除できますし、また入ってくる蚊も防ぐことができますよ。

──ちょうど寝る頃に薬剤が効いているってことですね。安眠できそう。「水性キンチョウリキッド」1個で、どれくらいの広さまで効くんですか?

片山さん

4.5〜12畳につき1個の割合でご使用いただけます。また、医薬部外品なので、パッケージに書かれている用法・用量をきっちり守ってください。

──ちなみに、金鳥さんは蚊取り線香のイメージも強いです。他にもさまざまな蚊の対策商品がありますが、どのように選んだらいいですか?

片山さん

蚊の対策商品はどの製品も効果・安全性・品質について、厚生労働省の承認基準を満たしており、安心してお使いいただけます。使用したいシーンに応じて選んでいただければ大丈夫です。

何も残らないくらいなら、せめて「水性」だけでも届けたいCM

──金鳥さんといえばCMがめっちゃおもしろいという印象があります。

大迫さん

CMの存在はとても大きいですね。「キンチョウリキッド」のCM自体は1990年から流していて、初代はジャッキー・チェンさんが出ていたんですよ。

──え! あのジャッキー・チェンが!

大迫さん

1年だけだったんですけれどね。そのあと1991〜96年は近藤正臣さんがタヌキの格好をして「60日、60日、いっぽんぽん」などのセリフをいうCMを流しました。このあたりからCMと商品を少しずつ覚えていただけるようになり始めたのではないでしょうか。

懐かしの……。

懐かしの……。

──私のイメージはなんといっても山瀬まみさんのピンクのかっぱですね。

大迫さん

山瀬さんに出演していただいた「水性キンチョウリキッド」のCM は1997年から2012年までの16年間続きました。まさにこのCMのおかげで一気に製品の認知が広まったと思います。

2022年版CM

──そして今年の「水性おじさん篇」は、謎のビキニ美女と、謎のおじさんの水しぶき。

大迫さん

殺虫剤のCMは、春先から夏にかけて放映するので真冬の撮影になることが多いです。今回はプールに飛び込む必要があったので、冬でも比較的暖かい沖縄県で行いました。出演者は松田ゆうなさんと小渡俊彰さん。どちらも沖縄の方です。

──そうまでして水しぶきが必要だったんですね。おじさんの。

大迫さん

そうですね。CMではどうにかして「水性」を覚えていただきたく、でも普通に「水性」と言ったところで印象に残らない。なのでフックになるような表現をいつも心がけています。

──今回は水しぶきが「水性」を表現しているということですね。

大迫さん

そのとおりです。

──今日たくさん「水性キンチョウリキッド」のすごさを教えていただいたんですが、どうしてCMでは「水性」がいかに良いかをあまり語らずに単語だけをゴリ押しするんですか?

大迫さん

考えてみてください。例えば関東エリアなら毎月10万回以上ものCMが流れているんです。そこで見るCMの数は人それぞれに異なりますが、そんな中でいま思い出せるCMっていくつありますか?

──2つくらいですねぇ……。

大迫さん

そうでしょう。これだけ大量のCMが流れている中で、皆さんの印象に残り、さらに売場で商品を見た時に「あ、これCMで言ってたやつだ」となるのは至難の技です。あれやこれや言っても結果的に記憶に残らないなら、せめて「水性」だけでも覚えてもらいたくて。

──それで徹底的に「水性」を伝えることにフォーカスをしていらっしゃる。

大迫さん

はい。このスタンスは昔から大きくは変わっていません。

──潔さに脱帽です。ちなみに今年のCM「水性おじさん」篇では、おじさんが70回以上もプールに飛び込んだとか?

大迫さん

いかに迫力があり、かつおもしろい水しぶきをあげられるかを追求するため何度も飛び込んでいただきました。実は何人か別の演者さんにもチャレンジしていただきましたが、小渡俊彰さんの水しぶきだけが採用となりました。結果的に1番美しく、おもしろかったので。

「水性」の魅力をもっと伝えていきたい

仕事場のデスクにも

仕事場のデスクにも

──「水性キンチョウリキッド」は今後どうなっていくのでしょうか?

田丸さん

大迫が話した通り、CMでは「水性」というキーワードだけ訴求できれば十分です。しかし、水性の良さについてはもっともっとお客様にお伝えする必要があります。研究員が売り場に立たせていただくような機会があれば直接お伝えしていきたいなと思っています!

大迫さん

宣伝部としてはCMに限らず「水性キンチョウリキッド」の魅力をお伝えしていきたいですね。CMだけでは伝え切れていない水性の良さがまだまだたくさんありますので、色々な形で発信できればと思っています。

──「水性愛」に溢れたお話をありがとうございました!

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