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目次/ INDEX
「ニスとかペンキは使ったことがあるけれど、ワトコオイルってどうやって塗るの?」
「なんかオイルって塗るのが難しそう…。」
このように、初めてワトコオイルを塗る方にとっては、オイルと聞くだけで難しそうなイメージがあるのではないでしょうか。
結論からいうと、ワトコオイルはウレタンニスやペンキなどよりも簡単に塗ることができて、DIY初心者でもきれいに仕上げられる塗料です。
今回はワトコオイルの基本的な塗り方、塗る前と塗った後の注意点やポイント、こだわり派の方に向けてより丁寧な塗り方まで現役の木工職人がレクチャー。最後まで記事を読めば、ワトコオイルの塗装について一通り学べるはず。
自宅の一室を作業部屋にしてしまうほどDIY好きな著者だからこそお伝えできる、リアルな内容をお届けします。
ウレタンニスやペンキなどと違い、ワトコオイルは木材に浸透する塗料です。表面に塗膜を形成せず、木材本来の肌触りや質感、見た目を残すことが可能。
また、ワトコオイルには浸透後に木材を守る保護性能があるため、室内の家具などの着色だけでなくメンテナンスなどにも使えます。
ワトコオイルは比較的簡単に塗ることができ、ベテランの職人でも素人が塗ってもそれほど違いなく仕上げることができる優れもの。
ですが、塗装をするために知っておいた方がいいポイントがありますので、下記をチェックしておきましょう。
ワトコオイルは容器の中で塗料が分離しているのでよく振ってください。
「缶コーヒーを飲む前に軽く振る」ぐらいでは全然足りません。その5倍以上はシャカシャカ振りましょう。
自分で作った作品に塗ってみたら、思ったよりも色が違った……というのはよくある話。
DIY中に同じ木材の端材が残っていると思うので、一度試しに塗ってみてイメージと違いはないか事前に確認してみましょう。
ワトコオイルは浸透性の塗料ですから、木材の表面にボンドやパテなどが付着していると木材に浸透せず、塗り残しのような状態に。
ワンランク上の仕上がりにつなげるためには、サンドペーパーを使って表面を丁寧に研磨してから塗装していくのがポイントです。
針葉樹ってどの木材? と思う方もいるのでは。
針葉樹とは、SPF材やホワイトウッドのツーバイフォー材や杉、ヒノキなど比較的柔らかい木材のこと。ちなみにタモやオーク、ウォールナットといった家具職人が扱う木材は広葉樹が多いです。
この針葉樹は塗料の吸い込みにバラツキが多い特徴があり、濃い色の塗料を使用すると塗りムラが目立ってしまいます。
今回は針葉樹のSPF材と杉材、広葉樹のタモ材を作って塗り比べをしながら塗り方を解説していくので、塗ったイメージも確認してもらえれば参考になるでしょう。
ワトコオイルは200mlと1Lの2種類の容量があります。
少ししか使わないのであれば200mlでいいですが、使う機会が多い方は1Lの方がコスパがよいのでオススメです。
サンドペーパーと言ってもいろんな種類があります。塗装前に使用するのは紙ヤスリか空研ぎペーパーを準備しましょう。
コスパがよいのは紙ヤスリで、削った粉が詰まりにくく使いやすいのは空研ぎペーパー。個人的にオススメは空研ぎペーパーです。
塗装前は180〜240番の粒度のサンドペーパーを使い、2度塗り後は耐水性のある耐水ペーパーを使用します。どこまで丁寧に仕上げるかにもよりますが、400〜1000番を揃えておくとよいでしょう。
ワトコオイルは浸透性の塗料ということで塗りムラが出にくいので、ハケでもウエス(布切れ)でもどちらでも問題ありません。捨てる予定の白いTシャツなどでも大丈夫ですよ。
意外とオススメなのがキッチンペーパー。何回か折って使用すれば丈夫で、ハケやウエスを買う費用を抑えられて割と便利なんです。
では、ワトコオイルの塗り方について実際に塗装している写真を使いながら解説していきます。ワトコオイルを塗る木材は下記の3種類です。
木材による違いも、ぜひチェックしてみてください。
意外とやってしまいがちな失敗を塗装前に1つお伝えしておきます。それが塗装前にやるべき作業を忘れて塗ってしまうということ。
例えば、ビスを締めたところは全て木ダボで埋めるハズがやり忘れていた! とか、穴を開け忘れていた! などが挙げられます。
塗装をしてから再度加工をすると、もう一度塗ることになるし塗りムラにも繋がってしまうので、今一度全てやるべき加工が終わっているかチェックしておきましょう。
自宅で塗る時は床に塗料が付着したら落ちない可能性がありますので、塗装をする前に下にブルーシートや段ボールなどを敷いて塗るとよいでしょう。
あとは服装も塗料がはねても大丈夫な服を着ておいた方がいいですね。ちなみに筆者はDIY時に作業エプロンを着用しました。
それではまず木材を研磨して表面を仕上げます。この時のサンドペーパーは紙ヤスリか空研ぎペーパーを使用してください。
荒さは240番がベストですが、タモなど堅い木材は180番を使ってもいいでしょう。
サンディングした粉を丁寧に落としてから塗料を塗っていきます。この時のポイントは、「薄塗りで塗ること」。
ワトコオイルは浸透性の塗料なので、厚く塗っても浸透しなければ全く意味がありません。より濃く塗装したいのであれば、厚く塗るのでなく塗る回数を増やすのが正解。
厚く塗るのは、ベタつきの原因と余計な塗料の消費に繋がるので止めましょう!
