【しまう前に】汚れびっしりの加湿器をクエン酸でつけ置き掃除
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目次/ INDEX
梅雨が明ければ夏本番、屋外の灼熱世界から部屋に帰りついても、エアコンが効くまでには時間がかかる。いまどきは、スマホとスマートリモコンを使えば帰宅前からエアコンの遠隔制御もできるのだが、それでもルームウェアに着替えて、「さぁ! 冷えたビールを飲もう」と勢いよく冷蔵庫の扉を開ける期待感ったら、ほかにない。
……冷やし忘れていなければ!
尊敬して止まないロックバンド「ムーンライダーズ」も『冷えたビールがないなんて』と歌っているではないか。目の前にぬるい缶ビールしかないときの絶望感よ。
というわけで今回のお題は「缶ビールを短時間で冷やす!」だ。
冷やす前にまず、缶ビールの容器について考えてみよう。
缶ビールを部屋に置いたまま冷やし忘れていると、2~3時間でほぼ室温(夏は30℃近く)になる。缶ビールの容器「缶」の素材は、熱伝導性のよいアルミニウムであり、その厚みも、もっとも薄い胴の部分だと0.1mmしかない。
金属 | 金属以外 | ||
素材 | 熱伝導率 | 素材 | 熱伝導率 |
銀 | 418 | コンクリート | 1.6 |
銅(純銅) | 386 | ガラス | 0.5〜0.8前後 |
金 | 295 | 水 | 0.602 |
アルミニウム | 204 | 木材 | 0.2前後 |
白金(プラチナ) | 70 | プラスチック | 0.1〜0.3 |
鉄(純鉄) | 67 | 断熱材 | 0.1以下のもの |
チタン | 17 | 空気 | 0.024 |
出典:「理科年表 2020 国立天文台編」(丸善出版)
熱伝導率とは、物質の熱の伝わりやすさを数値化したもの。金属は総じて熱伝導率が高いが、低コストで身近なものではアルミニウムの熱伝導率が特に高い。つまり、ビール缶は熱しやすく冷めやすい素材でできているのだ。
急いで缶ビールを冷やすなら、冷凍庫に入れるのもアリかもしれないが……。冷えやすい缶ビールでも適温になるのに30分はかかり、寒冷混濁(かんれいこんだく)の心配もある。寒冷混濁とはチルヘイズともいい、ビールに含まれる麦芽やホップ由来の成分が低温で結合して、微粒子や濁りのもとになること。3℃を下回ると発生して、0℃以下で目立つようになり、泡立ちが悪くなってビールの風味が少し損なわれてしまう。
そのうえ、冷凍庫の内壁や、中に入れてある保冷剤やアイスクリームに接していると、その部分が急に冷えてしまって凍結混濁(とうけつこんだく)の心配もある。凍結混濁とは、凍ったときにビールのタンパク質や炭水化物が変質してしまい、解けても濁りとなって残ってしまうこと。マイナス3℃以下で発生し、炭酸が抜けて味も著しく劣化する。さらには、缶が破裂する可能性もある。
やはり、冷凍庫で冷やすのはナシだろう。