水筒や製氷機って実は超汚い! ズボラ主婦感動のプロ仕様クリーナー
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正方形の色紙から、思いもよらない新しい立体が生まれてくる。そんな「折り紙」には、誰もが一度は夢中になったことがあるのではないでしょうか。
カインズの売り場やオンラインショップにも、いろんな種類の折り紙がいっぱい。昔なつかしい色紙タイプをはじめ、キラキラと輝くホログラムタイプや水に浮かぶタイプなど、昔はなかった素材の折り紙も登場しています。
とはいえ、所詮はチビッ子の遊び。大人が遊ぶには物足りない…と考えるのは早計かもしれません。折り紙は今、世界中の愛好家たちが「現代折り紙」や「ORIGAMI」として超難解な作品を発表するなど、大きな進化を遂げているのです。
たとえばこのシーラカンス。まさかの折り紙!
こうした難解系の折り紙ワールドを日々探究しているのが、東京大学の折り紙サークル「Orist(オリスト)」。こちらに所属する若き折り紙マスター・土井源さんに、激ムズ折り紙の楽しみを教えてもらいましょう!
さきほど登場した『シーラカンス』の生みの親、土井源さん。手に持つのは『鳳凰』(写真左)と『ナポレオン』(写真右)
──土井さん、そもそも“激ムズ”系折り紙にハマったきっかけは?
土井 小さい頃から、折り紙という1枚の平面が、ペンギンやカエルといった立体になるのが面白いと思っていたんです。本格的にハマったのは4歳くらいの時。母がゴジラの折り方の本をくれたのですが、難しすぎて折れなくて…。結局、母がお手本として折ってくれたんですけど、それが悔しくて研究し出したのが“沼”の始まりでした。
土井 その後、高校の生物部でいろんな生き物にふれるようになり、折り紙で表現してみたくて、トカゲやハリネズミなどのオリジナル作品の創作をはじめたんです。
──ハリネズミ! すでに激ムズ系の片鱗が現れていますね。ほかにはどんな生き物を?
土井 あります。いま我が家で飼っている「ミッキーマウスプラティ」という熱帯魚も折り紙にしました。
土井家の愛魚をモチーフにした作品『ミッキーマウスプラティ』。世界中の折り紙作家の作品を集めた『第25回折紙探偵団コンベンション折り図集 vol.25』にも折り図が収録されている
──愛情が形になっているんですね。とくに尾びれの技巧がすごい。
土井 これは“インサイド・アウト”という技で、内側の紙の色を表面に出しているんです。基本的に折り紙は最大2色の表現になりますが、紙を複合的に使って3・4色を表現する人もいますね。
──そんな技があるんだ! 「Orist」では折り方を教えあうこともあるんですか?
土井 コロナ禍の影響でオンラインでの活動になってますが、ビデオ通話で折り方を教え合う講習会をしているんです。教えてもらえる作品はどれもハイクオリティで、作っていてとても楽しいですよ。
──土井さんは、折り紙のどんなところがお好き?
土井 折っている最中の、いわば“さなぎ”のような状態に、とても美しい瞬間が現れることがあるんです。紙が幾重にも重なっていく瞬間が、特にきれいなんですよ。たとえばこんな風に…。
折って見せてくれた土井さん。パタリときれいに畳める一方で、ひらけばまるで立体的な器のよう。細かく入れていた折り目の辻褄が、ぴたりとあって気持ちいい
──計算し尽くされたかのような幾何学模様が浮かび上がってきましたね。
土井 こういう時は「もうこれ以上折りたくない」と思う一方で、「どういうふうに仕上げようかな?」とワクワクしたりもして。美しさと可能性を感じられる、この瞬間が好きです。
──ちなみにその“折り紙好き”、日常生活に影響は?
土井 飲食店だと、ついつい箸袋を折っちゃいます。トイレットペーパーも折っちゃうし、菓子パンの袋なんかも。でも洋服を畳むのはテキトーなので、みんなに「なんでそこは雑なん…?」ってよく言われます(笑)。