塗り終えたらある程度放置しておきます。
ワトコオイルは独特な臭いがありますので、室内で塗装をしている方は換気扇を付けたり窓を開けたりするなど、換気対策を行ってください。
放置後は、浸透しきれなかった塗料を拭き取るためにウエスで拭き取ります。この作業を怠ると塗料が固まりベタつきの原因になってしまうので注意してください。
ちなみに、この時の拭き取りもキッチンペーパーで代用してもいいですよ。
ワトコオイルは重ね塗りが基本。最低でも2度は塗りましょう。1回目の時より塗料の浸透が少ないので、より薄く塗るイメージで塗るといいでしょう。
何度も言いますが厚塗りは絶対にNGです。
次は拭き取り前の研磨をしていきましょう。塗料が塗ってある状態での研磨になるので、耐水性のある耐水ペーパーを使っていきます。
番手は最初より細かい400番を使用。拭き取る前に研磨をすることで、削った粉が細かい隙間に入り込み触り心地がよくなります。
後は1回目と同じ流れで放置して拭き取りを行います。
塗装完了後は1日以上放置して、しっかりと塗料を乾燥させます。
この時に表面の普段見える面を下にしてしまうと塗料の後が残ってしまうので、必ず見える面は上側にして乾燥させましょう。
両面見える場合は表裏と手間ですが、2回に分けて塗装をするようにしてくださいね。
ワトコオイルは塗った後の処理をしっかりと行わなければいけません。塗装後の工程も事前に確認しておいてください。
ワトコオイルは油性のオイルです。使い終わって塗料が染みた状態のウエスを放置していると最悪のケースでは、自然発火を起こしてしまうことも。ですから、夏の暑い時期など炎天下での作業後は、後処理を忘れないようにしてくださいね。
使ったウエス等は、水に浸してビニールに包み捨ててください。水に浸すというのがポイントとなります。
ワトコオイルは1週間前後塗料の臭いが残りますので、室内で塗った場合は普段使っていない部屋に臭いが落ち着くまで放置した方がいいでしょう。適度な換気も忘れずにやるようにしてください。
ワトコオイルは油性塗料なのでハケを再度使いたい場合は、うすめ液などで洗う必要があります。
DIYで使うハケならば、うすめ液を買う費用と手間を考えたら洗わず使い捨てでよいでしょう。
最後により丁寧な塗り方をご紹介します。
この作業をすることで通常は艶のないワトコオイルですが、艶感を多少出すことも可能ですし、さらに触り心地がよくなる仕上がりになります。
その作業手順が以下です。
つまり2度塗りのその先。塗る回数と、サンドペーパーをどんどん細かい番手にしていくという方法です。この作業を繰り返すことで、より塗料が浸透します。
そして、細かい番手で研磨することで表面の細かい隙間まで埋まり、ツヤツヤな極上質感の完成です。
小物などの一品に使うと2度塗りで終えた時よりも質感と見た目が明らかによくなるので、ぜひ試してみてください。
DIYで人気のワトコオイルの塗り方に関して紹介しました。
再度復習すると以下の手順となります。
ワトコオイルは木の質感を残すことができてDIY初心者でも扱いやすく、僕も大好きな塗料のひとつです。ぜひ使ってみてください。