日傘のスキをなくしたら妖怪っぽくなった話
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目次/ INDEX
顔ハメ看板がなんとなく好きです。旅行先で見かけると、とりあえず顔をハメて楽しんできました。
昔から観光地にしか置かれていない印象でしたが、最近はイベント会場や街中のお店などで見かけることも多くなりました。人気の理由はSNSとの親和性の高さ。手軽に面白い写真が撮れるため、顔をハメた写真がSNSに投稿されています。
つまり、顔ハメ看板は「利用客が無料でPRをしてくれる」ツール。コロナ禍に苦しむ観光業界を救う可能性を秘めています。全国の観光地には、今すぐ顔ハメ看板の制作を進めてほしいところですが、普通の顔ハメ看板では投稿がなかなか広まらないかもしれません。
そこで、街の面白いものを何でも集めているイラストレーターのオギリマサホさんに「バズる顔ハメ看板の作り方」を教えてもらいました。
オギリマサホ
イラストレーター。1976年、東京都生まれ。シュールな人物画を中心に雑誌や書籍で活動する。趣味は、特に目的を定めない街歩き。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)。
──さっそくですが、SNSでバズる顔ハメ看板を作りたい場合、どのような看板にするとよいのでしょうか?
オギリマ
浅草で見つけた顔ハメ看板は、三社祭で神輿を担いでいる気分を味わえます。
──祭りのにぎやかな感じが伝わってきますね。見つけたらテンションが上がりそう。
オギリマ
こちらは、大凧で有名な東近江市にて見つけたもの。伝統行事の大凧揚げに参加した気分になります。
──「ひっぱれぇー」「そおーれ」「やー」の掛け声が味わい深い。
オギリマ
実際にその場にいる感じを与えるだけでなく、顔をハメる際に表情を作りやすいかどうかもポイント。SNSにアップしたときの“映え”が変わってきます。
オギリマ
次のポイントは変身願望。普段はできない格好に変身できるものは人気がありますね。
オギリマ
福島駅に置いてある、子どもの憧れ「駅員さん」になれる顔ハメ看板です。
──子どもが喜んで顔をハメそう。仕事の制服は、いろんな観光地に置けそうでよいですね。
オギリマ
これは中尊寺にある弁慶の顔ハメ看板です。歴史上の人物も鉄板ですね。
──顔ハメ看板なら、コスプレよりも気軽に変身できるわけですね。
オギリマ
さらにコスプレでは不可能なものにもなれます。例えば、某お風呂マンガの顔ハメ看板で、全裸のローマ人になれるものがありました。
──普通なら絶対にできない格好ですが、顔ハメなら…。
オギリマ
願望を満たせます。
オギリマ
最後のポイントはシュールさです。
──シュールさというのは…?
オギリマ
「なぜここに顔が…?」というところに穴が空いているものですね。
オギリマ
三崎まぐろの顔ハメ看板です。普通なら漁師さんの顔に穴が空いているところですが…。
──なぜまぐろに…。顔ハメ看板のシュールさ、一発で理解しました。どういう角度で顔をハメればいいのかすらわからない。
オギリマ
池袋のタピオカ店で見つけたもの。タピオカになれます。
──生き物ですらなくなってしまった。
オギリマ
こうしたシュールな顔ハメ看板は、これまでにない新しい楽しみ方をもたらしてくれる存在です。
──このシュールさは、SNSで多くの人に知ってもらいたくなりますね。
「バズる顔ハメ看板」ポイントまとめ ポイント1:臨場感 ポイント2:変身願望 ポイント3:シュールさ |
──この3つのポイントを盛り込んだ顔ハメ看板を作れば、SNSでバズってお客さんがどんどん押し寄せるわけですね。
オギリマ
そこまでは保証できませんが、顔をハメてもらえる確率は確実に上がると思います。
──顔をハメてもらえないと始まりませんからね。ところで、ひとつの顔ハメ看板に3つのポイントをすべて盛り込むことは可能でしょうか?
オギリマ
もちろんできます。例えばカインズの顔ハメ看板なら、こんな感じです。
オギリマ
カインズといえばDIY。DIYをしている店員さんに顔をハメることで、臨場感を与えるとともに変身願望も満たします。
──シュールさは言うまでもないですね。
オギリマ
電動ドライバーと椅子にもなれます。
──カインズの全店舗に置いてほしい。
オギリマ
カインズ朝霞店に存在しているという売り場案内ロボット「カインズくん」バージョンも、構想は固まっています。
オギリマ
まず押さえたいポイントは臨場感。その場所に行ったという実感が得られるものは、顔をハメてもらいやすくなります。私が収集した顔ハメ看板を見ながら説明していきますね。